※この記事は2018年10月に投稿した記事の修正版です
こんにちは、毎度お馴染みKボーイです。
この記事は、私が2番目に買ってもらったNゲージの、TOMIXの209系0番台 京浜東北線色の初期製品を修理していくお話です。内容の特性上、自分語りを含むかなり長ったらしい記事になっています。
さて、Nゲージ趣味の泥沼にすっかり深くはまっている私ですが、当然ながら初心者だった頃がありました。
1998年ないし1999年頃に、最初に買ってもらったNゲージがKATOの入門用のパスポートセットで、車両がC11と旧型客車3両(マニ60・スハ43・スハフ42)でした。
でも、絶対に欲しかったのは、京浜東北・根岸線の209系0番台。
そりゃ、地元車両だから当然です。
今も昔もTOMIX製しかありませんが、入門セットを購入してからほどなくして購入。確か蒲田のユザワヤでした。
その当時の製品構成は単品と4両セットがあって、その時はセットの方が在庫がなく、
単品の方を買ってもらいました。
※なお、その当時買えなかった4両セットは2019年7月、
新宿区・中落合にあるイトウ模型にて入手しました。
さて、買ってもらったのは良いですが、当時は自重を知らない小学生でしたから、それはもう暴走させまくって酷使していました。
その後、大人になるにつれて他の車両が徐々に増える。そして209系自体も新ロットが発売される。そんなこともあって、C11形と同じく放置が続きました。
そんな、酷使されてすっかり疲弊して、放置されていた車両たちですが、C11は2年前にメーカーにて徹底的な修理を実施
記事→コチラ
そして今回は、ボロボロの209系初期製品を復活させようと思います。
手元にあるのは、クハ208形、クハ209形、モハ208形、モハ209形×2、サハ209形×2の合計7両です。
このうちモハ209とサハ209の各1両分は当時物ではなく、大学生になってから中古屋で購入したもので、状態は非常良いです。そのほか友人から譲渡を受けた部品取り用先頭車2両があります。
ですから、大規模な修理対象は5両分になります。
車両状態はまあ、最悪ですよ。
こちらはクハ208形です。
窓ガラスは割れているし転写シート(インレタ)の貼り付け位置も実にいい加減です。
しかもねぇ、
クハ209形のボディ内側が変色しています。
これはショートさせた際に発熱して変色したもの、今考えると実に恐ろしい
さらに、
モハ208形なんてクーラーが変色している上に、屋根に謎の穴があいています。
この謎の穴ですが、正体はパンタグラフを載せていた跡です。
どういう事かと申しますと、最初に買ってもらった際にモハ209の市場在庫がなく、クハ208形、モハ208形(動力車)、サハ209形、クハ209形の4両で購入。
そうするとパンタ車がない!
そこでモハ208に無理やりパンタグラフをのせていました。
穴はもちろん親に開けてもらいましたが、これだけで満足してた辺りが非常にピュア
最近は3両セットが基本となっているからこういうことは起こり得ませんね。
ご覧の通りボロボロの状態ですがこれを極力直して行くのが今回のお話です。
修理話に入る前に、TOMIX「209系0番台 京浜東北線色」の初期製品に少し語ります
この記事で述べる、「初期製品」とは2002年に6ドア車・サハ208を含む7両セットが発売される以前の製品群を指します。
単品製品の製品構成は、
- 品番2912「JR電車クハ208形(京浜東北線色)」
- 品番2913「JR電車クハ209形(京浜東北線色)」
- 品番2914「JR電車モハ208形(京浜東北線色)M車」
- 品番2915「JR電車モハ208形(京浜東北線色)T車」
- 品番2916「JR電車モハ209形(京浜東北線色)」
- 品番2917「JR電車サハ209形(京浜東北線色)」
になります。
特徴として先頭車の6ドアステッカーとJRマークの印刷がありません。
(手持ちの車両は現在絶版のJRマークインレタを貼っています)なります。
また、
クーラーは現行品(左)と異なり、メッキ仕上げ(右)です。
実車のイメージに非常に近く酸化しやすいという欠点がありますが別売りでも良いから復活して欲しい代物です。
そして、すべての製品に1枚づつインレタ(転写シート)付属していました
今からすれば大盤振る舞いです
内容としましては、
第2・4・9編成の車番と号車番号、
シルバーシートマークが収録されています
車椅子マークがないのは不思議ですが
もしかしたら多色刷りが出来なかったのかな?
