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公職選挙法

2005年08月31日 | マニフェスト
 最近のマスコミの報道は公示前のワイドシーのような異常さは陰を潜め、まともな論調が多くなってきています。これも公職選挙法のお陰かな?

公職選挙法より

 (新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由)
 第148条 この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第138条の3(人気投票の公表の禁止)の規定を除く。)は、新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ。)又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。但し、虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。
 2 新聞紙又は雑誌の販売を業とする者は、前項に規定する新聞紙又は雑誌を、通常の方法(選挙運動の期間中及び選挙の当日において、定期購読者以外の者に対して頒布する新聞紙又は雑誌については、有償でする場合に限る。)で頒布し又は都道府県の選挙管理委員会の指定する場所に掲示することができる。
 3 前2項の規定の適用について新聞紙又は雑誌とは、選挙運動の期間中及び選挙の当日に限り、次に掲げるものをいう。ただし、点字新聞紙については、第1号ロの規定(同号ハ及び第2号中第1号ロに係る部分を含む。)は、適用しない

1.次の条件を具備する新聞紙又は雑誌
イ 新聞紙にあつては毎月3回以上、雑誌にあつては毎月1回以上、号を逐つて定期に有償頒布するものであること。
ロ 第3種郵便物の承認のあるものであること。
ハ 当該選挙の選挙期日の公示又は告示の日前1年(時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙にあつては、6月)以来、イ及びロに該当し、引き続き発行するものであること。

2.前号に該当する新聞紙又は雑誌を発行する者が発行する新聞紙又は雑誌で同号イ及びロの条件を具備するもの

 それにしても、この法律で発刊後6ヶ月を経過していない日刊新聞は選挙に関して報道及び評論等の自由が認められていないとは、なんと理不尽な・・・
 この項目があることから、▲みんなの滋賀新聞▲は、選挙期間中、選挙に関する報道は一切されないそうです。何のための新聞なの?との疑問を抱く人も多いでしょうね。 ▲朝日新聞記事▲

 インターネット(ブログ)にも、公職選挙法が適用され選挙期間中の評論等の自由が認められていないとすれば、本末転倒のような気がします。

国の借金

2005年08月30日 | マニフェスト
 財務省が6月24日に公表した国債及び借入金並びに政府保証債務現在高は、約840兆円となっています。▲国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(財務省)▲
 地方自治体の債務は、約205兆円と言われていますので、国と地方の借金を合計すると1045兆円という途方もない数字になります。
 ▲総務省統計局▲のデータによると、日本の人口は8月1日現在で1億2千760万人なので、赤ちゃんも含めて一人当たり約819万円もの借金を背負っていることになります。
 最近になって国債及び借入金並びに政府保証債務現在高はどのように推移してきたかを見るため、グラフを作ってきました。

 

 上のグラフのとおり、4年間で国の借金が244兆円増えています。

政権選択の本丸とは

2005年08月29日 | マニフェスト
 本丸とは、守城戦において最終拠点となる、城の中でも最も重要な場所のことです。
 そして、今回の選挙が「改革の本丸である郵政民営化に賛成か反対か」と問われているかのような雰囲気になっています。
 ここで言う「改革」とはどういう意味なのでしょうか?
 小泉総裁が言うように「自民党をぶっ潰す」ことが改革というのであれば、それも結構かと思います。
 
 でも、30兆円の新規国債発行枠の公約を自ら破棄して国の財政を破綻させたり、多額のODAによる支援をはじめこれまでの営々とした努力を台無しにして外交を八方塞がりにしてしまったり、官製談合や天下り問題に積み残した道路公団民営化、問題だらけの社会保険庁には手を付けず負担増と給付減に加えて前提となる数値を誤魔化して「100年安心」と偽る年金改革▲読売新聞「年金改革Q&A」▲などのことを「改革」というのであれば、その本丸とはなんと恐ろしい改革なのでしょうか・・・。
 
 今求められている「改革」とは、政・官・財の癒着構造を解体し、無駄の無いスリムで効率的は政府を作ることによって右肩下がりの時代に相応しい行財政構造にすると同時に、グローバル時代に相応しい国益とグローバルな課題の解決を結びつける国家戦略、アジア共存の外交、厳しい競争社会におけるセフティネットの構築、中央集権型社会から地方分権・市民自治の社会づくりなどのことです。
 
