◎2021年7月9日追記:通常品として
「後期型・京浜東北線」セットが発売されました。
その記事は→コチラ
こんばんは
毎度お馴染みKボーイです
今日もNゲージの入線のお話です。
お題は私にとって大本命の車両、
サハ209形初期車を混結、
TOMIX 209系0番台 京浜東北線・7次車セットのお話です。
209系2100番台房総色と2200番台南武線色の製品化から大いに期待していた、東急・新津製ボディの0番台・京浜東北線色です。
従来品はすべて少数派の川重製初期車がプロトタイプで、多数派の東急・新津製ボディの製品化が長らく待たれていました。
(5号車は妻面ビードありの川重製初期車です)
この模型、令和への改元直前の
4月下旬に発売されましたが、
発売と同時にほぼ蒸発。
そんな模型をこれから語ってまいります。
適宜実車についてもお話いたしますが、
参考文献として、
『鉄道ファン』1996年4月号と2009年4月
などがおススメです。
◎模型の概要
まずは模型の概要からです。
今回の7実車セットは限定品です。
パッケージも特別仕様です。
(製品のイラストパッケージ)
〇製品名:品番97910「限定品 JR 209-0系通勤電車(7次車・京浜東北線)セット」
〇主な仕様
- プロトタイプは5号車に川重製のサハ209形初期車を連結する旧ウラ56・57・61編成
- 10両フル編成セットで、イラストパッケージにブックケース2個入り
- 5号車以外は車体妻面にビードのない東急・新津製の特徴を再現
- ホーム検知装置の表現はなし
- 号車表示・車椅子マーク・弱冷房車表示は印刷済み
- ライト基板は白色LEDを採用
- 前面表示は「27C 大宮」取り付け済み、交換パーツ付属
- 転写シートはウラ56・57・61編成の車番を収録
※ここで言う209系0番台「初期車」とは空気式ドアエンジンを持つ1・2次車のことです。
3次車以降の電気式ドアエンジン車と異なり、1・2次車は車体側面にドアコック蓋がありません
〇セット内容
主な仕様で述べた通り、イラストパッケージにブックケースが2個入っていて、ケースAとケースBに分かれております。
ケースAの方は、
●10号車 クハ209
●9号車 サハ209
●8号車 モハ209(動力車)
●7号車 モハ208
●6号車 サハ208
●5号車 サハ209(川重製タイプボディ)
●付属品
が含まれています
一方のケースBの方は、
●4号車 サハ209
●3号車 モハ209
●2号車 モハ208
●1号車 クハ208
が収まっております
ケースB内のPOPですが、
TOMIXの209系京浜東北線色の初期製品に当たる4両セット(品番92057)の中にあったPOPをモチーフにしています
〇付属品
パーツ類はコチラです
・前面表示パーツ×2
・列車無線アンテナと信号炎管
・避雷器パーツ×2
の3種類です
前面表示の収録内容は、「21A 快速大宮」「03B 大船」「19C 快速大船」「65A 磯子」「43B 快速磯子」「25B 東十条」
「29B 快速東十条」「39C 赤羽」「07A 快速赤羽」「71A 東神奈川」「13A 快速東神奈川」「75A 上野」になります。
日中の主要な行先でありながら
従来品に収録のなかった磯子行の他、
東十条、赤羽、東神奈川行、上野行が
新たに収録されています
その代わり蒲田行や南浦和行などはありません。
これは従来品と補完の関係にあるからのようです。
(従来品の前面表示パーツと比較)
なお運番表示は2009年1月時点のダイヤを元にしているようです。
〇レアな行先の当該列車
- 快速赤羽行:1406A 磯子14:02→赤羽15:12
- 快速東十条行:1428B 蒲田14:45→東十条15:21
- 快速東神奈川行:913A 大宮9:54→東神奈川11:11
- 上野行:2374A 大船23:48→上野1:05
すごい、ちゃんと調べてる!
転写シート(インレタ)はコチラ。
車番(ウラ56・57・61編成用)と、
ATC標記が収録されています。
号車表示と車椅子マークは車体に印刷済みなので、転写シートに収録はありません。
概要は以上です
◎実車の話
ちょっと実車の解説をしましょう。
(実車209系ウラ56編成 横浜―東神奈川間にて)
※前から6両目が川重製サハで雨樋の高さが微妙にずれています。
209系0番台7次車は平成7年4月から平成9年3月にかけて登場した編成で、旧浦和電車区のウラ49編成~ウラ66編成が該当します。
大きな特徴は、10両編成中4・5号車のサハ209形が既存編成からの転用、残りのは8両が新津製であることです。(※ただしウラ66編成の5号車は新製)
これは全車4扉車で登場したウラ1~35編成の6号車を、6ドア車・サハ208形に振り替えたことによるものです。
サハ209形を転用する際には条件があって、戸閉装置が空気式の初期車(1・2次車)は一編成内に1両と限定されました。
さて、現状TOMIXが作れる209系0番台は、
- 川重製の初期車(1・2次車)
- 電気ドアエンジン車の東急・新津製(3次車以降)
になります。
(奥が昔の川重製タイプ製品です)
この二つを組み合わせて再現できる7次車は、ウラ56・57・61編成の3本だけで、いずれも5号車が川重製サハです。
大部分は模型化されていない東急製の1・2次車、あるいは川重製3・4次車が含まれています。
◎模型の細かい話
実車の話が長くなったので模型の話に戻ります。
〇模型のお顔
お顔は従来通りで、
ホーム検知装置の表現は無しです。
ライトの光源は白色LEDで、
ヘッドライトまで白色点灯します
先頭車を分解するとこうなります。
前面のパーツ構成は変わりませんが、遮光ケースがスリムになりました
プリント基板(ライトユニット)は内装パーツと床板の間にありまして集電板も兼ねています。
(斜め横から)
〇車体側面など
続いて側面を見ていきます。
(クハ209形側面)
車体は多数派の東急・新津製タイプです。
側面窓は開閉化工事後の姿で、現状交換パーツの設定がないので工事前の仕様にはできません。
一方で床板の機器配置は、1・2次車の仕様のままです。
そのため3次車以降は非搭載となったコンプレッサーのモールドが、クハ209形に残っています。
これをよりリアルにする場合、空気圧縮機のモールドを撤去するだけではダメで、蓄電池箱を追加しないといけません。
(モハ209形のVVVF)
やっぱり209系といえば、このインバーターです。
(5号車のサハ209形)
この車だけ川重製初期車になります。
ドアコック蓋がなく、側面窓のRやクーラーの位置が異なります。
このように車端部で比較すると、窓のRの違いがよりわかりやすいかな?