一方で
交換式前面行先表示パーツは、7次車セット以前は全て同じです。
製品に快速大船行が取り付け済みで、交換用に前面表示パーツが付属します
「桜木町」「鶴見」「蒲田」とか私にとって腹立たしい行先が多く収録されています
さて本題に入ります。
まずは部品を買わないとね
中古屋を含む複数店舗を巡って部品を確保。
(色々と買ってしまいました)
- ウェイト(品番PZ6283)
- 旧集電用車輪(品番0651)
- 同集電シュー(品番JS21)
- 集電スプリング(品番JS06)
- 無線アンテナ・信号炎管(JA15)
- 209系先頭車用窓ガラス(品番PG6511)
になります。
そのほか、モハ208のジャンク品やモデルトレインプラスのM-LITEを用意しました。
部品が集まったところでまずは分解。
ボディを左右にひろげて床下・シート部を外し、さらに窓ガラスと屋根をボディも外します。
床下とシートは台車を外すと分離できます。
(室内灯も組み込んでいました)
まずは床下関係から修理します。
さび付いたウェイトを新品に、台車は台車枠を残して車輪、集電シュー、集電スプリングを全て交換します。
最近のウェイトはメッキ処理がなされていますが、昔のはそれがなく自然に錆びてしまいます
集電部分に素手で触れないように注意し適切なメンテナンスを日常的にしていればここまでヒドイ状況にはなりませんが、購入時は幼稚だったのでそうした配慮が一切なかったのですね。
割れた窓ガラス。
どこをどうやったら、このように割れるのか…
自分でやっておきながら大いに疑問である
車体に関しては全体をウェットティッシュで拭いて汚れを落とし、車番インレタ(転写シート)を再度貼り付け。
製品に付属していたインレタは十分に使用可能でした。
ついでに鳳車輌製造の方向幕ステッカーも貼りました。
ネタ半分で悲しみの鶴見行
また、号車表示と車椅子マークのほか、209系登場時の姿にしたいのでシルバーシート表示も貼ります
貼り付け位置は雑誌『鉄道ファン』1996年4月号が参考になります。
製品のインレタに車椅子マークがないのでそれは別の製品から拝借しました。
上手くいったかな?
出来上がったところで分解したものを元戻せば1両完成。
ドア枠の銀色がはがれていますが、それを年月を経た味わいと見てそのままにするか、銀色を塗りなおすかは迷いますね
1号車のクハ208を直したので、次に2号車のモハ208(動力付き)を直しましょう。
今回の修理対象車の中でも、一番状態の悪い車です
穴の開いた屋根はどうしようもないので、ジャンクで見つけたモハ208を使います
ところで、このジャンクのモハ208ですが、一見すると南武線色に見えますが…
スカイブルーの帯色がこんにちは。
京浜東北線色に南武線色のステッカーを貼った代物でした
グリーンマックスの205系キットに含まれる南武線帯を使ったようです
キレイにはがしたら、修理対象車のボディより状態が良かったのですが、このジャンク車両の屋根板を使います。
屋根板の外し方ですが、ボディ中央にある突起部分(赤丸囲った所)からマイナスドライバーで押してやると外しやすいです。
(思い出よ、さらば)
パンタグラフを載せるために開けた穴もそうですが、すっかりサビが浮いているクーラーも地味にすごい
どうやったらこうなるのか…。
動力ユニットは動くことは確認できたので分解・清掃することにしました。
シートの裏にある集電板はコンパウンドで磨きます。
ウォームギアは古いグリスをKATOのユニクリーナーで除去し、ユニクリーンオイルを差します
動力台車は片側がカプラーポケットを切断した状態でしたので、そちらは新品に交換、もう一方は清掃の上で再活用しました
また、動力台車も分解・清掃します。
動力台車の外し方は、赤い丸で囲った部分を左右に広げ、魚のむき身にするような感覚で外し、最後に青色で囲った部分を外すと右側のように2つに分かれます。
無事に分解が済んだら、集電シューと車軸の接触部分を念入りに清掃します
ボディもウェットティッシュでキレイに拭いてから、車番・号車番号インレタを再度貼り付け。
無事に2両目が出来上がりました。
引き続き、3号車のモハ209と4号車のサハ209を直しましょう。
モハ209は後から追加購入したのでモハ208等に比べると状態は良いです。対してサハ209は結構ボロボロでした
余談ですが、モハ209に関してはパンタグラフが現行品と異なります。
現行品では避雷器が選択式の別パーツとなっていますが、初期製品では上の画像のようにパンタ台に
直接モールドがなされていました。
機能的には何ら問題がないので、今回はパンタは交換せずにそのままにします
作業の流れは基本的にクハ208と変わりません。
車輪や集電シューといった傷んだ金属部品を全て交換します。
また、せっかく室内灯を入れるのだから、
シート部のロングシートをエナメル塗料の青色で筆塗りしました
塗り方はアバウトで、多少のはみ出しは気にしないことにしました。
室内灯を点灯させたときに効果を発揮します。
ボディもキレイに拭いたら、インレタと行先表示シールを貼ります。
4号車のサハ209は弱冷房車ですが、製品の転写シートには弱冷房車表示の収録がありません。やはり他製品の余りを使いました。
(うまく貼れるかな?)