 郵政民営化の是非を問うというだけで、何をどのように改革しようとしているのかが語られない白紙委任のポピュリズム型政治スタイルからは、本当の意味の改革は断じてできません。
 
 本丸を攻め落として、天下を取るというのは下克上の時代の話し。
 日本は、民主主義を選択し情報公開や説明責任を果たし、また今やマニフェストで国民との契約により政策を行い、後にはその検証を受け審判を仰ぐことが求められています。
 
 自民党の支持率が高い理由は、強いリーダーシップと分かりやすさだと言われていますが、今求められているのは強権発令的なリーダーシップではなくて、民主主義というルールの中できちんと説明し、議論を尽くして説得し、すべてを公開していくということを主導していくリーダーシップなのではないでしょうか。
 
 明日は、いよいよ総選挙の公示日です。
 天下分け目の決戦と言われた関が原の合戦は、もう400年以上前の話し。
 これからの日本の将来は、国民が賢明に選択権を行使できるかどうかにかかっています。
 

座談会

2005年08月27日 | マニフェスト
 本日、まちづくり本舗の座談会を開催しました。
 討論のテーマは、総選挙に向けての現状分析や自民・民主両党のマニフェストの比較検討などです。
 
 現状分析に関しては、4年間の小泉政権の中で国の債務は増え続け、道路公団の中途半端な民営化や公約の不履行(8月15日の靖国参拝や国債発行の30兆円枠など)、八方塞がりの外交、さらには年金改革が中途半端になっているのに首相の人気が異常に高いのは何故かということを中心に議論しました。

 また、両党のマニフェストについては昨日開催された▲21世紀臨調「政権公約検証緊急大会」▲での採点結果も含めて、議論を交わしました。

 特に、自民党は今回の「選挙が郵政民営化に是か否か」と問うているにも関わらず、マニフェストには「『郵政民営化』をかならず実現する。郵政民営化に再挑戦する」としか書いていないことに対して、「民営化の内容が具体的ではなく内容が全く分からない」「国会で一旦否決された法案をどのように成立させようとしているのか」「国会での議論の結果が反映されていない」「参議院で反対していた人が賛成に回るとしたら、その方が政治(家)への信頼が失墜する」といった意見が出されました。
 また、郵政民営化より大事な年金問題については、「国民年金の未納問題や議員年金の廃止も含めて抜本的に改革して、すべてを一元化すべきではないか」「自民党のマニフェストにはそのことが触れられていない点が問題ではないか」といった意見がありました。さらに、「郵政民営化が改革のスタートではなく、小泉さんにとっては最終目的ではないか」「郵政の是非ではなく、自らの議員年金廃止もできないのに、改革はできないのではないか」との意見も出ました。
 
 ところで、まちづくり本舗では昨年の市長選に際してローカルマニフェストを作成しそれに基づき公開討論会等を実施しました。本来であればその検証や更なるバージョンアップを行い、政党マニフェストと比較・連携しながら賢明な選択ができるように地域に向けて発信していくことが必要です。そこで、ローカルマニフェストに関する取り組みに積極的に参加いただける方を募っていますので、興味のある方はご一報ください。 ohmi@kaikaku21.com

岡田改革と小泉改革の違い

2005年08月26日 | マニフェスト
 民主党の「日本刷新8つの約束」(マニフェストト重点項目)によると、「衆議院定数80の削減、議員年金廃止、国家公務員人件費2割削減等、3年間で10兆円のムダづかいを一掃します。」と示されていますが、今日の記者会見で岡田代表は国家公務員人件費の2割に当たる1兆円を3年間で削減するための具体策を発表しました。▲asahi.com▲
 業務の効率化や各省庁を超えた効率的な人員配置を進めることによって、国家公務員の新規採用を退職者の3分の1に抑えて5000億円程度削減すると共に、給与・諸手当等の見直しによる5000億円程度の人件費削減を図るのだそうです。
 
