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情報化社会におけるメディアの役割

2005年02月28日 | コ ラ ム
フジ買収の可能性に言及 ライブドア堀江社長 (共同通信) - goo ニュース

 ライブドアによるニッポン放送株購入による支配権の行方をめぐっては、マネーゲーム的な側面ばかりが注目されているように思いますが、先ほどまで放送されていた朝日ニューススター(CS)の「放送の『公共性』とは?」と題して立教大教授の服部孝章氏をゲストに招いて行われた番組は、非常に勉強になりました。

 昨日、当ブログで問題提起したとおりこの問題は一般企業の買収をめぐって行われている訳ではなく、放送メディアは国民の知る権利を保証するパブリックな主体である放送メディアをめぐっての問題であることから、メディアそのもののありようについてもっとみんなが注目していくべきだと思います。また公共があって市民があるのではなく、市民が公共を自らつくっていくという基本があるということから考えても、放送メディアを自分たちの問題として真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
 NHKの番組改編問題でもそうでしたが、国民の知る権利を保障するべき主体自身が、国民の知る権利を保障していない(運営に関する情報公開や説明責任が果たされているとは思えない)し、フジテレビが何を死守しようとしているかという中に、放送のあるべき姿が語られていない、また同時にライブドアが考えるメディアのありようについても、手法としてのインターネット活用は分かるとしても、私たちが知りたい新しいメディアのありようやその役割についての情報があまりにも少なすぎるように思います。これでは、これまで日本を支えてきた層(経営者というよりも、日本型社会主義の中で既得権益を受ける官僚的な感じの人たち)と時代の申し子(鬼っ子?)とでもいうような部分のどちらに軍配が上がるのかということにだけ流されるのも無理ありません。

 放送に関わる人が、その公共性とは何かということや、現在の放送メディアをめぐる課題とは何か、また今後のありようについてもっと語る言葉を持つべきだし、それが無いのは非常に怖い感じもします。 特に、ニッポン放送の亀ちゃん(亀渕昭信社長)が「企業価値の維持・向上が目的だ。フジサンケイグループから離脱を余儀なくされた場合には、企業価値に甚大な悪影響がある」「フジサンケイグループの一員であることが企業価値、株主価値を高めるベストの方法だ」とする発表は、ちょっと怖い感じがしました。(メガメディアのように垂直・水平統合も必要だとする考えもありますが・・・)公共性を保証するためには、少なくとも組織としての独立性を保つ必要があるし、これって普通の商取引だと独占禁止法になるんじゃないの?という感じです。独占ではなく多様性や連携こそが必要であり、それを拒絶する体質から本来の主役である国民との関係性は期待できないように思います。

 とにかく、情報化社会においてはメディアの社会的役割は非常に大きいものですから、「公共性」「公益性」を顧みずに一人歩きしてほしくありません。今テレビメディアは、コマーシャル収入だけに頼ることは難しい時代になってきている中で、ITメディアとの融合も含めた戦略を考えていくことが必要ですし、国や企業に支えられたメディアではなく、市民に支えられたメディアを是非とも実現していただきたいと思います。
▲放送法▲