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内政干渉

2005年06月09日 | コ ラ ム
 靖国参拝・教科書問題での中国からの抗議の意を示す言動に対して、小泉首相をはじめとして多くの政治家が「内政干渉だ」と一刀両断に切り捨てアジア軽視の外交に終始しています。

 国家の主権は尊重されるべきであり、それを他国が侵害することは許されないことであるという一般原則は誰もが理解できるものではありますが、同時にグローバル化時代では、国家主権は程度の違いはあれ相対化されざるをえないものであることも理解する必要があるのではないでしょうか。

 ▲EU憲法▲の批准を巡って、フランスでの国民投票の結果、賛成45%、反対55%の大差で憲法批准を否決されたのも事実ではありますが、EUの動きはグローバルな課題の解決には国家は小さすぎることを表しています。(逆に、国家はコミュニティの問題を扱うには大きすぎるので地方分権が求められている。)また、アメリカのように「ならずもの国家の体制転覆」というのは極端すぎるにしても、現実のシビアな外交において「内政干渉」拒否の一点張りでは、国益を損なうばかりか、国際社会の平和と安定にとって非常に有害です。
 例えば、北朝鮮が核兵器を保有する(していること)に対して、世界の安全保障にとって好ましくないと批判することは、果たして「内政干渉」なのでしょうか?!  
 最近では、中国に対してだけではなく、衆議員議長の河野洋平氏が、首相経験者を集めて靖国問題について会談し、その総意として国益のため自粛すべきだとの進言をおこないました。そのことに対して、安倍晋三幹事長代理が「三権の長として立場をわきまえるべきだ」と釘を刺す発言をするに至っては、「内政干渉」どころでは無い極端な話しになっている状況です。これに対して、後藤田正晴元代議士でさえも政治の危機だとの認識を示しています。ところで、シンガポールのリー首相は「靖国参拝は日本にとって一つの決断だが、コストが伴う。東アジアの反発を買う」とコメントしていますが、現状の過去指向(未来志向ではなく)では、日本の国益は決定的に毀損されてしまいます。



ゼミナール日本経済入門

 そこで、現実的に日本と中国やアジアとの経済関係がどのようになっているのかを確認するために、「ゼミナール日本経済入門」(2005年度版)を読んでみました。

 本書の「日本経済TODAY」という項目の中で、日中の貿易関係について財務省が発表した2004年の貿易統計で次のように分析しています。

~貿易黒字は、前年比17.9%増の約12兆100億円となり、3年連続の増加で、輸出が契機の下支えをしている姿が確認された。だが、2004年の貿易統計からは、もうひとつ重要な事実が明らかになった。輸出入合計の貿易額で見ると、香港を含む中国との貿易額が過去最高の22兆2000億円に達し、初めてアメリカとの貿易額20兆4800億円を上回ったことである。 

 このように、日本の経済を支える貿易に関して、中国との貿易額はアメリカとの貿易額を越えています。 そして、その要因として次の3点が指摘されています。

 1.中国経済の高度成長(2004年は、9.5%)
 2.中国のWTO加盟などで、日本からの生産拠点が高水準で推移している
 3.両国の水平分業化が急速に進んでいる  


また、アジア全体の貿易額についても、次のとおり全体の47%を占めるまでになっています。


日本の地域別貿易構成比(貿易統計)
※貿易額は輸出入の合計2004年 合計110兆円



 このような状況を省みず、個人の情念のみを押し通すとは恐れいります。 (;´o`)  郵政問題も、これと同じだなぁ~。・・・ 

 ちなみに、郵政民営化に反対する議員は推薦しないとの公明党の見解に対して、自民党の亀井静香氏は「党内干渉」という言葉を使って反発しています。  
(自治会に関する連載は、後日再開します。)

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