また東急・新津製は幕板が天地方向に長く、屋根板にも差異があります。
ちなみに、妻面にビードがあるのも川重製の特徴です。
〇屋根回りなど
パンタグラフはお馴染みののPS28です。
避雷器はカバー付きのタイプになります。
〇初代製品との比較
せっかくなので、20年以上前に発売の初代製品と並べてみます。
初代は6ドアステッカーはおろか、JRマークの印刷もありません。
でも、お顔の造形は全く変わっていないことがわかります。
白色LEDで前面表示も白色点灯するのが素晴らしい。白熱電球の時代には考えられませんでした
そして、集電板を兼ねたチップ式LED採用したことで、遮光ケースもスリムになり、乗務員室直後の客用扉から反対側が見えるようになりました。
(運転台部分拡大)
なお、床板は互換性があるので、初代製品の床板を新しいものに交換することは可能です。
クハ209形の側面を比較します。
7次車セットの新津製タイプは、川重製タイプよりも側面窓や方向幕が角ばっています。
その他ドアコックの有無やクーラーの位置に違いがありますが、それらは1・2次車と3次車以降の違いになります。
屋根上も見てみましょう。
パンタグラフは避雷器が別パーツとなっています。初代は避雷器にカバーの無いタイプでパンタと一体成型でしたね
集電もピボット式になって、集電板を付けた状態での車輪の転がりが改善されました。
動力もフライホイール付きです。
こうして見ると、いろんな改善点があります。
でも、逆に初代製品の方が良かった点もあります。
それは初代製品特有のメッキ仕上げのクーラーです。
奥がメッキ仕様、手前が現行品です。
メッキ仕様は輝きが素晴らしい。
表面が酸化しやすい欠点がありますが、
出来れば復活して欲しい代物です
◎車両整備の話◎
続いて車両整備のお話に入ります
模型の付属品の取り付けや転写シートの貼り付けが主な作業になります
基本的に説明書通りに取り付ければOKです
列車無線アンテナは取付が緩いので、ゴム系接着剤や木工ボンドの使用を推奨します。
また、避雷器は向きを間違いやすいので注意してください。
そのほか、製品に付属しない側面方向幕や所属標記、編成札をサードパーティー製品で補います。
「宮ウラ」の所属標記はトレジャータウンの品番TTL801-67、編成札は富士川車輌工業の品番5206で再現いたします。
所属標記があるだけでも大分雰囲気が変わります。
側面方向幕は鳳車両製造の「国電用方向幕根岸・京浜東北線」です。
シールは印刷面ギリギリというよりも、余白を少し残したぐらいで切り出すと、ちょうどいいサイズになります。
また、ヘッドライトは製品状態では白色点灯なので、これを電球色に近づけます。
やり方として最初はプリズムに着色したのですが、どうも色味の調整がうまくできない
そこで、
マッキーのライトブラウンで着色した
透明なシートを、上の画像のように
プリズムとライト基盤の間にある
ボディ側の仕切り部分に貼りました
行先は「03B 大船行」にして、
車番はウラ56編成にいたしました
行先を南行列車にしたので、
動力ユニットを8号車から、
バランスを考慮して3号車にスワップ。
整備が終わったところで、
いつもの車両紹介です。
1号車 クハ208-57
大船方先頭車で、車端部に車椅子スペースがあります。
2号車 モハ208-114
静止形インバータと空気圧縮機を搭載する中間電動車です。
3号車 モハ209-114
VVVFインバータを搭載する中間電動車で209系の基幹形式です。
製品状態ではトレーラー仕様ですが、行先を南行電車に設定したので編成バランスを考慮してこちらを動力車に変更しています。
4号車 サハ209-138
模型でも軽そうな中間付随車、実車は東急製4次車です。
5号車 サハ209-18
実車は川重製初期車で、戸閉装置が空気式です。
※ここから山側になります。
6号車 サハ208-56
編成のアクセントとなる6ドア車です。
7号車 モハ208-113
レタリング以外は2号車と変わりません。
8号車 モハ209-113
本来はこちらが動力車になりますが、3号車と下まわりを交換してトレーラー仕様にしています。
※9号車 サハ209-187は省略
車両紹介は以上です
209系が京浜東北線から消えて、間もなく10年が経ちますが、今になって7次車が製品化されるとはね
長らくお世話になった車両ですから、
とにかく懐かしいですね
製品化されて本当に良かったです
ところで、
0番台京浜東北線は何本あるの?
フル編成は3本で、半端な編成が2本
そのほか単品車両数両…
以上です
関連記事
初期製品を修理した話→コチラ
修正記録
・7月16日投稿
・7月24日一部追記
・7月27日車両紹介を追加
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