蓄音機&写真 気ままなBlog

気ままに更新してます

町内会WEBサイト

2006年04月21日 | 学習ノート
 先日、アクセス解析をしていて分かったのですが、「町内会Webサイトの実態と課題」と題した研究論文を公開されている武藤さんのHPに当ブログへのリンクを貼っていただいていることが分かりました。
 どうもありがとうございます。 ▲町内会 Webサイトの実態と課題▲

 私もこの論文を拝見させていただきましたが、町内会でのホームページ等の運用に大変参考になると思いますので、一読されることをお勧めします。

 なお、当サイトの町内会(コミュニティ)に関する記事は、左のメニュー「記事分類」の「学習ノート」をクリックしていただくと表示されるようになっています。
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ブログで電子会議室!

2005年08月04日 | 学習ノート
 ブログを活用して市民電子会議室が構築できないか考えています。
 というのも、一般的な電子会議室では開設からある程度経過した会議室に新規参入するのは非常に難しいという問題や、不適切発言の処理の問題、管理責任の重さなどがあり、一方で発言の自由度やコミュニケーションの拡大が必要だと思うからです。
 今日は、簡単なサイトイメージを作成してみました。(右の絵をクリックしてください。)

(参考)
▲イントラブログ▲
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これまでのコミュニティ施策

2005年06月29日 | 学習ノート
 本日、新会社法が参院本会議で可決、成立しました。施行は来年からだそうですが、有限責任の出資者だけで構成される「合同会社」が新設され、有限会社を廃止して株式会社に一本化した上で、株式譲渡制限会社」と「公開会社」の2種類に分けるなど、これまでのしくみが大きく変わります。この件については、後日詳しく調べてみたいと思います。 ▲毎日新聞の記事▲


 さて、当ブログではこれまで地縁組織について連載してきましたが、その理由(問題意識)は、次のとおりです。

1.地方分権社会が進展する中で、地縁組織がどのような役割を担いうるのか、また役割を担うためにはどのような課題があるのかを整理する。
2.ローカル・マニフェストを策定し実行していくためには、自治体政策における地縁組織の位置づけを整理するこが不可欠。
3.現在の政治・社会の構造を変えていくためには、最も身近な「自治」というところからのアプローチが必要。
4.地域通貨おうみ委員会の基本活動である地域通貨について、コミュニティでの活用の可能性を探る。
5.職業柄、自治体におけるコミュニティ施策のありようについて考える必要がある。



 ということで、今日はコミュニティ施策という面からその問題点について調べてみました。
 参考図書は、地方自治政策Ⅱ「自治体・住民・地域社会」(編著者:倉沢 進)です。

 コミュニティ施策の出発点となった国民生活審議会の報告「コミュニティ ~生活の場における人間性の回復~」(1969)について、本書は次のように分析しています。

「自治体・住民・地域社会」(第1章「地域生活とコミュニティ」)より引用
 この報告書が示しているのは、日本の伝統的な地域社会の在り方を現代社会に適合的でないとして、一方で伝統回帰を否定し、他方で現状批判にもとづいてコミュニティを推進しようとする立場である。

 ―中略―

 このような認識に関しては、さまざまな評価と批判があり得る。一つには、伝統的な地域社会は本当に崩壊したのか、町内会・自治会が全国的に高い組織率をもっているなど、日本の伝統的な地域社会は健在ではないのか、という見方である。一つには都市社会学者の間にも、人々は多くの人間関係に囲まれて、現在でもそれに満足しており、孤独感をもった人は少数派であるという反論がある。
 さらに、事実に関する認識ではなく、当為、つまりどうあるべきか、どうすべきかにかかわる異論である。もっとも人々は孤独であって良いという見方、人間関係が必要であることは認めるにしても、地域社会の中で求められる必要はないという見方もある。地縁的というよりも、関心縁的な関係の方が、人々が求めるものであるという社会学者のなかに多くの支持者を持つ見方がある。関連するもう一つの異論は、地域生活の在り方のような問題は、人々の自由にまかせるべきであり、審議会提案などによって推進されるべきではないという考え方である。この見方から以後進められたコミュニティ施策を「行政主導」として批判する立場は有力であった。



 伝統的地域社会(農村共同体的地縁組織)が崩壊し、都市型のコミュニティ形成が求められるというのは一般的(特に、草津市のように都市化が著しいまちに住んでいる私たち)には「そうだなぁ」と思えるのですが、実際には伝統的地域社会が健在な地域も多くありますし、町内会の組織率は低下傾向にあるとはいえ、崩壊している状態であるとは言えず、伝統的地域社会では都市化傾向の強い地域よりも活発な取り組みが行われているのも一つの事実です。
 また、現代都市社会では人々は様々な形での相互関係を持っているので、マイナス面として孤独感を持っているというのではなく、あえて孤独(干渉から逃れる)を求めている人が多いようです。特に、マンション住まいの人の中には、地域のしがらみから開放されたいがために一軒家ではなくあえてマンション住まいを選択する方々もいます。さらに、コミュニティの問題に行政が介入すべきでは無いとの意見も妥当な見解です。

 しかしながら、現状が最善であってそれを変えるべき社会環境の変化が無いのであれば別ですが、そうでないとするならば次善の策を講じることが当然です。また、政策そのものを否定することには賛同することはできません。何故ならば、これだけ複雑化した社会状況において、すべてを自然にまかせるだけで問題を放置するならば、例えば地球規模での自然環境保全の問題や人口問題、南北間の経済格差、雇用の問題、少子高齢化問題、多発・凶悪化する犯罪問題等、を解決することはできません。これと同様に、政策をおこなうこと自身を否定することはできないからです。
 また、NPOに対する施策にしても特定非営利活動促進法もその一つですが、それ以上に自治体の適切な施策によって、その可能性を開花させることが求められているのと同様に、そうしたことも含めたより洗練されたコミュニティ施策が求められていると思います。

 では、これまでのコミュニティ施策がどのように行われ、その問題点はどこにあるのかを考えてみることにします。

 本書では、このことについて次のように記述しています。

「自治体・住民・地域社会」より引用
 国民生活審議会のコミュニティ小委員会報告以来、コミュニティ形成を目標とする行政施策が全国各地で展開されるようになった。その中で先導的な役割を果たしたのは、自治省のモデル・コミュニティ施策であった。1971年度から始められたこの施策は、各省の類似の施策の基準ともなり、また全国の市区町村のコミュニティモデルともなった。そしてこの施策が、コミュニティ・センターの建設を中心的な事業としていたことから、コミュニティ・センターの建設は、これをきっかけに全国的に広がった。


 つまり、コミュニティ施策として取られた方策は、コミュニティというソフト面での施策であるはずのものが、ハード整備を中心に行われたことが問題なのです。
 これと同じような事例は、今でも数多くあります。例えば農林水産振興の事業については、農道をつくったり用水工事をしたり、ダムや港を整備したりといったものが中心に行われています。こうしたハード中心のコミュニティ施策になった理由に一つとして、本書では先ほどの引用のあとに続けて次のように記述しています。

「自治体・住民・地域社会」より引用
自治省は1971年「コミュニティ(近隣社会)に関する対策要綱」を公表する。これは自治体施策先導のため、モデル・コミュニティの指定、整備を行うものであった。具体的には小学校区を標準とするモデル地区を選定し、地区の特性に合わせた生活環境整備と、住民の自主的なコミュニティ活動を促進することであった。当初は市町村が物的施設計画を立て、住民がコミュニティ活動に関する計画を策定する事とされたが、この施策への助言のため自治省に設けられたコミュニティ研究会の意見により、コミュニティ計画は住民の自由意思によるべきもので、行政側がこれを取り纏めることは不適当とされ、市町村のまとめるコミュニティ計画からは除かれることになった。

 
 確かに、行政がコミュニティの自由な意思を尊重せずに行政補完組織として利用することは避けなければならないという点では正論だと思うのですが、「コミュニティ計画とは施設計画であるという誤った認識を、市町村に与える結果をもたらした。」という面もあったようです。

 コミュニティ行政の矮小化によって、ハードや形式的な施策を実施すればコミュニティ施策は終わりだというのでは、まさしく「仏つくって魂入れず」です。

 このコミュニティ行政の矮小化について、本書では次のように批判しています。

「自治体・住民・地域社会」より引用
 矮小化の最大の理由は、これまでの行政慣行と、コミュニティの理念との矛盾である。コミュニティ研究会は、センター建設そのものを、コミュニティイシュー(地域社会で、住民・行政が解決すべき問題点)として位置づけ、このイシューを梃子としてコミュニティ活動の活性化を図ることを提案したが、単年度予算の消化に追われる自治体は、住民参加といってもせいぜい1、2回の住民説明会を開いて要望を聞くという程度に終わった。自主管理、自主運営は慣例にない、公の施設を特定の住民が占有物にしては困る、行政がきちんと管理すべきではないか、などの戸惑いが生じた。住民の総意による運営にするためには、町内会始め各種団体の代表からなる協議会方式が無難とされ、原則個人参加の協議会による管理、有給ボランティアによる日常管理などはなかなか実現しなかった。


 このように、かつてのコミュニティ施策には様々な問題点があるようです。しかし、一方で地域住民が地域の問題処理に参加し、意思決定を行う単位としてコミュニティを認知・促進し、その活動を行う上での物的基礎ができたという面では、これを今後活かしていくことができればプラス面として捉えることができるのではないでしょうか。

 ちなみに、コミュニティ施策については時代によって変化してきています。
 そのことについて、日本都市センター自主研究(平成12 年度)報告書『近隣自治とコミュニティ~自治体のコミュニティ政策と「自治的コミュニティ」の展望~』では、過去のコミュニティ施策とその変遷を次のように整理しています。

