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「仮定法」という文法用語が意味する述語動詞の変化システムは「仮定法的の表現技法」の枝葉末節の事柄

2023年04月15日 20時14分00秒 | 英文法の話題

 

もう随分前のこと。「仮定法」について地味だけれどかなり衝撃的なコメントを耳にしたことがあります。大学院留学予備校で働いていた20年ほど前のエピソード、同僚のアメリカ人講師の皆にKABU自作TOEFL教材の出来栄えを見てもらって、そのフィードバックを受けていた際のこと。ある最優秀講師のおひとりからーー学部/アンダーグラデュエートはどこ卒業か忘れたけれどTESL/TEFL(第二言語として/外国語としての英語教授法専攻)修士号をコロンビア大学、その後、米国陸軍の内部研修機関でコミュニケーション論教官、台湾と韓国と日本の民間ESL(所謂「オールイングリッシュ」のダイレクトメソッドを採用する英語学校)で10年を越える講師経験をお持ちの相棒さんからーーこう聞いた

🐙わたし仮定法って良くわからないのですよね🐙

💀特に、日本の英文法参考書の仮定法の解説は💀

この方は官公庁や大手企業の短期缶詰め受注研修プログラム(24h×fortnight for 480 trainees, for example)をプロジェクトチームリーダとしてお任せしてもKABUがまったく不安を感じなかった方。よって、間主観的には日本人講師と英米人講師の母集団の中でも「Subjunctive Mood as such:仮定法それ自体」に関しても十分な知識をお持ちのはずの方でした。だからこそ、ジョークでも謙遜でも、新手の業務辞退や昇給交渉のための鏑矢でもない真顔での本音の吐露にわたしは慄然とした。

実は、わたしは英米人と日本人を問わず少なくない英語研修業界の名のある講師の方々が、「仮定法を良くわかっていない」「特に、日本の英文法参考書の仮定法の解説を理解していない。日本の英文法の参考書では「仮定法の定義や分類」に①述語動詞の形態変化と、他方、②何時の時点の事実と矛盾するのか、過去の事実か現在や将来的のどの時空の事柄と矛盾しているのか、③更には、②を部分として含むけれど、そもそもセンテンスの主張や情報は事実ではないという判断、これら①②③の相互に無関係な基準に着目するがゆえに、論理的には、それが理解不可能であることを❗️」と日頃思っていた。

よって、そう驚きはしませんでしたが、一応、当時国内最有力の大学院留学予備校取締役にして教務責任者のわたし。そんなKABU程度の立場にあるものとしても、もうこの問題から逃げられない、鴨。年貢の納め時、鴨。と、そう感じて慄然としてしまいました。まあ、その納めたシャビーな年貢の一部は(笑)下記記事をご参照ください。

仮定法(1)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/f1e8bdf5a6f2b23a822c27fd70485b3a

仮定法(2)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/7a6f009616d7121612fd4828d03002e1

 

 

と、前口上終わり。

尚、この記事の主張から導かれる

具体的な認識は、

 

>現実の英語でのコミュニケーションにおいて、実際に使われる

>仮定法センテンスの大部分は普段着や普通の作業着姿なのです

>要は、過去や現在や将来の事実と矛盾しない直接法類似の内容

>謙譲・押し付けがましさ軽減、丁寧、判断を急がない大人の雰囲気の演出

>而して、大部分の仮定法センテンスはこんな⤵️感じです🌸🍺

 

I wouldn't have enjoyed it without you.

I couldn't have asked for a better host family.

(貴方がたがおられなかったならホームステイがこんな素晴らしいものになることはなかったでしょう。

 貴方がたは望んでも二度とは与えられないだろう素晴らしいホストファミリーでした)

(*高校生をアメリカのホームステイに送り出す際に帰国する最後に言いなさいと暗唱していただいていた台詞)

 

🇨🇦 Thank you, Ms. Perkins. We're excited to show you the advertising campaign that our agency put together for your business.