 一方、1972年に田中角栄氏が総裁選挙において発表した国土開発構想「日本列島改造論」以降、公共事業の拡大路線とその利権構造を作り出した自民党は、小泉改革によって「官から民へ」を掲げ、小さな政府を目指す政策へと転換しています。
 
 「小さな政府」は時代の潮流となっており両党とも「小さな政府」を目指しているようですが、総選挙では国民がどちらの「小さな政府」を求めるのかということが一番大きな選択肢ではないかと思います。ところが、テレビや新聞紙上では自民党が掲げる「郵政民営化に賛成か反対か」ということが最大の争点であるかのように誤解を与える報道が目立ちます。
 「民営化」は、「小さな政府」を推進していくための手法の一つではありますが、民営化そのものは政策の目的ではないし、特効薬でもありません。第一、自民党の郵政民営化法案によると、当初は国が持ち株会社の株式を100%保有し、2017年に最終的な民営化が実現したとしても政府が3分に1超の株式を保有することになっています。これだと民営化という名において、時の政権政府が経営権を持つ世界最大規模の国有株式会社が出現するということになるのではないでしょうか?そうなれば、国会のチェックが効かない巨大な独占となって利権や政治的思惑の温床になることは目に見えています。 (郵政民営化法案は2007年の民営化開始から10年以内に、持株会社=郵便会社が、郵貯銀行と郵便保険会社の株式を完全処分するよう義務付ける一方で、持株会社がこれらの会社の株式を買い戻すことができるとしている。)
 

 また、「郵政民営化」に賛成する人は小さな政府を実現させる改革派であり、反対する人は大きな政府の既得権益に群がる改革の反対勢力だと位置づけることは、「マジック」とか「トリック」とかいう言葉で表現するにはあまりにも政治的で意図的な背信行為です。
 
 結局、両党とも小さな政府を目指すという共通項を持ちながらも、小さな政府で小さな公共を目指すという言わば「夜警国家」(自由主義の元で、国家の機能を安全保障や治安維持など最小限にとどめた自由主義国家を目指すべきとする考え方。)に近い政策を推進しているのが自民党であり、小さな政府で大きな公共を支えていこうとしているのが民主党ではないでしょうか。そういう観点から、マニフェストを読み比べて賢明な選択をしていきたいと思います。

メディアの政治戦略

2005年08月20日 | マニフェスト
やり過ぎ注意!?

ようやく、解散・総選挙に関するメディアの報道の中で妥当なコメントが散見されるようになってきた気がします。   ▲毎日新聞社説▲  ▲朝日新聞社説▲

でも、「ちょっと待てよ」とも思います。
というのは、公示前の制約を受けない報道期間であることを悪用して政治をワイドショーと同列に視聴率を稼ぐ道具として使ってきたメディアの指向性から言えば、ホリエモン問題をおもしろおかしく報道するとか、「平成の水戸黄門集団がアコギな代官を裁く!」というようなタイトルを付けて特集を組むとか・・・そういうやり口で突き進んだ方が、有権者が醒めた目で見るようになるような気もするからです。
案外、メディアもしたたかなので、やり過ぎないように計算づくなのかも知れませんね。


似た者同士!?

政治をワイドショーにして視聴率を稼ぐというやり口は、ホリエモンもメディアも考え方は同じようです。
ホリエモンに関しては、社会や組織の古い体質を暴きそれに立ち向かうという側面で共感を覚えていた人たちも、業績や利益を上げるためには手段を選ばないという側面が目立つ今回の動きには「何かが違うぞ」と感じているのではないでしょうか。


すり替え上手!?