これぐらいなら及第点かと。
これが両面で8か所あるので、それなりに神経を使いました。
そして、無事にモハ209とサハ209が完成。
残りはクハ209を残すのみとなりました。
では、最後に、
10号車・クハ209の修理に取り掛かりましょう。
手順は今まで通りに、分解→清掃・部品交換です。
クハ208とは違って側面の窓ガラスは無事。
しかし、この車両が今まで無事だったかと言えば、それはノーである
過去に電気回路の短絡による発煙という重大事故を起こした事がありました。
(床板とボディ裏側の焦げた痕)
車両からシューと煙がのぼった時は焦りましたよ。
ライトユニット(プリント基板)から発煙したことは覚えていますが、何が原因だったのかはハッキリしません。
さて、この車両は色々とあって、片方の台車を新集電台車(左)に交換していました
旧集電台車というのは車軸を集電シューで上から押さえつける形で集電します。いわば車輪に常時ブレーキをかけている状態なので、新集電台車より車輪の転がりは必然的に悪くなります
また、画像の赤丸で囲った部分がシューとの接触ですり減るとショートする場合があります。なので長期的に見れば新集電に変えた方が良いかと。
あとは、ウェイトと新品に、プリント基板をM-LITEに交換すれば下回りは終了
上回りに関しては前面の白色FRPと前面ガラス、それにメッキのクーラーが痛んでいたので部品取り用車両のと交換しました。
前面パーツを分解すると、上の画像のように6つのパーツになります。
あとは必要部分だけ交換して元に戻しました。
ついでに
信号炎管と列車無線アンテナも新しいものに交換します。
インレタや行先表示シールも貼り直せば、
無事にクハ209も完成
大規模な修繕はここまで、残りは2両を簡単に整備すれば完成です。
本当に「修理」というより「整備」であっという間に終了します
これで7両全ての修理・整備が完了。
再塗装や傷の修正といった高度な事はしていませんが、最低限人前で走らせても恥ずかしくない状態に仕上げることを目標に修理を行いました
なんて修理をやったのが2018年10月ごろ、それから4年経ちました。
209系の在庫も潤沢にあり、かつ増結車両も確保したので、さらなるアップデートを施工しました。
主なメニューは二つで、一つは全車両の新集電台車化です。
こちらは言わずもがなで、台車の車輪・集電シュー・スプリングを新集電のものに交換します。
新集電台車の集電シューは分売がないので、中古で適当に集めた209系のを使用しました。
まあ、そのおかげで集電シューを抜き取られた哀れな209系が発生しましたが…。
もう一つのメニューはレタリングの強化です。
修繕の際、車番は付属品を使いましたが、単品時代のインレタは文字のサイズが大きく、後発製品と並べると少し気になっていました。
(やはり大きいよね)
あと、所属標記も再現したくなりました。登場時なのでもちろん「東ウラ」です。
ということで、より精密なインレタを求めてモデルスIMONへ世田谷総合車輛センターのインレタを買いに行きました。
この時、買いに行ったまでは良かったのですが、車番インレタの品番444を買うべきところ、品番445を買ってしまいました。
品番445は209系0番台の後期編成と500番台用で、初期編成にするなら品番444なのにね。で、後日再びIMONにて買いなおしとなりました。そこそこの値が張るから少しショックでした。
それはともかく、精密さで定評のあるインレタなので、仕上がりは抜群です。
車番はウラ2編成としました。
そのほか編成札の再現や、行先表示も「鶴見」から「大宮」に変えました。
遊び半分なら「鶴見」でも良いですが、きちんとするなら、やはり基本の行先にしたいよね。
なかなか時間のかかる作業でしたが無事に終了。
こうして6ドア車・サハ208形組み込み前のオール4ドア車・10両編成が出来上がりました。
これで最終整備といったところでしょうか?
一応新型M-13モーターの動力ユニットも確保しているのでいつでも交換可能です。
ボロボロだった5両も、結果的に走りに関しては最新製品とそん色ない状態になりました。
近頃はメーカーの陰謀に乗せられて、車両がどんどん増える悪循環に陥っていますが、少しは初心に戻ってみよう、ということで修理をしました
最初に買ったC11形もそうですが、捨てなくて良かったです
だって、こういうのをね、ホイホイ捨てるとね、罰が当たりますよ、きっと。だって酷く痛みつけられた車両だから、
きっと恨みがすごいですよ。
修理をしながら、「昔はバカだった…」としみじみと思います
何はともあれ、色々とひどい目に遭った、この209系・京浜東北線色ですが、これで第一線の車両になりました。
以上です
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この修理の際にも使用したモデルトレインプラスの
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TOMIX限定品 209系「MUE-Train」タイプ
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初めて乗ったのは´94年の夏。
プラスチックの車内にカチカチの座席、再開閉時に一度止まる電気式ドア、そして試作編成は天井が上下に揺れてましたね。
京浜東北線は103系と209系が混在していたあの頃が一番楽しかったですね🎵
中古店でよく見る、下手くそに細部塗装したブツに嫌気が差したのか売り飛ばされているやつ。
安く買う側としては、ある意味ありがたい反面、こいつにはその程度の慰みものでしか無かったんだな...と悲しい思いにも成ります。
自分は、色を落として塗り直すなどや、改造用に保管しておいて、そういう売却は一度もしたことがない。
まあそもそも、加工は真剣勝負でそんなに下手くそでは無かったですけどね... : -P