「近隣自治とコミュニティ」より抜粋
○第1期(包括型コミュニティに重心:1970 年代)
 ・包括的・総合的な地域課題や政策テーマに対応
 ・伝統的な住民自治組織とは異なる開かれたコミュニティ組織を志向
 ・コミュニティ施設整備に重点

○第2期(テーマ型コミュニティの誕生・形成:1980~90 年代)
 ・包括型コミュニティと並行して、まちづくり、地域福祉、防災等、個別のテーマに対応
 ・自治会・町内会中心型、NPO・ボランティア中心型等、構成メンバーは多数

○第3期(自治的コミュニティ:2000 年代~)
 ・再び包括型へ?(第1期と第2期のドッキング)
 ・多種多様な個別の政策テーマを重視しながらも、地域の総合的な視点から、住民自治・近隣自治を確立していくことに重心が置かれる時代
  ・近隣自治機構の仕組みが要請されている。
  ・市民と行政との緊張感あるパートナーシップが重要
  ・自治会・町内会は構成員の一員


  
 今日は、ここまでにします。
 次回は、今後どのようなコミュニティ施策が必要なのか、またその中で地縁組織はどのように位置づけられるのかを考えていきたいと思います。(つづく)
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AGIL図式

2005年06月25日 | 学習ノート

 昨日のブログで、町内会の歴史について一部引用させていただいた著書「町内会研究」(御茶の水書房)には、現状や課題等についても非常に詳しく分析されています。
 そこで今回は、この著書の現状分析の部分を紹介したいと思います。
  
 地縁組織の特質は、その大半が世帯単位での加入であり、強制ではないにしても基本的には住民すべてが加入することが原則とされている点です。また、新興住宅地等は別としても地域の歴史や伝統に基づいて活動している場合が多く、会長をはじめ構成員も高齢者が多いことから、どちらかというと保守的要素が強く、新しい課題へのアプローチは得意としない場合が多いようにも感じます。
 こうした地縁組織の問題について、T・パーソンズの考案したAGIL図式に基づき本書では次のとおり問題点を分類しています。 (九都市調査の質問票の自由記入欄に記されたものが分析の素材)


著書「町内会研究」より抜粋

(1)G 「共同生活の環坑・条件の保全」にかんする問題

a 活動内容の問題

 「町会の婦人部副部長を一〇年しましたが、ただ研修と称して旅行や観劇会くらいしかできませんでした。」

 共同生活を守り、発展させるという町内会の目標活動が、一応の水準のもとで充足されると、レクレーション活動
中心のものになってしまう、ということに対する批判的意見がある。

(2)I 「町内社会の統合・調整」にかんする問題

a 伝統主義による拘束や停滞の問題

 「団結が固いのか既成の雰囲気が排他的で新しい芽が出にくく進歩が難しい。」
 「前年と同じことをやらなかったり、何か別のことをやろうとすると上から頭を押さえられた。」

b よそ者意識、排他主義の問題

 「"よそ"から来てその土地の人々の考え方の中になかなか溶け込むことができず、かなりのストレスになっていま
す。」

 「四年前に引っ越して来たが、近隣の十軒程度にタオルを持参し挨拶回りをしたが、何ヵ月かの後、地区長が住んで.
いる隣の筋に住む人々から、"挨拶がない"との声が流れてきて、さらに挨拶回りをしたが、非常に不快であった。」

 「町内会活動については単身でしかもアパート住まいの私共では、どうしても入って行きにくい所です。」

(3)L 「合意形成と共同感仙の衰出」にかんする問題

a 運営の非民主性、ボス的な支配の問題

 「画一的であり、集団支配的であり、封建主義の匂いすら感じることが多々有る。真の自由、個性、民主主義の理想、個人の幸福とは何か、をもう少し考えるべきである。」

 「住民にとって必要な環境保全以外の、催し物(盆踊り、夜店など)に、役員に輸番制でなった時に義務づけられる
のは、行き過ぎと感じる。実行委員という形で参加の要あり。」

b 相互信頼、人間関係の問題

 「人間関係の難しさは常に感じる。派閥ができやすいとか、すぐ感情的になるとか人間として、杜会人として未熟な
人が多い。また、心で思っていることと言うことが違ったりして、ずいぶん悩んだこともあります。」

 「皆一人一人立派なことを言うが、その意見がどのような内容をもち、どのように波及するかなど先のことを考えな
い意見が多く、それらが勝手に交じりあい、とんでもない塗言が飛び交ったりして惑わされることが多かった。」

c 住民の揚力が得にくい、役員のなり手がいないという問題

 「運動会などで参加をお願いしても、休日返上までしてやることはない、というようなことで協力が得られない」

 「マンション管理組合の総会を行っても全四〇戸から出席者は一〇人弱でいつも決まった顔触れです。なかなか役員
を受けたがらない。」

 「役員はみんなが順番を受け持つという風習(ホッペタマワシ一があります。そのようなことだから、一期間名前を
連ねればそれで良しという考えのものが多い。」

 「役員といっても仕事はすべて妻がやることで夫の協力が得られない、または夫が協力することができないような運
営方式はおかしいと感じる。」

 「町内会でもPTAでも役員だけが本気で働いて、町内の人が行事に参加してくれない。自分の趣味であれば対外的
なものにも積極的に参加するのに。」

 この点はどの町内会でももっとも悩みの多い問題であり、上田市では、「役員のなり手がいない」三〇%、「会員の
関心が弱い」二三%(複数回答)であり、同じく、寝屋川市では五四%、三八%、津山市では三七%、二一%である。

d 信教の自由の問題

 「わが町の二五年の歴史のなかで、個人的に役員が持ち込んだ地蔵盆や隣町の氏神にたいしての寄付や奉仕に、ある
程度の強要のようなものがあり、住民の三分の一くらいが反発している。私も役員会において宗教の自由をおかしてはいけないと発言し、それ以後三年余りは宗教的行事は別サイドに役員をつくり別行動をしていたが、役員が改選され再び町内会と宗教的行事がいっしょになったりするので困っている。」

(4)A 「公的・共同的資源醐違」にかんする問題

a 町内会費にかんする問題

 「組長になり、区費などのお金を集めるとき居留守をされたり、何度訪ねても留守、お金を立て替えた後でもらえなかったりで、お金がかかわると大変です。」

 「町内会会費の値上げに苦労した。」

 なお、「十分な予算がない」という会長は、寝屋川市では三二%、津山市では五一%である。

b 寄付の問題

 「寄付金など、自治会長から額を提示される。」

 「赤十字だの赤い羽根など五〇〇円以上とか一〇〇〇円以上とか決められています。個人の自由を無視しています。
けれど、"払わない"という勇気はありません。」

c 行政などからの依頼業務が多すぎる

 この点については、意見の表記がなぜか見られなかった。しかし、これに対する不満は非常に多いと思われる。た
とえば、町内会の全市的体制のある上田市においては五二%の町内会が悩みとして指摘している。また、寝屋川市で
は二四%、津山市では一七%である。

c 特権を私的に利用する役員が生じる

 「自治会長などが市会、府会選挙に関与していることが多々あるように思う。また、市、府発注の土木建築工事などにも一定の業者を推薦し、受注しやすく手伝ってワイロを受け取るなど……」



 本書の書かれたのは1989年ですが、今でもこうした問題に類似することが見受けられる町内会もあるのではないでしょうか。
 しかし、全国にある町内会のすべてを一律的に図式化して語ることは避けるべきです。
 
 NHKの▲「難問解決-ご近所の底力」▲という番組では、地域の様々な問題を町内会などで解決している様子が伝えられています。この番組に出てくる町内会は、地域のために一丸となって創意工夫をし、活動している方々も新しい取り組みへのチャレンジを活き活きとした表情でされています。
 
 また、最近のTVドラマでも(殺人事件というショッキングな事件を通してではありますが)熱血の自治会長が奮闘している姿をテーマにした番組もありますが、実際にこういう雰囲気で活動している町内会もきっとあると思います。
 
 今後、町内会に対して少なからず存在する「できれば避けたい」という感覚(一種の「アレルギー」かも)を払拭するような工夫も必要だと思います。
 
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未来指向で!

2005年06月24日 | 学習ノート
町内会の研究の基本スタンス (昨日のつづき)

 これまで、自治会について何度かに分けて資料収集や検討を行ってきました。
その中で感じたことは、地方分権が推進される中で、これが単に国から地方に権限が移譲されるだけでなく、地方自治体の主体者である市民が自己決定と実現のための担い手となるのであって、これにより住民自治がより進んでいくということから考えて、自治会の役割やそれへの期待は益々高まっているということです。
 一方で、自治会は過去に権力に利用されたり保守的傾向の強い政治基盤として存在していたことや、人々の生活スタイルや考え方の多様性によって活動基盤が揺らぎはじめており多くの課題を抱えていることも分かってきました。
 
 また「自治会とは何か」ということについては、一元的にとらえることはできません。というのも時代や地域、その社会状況によってその性格が大きく変化しているからです。
 例えば、京都では当初は自治組織として形成されたものが信長によって統治のための補助組織へと変化しました。

 このことについて著書 ▲町内会の研究▲ (御茶の水書房)では、次のように記述しています。 

 
「町内会の研究」より引用
 京都では応仁の乱(1467年~77年)の廃墟の中から、暴力に対抗し生活の安全を守るために隣保団結の地域団体である『町』が結成されていった。条坊制の『町』とは異なって、交差する街路をもって区切られた、街路をはさむ両側を以って一町を形成していったのであった。戦国の世にあってこれらの町はさらに『町』の結合体たる『組町』を形成し、上京五組、下京三組をなし、それぞれ『上京中』『下京中』として連合体へと発展した。このような町は、十四世紀以来成長してきた封建的自営農民によって結成された相互扶助の自治的な共同体組織=『惣』結合に応ずるものであり、都市に成長してきた商工業者、金融業者たちの座的な組織の前身としていた。土一揆や武士の狼ぜきにたいする防衛の中で商工業者、金融業者と一般住民の連携が進み、地縁的な自治組織たる『町』を形成したのであった。しかし、信長入京によって事態は大きく変貌する。信長の意向に対抗した上京は焼き討ちされ、その圧倒的な武装力の前に屈服させられたのである。信長はかえってこの町組組織を統治の手段として利用した。犯罪人の告発逮捕、地子銭の徴収、労役賦課、御貸米の利米の収納など。ここに、町組は自治・自衛の住民組織から行政機構の補助組織へと大きな変化をこうむったのである。

