鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

「書くことは考えること」の過程的構造〜を絶対精神の自己運動に学ぶ〜

2020-04-16 13:20:00 | 絶対精神の自己運動
 「絶対精神の自己運動(ヘーゲル)」について知ることで、永年の悩みであった「如何に書くべきか」ということが具体性を持ってイメージ出来た、と思える。ヘーゲルに学ぶことの偉大性、必要性痛感する。

 「絶対精神の自己運動」とはアバウトには、世界の始まりには絶対精神があり、その絶対精神がまず自然に姿を変え、自然が発展する中で、社会が誕生し、社会が発展する中で、精神(文化)が誕生し、精神が発展する中で絶対精神へと至るという(素朴な)絶対精神→自然・社会・精神→(レベルアップされた)絶対精神という、絶対精神に始まり絶対精神へと帰る円環としての自己運動である。(詳細には(正確には?)、『南郷継正 武道哲学 著作・講義全集 第三巻』(現代社刊)をお読みいただきたい。)

 これは別の観点からいえば、観念の世界→物質の世界→観念の世界という否定の否定としての発展のあり方である。絶対精神の自己運動をそう捉え返すならば、それは文章の書き方そのものである(と自身には思える)。

 自身が文章を書く場合、先ずは「自身の思い」に始まる。例えば、「恐い」とか「嬉しい」、「悲しい」とかの思い(=観念の世界)を書くと考えると、「コロナが恐い」と書き始めてみても、そこから一歩も書き進めることが出来ない。というのが通常である。

 それは、「コロナが恐い」という言葉の背後の像がモヤモヤした霧がかかったような、であるから、それはどうにも書くことが出来ないからである。

 そこで、「コロナが恐い」という言葉の中身を知るために、具体の事実(物質の世界)へ下りる(具体の事実へ化体するというべきか?)ことになる。(これは唯物論的かつ認識論的にいえば、認識の大元は外界の反映であるから、その像の大元はなんだろうか?と知るということ)

 そこから、「コロナが恐い」の具体の事実に関わる像をあれこれ見て行くと、「人が疎な街の様子」「コロナで生活が立ち行かないと嘆く人々の様子」「外出自粛がこのまま年単位で続くというニュース」「近くの病院でコロナが集団発生したというTwitter」あるいは「イタリアの医療崩壊というニュース」「咳で苦しむコロナ患者の動画」「無症状のコロナ感染者からも感染るというニュース」「大学教授がグラフを示して、外出規制をしなければ40万人が死亡する、としているニュース」等々がある。

 それらの具体の事実を見渡してみると、コロナに関わる恐いには二重性がある。(本当は無限と言っていいほどの像を闘わせて、滅ぼし合った結果としての二重性にならねばならない、とも思えるが......)病気自体の恐さとコロナに関わる生活不安という恐さである。ということに気づかされる。

 結果として、その恐さの二重性が一つになっての、不安が「コロナが恐い」という観念の中身であったのだと、当初のモヤモヤして不明瞭であった「コロナが恐い」が明瞭なものとなっていく。そうなっていけば、病気の問題は病気の問題、生活の問題は生活の問題と分けて対処して行くことで......ともなして行ける。

 このように、不明瞭な自身の思い=観念を一度否定して観念の世界から具体の事実(=物質)の世界へと下りて行き、そこから再び最初の観念(の世界)へと帰って行くことが自身の認識の発展であり、それが即ち「書くことは考えること」である、と「絶対精神の自己運動」から(自身の)書くことを視ると思え、ヘーゲルに学ぶことのの偉大性が実感される。

 これは、より正確には、偉大なるヘーゲルの説くところを自身のようなレベルの者にも分かるように説(解)いていただいている南郷継正の偉大性なのだと、その有り難さを痛感している。

 

 

 

 

 
 


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2 コメント

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Unknown (崑崙)
2020-04-16 15:40:23
こんにちは。

私も全集3巻を買いました。

ちなみにネットで『私家版 武道の理論』というのが出回っていて、私も行きつけの古本屋で買ったのですが自費出版だからか出版社名とか発行者の記載もなく「どういう目的で作られたものだろう?」と不思議に思っているのです。

流儀の内部の方ならご存知ですか?
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Unknown (伏龍)
2020-04-16 20:34:22
コメントありがとうございます。

残念ながら私は南郷先生の流儀内の人ではありません。

『私家版 武道の理論』については残念ながら初耳です。
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