 マジック(手品)は、目の錯覚や意外性から観客を喜ばせるというエンターテイメントです。
 小泉マジックも、国民の「錯覚」を利用したり言動の意外性から根強い人気が続いています。
 しかし、自分でオリジナリティのあるシナリオを書いて自作自演をしている演劇を観て歓喜しているかのような状況は、そろそろ終わりにしなければなりません。政治は韓流ドラマでは無いし、小泉さんはヨンさんと同列では無いのですから・・・

総選挙に向けての緊急提言

2005年08月18日 | マニフェスト
 総選挙では、700億円の公費が使われるそうです。
 民主主義というのは、時間もお金もかかるものですから惜しいは言いませんが、もし多額の税金を使って「小泉三文オペラ」を観戦したり、「平成の水戸黄門」(黄門さんばかりの集団で、助さん・格さん・疾風のお娟というキャストがいないのが気になる・・・)の登場に涙したりというだけに終始し、賢明で日本の将来にとって有益な選択がされなかったとしたら、これほどの無駄遣いはありません。
 
 700億円を有効に使うためには、「”小泉”郵政民営化に賛成か反対か」という特殊な課題設定は相応しくありません。国民が重視している政策課題は、第1に「年金・医療・介護」などの社会保障問題(36%)であり、第2に「景気」対策(22%)、第3に「税制改革」(17%)、そして第4番目の課題としてやっと「郵政」(14%)が続いているのです。(カッコ内の数字は、毎日新聞の世論調査の結果)
 
 もし、”小泉”郵政民営化法案の是非だけを問うということであるなら、他のもっと重要な課題は「白紙委任」という形にならざるをえません。
 
 このことについて、▲総選挙に向けての緊急提言(新しい日本をつくる国民会議)▲では、「諸課題が山積している現状を考えると事実上の『白紙委任』につながり、後に新たな混乱状態を残すことになる。」と指摘し、小選挙区制導入以来4回目となる今回の総選挙を、日本の政党政治史上初の本格的な「政権選択選挙」とすべきであると主張しています。
 また、郵政民営化の是非を問うとするならば、その実現方法を具体的に示すべきだとし「郵政民営化法案の成立を目指す連立与党は、今回の総選挙で再議決に必要な3分の2以上の議席獲得を目指すのか、そうでないならば、総選挙後の参議院でどのようにして法案を可決させるのか、その具体的な見通しを示すべきである。」と指摘しています。
 
 さらに、緊急提言ではマニフェストについて「すべての公認候補者に対して、政権公約の実現に関し『連帯して責任を負うこと』を誓約させるべきである。」としています。
 マニフェストが政党と国民との契約書であるとするならば、政党一丸となって実現させるということは前提条件のはずです。
 これが、”小泉”郵政民営化に賛成することだけが公認の条件であるならば、あとは国民同様に国会議員自身も「白紙委任」ということなのでしょうか?
 
 とにかく、小泉郵政民営化では税金の無駄遣いはなくなりませんし、政官業の癒着もなくなりません。
 特殊法人や特別会計に徹底的にメスを入れなければ、結局、国民のお金を官がかき集めて、官がそれを配分するという全体の仕組みは何一つ変わらないのです。

 最後に、報道機関の取り上げ方がどう考えてもおかしいです。
 民法は、話題の取り上げ方が片寄っているし、NHKは例の政治介入による放送改変問題が尾を引いているのかもしれませんが、総選挙に関する詳しい報道は避けているようです。(これでは、受信料は払えない。)

 このことについて緊急提言では、「報道関係者は、議院内閣制における総選挙は政権選択を本質とする選挙であるという認識に立って報道すべきである。」と記していますが、このような観点からブログなどのマスメディアではない情報手段の積極的な活用が求められているように思います。

単品ではなくセットで!

2005年08月16日 | マニフェスト
 改革を本当に成功させようとするならば、郵政民営化(その方法の一部)というシングルイシューではなくパッケージ(セット)を提示し、その選択を求める総選挙で多数を獲得した政権が改革を担うということでないと困ります。

 それを、「郵政民営化が構造改革の本丸だ!」と言われ、その是非を問うとの問題設定をされても、正しい選択はできません。
 これはちょうど、レストランでの食事の際にメニューも見せられず日本食か中華料理かフランス料理か分からない客に対して、いきなり食前酒は老酒かワインかどちらかを選んでくださいと言われるのと同じようなものです。
 
 まず、メニューを見せていただいて料理の内容(コース)を決めさせていただかないと、食前酒が日本酒かワインのどちらが良いか、あるいは同じワインでも赤が良いか白が良いか、あるいは同じ白でもどの銘柄の何年ものが良いのかということを注文することはできません。
 