 
 歴史的に見る、と農村での「惣」や都市部での「町組」などといった自治組織として形成された側面がある反面、時の幕府や戦時下では大政翼賛会の一翼を担ってきたのも歴史的事実です。
 しかし、町内会を過去の時代に引き戻してその是非を語るというスタンスをとることはあまり有益ではありません。
 町内会等の地縁組織は、NPOや諸組織と並んで分権型社会においてコミュニティ再生を担う大きなアクターとして欠くことのできない存在となっているという現実そのものから出発し、また実際の活動実態を詳しく分析することによって本質的側面を理解し、まさしく未来指向で今後の発展方向を模索するという姿勢を持つことが大切だと思います。
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新しい公の領域

2005年06月19日 | 学習ノート
 午前中に、山口地域まちづくり協議会(愛知県瀬戸市)の視察がありました。
 同協議会は、学区を単位としていますが、各自治会から推薦された方が協議会の委員として活動されていて、現役世代の方々が中心でした。
 こんな雰囲気の活動なら参加してみたいと思えるような朗らかで、かつ溌剌としアクティブな姿勢に、学ぶべきものが多いと感じました。

 さて、今日はこれからの新しい公の領域やその担い手について考えていきたいと思います。

 

 わが国では、国と地方が抱える長期債務残高は2005年度末には774兆円(対GDP比151.2%)を超えます。 ▲国及び地方の長期債務残高(PDF)▲  ▲リアルタイム財政赤字カウンター▲



 また、犯罪・災害被害の増大、ごみ・環境問題や少子高齢化社会の進展、グローバル化に伴う様々な問題への対応やニート問題や社会保障制度の破綻状況の打開など、公共的課題が増大する一方です。
 
 そうした中で、国と地方の役割を再編する地方分権が進んでいますが、このことに伴って地方自治体の業務範囲を根底から見直す必要が出てきています。
 地方自治体は、財政や運営方法を再編成していく上で、新しい公共のありようが根本的に問われると同時に、地域を構成する様々な主体との機能・役割分担が求められています。そういう意味で、地方分権は自治体内における分権をも伴うものです。

 増大するパブリックな領域を誰が担っていくのかということの分析について、三重県総合計画(県民しあわせプラン)では、次のように整理しています。▲県民しあわせプラン▲


「県民しあわせプラン」より抜粋
 私たちが自主的に地域に関わり、地域をつくっていく地域主権の社会においては、地域の課題解決を行政だけに任せておくのではなく、県民自ら取り組むことが重要になってきます。
 これまで「公的領域は行政が担うもの」と考えられてきましたが、これからは、県民も行政と共に「公」を担う主体となるという考え方が、新しい時代の「公」の考え方です。新しい時代の「公」のあり方のもとで、「行政が担う『公』」の内容を見直すとともに、県民、行政など多様な主体が担う領域についても、社会全体で支えるしくみを整えていくことが必要となります。
 「行政が主に担う領域」は、社会基盤整備、制度・しくみ・環境の整備など行政が整備した方が効率的であることや県民では担えないような公共サービスの提供などを県民の付託に基づき、行政が主となり担当する公的領域を表します。「行政が主に担う領域」においては、国、県、市町村が役割分担のもと、個々の取組に応じた県民などの参画・協力を得て、業務に従事します。

 「多様な主体で担う領域」は、行政も含めた地域の多様な主体が、役割分担のもとで、協働しながら共に担う公的領域を表します。具体的には、自然環境を守り育てる活動、子どもたちが健やかに育つための地域での取組など県民が主となって行い、行政が支援する地域のための多様な「公」の活動が考えられます。

多様な主体とは…県民一人ひとり、NPO、地域の団体、企業、市町村、県など地域のために活動する個人、団体などのことを総じて、「多様な主体」と表しています。



 増大するパブリックの領域を、かつてのように行政のみが担っていくことはできません。そこで、多様な主体が相互に連携しながら新たなパブリックな領域を担っていくことが求められているのです。
 
 

行政が主に担う領域の具体例

  行政が主に担う領域には、法制度上必要なものと市場社会において必要とされる処置に関するものなどがあります。


1 法令制度・行政制度 

① 法令等に基づく権限行使に係る事務事業(例:許認可、免許取消し、是正命令、税の賦課等)
② 首長が自らの名において行うのでなければ成立しない事務事業(例:表彰)
③ 住民の生命・身体・財産等の保護に係る事務事業(例:災害危機管理)

2 経済原則の観点から

① 公共財
不特定多数の者に受益があり、価格に換算不可能なもの。市場ベースでは、その費用を回収することが困難なもの(例:道路、公園、文化施設等)

② 外部性
(市場原理の)外部性が存在(市場取引が成立せず、価格付けを行うことができないもの。
(例:環境問題への対応)

③ 市場の不完全性
市場の情報が偏在していることにより、適切な選択が行われないなど、市場のメカニズムが働かないもの
(例:消費者保護のための規制、情報提供)

④ 公平(シビルミニマム)の確保
地域間・産業間・世代間の公平を確保するため、産業の保護育成事業や所得再配分等を行うもの
住民が健康的で文化的な生活を享受するために不可欠な最低限の基準を確保しようとするもの
(社会的弱者への支援等)

⑤ 独占
市場で特定の企業が独占力を持っている場合に、価格や供給量が適正か行政が監視し、規制や指導を行う必要があるもの

3 その他
① 社会生活のルールづくり
条例、規則、要綱等の制定等

② 政策・施策の立案・決定
道路ルート、税の減免等

③ 行政機関の存立のために必要な内部事務等
予算・決算・人事・組織等


 
 行政と市民の役割の区分や協働の領域について、次の図に分かりやすく示されています。
 






 
 以上のとおり、「公(=パブリックな領域)」は行政だけではなく、自治会やNPOなども含めた多様な主体で担うことが求められている中で、実際に誰がどのように担うのか、またその担い手づくりのためにどのような施策が有効なのかということを本格的に論議することが必要となっています。
 
(つづく)

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学区コミュニティの運営

2005年06月18日 | 学習ノート
地方自治体内分権を担う主体としての自治会

 自治会等の地縁組織は、居住地によって構成メンバーや活動範囲を区切って、生活全般に関わることを網羅しています。また、これまでの長い歴史や実績から地域の代表性を有している唯一の組織と考えることもできます。一方で、自治会等の地縁組織は行政の補完的役割を果たしてきたことから 「行政の下請け組織」 という側面や、運営面でも非民主的側面を残している部分もあるため、否定的に考える人もいます。そういう中で地縁組織の運営を開かれた民主的運営にする努力を伴いながら、その特性を活かして地方自治体内分権を担う主体として確立してくことが求められています。取り分け、学区コミュニティについては 「地域を包括する組織である町内会・自治会の発展」 として位置づけ 「学区単位の自治活動の充実・発展を基礎にして、地域住民組織の主体的な取り組みと行政との連携の強化によって地域自治を確立していく」 ことによって、地方分権の受け手となることが期待されています。
 
 では、学区コミュニティの運営においてどのようなことを留意しなければならないのでしょうか。
 このことについて、先日紹介した▲「分権時代にふさわしい滋賀ならではの新しい自治の形づくり」(身近な自治研究会)▲では次のように示しています。


「分権時代にふさわしい滋賀ならではの新しい自治の形づくり」より抜粋


(2)学区コミュニティ組織の運営にあたって
学区コミュニティ組織の運営にあたって留意すべきことをまとめます。

① 学区における自治の機能を高める
1) 生活充実型から課題解決型の活動へ
住民自らが、自分たちが地域課題を解決していく担い手として自覚し成長していくことが求められます。
2) 住民の意見集約
学区エリアに住む住民それぞれの意見を反映し、すべての住民が参加できるような体制・仕組みを作っていくことが求められます。
3) 自治会との連携、補完
単位自治会が蓄積してきた活動をベースに学区単位の活動につなげていくこと、また、学区コミュニティの活動と自治会の活動、両方が支え合って厚みのあるコミュニティを形成していくことが重要です。

② 個人やNPOが力を発揮できる環境づくり
自覚を持って活動している個人やNPOがコミュニティで力を発揮できるようにするためには、風通しのよい地域の人間関係づくりが大切です。
地域の中の個人や組織がつながり、また地域外の専門家や活動団体などとも交流、協力し合えるような関係を築くことが、地域に活力を生み出すことにつながっていきます。

③ 多様な主体が参画できる環境づくり
NPOやボランティアも含め、多くの組織、グループが結集できる仕組みが必要です。そのためには、地域全体のことを考え、地域に立脚した立場で、それぞれの団体をつないでいくコーディネーションが行える主体づくりが重要です。
また、意思決定の過程では、なるべくコミュニティを構成する会員の意思が反映される仕組みとしつつ、実行の段階では専門的な部会やグループに思い切って任せるような仕組みも有効と思われます。

④ 行政の関わり方
地域の課題解決を住民自らが担えるようなコミュニティの形成が求められています。
地域の自立心をはぐくむためには、住民側の高い自覚がなくてはなりませんが、行政側もこれまでの自治会依存の行政スタイルから脱却していかなければなりません。
また、地域と行政の関わり方は、地域特性があり一律にはいきませんが、地域の実態や地域資源、住民のニーズを把握し、住民活動を支援していく、そんなパートナーとしての新たな関係づくりが求められています。



 学区単位のコミュニティ推進については、従来から国や自治体がモデル地区をつくったりしながら推進してきたものですが、その基礎的要素である自治会・町内会が古くから地域に住んでいるボス的な人たちによって運営されたり、新しく移り住んできた人たちや従来と違ったスタンスの活動が受け入れられにくかったり、また運営改善に向けて意見が出しにくいといった状況を払拭することが前提にならなければ、非常に窮屈で自発性の強要のような形になる危険もあることを念頭においてとらえるべきだと思います。
 そういう意味では、あくまでも学区内の共通のテーマを解決するための個人の自由意志による活動をベースに運営していくことが必要なのではないでしょうか。(つづく)



 明日は、▲山口地域まちづくり協議会▲より研修においでになりますので、草津宿本陣の案内や地域通貨の説明を行います。

 あっそうそう、大切な事を言い忘れていました。
 当ブログで自治会をテーマにしたシリーズを続けている理由の一つは、地縁組織や新しいスタイルでのコミュニティづくりを行う中での地域通貨活用の可能性を探ることです。
 あともう少し自治会のことを勉強した後、地域通貨に論及していきたいと思います。(本当に、そこまで行き着くのかなぁ~?)