🇺🇸 I'm looking forward to seeing your proposal.  My furniture company is doing well, but I'm sure we could sell even more tables, desks, and chairs if we advertised more widely.

(今度の広告作戦の具体的ツールをお見せできる。そのことでワクワクです)

(わが社はいまでもよく健闘しているのです。しかし、より広範に広告を用いれば

もっと売れるはずだ。そうわたしは確信しています)

(Extracted from「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 5」 Test1 #59 - 61)

 

・・・I hope this information helps in your planning for next year.  I would seriously consider taking a second class 【=another class in next year】but would want to be sure that the instruction was appropriate to my skill level.

(前年の貴校の夏期プログラムについてのわたしの辛口感想が次年度プログラムの設計にお役にたつのなら嬉しいです。而して、その次年度のこと。わたしもかなうものなら是非参加したいとは思っています。そう思ってはいるものの、その判断は当該クラスの教授内容レベルがわたしの現在の技量にあうものかどうか、そのことを確認させていただいた上でのものになりましょう。十分満足とはとても言えない去年の経験を持つものとしては)

(Extracted from「TOEIC テスト 新公式問題集 Vol. 5」Test1 #186 - 190)

 

I thought you might like to use them.

(貴方はこれ【観劇チケット】を使いたいはず。お譲りしたい。そう思ってわたしは今貴方とお話しています)

(Extracted from「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 5」 Test2 #44 - 46)

 

 

上の前口上と例文を読まれた方の中には、就中、英語のインストラクター、

英語教材とカリキュラムの選択設計担当の教務スタッフの方の中には、

【歳はとりたくないものですなKABUさん⬅️🍒その方の独り言🍒】

KABU先生こそ、be, do, have, need等を含む助動詞の特殊用法が見えておられない。

 

🐙仮定法と助動詞の特殊用法の区別を

 老眼のせいか見落としておられます🐙

 と思われた向きも少なくない、鴨。

 

却下します。

なぜならば、このありがたいご指摘はーー(H)単数複数の情報を含む人称変化、(K)時制変化、(T)能動か受動かの態変化、(48)直説法か命令法か仮定法かの法変化とーー英語における4個しかない述語動詞の活用システムというか変化のプラットホーム(conjugation)において、法変化以外の(H)(K)(T)の場合は、原則、純粋に述語動詞の形態にのみ着目して述語動詞の活用が指し示す、その当該センテンスの意味を確定できる。

他方、(48)法変化の中でもーー直説法と命令法は大丈夫なのにーー仮定法についてそのセンテンスの述語動詞の形態をどんなに気合いを入れて睨もうが、メガネ屋さんでピッタンコの老眼鏡をproduceしてもらおうが、はい・・・。ならば、このありがたいご指摘は、

その当該センテンスがおおよそ現実ではありえないエキセントリックなものお茶目なもの行っちゃっているものでもない限り、端から判定不可能であるか、運が良くともその当該センテンスの前後のセンテンスもあわせて観察しない限り、その述語動詞が仮定法のセンテンスなのか助動詞の特殊用法が盛り込まれた直説法のセンテンスなのかは判定できない。と、そう述べておられるに他ならないでしょうから。

それは、述語動詞の形態変化からのみ活用情報を確定するのが本筋の「conjugation:述語動詞の活用」では最早ないから。センテンスの内容が決まらない限り法変化が特定できない日本流のその仮定法なるものは

と、ここでももう一度書いておきますね。

「日本では少なくない講師の方々が仮定法を良くわかっていない」「特に、日本の英文法参考書の仮定法の解説を理解していない。日本の英文法の参考書では「仮定法の定義や分類」に①述語動詞の形態変化と、他方、②何時の時点の事実と矛盾するのか、過去の事実か現在や将来的の事柄と矛盾しているのか、③更には、②を部分として含むけれど、そもそも事実ではないかどうかという判断、という①②③の相互に無関係な基準に着目するがゆえに、論理的には、それが理解不可能であることを❗️」