 そのメニューこそが政党のマニフェストです。
 マニフェストには、改革の理念や方向性、将来の日本社会のイメージ、具体的政策やその実現のプロセス、さらには改革のための負担や痛みは誰がどのように負うのかということなどが明瞭に示されていなければなりません。例えば、ものすごく小さな文字で書かれた規約や契約書を何の説明もせずに交付したとしても、それはあきらかに錯誤に基づく契約として無効とされるか、告知義務違反になりますが、マニフェストにも同じことが当てはまります。 ▲(参考)消費者契約法による悪徳商法対策▲

 本日、民主党より▲2005年 衆議院選挙マニフェスト 政策各論▲が公表されました。
 同じ食前酒に選ぶなら、”小泉”郵政民営化法案ではなく、「社会保険庁の廃止」の方がどんな料理にでも合うような気がしますが、いかがでしょうか?
 
 

耳が出たり入ったり

2005年08月15日 | コ ラ ム
 野球では、ピッチャーが四死球や暴投、ボークといった自分のミスで失点することを「自責点」と言います。
 サッカーでは、誤って自陣ゴールにボールを入れて相手に得点を与えた自殺点のことを「オウンゴール」と言います。
 小泉首相は2001年の総裁選の際に「8月15日の戦没慰霊祭の日に、いかなる批判があろうと必ず参拝する」と終戦記念日に靖国参拝することを公約として掲げていましたが、「自責点」や「オウンゴール」になることを避けるという判断に至ったようです。
 
 首相の「三つの公約」である「郵政民営化」「自民党をぶっ壊す」は、我が道をひたすら走り続けているようですが、「終戦記念日の靖国参拝」については、首相選で勝つための方便に過ぎなかったのでしょうか?
 どうせなら、完全制覇していただかないと・・・。
 「靖国公式参拝の公約は、政治信条ではなく橋龍対策だった」(週刊東洋経済)と言われていますが、今回は公明党に対する配慮から逆の選択をしたということなのかなぁ?
 
 客観的には、日本のアジア外交やナショナリズムを刺激しないという面ではありがたいことですが、ご当人はそんなことには関心なさそうです。
 
 以前、近隣諸国へ配慮すべきとの加藤宏一氏らの説得で8月13日に参拝を早めた際、小泉首相は「口は一つだが、幸い耳は二つ持っている」との明言を残しました。でも、ついこの前までは耳が無くなったような感じになっていたのに・・・。
 本当は、口を二つ持っているんじゃないの?

 かつて、人気の女性政治家である田中真紀子さんとペアを組んで外務大臣にまで抜擢されましたが、都合が悪くなればあっけなく解任し「スカートを踏んづけられていたので、後ろを振り返ってみると、(小泉)首相だった」ということになりましたが、靖国公式参拝も今回の女性を中心とした刺客作戦も、票や人気を利用するだけの使い捨て人事のような気がしてなりません。

ジコチュウ的ご都合主義

2005年08月14日 | コ ラ ム

 明日の終戦記念日には、堂々と靖国公式参拝を!?

 公約は大切です。
 "小泉流"郵政民営化は、中身の問題点はともかくとしても、これは確かに公約です。
 だから、国会で"NO"となっても意地でも実現させるという今回の騒動は、首相としての資質はともかくとして、個人の生き方として賛同する人が多いのは日本人の気質としてうなずける面もあります。
  
 でも・・・
 
 それだったら、明日の靖国参拝はどうなんでしょうか?
 もちろん私は、個人的信条においても、また政治的判断から考えてもA級戦犯を合祀している靖国参拝については容認することはできないという立場です。
 しかし、 "小泉流"郵政民営化は信念としてどんな「あこぎ」な方法を使ってでもやり抜くという姿勢を貫いているにも関わらず、国内的には何の制約も無くなった今、もう一つの公約である終戦記念日での靖国参拝を取りやめるというのは、どうも腑に落ちません。
 今までは「外国の圧力に屈するべきではない」として靖国参拝に賛同してきた人々は、公明党との関係や選挙対策のため?に自らの公約をいとも簡単に破棄するというのでは、人として全く信頼できません。
 さすが、世論を読んでそれを操る天才政治家だなぁという感もしますが、同じやるんだったら手段を選ばずに"小泉流"郵政民営化に邁進するだけでなく、8月15日の靖国参拝も貫徹すべきです。 ▲ニュースウェブジャパン▲


単純化による思考停止ではなく、国民的論議を深めるために!