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いろいろな学区コミュニティ

2005年06月16日 | 学習ノート
 自治会に関する記事へのトラックバックをいただき、ありがとうございます。
 昨日に引き続いて、学区コミュニティに関して考えていきたいと思います。
 
 本題に入る前に、今日(6/16)の朝日新聞朝刊に掲載されていた 「《私の視点》NPO法人の認証はもっと厳格に」 と題した寄稿について触れたいと思います。
 寄稿されているのは上越市地域協議会委員の佐藤さん。佐藤さんは、新潟県上越市安塚区にできた全住民参加型のNPOについて次のように書かれています。
 
 
朝日新聞(6/16)《私の視点》より引用
 ~NPOは本来、社会的使命を実現したいと思っている個人が、自分の意思で参加していくもので、決して行政側が強いるものではないと考えていた。 しかし、安塚区のNPOの場合は、最初の仕掛けから行政中心。断れない雰囲気の中で、1家庭1人が加入して設立されたものだった。いわば目的地を知らされていない船に、乗せられたようなものだ。幸せ感を伴うようなものでは全くないし、はっきり言って迷惑である。 -中略- こうした全住民参加型のNPOは、-中略-本当のNPOとは言えない。真の民意から出発するという基本から外れて、事業内容も必ずしも住民が求めているものとは違っているNPO-中略-に補助金を与え続けることには大きな疑問を持つ。本当のボランティア精神に心を置いた、住民ニーズに根ざしているNPOだけが認証されるべきだ。~

 
 私は当該NPOの活動については全く知りませんが、NPOの基本原則からいうと半ば行政が設立したことや自発的参加ではないとすると、NPOの要件を充たすものではないように思います。
 
 ちなみに、レスター・サラモン教授らが中心となって行ってきた非営利セクター国際比較プロジェクトJHCNP(The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector)では、NPOであるための要件として次の5つを挙げています。
 
1.利潤を分配しないこと [not profit distributing]
 非営利で活動し、結果として利潤が発生しても組織本来のミッションのために再投資する。
2.非政府(nongovernmental,private)
 政府機関とは違う
3.フォーマル (formal)
 法人格の有無に関わらず、組織としての体制を備えている。
4.自己統治 していること (self-governing)
 他の組織に支配されず、独立して組織を運営しているということです。
5.自発性の要素があること (voluntary)
 自発的に組織され、ボランティアや寄付によって運営されていること。



 
 ところで、NPOと自治会の関係については、平成12年度の国民生活白書「ボランティアが深める好縁」では下の図のように位置づけられています。


 
 
 
 自治会や学区コミュニティについては、国民生活白書でいうNPOの範囲には含まれていませんが、広義ではNPOとして位置づけることもできることから、自治会や学区コミュニティのありようを考える際には寄稿文で指摘されている問題についても念頭に置くことが必要だと思います。
 
 
 さて、学区コミュニティと一言でいっても、行政主導型のものもあれば市民が自主的に取り組んでいるもの、また自治会連合会が中心となるものや公民館や学校が中心となっているものなど様々な形態があります。このことについて、▲「分権時代にふさわしい滋賀ならではの新しい自治の形づくり」▲(身近な自治研究会)では、次のとおり学区コミュニティの6つのパターンが示されていると共に、それぞれの特徴と課題や留意点などが整理されています。

 
「分権時代にふさわしい滋賀ならではの新しい自治の形づくり」より抜粋


(1)自治の仕組みづくりのイメージ
学区における自治の仕組みづくりは、学区コミュニティにおいて展開される活動内容と、それを動かす主体の形成(地域組織づくり)、さらには地域での社会的な認知を含め、まちづくりの課題解決に向けて継続して取り組むことができる体制づくりまでを視野に入れ、イメージすることが大切です。

(展開パターン)

① 自治連合会が中心となるパターン 

 自治連合会は、多くの場合、行政との連絡調整や単位自治会ではできない活動を担っています。学区を単位とした文化祭や体育祭などは自治連合会が中心になって行われています。さらに、自治連合会が主体となってまちづくりを推進している動きも多く見られます。
このパターンでは、自治会の連合組織である自治連合会が主体となって、取り組みを推進することが考えられます。

-事例省略-

【パターンの特徴と課題】
○ 連合自治会は、地域の包括的な地縁組織である自治会の連合組織であり、また学区内の各種団体とも連携を図っているため、地域全体として総合的に取り組む体制づくりが可能です。
○ 自治会を通じてほとんどの住民が意思形成に関与できます。
○ 担い手が自治会役員と重なり、一部の人の負担が大きくなる可能性があるため、一個人としての参加者を可能な限り開拓していくことが求められます。
○ 将来的に役員の高齢化、固定化等により、柔軟で幅広い分野の活動を行うことに支障をきたさないよう、各種団体や活動グループ、NPO等との連携が求められます。


② 公民館・市民センターが拠点となるパターン 

 地域における生涯学習やコミュニティ活動の拠点となる公民館、あるいは行政の支所機能を持つ市民センターが学区コミュニティにおける活動の中心となるパターンです。実際には、学区内の住民組織である自治連合会や各種団体と連携を図りながら、活動を進めている場合が多いようです。

-一部事例省略-

◇草津市「地域協働学校」
草津市では、「子どもと大人の協働」、「子どもの健やかな成長」、「地域学習社会の形成」を目的とした地域協働学校を推進し、子どもから大人まで、さまざまな年代の人が世代を越えてかかわり、学びあい、その成果を次世代につなげていく地域社会を構築するための事業を展開しています。
平成14 年度から学校が週5日制に移行するのを見越して、まず、学校を開放していこうという立場で、平成10 年度から取り組んでいます。運営は、委員会形式をとり、原則として、学校の教諭と公民館の指導員が事務局を受け持つこととなっています(代表には、学区自治連合会長がつくことが多い)。
たとえば、草津市の志津学区の場合、推進委員会は、教育関係者、福祉関係者、地域活動関係者、学習サークル関係者、学識経験者など20 名以内で構成しています。協力団体は、学区自治連合会、学区社会福祉協議会、地区老人クラブ連合会、小学校PTA、幼稚園、民生児童委員、子ども会指導者連絡協議会、学区体育振興会、公民館自主教室代表、小学校、公民館など学区内のほぼすべての活動組織を網羅する推進体制が形作られています。

【パターンの特徴と課題】
○ 公民館においては、生涯学習や青少年健全育成等の活動がすでに行われており、活動の芽があります。
○ 活動の拠点となる施設や備品が存在し、職員が常駐し、地域でもよく利用されていることから、住民活動のセンター的役割を担うことができます。
○ 社会教育施設としての位置づけに固執すると幅広い分野の活動が阻害される可能性があります。
○ 施設の幅広い活用を可能とするための条件整備を図る必要があります。

③ 学校が拠点となるパターン 

 完全学校週5日制の実施や総合学習の機会を通じて、地域と学校との関わりが深まっています。子どもを中心としたコミュニティ活動では、地域の公民館とともに学校の役割が大切です。

-事例省略-

【パターンの特徴と課題】
○ PTAや学童保育等の活動がすでに行われており、親どうしのつながりがあります。
○ 子育て環境づくり、青少年健全育成など、教育や人づくりと関連のある活動は取り組みやすいと思われます。さらに学区のまちづくりなど、幅広い分野の活動を展開していくためには、より多くの地域団体の連携・協力が必要と思われます。
○ 施設の活用や職員の対応等、学校側の受入態勢の整備を図る必要があります。

④ まちづくり協議会が中心となるパターン 

学区の自治会や各種団体、NPOなどが協議会を組織し、学区コミュニティの諸活動に取り組むパターンです。

-事例省略-

【パターンの特徴と課題】
○ 数多くの地域の諸団体が参画し、協議組織を結成して、地域の課題解決をも視野に入れて、学区全体の包括的なまちづくり活動をめざしていることに特徴があります。
○ 既存団体だけでなく、個人やグループ、NPOの参加も可能であり、多彩な人材や専門的な団体が持つ知識、ノウハウを活用することができます。
○ テーマに応じて多様な組織形態を取ることが可能です。
○ 新たに組織を立ち上げることになり、既存組織との折り合いや住民の理解が必要です。また、立ち上げの初期段階での行政等の支援も重要です。
○ 役員の改選時期等、協議会立ち上げの時期を調整する必要があります。
○ 学区内の一部の人々による取り組みに終わらないよう、自治連合会や社会福祉協議会、青少年育成団体、同和教育推進協議会など既存団体との連携が必要です。
○ 継続した取り組みを行える仕組みづくりが必要です。

