角口酒造店 酒の履歴書

長野県飯山市の酒蔵の酒造りブログ

もろみ32日目・上槽

2009-09-28 | 純米吟醸 秋しぼり
もろみ32日目の様子です。










とうとう上槽まで漕ぎつけました!
最終的に品温は2℃以下まで落としました。





ここからは上槽の様子です。

仕込タンクから少しずつもろみを出していきます。






袋に入れたもろみを並べる槽です。
タンクから出したもろみを酒袋に入れ、この中に上手に並べて積み上げていきます。






実はこの量のもろみを1人で槽に入れていくのは初めてです。
槽の中で均一な高さになるようにする、袋の口からもろみが漏れ出さないように袋の口を折りたたんでいく、という2点が大きなポイントであり技術が要求されます。
この2点が上手くいかないと、最悪の場合槽の中で崩壊して袋の口からもろみが漏れ出し、もう一度搾りなおし!という事態になってしまいます。
まぁ今までそんな場面を見たことはありませんが。






高さはちょっとイマイチでしたが、袋の口はキレイに折りたためました。
崩壊することもなくすべてのもろみを入れ終える事ができました。
何とかなるもんだ!
けっこう山積みですが、毎回こんなカンジになっているのでOKでしょう。






槽の口から酒が垂れてきました。
産まれたての純米吟醸です!






酒にオリがからんでいるので真っ白です。
特に搾りの前半部分はオリが多いです。
このオリを取り除くために搾った酒を数日間静置してオリを沈殿させ、澄んだ上澄みをくみ取っていきます。
この作業を「オリ引き」(おりびき)といいます。
今回のこの酒はオリ引きを行ってから販売する予定でいますので、今日搾ったからといってすぐには販売にはならないんですね。。。






ある程度搾れたら、圧をかけてさらに搾っていきます。
明日まで丸一日以上かけて搾ります。





さてさて肝心の味のほうですが・・・

・初めて使った酵母
・初めてのやり方で造った酒母
・酒を造ったことのない場所&タンクでの製造

などなどを加味すれば、まずまず合格点・・・というコトにしてあげてください。。。





”これはこれで”なかなかの味に仕上がっているとは思います。
個人的にはもう少しバランスのイイ味わいを目指していたのですが。。。
とはいってもまだオリ引きもしていない状態ですので、この酒の”本当の味”は現時点でハッキリはわかりません。





今回の仕込で

1.1801号酵母の特性
2.比較的精米歩合の低い米(精米歩合59%)を使っての吟醸酒造りともろみの管理方法

上記2点が大きな収穫でしたね。
特に2番目は吟醸酒だけでなく、純米酒等にも応用できそうです。





明日まで酒を搾り、2度のオリ引きを経て製品となる予定です。
今しばらくお待ちください。