 ところで、総選挙は国民投票ではありません。
 国民投票というのなら、NOの審判が出る前にやるべきです。
 しかも、「民営化」にYESかNOか(民営化に反対する者は抵抗勢力)という選択肢しか与えないというのは、国民を愚弄しています。これは自民党内での活発な論議はもとより、国民の思考をも停止させるという結果を招きます。
 構造改革を進めるための方法は「民営化」だけが唯一の方法ではないし、小さな政府を目指すために「民営化」という手法を活用するとしても、「公共性」をどのように確保するかという視点や、費用対効果を高めるといった有効性を確保するためには様々な要因をクリアーしていかなければなりません。
 
 という訳で、そろそろ「思考停止」を推進する政治手法の行き着く先はどこかに気づき、「国民主権」で政策を深めていくマニフェスト感覚に根ざした本物の政権を目指した論議を求めていくべきです。
 ▲原口一博氏HP▲
 

「官から民へ」の中身

2005年08月13日 | マニフェスト
 従来のように、公共をすべて官(行政)が担うべきだと考える時代は終わりました。官僚機構は、肥大化し硬直化した組織となっていると同時に、財政的に破綻状態となっていることから「大きな政府」から「小さな政府」への転換が求められているのです。また、多様化し益々増大するパブリックな要請に対して、すべて官が支えていくことはできないため、NPOも含めて多様な主体がその特性を活かして公共を支えるしくみが模索されています。

 そこで、官が行ってきた事業(施策)に競争原理を導入して効率的・効果的なものとしていくために、官の仕事を民間にまかせるという方向での改革が進んでいます。 
 しかし・・・だからといって、政府の郵政民営化法案が「官から民へ」の最善の策という訳ではありませんし、構造改革の本丸に位置づけられるような代物ではありません。
 
 政府が郵便貯金の限度額を増やしつづけてきたことから、現在の日本郵政公社は個人資産の1/4を抱える世界最大の金融機関となり340兆円ものお金を集めました。政府案では、この郵貯・簡保事業を民営化することが掲げられていましたが、民間企業となった際にこの膨大な資産を有効活用することができるのかどうかが不確実であり、もし失敗した場合には政府に莫大な損失が生じるといったことや、他の金融機関への影響はどうか、あるいは過疎地では唯一の身近な金融機関として存在していることから経営合理化で廃止された場合の影響はどうなるかなど、「民営化」の中身に問題が多い法案だったのではないかと思います。また、分社化された郵貯会社・保険会社が外資に買収されることも懸念されます。
   
 このような巨大化した金融機関を「官から民へ」というのではなく、郵便貯金の限度額引き下げや簡易保険の縮小などにより金融部門を縮小して巨大化そのものを是正していく現実的かつ確実な「官から民」の方針が民主党から出されたと報じられました。
 
民主マニフェスト、郵貯限度額を段階的に引き下げ (読売新聞) - goo ニュース 
民主、マニフェストに郵政改革案 公社は維持、郵貯縮小 (朝日新聞) - goo ニュース
 
 今まで、郵便貯金に1千万円に貯金していた人が700万→500万というように縮小されていけばその差額分が民間金融機関等に流れていきます。こうした政策によってお金の流れを「官から民へ」変えていくことも非常に有効な改革の方向です。

 構造改革を進める上で、「官から民へ」ということが唯一の方法ではありません。また同時に「官から民へ」の中身そのものも多様な方法・選択肢があることを理解していくことが必要だと思います。

コップの中の嵐

2005年08月11日 | コ ラ ム
 マスコミ各社のニュース番組は、その使命を果たさず大半を占めるバラエティー番組と同列に位置づけられるようになっているのではないかと感じます。
 真実を明らかにして、権力を監視したり権力を規制するというのがジャーナリズムの役割だと思うのですが、解散・総選挙に関するニュース番組は、どの番組も自民党内の「コップの中の嵐」ばかりに国民の興味を向けるような報道を繰り返しています。
 