⑤ 特定のテーマをもとに新たな学区コミュニティの活動を引き出そうとするパターン 

 福祉や教育、環境など特定のテーマを持った活動が中心になりながら、徐々に学区コミュニティ全体のまちづくりを考えていこうとするパターンです。

-事例省略-

【パターンの特徴と課題】
○ 町並み保全や身近な環境づくりなど、地域の特色を生かしたテ-マや自分たちの関心のあるテーマに取り組むことができ、どの地域でも比較的取り組みやすいと思われます。
○ ①~④に比べて、主体形成や取り組む体制等で不安定さがあるかもしれませんが、住民の主体的な活動が大きく発展していく可能性があります。
○ 地域全体へと広がりあるものにしていくためには、地域の幅広い団体やグループの関わりが必要です。
○ 継続した取り組みが行えるような仕組みづくりが必要です。

⑥ 権限委譲の仕組みづくりを工夫しているパターン

 地域分権を視野に入れ、行財政の権限を地域に委譲する仕組みづくりの工夫をしているパターンです。

-事例省略-




 以上のとおり、学区コミュニティには色々なカタチがあることが分かりました。
 次回は、学区コミュニティの運営上の課題について調べていきたいと思います。(つづく)
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コミュニティと町内会の関係

2005年06月14日 | 学習ノート
 今日も色々気になるニュースがありました。
 例えば、靖国参拝をめぐって日本遺族会が 「遺族会の悲願としてありがたいが、英霊が静かに休まることが大事だ。近隣諸国に配慮し、理解してもらうことが必要だ」と述べたことについて、遺族会会長である古賀誠氏(元自民党幹事長)が「発言は私見だ」 とし遺族会としての発言ではなかった旨の説明したことや、奥田経団連会長が従軍慰安婦や強制連行などの歴史について近隣諸国と認識を共有すべきだとの見解を述べたこと。さらに中山文部科学相が自らの従軍慰安婦問題を巡る発言について閣僚懇談会で陳謝したとか、しなかったとかよく分からない状況になっていることなどです。
 また、靖国関連記事で初めて知って驚いたのは昭和天皇が戦後、45年から75年にかけて計8回も靖国神社を参拝していたことです。民主党の岩國哲氏の国会質問も核心をついているように思いますが、天皇でも 「私的参拝」 ということがありえるとは・・・。 公的役職にある人が 「私見」 とか 「私的」 とか言うのは、ちょっとどうかなぁ。
 先日、民主党の菅直人前代表が昭和天皇の責任に関し 「(敗戦時に)天皇陛下は退位した方がよかった。明治憲法下で基本的には天皇機関説的に動いていたから、直接的な政治責任はない。しかし象徴的にはある。政治的にも象徴的にも、ひとつのけじめをつけるべきだった」 と述べたと報じられていましたが、靖国問題は小泉首相だけの問題では済まされなくなってきたような気がします。

 あと、NHKの不正経理問題を内部告発した職員を懲戒処分されていたことがニュースで流れていましたが、この件については後日改めて論及したいと思います。



 
 さて、少し間が空いてしまいましたが、自治会に関する連載(というより資料集めという段階)を再開します。

 今日は、コミュニティと自治会との関係について調べてみました。
 

1.「コミュニティ」とは何か?

 コミュニティ(Community)の語源はラテン語で「義務」を意味するMunusと、「共に」のCom(=Con)がついたCommunis(義務を共にする→共通の)がもとになっているものだそうです。
 また、R.M.マッキーバーは、著書「コミュニティ -社会学的研究:社会生活の性質と基本法則に関する一試論」(1917年)の中で、次のように定義しています。

著書「コミュニティ」(R.M.マッキーバー)より
 コミュニティとは、共同生活の相互行為を十分に保証するような共同関心が、その成員によって認められているところの社会的統一体である。

 ある領域がコミュニティの名に価するには、それより広い領域からそれが何程か区別されなければならず、共同生活はその領域の境界が何らかの意味をもついくつかの独自の特徴をもっている。(中略)コミュニティは、社会生活の、つまり社会的存在の共同生活の焦点であるが、アソシエーションは、ある共同の関心または諸関心の追及のために明確に設立された社会生活の組織体である。
アソシエーションは部分的であり、コミュニティは統合的である。一つのアソシエーションの成員は、多くの他の違ったアソシエーションの成員になることが出来る。コミュニティ内には幾多のアソシエーションが存在し得るばかりでなく、敵対的なアソシエーションでさえ存在出来る。(中略)しかし、コミュニティはどの最大のアソシエーションよりも広く自由なものである。それは、アソシエーションがそこから出現し、アソシエーションがそこに整序されるとしても、アソシエーションでは完全に充足されないもっと重大な共同生活なのである。

(参考)マッキーバーによるコミュニティとアソシエーションの概念
コミュニティ
地域性と共同生活の存在と共属感情による基礎的社会集団で、共同関心により成立し、なんらかの自足性を持つ。
アソシエーション
特定の類似の関心に基づいて限定的目標を達成するための集団で、人為的に構成されるもの。


 わが国では、国民生活審議会の中間報告「コミュニティ~生活の場における人間性の回復」(1969年)の中で、「コミュニティ」を次のように定義しています。
 
国民生活審議会での「コミュニティ」定義
 「生活の場において、市民としての自主性と責任を自覚した個人及び家庭を構成主体として、地域性と各種の共通目標を持った、開放的でしかも構成員相互に信頼感のある集団」
「従来の古い地域共同体とは異なり、住民の自主性と責任制に基づいて、多様化する各種の住民要求と創意を実現する集団」


 この考え方の根底には、伝統的な地域共同体や近隣組織のようなものではなく、それに代わって市民の主体性や開放性、多様性に基づき民主的に運営される新しい地域社会を創造する指向が感じられます。しかし、実際には他の施策同様に上からの一律的な形でコミュニティ形成がなされてきたことも起因して、本来のコミュニティのありようについて分かりにくい状況となっているように思います。

 最近になって、コミュニティの形態も大きく様変わりしています。従来はコミュニティというと自治会や学区単位での生活圏を軸にしたイメージが定着していましたが、今ではインターネット上で総合交流を図る「ネットコミュニティ」という言葉も生まれているほど多様化しているのです。また、NPOに象徴されるように、環境や福祉などのテーマによってつながることを「知縁」(=テーマコミュニティ)と称して、自治会などの「地縁」(=地域コミュニティ)との分類を明確にする動きもあります。

 たとえば、武蔵野市コミュニティ条例では、コミュニティの定義を次のとおり定義づけしています。

武蔵野市コミュニティ条例より引用
(コミュニティの定義)

第3条 この条例において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 地域コミュニティ 居住地域における日常生活の中での出会い、多様な地域活動への参加等を通して形成される人と人とのつながり
(2) 目的別コミュニティ 福祉、環境、教育、文化、スポーツ等に対する共通の関心に支えられた活動によって形成される人と人とのつながり
(3) 電子コミュニティ インターネットその他高度情報通信ネットワークを通して、時間的及び場所的に制約されることなく形成される人と人とのつながり
 ▲武蔵野市コミュニティ条例▲


 さらに、板橋区・大東文化大学地域デザインフォーラムの分科会中間報告書では、コミュニティ論のパラダイム転換として、T.パーソンズが主張する現在の社会実態に即したコミュニティ論を紹介しています。

 
板橋区・大東文化大学地域デザインフォーラム 分科会中間報告書
(コミュニティ論のパラダイム転換)

 コミュニティの古典的概念は前述のように、地域性と共同性(共同感情)を基調としていた。しかし、それは19世紀末頃の社会を念頭に置いたものだった。それが第一次大戦後の1920 年代以降、機械文明、とくに交通通信手段の発達で、生活圏が拡大し、社会的流動性も増した。それにつれて、地域の共同性が薄れ、近隣社会(neighborhood)が変質あるいは崩壊していったのである。そこでコミュニティ研究のパラダイム転換が試みられた。
 それらの視点のひとつは、コミュニティを社会システムの一局面と考え、共同性や連帯性、共同感情を改めてとらえ直すことである。次は、T.パーソンズが主張したことだが、地域性の中身について、①生活を営む場としての居住地、②生活を支える職場(多くは職住分離となっている)、③行政サービスや公権力行使に関わる基礎的自治体の範域、④交流や参加のベースとなるハード、ソフトのコミュニケーション・プロセス、の4つを設定し、総合的にアプローチすることである。
 ▲PDFファイル▲




2.コミュニティと町内会の違い

 自治会は、主に世帯によって構成され、行政との協力関係を保ちながらその地域の代表性を確保する傾向にありますが、コミュニティは主に個人を構成主体として自由な意思で多様な活動を行う指向性があります。また自治会は、生活や地域の伝統に根ざした保全的領域の活動を主なものとする一方で、コミュニティはより未来指向的に、あるべき地域の姿を掲げて地域の一層の発展に取り組もうとする傾向にあります。
  
 21世紀の地方自治戦略「コミュニティと住民活動」(ぎょうせい)の「部落会・町内会とその周辺(筆者:中田 実)」の項で、町内会の特徴について、(1)地域によって構成員が区切られている (2)地域内での居住でないしは営業する全世帯・事業所が構成員となることが想定されている (3)機能が包括的である と整理した上で、町内会のとらえ方を、コミュニティとアソシエーションに区分することが適当であると述べています。

