飛行機の車輪が、テヘラン空港の滑走路に着地した直後だ。
「パカッ」「パカッ」
シートベルトを外す音があちこちで聞こえる。
まだ、かなりの速度で滑走路を走っているのに、立ちあがり、棚の荷物を取りだす人がちらほら。(そんなに忙しくないのに、なんてせっかち?!)
そして、携帯電話をかけ、べちゃくちゃが始まる。
「ママ、今空港着いたよ!」
(なぜかイランの若い男の多くは母親大好き。そんな「マザコン」男たちを女性はバカにするが……)
機内で列に並び、降りる順番を待っていると、座席から通路に出られずモジモジしている人がいたので、「どうぞ」と順番を譲った。
すると、後ろに並んだ若い兄ちゃんが私の背中をつっつき、「なんで、前に入れるんだ!」と文句を言ってきた。
私が「何がいけないんだよ!」と言い返すと、「おれはトイレに早く行きたいんだ」とか。
「そんなの知るか。さっさと行けよ」
私がそう言うと、すぐに笑って走って行った。
すべては独自路線!
だれも周囲のことなんか構っちゃおらず、好き勝手に生きている。
自分が一番大好き、そして自分を愛してくれる家族、友人が大好き。
それがイランなのだ。
正月休みを終え、また何もかもが濃い~イランに戻ってきた。
帰宅途中のタクシーを降りる際には、またまた運転手のおっさんとけんか。
運「はい、料金は30万リヤルだね」
(出た。イラン人得意の「とりあえず、ねだってみる」攻撃!)
私「乗る時、25万リヤルって約束しただろう。おれはイランに2年以上住んでんだよ。フロントガラスにも25万って印刷してあるのもわかるんだよ」
運「いや、ガソリン代も高いし、30万だ。それに日本人は金持ちだろう」
私「残念でしたあ。私は違います。外国人にも今のイランの生活は大変なんだよ。じゃあねえ」
私もだいぶイランで「大人」になった。
声を荒げず、ペルシア語による冷静なけんかができるようになったのだ。ハッハッハ……。
生活、仕事、人間関係……。
もちろん嫌なことばかりじゃないけれど、とにかく「イランモード」に切り替えるのは時間がかかるのだ。
職場の玄関では、オスのムハンマド君が迎えてくれた。
こいつだけは、わがまま言わないし、ベタベタひっついてくるし、いいやつだ。
何だかホッ……。
遅くなりましたが、新年おめでとうございます。
昨年できたこと、できなかったこと、いろいろありますが、今年も頑張ります。
ネット規制をくぐりぬけ、もう少し更新も……。
お互い今年も頑張りましょう!
また遊びに来てね!
鳴き声も「おしゃまんべ」と鳴きそうだし。