民主党の平野幹事長代理がマスコミ各社に送付した文書(8/11朝日新聞より)
ここ一両日の報道ぶりには、自民党内の報道が多く、”偏り”が見受けられます。特に今回は政権選択の判断を国民にゆだねる総選挙となることから、重ね重ね【公正・中立】な報道にお骨折りを頂きますよう、お願い申し上げます。


 ライブドアによるのニッポン放送買収騒動の際には、報道各社は公共性あるメディアとしての資格が無いのではないかとの疑問を呈する内容を主張していましたが、今や「メディアの公共性とは何か」という問いは、自らに向けられているのではないでしょうか。
 
▲社説は語る▲ ▲臥龍通信第103号▲ 

あこぎすぎる

2005年08月10日 | コ ラ ム
 今、小泉首相が刺客として小池百合子環境相を送り込んだとのニュースが流れています。 ▲毎日新聞▲
 
 郵政民営化関連法案の衆院本会議採決で反対票を投じた小林興起前衆院議員を当選させないために、わざわざ選挙区を変えて有力候補を投入するという小泉首相の常軌逸した粛正選挙は、まさしく「あこぎすぎるし品が無さ過ぎる」(亀井静香氏の弁)。
  
 まさしく、「やらせる方もやらせる方だし、やらされる方もやらされる方」(亀井氏)です。
 
 当の小林興起氏は「(古代)ローマの将軍が囚人を猛獣と戦わせるようなもの」「あちらが『それでも地球は動く』と言うなら、こちらは『それでも今の(郵政民営化)法案には問題がある』と言いたい」(毎日新聞より)と言っていますが、その心情も理解できます。
 
 しかし、このような自由民主党という名の「自由」も「民主主義」も抹殺する常軌を逸した崩壊寸前の政権に対して、国民の支持率は50.3%(ニュースステーション)だそうです。
 この高支持率は何を物語っているのかを真剣に考えることが必要です。
 
 多くの人たちは、「官を縮小して民営化することは良いことだ」「郵政民営化に反対する人たちは抵抗勢力だ」「小泉さんは抵抗勢力に屈せず頑張っている」「改革支持だから小泉氏にがんばってもらいたい」というふうに考えているのでしょう。
 
 しかし、実際はどうなんでしょうか。
 
 小泉改革の四年間で、どこが変わりましたか?
 道路公団民営化で、採算性の低い道路を作りつづけることが止まりまったのでしょうか?
 本当に天下りが無くなりましたか?
 談合は無くなりましたか? 
 年金改革は先送りして、無駄遣い放置。行く末は大増税ということではないんですか。
 
 また、郵政民営化に関しては、単に「官」か「民営化」という問題ではありません。
 ユニバーサルサービス(全国どこにいても均質に受けられるサービス)の維持を基本としながら、郵貯・簡保は規模を縮小しつつ財政投融資の問題は政府や特殊法人の無駄遣いを止めることによって解消し、同時に特殊法人・特別会計改革をすすめることを争点とすべきではないでしょうか。 

(参考) JANJAN記事より
 ▲小泉改革の問題点はここだ(2)▲ ▲小泉改革の問題点はここだ(1)▲

政権交代のためのマニフェストを!

2005年08月09日 | マニフェスト
 今日の京都新聞の社説には、内閣の4年間を振り返って「光と影が交差する」としたうえで影の部分を次のように指摘しています。 ▲京都新聞社説▲

京都新聞社説(8月9日)
道路公団の民営化は中途半端に終わり、三位一体改革なども当初の理念と比べれば大きく後退した印象が強い。国民の多くが求める年金はじめ社会保障制度の抜本的改革が、ほとんど手つかずになっているのは残念だ。構造改革の狙いに賛同するとしても、具体的な改革の実りはあまりにも少ない。郵政民営化は重要問題であっても最優先課題とはいえないだろう。