「21世紀の地方自治戦略」より引用
 ~以上、部落会・町内会の基本的な特徴のみを概観したが、いづれも集団というより社会のもつ特徴という性格が強く、したがって部落会・町内会については、その基盤となる村落社会ないしは町内社会(コミュニティ)と、これらの社会の上に結成された管理運営組織としての部落会・町内会(アソシエーション)とを一応区別しておくことが適当である。

 
 また、著書「町内会の研究」(御茶の水書房)では、町内会は住むことを縁起として形成されるアソシエーションだとし「住縁アソシエーション」と定義づけしています。

 ちなみに、 町内会の協力組織として次のような組織があります。

(属性別組織)
 子ども会、青年会、婦人会、老人会等の属性別組織。
 
(機能別組織)
 防犯・防災・防火組織、保健委員会、公園管理会、社会福祉協議会、社会教育委員会

 これらは、それ自体が一定の自立性を持つ組織である場合と、町内会の下部組織ないしは専門部会の場合があります。例えば、婦人会の場合は任意加入制をとっているところと自動的に加入となる町内会があるようです。
 
 地域にはNPOや個人ボランティア、商店や事業所、学校などの教育施設や公民館などの公共施設といったものが存在しています。これらの様々な主体および相互の多様なネットワークがコミュニティを形成するものではないでしょうか。


 以上のことから、町内会はコミュニティを構成する重要な組織の一つではありますが、伝統的(農村的)な地域共同体としてではなく、現在社会にあってはT.パーソンズが定義するように地域は①生活を営む場としての居住地、②生活を支える職場、③行政サービスや公権力行使に関わる基礎的自治体の範域、④交流や参加のベースとなるハード、ソフトのコミュニケーション・プロセス の少なくとも4つが設定しうるとするならば、そこで存在する様々な属性を持った組織や個人を総合的にとらえることが必要だということが分かりました。
 
 言葉や定義はその実態を表すものであって、実態を抜きにして概念だけを論じることはあまり意味がありません。 
 しかし、地域には様々な主体が存在していること、また町内会を始めとしたアソシエーションとその総体としてのコミュニティがあるというように、一元的ではなく多様で重層的なものとして地域をとらえることはこれからの地域のありようや政策を考える上で必要な感覚だと思います。
 
 次回は、学区単位でのコミュニティを推進する施策について考えていきたいと思います。
 本日は、ここまで。
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自治会の課題(2)

2005年06月07日 | 学習ノート
 今日は仕事が休みなので、早めにブログを書いてゆっくりすごしたいと思います。
 (最近、ブログ症候群にかかっているような感じなので、少し運営方法を考え直す必要がありそうです。)


 さて、昨日は地縁組織の問題点や課題を新聞での特集記事を紹介する形で検討しました。
 住民自治の必要性が高まる一方で、地縁組織の評価は一般的には低いのが現状ですが、現在の地縁組織に向けられる批判として、次のようなものもあります。
 
 ●自発的に結成されたものではなく、世帯単位の加盟とされており、半ば強制加入だ。
 ●信教の自由やプライバシー権などといった基本的人権が無視されがちだ。
 ●地域のボスや顔役の意のままになる。
 ●行政の下請け機構となっている。
 
 また、自治会組織の課題としてはこの他に、下部組織の「組」や子ども会・老人会などとの関係、上部組織の「連合会」など自治会を基盤とするピラミッド型の組織が形成されていることによって、上意下達的な形態となっている実態もあり、ボトムアップ型の政策提言を行う住民の主体性の醸成を阻害しているのではないかとの意見もあるようです。
 
 
 次に、自治会活動に関するいくつかの判例を紹介しながら、問題点を考えていきたいと思います。
 
 
1.神社経費の負担は違憲

 自治会費を神社の維持経費に充てたり寄付したり、また氏子制度を組み入れたり組織として神事へ参加することは好ましくありません。
 日本独特の神道との関係や祭り・御輿といった伝統行事などは微妙な判断が求められますが、思想信条・信仰の自由(もちろん信仰しない自由)は保証されなければなりませんので、自治会活動とは切り離して行うべきだと思います。

 また、自治会が半強制的に共同募金を集めるもの、本来のありようから考えて好ましくありません。


(以下、http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/hannketu02-03.htmより引用)
佐賀地裁;自治会費の神社費一括徴収は違憲(02年4月12日)==確定
 91年に他県から佐賀県鳥栖市に引っ越し、自治会に加入した仏教の信者である70歳代の原告夫婦は、94年、月額400円の自治会費の中に神社管理費43円(神社に宮司は常駐せず、自治会長が責任役員を務めている)が含まれていることを知り、これらの「特定宗教関係費」43円分の支払いを控除してほしいと要望した。しかし自治会は一括徴収を続けたため、夫妻は同年5月に会費納入の拒否を文書で通告、これに対して自治会は2人を会員名簿から消した。そこで夫婦は99年12月に、信教の自由を侵されたとして、自治会と自治会長を相手に、自治会員としての地位確認と慰謝料など計220万円の支払いを求めた訴訟の判決があった。
 判決は、「当該自治会は任意加入の団体としては加入率が98パーセントと極めて高く、脱退すれば地域社会から疎外されるという心理的負担は軽視できない」として、公共性を認めた、また神社管理費を「特定宗教関係費に当たる」と認定し、自治会の運営について「構成員が様々な信仰を持つことを前提にしなければならない」と指摘した。そのうえで、被告側の、「原告が自治会費の支払いを拒絶した」のは、「脱退の意思表示があった」との主張を「原告らの支払い拒絶には正当の理由があり、脱退認定の根拠にならない」と退け、自治会が神社管理費を含め一括徴収することは、「神社神道を信仰しない原告らにとって事実上、宗教上の行為への参加を強制するもので、信教の自由、信仰の自由を侵害し、自治会の民主的な運営を定めた地方自治法の趣旨に反し違法」として、原告の自治会員としての地位を認めた(一方、自治会の行為は「徴収方法の問題点に気付くのは困難だった」とし、損害賠償に直結する権利侵害はなかったとした)。
 なお、自治会の神社費徴収の問題についての判決は初めてである。この自治会は99年度から、自治会費と神社費を会計上、分けて徴収しているが、問題となった一括徴収は近年、見直しの動きが出ているものの、地方などでまだ相当数続いているとみられる。




2.自治会への強制加盟は違憲

 自治会は、できるだけ多くの住民が自主的に加盟し活動することがベターですが、加盟や活動を強要することは許されません。
 
 
(以下、http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/jitikaidattaisaikousai.htmより引用)
最高裁第3小法廷;公営団地の自治会、退会は自由…が初判断(05年4月26日)=判決全文 

埼玉県新座市の県営団地の自治会が、98年に入居、01年3月から月額2700円の共益費と300円の会費を自治会に支払わなくなり、同年5月に退会した退会した男性に、共益費と会費計7万2000円の支払いを求めていた事案の(公営団地の自治会を自由に退会できるかどうかが争われた)訴訟の上告審判決があった。
 判決は、退会は許されないとして請求全額の支払いを命じた1、2審判決を破棄したうえで、「自治会は、快適な環境の維持や会員相互の助け合いを目的として設立され、強制加入団体ではないから、会員はいつでも一方的に退会することができる」との初判断を示し、退会後の自治会の運営に使用される会費を除く、階段灯の電気料金など共用部分の維持管理に使われる共益費など6万5700円の支払いを命じた。なお、賃貸の公営団地などでは、行政側が共益費の徴収などを自治会に委託しているため、入居者が事実上、加入を強いられるところが多い。
  ▲(朝日新聞記事)団地の自治会「退会は自由」 最高裁が一・二審判決変更▲



3.自治会への違法な補助金支出の問題
 この件について、▲しが自治会オンブズパーソン▲のHPで、「京都・市民・オンブズパーソン委員会」代表の折田泰宏氏(弁護士)の講演を聞くことができますので、参考になると思います。この講演では、町内会の歴史や問題点なども分かりやすく解説されています。

 なお、草津市でも矢橋帰帆島の湖南中部浄化センターが周辺自治会へ交付している迷惑料が不正だとして、訴訟が行われています。▲市民オンブズが下水施設迷惑料支払い中止要望▲



 以上のような問題点や課題をどのように払拭していくのかが、今後の取り組みで問われています。

 ところで、「あなたの『町内会』総点検」(著者:佐藤文明)には、「『あなたの自治会・町内会』民主度チェック」として以下の項目による数値化が示されていますので、参考にされてはいかがでしょうか。

(以下、「あなたの『町内会』総点検」からの抜粋です。)

1.会長は選挙で選ぱれていますか YES/NO
2.この5年間に会長の交替はありましたか YES/NO
3.文書化された会則はありますか YES/NO
4.定期的に会報が出ていますか YES/NO
5.会員の投書が会報に載りますか YES/NO
6.会計報告はされていますか YES/NO
7.電話番号入り会員名簿を作っていますか YES/NO
8.地元神社に寄付していますか YES/NO
9.お払いや祈とうに出資していますか YES/NO
10.祭りは地元神社の礼大祭ですか YES/NO
11.会費の一部を募金に当てていますか YES/NO
12.募金は各戸ごとに集めに来ますか YES/NO
13.議会選挙の投票を依頼されたことがありますか YES/NO
14.公金ル集金を担当する人はいますか YES/NO
15.国勢調査の調査員に役員はいますか YES/NO
16.婦人会代表を割り当てていますか YES/NO
17.防災婦人部代表を割り当てていますか YES/NO
18.子ども会への参加は任意ですか YES/NO
19.防災訓練への参加は任意ですか YES/NO
20.日の丸の斡旋販売はありますか YES/NO
21.郵便受箱の斡旋販売はありますか YES/NO
22.神社札の強制配布はありますか YES/NO
23.当番に代人を立てる自由はありますか YES/NO
24.当番などで弱者への配慮がありますか YES/NO
25.地域管理の上で弱者への配慮はありますか YES/NO