 

 

▼仮定法の種類は旧通説の🌀4分類派と現在の通説の⭕️3分類派

⭕️🌀仮定法現在➡️述語動詞は動詞の原形または現在形➡️将来的の事実に言及

⭕️🌀仮定法過去➡️述語動詞は過去形と助動詞の過去形➡️現在の事実と矛盾する命題

⭕️🌀仮定法過去完了形➡️述語動詞は過去完了形と助動詞の過去形+完了形➡️過去の事実と矛盾する命題

🌀仮定法未來➡️述語動詞は助動詞should+動詞の原形➡️将来の起こる起こらない五分五分の事実に言及

 

要は、日本では仮定法を分類するのに、ーー仮定法未來を除いてーー述語動詞の時制形態に着目する一方で、その当該センテンス命題と矛盾する事実が将来か現在か過去の事態かによっても分類されていました。複雑怪奇❗️ よって、現在ではーー仮定法未來のこの「should」さんは英語史から見ても「shall」くんの過去形ではないのですけれど、そこは気合いで、(a)「仮定法未來」は形態が類似するからすべて「仮定法過去」と看なし、ただし、(b)将来の事態に言及する変わり者の例外と割りきってーー時制形態のみで分類する3分類派が有力です。 

英語史的文法論の要点覚書--異形の印欧語「現代英語」の形成、それは「格変化」の衰退から始まった

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/91718985f1a5d1b7df4c7485a966c123

 

ただし、日本流の英文法の解説で仮定法が孕む最大の問題は

このスッキリ3分類でもまったく解消しないのです😢

 

 

二者選択するしかない、鴨。

蓋し、日本流の学校/受験英文法の解説で仮定法が孕む最大の問題は、

 

🍊「仮定法」は「法活用」なはずなのに🍊

その命題センテンスで述べられる事態を話者や著者、ときには、主語が、

直説法:事実と理解少なくとも錯覚しているか、

命令法:事実ではない。これから事実にしなければならないと理解少なくとも錯覚しているか、

仮定法:事実ではまったくない。事実にしなければならない事実にできる筋合いも可能性も

ないと理解少なくとも錯覚しているかどうかの法判定に際して「仮定法の述語動詞の形態」

記事冒頭近くで例文を挙げたようにほとんど役にたたないことです❗️

 

ならば、この不細工さを日々生徒さん子供たちに伝えるのは嫌だ❗️ という

リベラル派と違って嘘がつけない実直な保守派の英語教育業界関係者の皆さんは

二者択一の決断が不可避、鴨。

それは、次の二者選択。

 

狼於前門:仮定法は法変化とほとんど無縁ですから。

と、潔く「仮定法」の「法看板」を降ろすか

 

あるいは、

 

虎於後門:仮定法を、仮定法のセンテンスを

💎帰結節の述語動詞の形態が形式的に仮定法のそれであり、かつ、

💎If節等の条件節や条件節類似の副詞節等を完備しており、加之、

💎その条件内容が朝日新聞の記者さんのような常識知らずは別にして

♥️If I were a bird or a dragon, I could fly to the HKT48 Theatre now♥️

普通の日本の保守派の市民ならば「🔥こんなこと⤴️あるかいな🔥」と

瞬時に判定できる。そんなトンデモさの度合いを満たしているケースに

作業仮説的に限定するしかないでしょう

【↖️実は、「ロイヤル英文法」「総解英文法」「江川英文法」「金子英文法」を始め日本の現在の

最高水準の英文法参考書はこの線で潔く解説されている🌺  見事です❗️】

真面目にそう思わないでもないです。

 

ということで、仮定法を巡る真実の情景を

もう一度最後に書いておきます。

 

>現実の英語でのコミュニケーションにおいて、実際に使われる

>仮定法センテンスの大部分は普段着や普通の作業着姿なのです。

>要は、そのセンテンスの内容は、過去や現在や将来の事実と

>矛盾しない直接法類似の内容ということ🌺

 

 

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