 小泉首相は、今回の解散総選挙を郵政民営化の是非について審判を求めるものだと言っていますが、実際は構造改革の具体的中身や結果が問われ、郵政民営化法案不成立をもって報復的解散にまで至った政治手法そのものに対する審判が問われるという視点でとらえる必要があるのではないでしょうか。
 しかし、これまでの郵政民営化に関する各メディアの報道や解散総選挙をめぐる論説が、片寄ったものとなっているのは非常に気になります。

 例えば、メディアには次のような視点で報道特集を組んでほしいと思います。

●郵政民営化という単一課題だけに終始してきた小泉政権は、結果として何をもたらしたのか?
●年金をはじめとした社会保障や税制はどうなったのか?
●財政健全化の方向は見えてきたのか?
●「右肩下がり」の時代に対応した経済社会の方向性はつけられたのか?
●グローバル化・東アジアとの共存と競合の時代にふさわしい日本の進路は見えてきたのか?
●税金の無駄遣いを止めて、限られた税金を多様な市民ニーズに対して最適に配分しうる分権の仕組みは見えてきたのか? 三位一体改革はどうなった?


 高度成長=「右肩上がり」から「右肩下がり」となった現在、抜本的な政策転換や発想のパラダイムチェンジが不可欠です。しかし、これらがことごとく先送りされたり、中途半端に投げ出されたり、いい加減により過ごされている結果そのツケが増税に向かっているというのが現実です。

 これらの問題を解決するために、日本の国家像をどう描き具体的改革のプロセスを明示するマニフェストの進化を示すことができるかどうかが重要です。また、国民主権・地方分権(住民自治)という観点から、ローカルマニフェストをどのようにリンクしていくのかという視点も必要でしょう。
 そして、「あれも、これも」ではなく「あれか、これか」の選択を有権者に問い、約束するのが政権交代を競うマニフェストの本来の姿ではないでしょうか。
 おりしも、戦後60年を迎えたなかで、国際社会の中で日本の果たすべき役割とは何か、またそれを国益とどうリンクさせていくのかについてもマニフェストに明記してほしいと思います。
 
 ちなみに、今回の選挙の争点は郵政民営化の是非を問うというものではありませんが、念のため何故小泉流郵政民営化法案が駄目なのかについて調べてみました。
 各党の見解は下記のとおり明確に示されています。

▲郵政改革に関する考え方(民主党)▲

▲郵政民営化関連法案の委員会通過について(社民党幹事長談話)▲

▲郵政民営化したらサービス低下(共産党)▲

 以上の内容についても、整理して理解しやすいように示すことも必要かと思います。(メディアでは、あまり取り上げられていないので・・・)

総選挙の性格

2005年08月08日 | コ ラ ム
 ガリレオ・ガリレイは、慣性の法則を発見してコペルニクス(1473年~1543年)の地動説を証明しました。
 しかし当時、聖書に書かれている賢者ソロモンの「太陽は昇り、また沈みてみずから立ち昇りし住処へ帰る」との考え方を固持するカトリックの宗教裁判にかけられた際、地動説を放棄して死刑を免れたそうです。その際に「それでも地球は回っている」と言ったとか言わなかったとか。
 
 小泉首相は、解散に関する記者会見でガリレオ・ガリレイの「それでも地球は回っている」という言葉を引用して、持論の正しさを国会で認められなかったから国民に審判を求めるというふうに描いていますが、本当にそうなんでしょうか?
 地動説は物理的・科学的に正しい理論であるからこそ、その正しい理論を主張しつづけ貫徹していくことの尊さを物語るエピソードとして語り継がれているのですが、今回の郵政民営化法案は構造改革=官から民へ=郵政民営化という単純図式の中で、もっと多くの重要案件があるにも関わらず改革の本丸と勝手に位置づけたれた非論理的情念の産物であり、ガリレオを引き合いに出すようなものではありません。
 それよりも、4年間の小泉政権によって財政危機が加速化し、外交の失政によって国際社会の中での信頼を損ない、最も重要な年金・医療の問題がなおざりにされ、官の無駄遣いの放置・・・・ということに対して国民主権で決着を付けるという性格の選挙にしなければならないと思います。