〔採点〕まず、次の回答があったものを評価点とします。
1~7はYES、8~17はNO、18・19はYES、20~22はNO、23~25はYESです。
いくつ評価点がありましたか。その数を4倍したもの それが「あなたの自治会・町内会」の民主度100点満点)です。
▼民主度100 理想的です。地域に骨を埋める覚悟で、活動に協力しましょう。
▼民主度80以上 魅力的です。いっそうの改善が理解される可能性は大です。
▼民主度52以上 平均的です。改善の努力は大変ですが、一歩一歩やりましよう。
▼民主度24以上 硬直的です。地域とは距離を置き、チャンスを待ちましょう。
▼民主度20以下 絶望的です。夜逃げしたほうが身のため。人が住む所ではありません。
(抜粋はここまで)



 あなたの自治会は、何点でした?
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自治会の課題

2005年06月06日 | 学習ノート
 4日間飛んでしまいましたが、地縁団体の歴史や現状・課題および今後の可能性に関する検討の続きです。
 
 今日は、実際に自治会がどのような課題を抱えているのかについて考えていきたいと思います。
 そこで、概念的・抽象的になるのを避けるために、具体的事例を探してみました。見つけた資料は、四国新聞が2001年3月17日から4月6日まで連載した「民主主義の風景」(第2部 自治会の再生)と題した14回に渡る記事です。

 この連載で取り上げられている内容は、概ね次のとおりです。(詳細は、リンク先の記事をお読みください。)


 【自治会の問題点】

1.迷惑施設(火葬場)建設をめぐって自治会内の住民が賛成派・反対派に対立し、分裂した。

 建設の是非をめぐって行われた投票の結果、賛成が24人票、反対は23票、白票3となった結果を踏まえて、自治会長が建設の同意書を交わした。しかし、反対票を投じた23人が賛成は過半数に達していないとの理由で反発した上、新たらしい自治会を立ち上げて町に提出した。
 しかし、町側は「一つの地域は一体で運営されるべき。分裂を認めて他の地域に波及しても困るし、行政の事務処理上も障害が出る。」との理由で自治会として認めようとしなかったため、補助金の交付がされなかったり、選挙公報を含めて行政情報が届かないといった不利益を被る結果となった。また、分裂前に費用分担して建設した自治会館が使えなくなり、子ども会の行事などの場所が無くなった。 ▲ある分裂(上)▲  ▲ある分裂(中)▲  ▲ある分裂(下)▲

(参考)
 草津市にも、過去に財産管理等の問題で最高裁まで争われ自治会が二分され事例があります。その際には、広報配布などはどちらにも委任せず、直接行政が配布していたそうです。


2.急速な宅地化によるマンション・アパートが増加したことなどが影響して、自治会への加入率が58%まで落ち込んだ。

 その原因として、単身者や転勤族など地元のとこに関心が無い人や、自治会費や募金などの強要などの問題から、自治会に入らない方が得だという考え方を持つ人が増えた。また、自治会の成り立ちや不幸な過去から自治会に対するマイナーなイメージによって未加入者が増えている。  ▲加入率低下▲

(参考)
 草津市には平成12年12月現在で194の町内会、13学(地)区自治連合会があります。また、自治会への加入率は92.5%(41,886世帯/45,282世帯)です。


3.行政側は、自治会を下請け機関として利用している。

行政は、広報誌の配布や募金活動、用水路の清掃、防犯活動、ゴミ集積所の管理などで利用する一方で、補助金や手数料を拠出することによって相互依存関係となっている。  ▲下請け機関▲


4.自治会への加入は強制になっており、加入をしないとゴミ集積所も使わせてもらえない。

 自治体の説明では、自治会に加入していなくてもゴミ集積所にゴミを出せば回収するとされているが、自治会から拒否されるため、民間業者にゴミ収集を依頼した。主会場建設にための負担金や行事への参加強制も問題。  ▲強制▲


5.自治会組織が選挙の結果を左右する。

 自治会長になると、選挙の役職につくことが慣例となっており、住民が事務所当番を割り当てられる自治会もある。特に田舎の町では自治会の応援無しで当選するのは難しく、逆に自治会推薦になれば8割の票が読める状況。  ▲地域代表▲

(参考)
 自治会が保守政治の基盤になっていることについて、次の文献で詳しく分析されています。  ▲保守政治と町会▲


6.自治会の役割に魅力を感じない住民が増えている。

 マンションやアパートが建ち並ぶ新興住宅時では自治会への加入率が12%にも満たない状況。マンション住民は、ゴミ集積所の管理は管理人がやってくれるし、周辺の苦情は不動産屋に言えば良いと考え、自治会のデメリットだけが強調される。  ▲無関心▲

(参考)
 平成15年7月に実施された▲「第36回滋賀県政世論調査」▲によると、「自治会」の必要性については、「自分たちの地域をよくしていくために基本となる自治組織として、自治会は必要なものである」が42.4%と最も多かったがようですが、過半数を割っています。
 
 

 【自治会に対する否定的な意見】


●子ども会やPTAの活動が形骸化している。
●自治会が迷惑施設の建設が引き金となって分裂したが、積立金の分配をしないなど非民主的な運営がそもそもの発端
●自治会に入るためには、自治会館の負担金として100万円が必要だが、自治会に入らなければ子ども会のも入れない。
●家探しの際、自治会から40万円から50万円の負担が必要だと言われた。
●溝掃除は、業者にお金を払ってやってもらえば良い。
●自治会活動の強制や生活への干渉があり、排他的だ。



 【解決策や先進事例】

1.反対運動などを契機として、参加意欲の機運を高める。

 ごみ処理場建設などに対する反対運動は自治会が核となり、こうした活動を契機として自分たちの地域を変えようという機運が芽生える。  ▲反対運動▲


2.震災での真野地区の活動によって、自治会の重要性が認識される。 ▲育てた絆▲


3.掛川市では、市民総代会システムによって、自治会の声が直接市政に反映される直接民主主義の基盤として機能している。  ▲市民総代▲


4.三田市のゆりのき台自治会では、自治会のホームページを立ち上げて住民に役立つ情報を流したり、自由に意見を出せるようにするなどの工夫により地域コミュニティ活動の先進事例として評価されている。  ▲ネット交流▲

(参考)
 自治会のホームページ活用については、▲町内会 Webサイトの実態と課題▲で詳しく分析されている。


5.新居浜市の大島(離島)では、地域通貨を活用して住民同士の助け合いの輪を広げている。▲エコマネー▲


 なお、この特集記事では次のように締めくくられています。

 (以下、四国新聞記事より引用文)
 「もちろん自治会に悪い面や時代遅れの面は少なくない。しかし、だからといって、なくせばいいという議論はおかしい」。自治会の問題に詳しい愛知学泉大コミュニティ政策学部の中田実教授は「遅れたもの、不必要なものは切り落としつつ、本当に必要なものは大切に維持し、活性化すべき」と強調する。
 その一方で、住民自身の意識改革も訴える。「地域の共通する問題について発言したり、参加するのはその地域に住む人の権利。その権利を行使することが、住民としての責任を果たすことになる」。それは地域のために、時には「私権」を制限することも必要との指摘でもある。
 まずは、地域に参加する意識を持つこと。それが自治会やコミュニティを再生する第一歩となる。
  ▲反響から▲

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地縁団体の現状

2005年06月01日 | 学習ノート
平成16年版の▲国民生活白書▲(人のつながりが変える暮らしと地域―新しい「公共」への道)には、町内会や自治会の現状についての資料が掲載されています。

国民生活白書によると、、町内会・自治会への加入状況については、8割の地方公共団体において町内会・自治会への住民の加入率が7割を超えています。
 ※(財)日本都市センター「自治体におけるコミュニティ政策等に関する実態調査」(2001年)

 また加入単位については、世帯単位での加入が90.9%となっています。このことから、町内会・自治会への加入は個人ではなく世帯単位が一般的となっているといえます。



 次に、活動内容については、区域の環境美化・清掃活動・リサイクル運動、住民相互の連絡、盆踊り・お祭り・敬老会・成人式等のイベント開催、防災活動・地域の安全確保、スポーツ・レクリエーション活動、広報誌等の回付等行政からの連絡、地域のまちづくりへの参加等、多岐に渡っています。
 


 
 
 主な収入源については、「会費」に続いて6割以上が「市・区からの補助金・委託費」とされており、地方自治体からの収入も町内会・自治会の主な収入源となっているようです。
 
 
 地方公共団体は、町内会・自治会の必要性について、98.3%が「必要である」と考えています。
 その理由は、「住民相互扶助や住民自治の拡充」や「まちづくりを進める主体」、「コミュニティ組織の中核的な主体」などです。



 
 一方で、「若年層のリーダーが育たない」「新住民の加入が困難となりがち」「行政への依存度が高い」「活動内容が形骸化している」といったいくつかの課題も指摘されています。
 


 
 
 
  本日はこれにて終了。(次回に続く)
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地縁組織の名称

2005年05月31日 | 学習ノート
 総務省の「地縁による団体の認可事務の状況等に関する調査」(2003年)によると、2002年11月月時点での町内会や自治会などの地縁団体は、全国に296,770団体あるそうです。
 
 地縁団体には、様々な名称が使われていますが、一番多いのが「自治会」の114,222団体で全体の38%を占めます。
 次に多いのが「町内会」で、65,685団体(22%)。その後、「区」42,880団体(14%)、「町会」17,813団体(6%)、「部落会」15,851団体(5%)と続きます。
  

 
  
  
 何故、こんなに様々な名称があるのか気になりましたので、その由来について調べてみました。
  
 まず、「あなたの『町内会』総点検」(著者:佐藤文明)では、名称の由来について次のように記述しています。
 
 
 
  「町内会」とは村社会・日本の典型的な組織です。これは町場の組織で、村のほうでは「部落会」といいました。両者は成立の歴史が違います。部落会は室町時代の「惣(そう)」や秀吉の「10人組」などを足場にしたもの。町内会は応仁の乱の後の京の町や堺などの自治都市の組織にも片鱗はうかがえますが、基本的には江戸幕府の町人支配から始まったものです。江戸は町人街を持つ人口都市。表通りに面した商店主たちが、間口の広さに応じて責任分担しあう町内を形成しました。裏長屋の都市流入者は町人ではありませんでしたが、防災の必要上、これを町内に組み込み、町内会に分けたのです。防犯や徴税にとっても便利なため、江戸以外の町でも同様の形をとったと思われます。

 このことについては、次のHPも参考になります。
 ▲郷村制▲  ▲村寄合▲
  


 次に、「自治会」という名称が多い理由について、「新 自治会・町内会モデル規約―条文と解説」(著者:中田 実・山崎 丈夫・小木曽 洋司)で次のとおり記述されています。
 
 
 
  部落会は従来からの農村集落がもっている名称ですが、近年急減しています。「区」や「区会」というのは明治の市町村制できたとき、その末端となった行政区画を引き継いでいるものでしょう。以上のように名称はそれぞれの成立した時代と地域性を反映しています。戦後「自治会」という名称が多く使われたのは、新しい住宅街が開発されて、そこに住み始めた住民が戦後の民主主義制度のもとで育った若い世代であったことを反映したものと思われます。

 
 明日は、地縁団体の活動内容について調べてみたいと思います。(つづく)
 
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町内会の歴史

2005年05月30日 | 学習ノート
 昨日のブログで、町内会の起源は江戸時代の五人組にあると言われていることを紹介しました。
 では、五人組というのはどういう制度だったのでしょうか?

 五人組は、1597年に豊臣秀吉が京都でつくったものがその始まりだそうです。
 元来、農民の相互扶助のしくみだった助け合いの仕組みを、幕府(領主)が農村を支配することを容易にするため農民同士で相互監視したり連帯責任を負わせたりするしくみとして利用するようになったのでしょう。
 具体的には、隠れキリスタンがいれば密告させたり、犯罪を行う者が出たときは組中の者が罰せられたりしました。また、年貢を納める際にもし決められた量の米を納められない家がある場合は、組で責任を持って不足分を補填するといったことです。

 五人組の制度は、明治時代になって廃止されましたが、明治末頃になると地方から隣保組織の復活運動が起こり、大正時代の中期以降には都市にも町内会が設立されたそうです。
 このことについて、▲「コミュニティ活動と自治会の役割」(倉田和四生)▲ では、次のよう記述しています。(タイトルは編集者)

 東京の場合
 関東大震災時、町内のメンバーが団結して猛火と戦い延焼を防ぎ、町を守った神田の和泉町には前から町内会が組織され住民の活発な交流がなされているからだという話が流布し、東京市に町内会の組織化が一挙に進んだと言われている。

神戸市の場合
 神戸市では明治末から「衛生組合」が設けられ「汲み取り」などの町の衛生の保持を担当していたが、大正から昭和にかけて次第に衛生機能を超えて町内のお世話をする「町内会」に変容していった。 (引用はここまで)


横浜市の場合  ▲自治会町内会の歴史(PDF)▲参照

 その後町内会は、国内体制の強化のため「町内会部落会整備令」(昭和15年)によって法制化されました。さらにこの組織が、昭和17年に体政翼賛会に組み入れられるという暗い時代に入っていきます。

 体政翼賛会での町内会の役割は、国策(戦争)遂行のための市町村行政の末端組織で、具体的には次のような活動が行われました。
 
  以下、▲ HP「帝国陸海軍の銃後(隣組)」▲より引用

 隣組とは国民総動員体制の末端組織で昭和15年より各地で組織されていきました。
 昭和15年9月内務省訓令として「部落会、町内会、隣保班、市町村常会整備要綱」が各都道府県に通達されて部落会、町内会、隣保班、市町村常会などに関して詳細な運営基準が決められました。
 これによって、市町村行政の下請け機関としてこれらの会が整備され、さらにこの下部組織として10世帯~20世帯単位の隣組が組織されたのです。
 目的は、祭祀慶弔、隣保親睦相互扶助、矯風修養および慰安、災害防護、市役所や官公署との連絡、各種団体との連絡協調、協同の福利増進等とされていました。
 とくに防空については、地域での消防、灯火管制、警報伝達、防護などを担わせて民間防空体制を整えていったのでした。
 また生活必需品の配給も隣組を通じて行われ、まじめに活動しない人には配給切符に判を押してあげなかったりなど、個人生活の領域まで拘束することができたのです。
 その後昭和17年5月政府は部落会、町内会、隣組のすべてを大政翼賛会の指導下に置くこととして当初のねらいは達成されました。
 結局は国策を遂行させる為に政府が利用するための組織だったと言えるのではないでしょうか、そして上位下達で国民の統制や動員業務を行ったので、これらの通達事項を徹底するため「定例常会」を行うことが義務づけられていました。(引用はここまで)


(隣組に関する参考HP)  ▲ 隣組(MIDI)▲  ▲住民管理の細胞「隣組」その1▲  ▲住民管理の細胞「隣組」その2▲  ▲戦時下の隣組常会風景(大津市)▲
  
 終戦後、町内会は軍国主義の温床であるという理由から解体されましたが、町内会廃止後3ヶ月以内には、配給業務などのために類似の職務を設けたところが77.9%に達したそうです。
 その後の町内会復活の様子について、「コミュニティ活動と自治会の役割」(倉田和四生)は、次のよう記述しています。(タイトルは編集者)

大阪市の場合
 大阪市の場合には昭和23年11月、地域組織の真空状態を埋めるため、社会連帯思想に基づく赤十字奉仕団の名の下に、大阪軍政部の了解を得て再編成したものである。そこでこれは日赤奉仕団となっているが、実質的には町内会の温存策となった。昭和50年には「地域振興会」という名で町内会を表看板に変え、同時に日赤奉仕団の組織を兼ねている。

神戸市の場合
 神戸市では占領軍の指示による町内会の廃止がよく守られ、全般的な解体に向かったが、その後いくつかの必要から単一機能の組織として復活する。組織結成の契機となったのは、①深部句会として残ったもの、②防犯上の組織、③衛生保持、④各種募金のための組織が出来たが、やがてこれらが統合されて自治会となった。それでも組織率は昭和45年でも50%にすぎなかった。(引用はここまで)


 なお、行政との協力関係については、自治会ではなく婦人会の方がより緊密な関係があったそうです。 

 このように、現在の町内会が形作られてきた歴史過程において、江戸時代の五人組制度のように統治のために相互監視・連帯責任を課すことを目的とした組織として利用されたり、戦時中には大政翼賛会に組み込まれて侵略戦争を支える組織として利用されてきたりしたことから、行政の末端組織として住民を抑圧する前近代的、反民主主義的組織としての性格を持ったものだなどとして敬遠される向きもあります。また、かつての封建社会においては、家長を中心にタテの関係で結ばれていた家父長的イエを基本として、その連合として地域が形成されてきました。伝統的地域社会では、その秩序にそむいたり、批判的ないしは非協力的であったりするときは、村八分などによってその秩序から疎外されるというマイナス面もありました。

 しかし、現在の町内会は住民統制のための組織ではありません。
 実際、伝統的地域社会の体系(むら社会)は、社会・経済の変化や都市化・交通手段・文化媒体の発達などにより崩れてきました。
 
 そうした中で、
 現在の町内会や地域コミュニティの実情はどのようになっているのか? 
 また、今後どのような役割が期待されているのか? 
 そのための課題は何か? ・・・ といった問題を考えていきたいと思います。 (明日につづく)


 ※先日からシリーズ化している町内会や地域コミュニティに関する特集?は、 「グローバル時代における地域コミュニティ再構築を考える上で、町内会や学区コミュニティは大変重要なものであり、また地方分権に伴うまちづくり権限の地域移譲の主体ともなる存在」 だとの観点から、現状と今後の課題を考えていく上での学習資料として作成しています。

 ※薄い文字部分は、引用文です。

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町内会の起源

2005年05月29日 | 学習ノート
 昨日の予告どおり、何回かに分けて町内会や地域コミュニティについて書きます。
 
 今回は、まず町内会の起源から。

 我が国では、縄文時代末期に稲作が始まり弥生時代に広まったといわれていますが、この頃から自然発生的な地域の共同体が存在していたと考えられています。
 このような自然発生的な形成とは別の流れとして、飛鳥時代に「凡戸皆五家担保一人為長以相検察勿造非違」とされ「五保の制」(5戸1保として、防犯・納税などの連帯義務を負わされた律令制下の末端行政組織)がつくられ、江戸時代には5人組という制度がつくられました。

 函館市の▲市史余話▲には、町内会の起源について次のように解説されています。
 
 函館の町内会のルーツを探ってみますと、18世紀の「五人組」までさかのぼることができますが、時代を感じさせるこの五人組こそ、今日の町内会の起源ということができるでしょう。五人組とは、江戸時代の庶民の近隣組織で、相互扶助と地域の福祉向上などを目的につくられた住民の自治グループです。
 1799年(寛政11年)、幕府直轄時の箱館の町では、官選の3人ほどの「町年寄」が町会(役)所において町政をつかさどり、数人の「名主」がこれを補佐し、さらに各町には「町代」が置かれ、その下に地域の五人組の代表「組合頭」を置いて各組の事務を取り扱わせていました。


  
 倉田和四生氏の▲コミュニティ活動と自治会の役割(PDF)▲では、町内会の起源や歴史についてより詳しく解説されていますので、次回に紹介させていただきます。(つづく)
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