日本のリベラル反体制派、左翼、死刑廃止派(左派)にはズレまくってるのが“混ざって”います。
日本のリベラル・反体制派には、『“男性労働者が”強者から搾取されたり、ハラスメントされたりしたことだけは抗議するが、男が、女を搾取することについては継続しようとする』というタイプがけっこう混ざっている。しかも、そういう考えを自分が持ってしまっていることに、自覚がなかったりする。
(もしくは、男性労働者たちは、『男女共通の労働問題』のときは、女性労働者に対しても共感の態度を示す。)
“男性労働者である自分”が、上司からイジメを受けたことや、長時間労働をさせられたことには抗議をするが、
“男性である自分が加害者になる可能性が高い”、セクハラ、環境型セクハラ、性暴力、『貧困女性への性的搾取問題』の話題をされると、ムッと口をつぐんだり、「面白くない!」という顔をする日本のリベラル、反体制派、左派の男性たち。
あげく、「男に寄り添うフェミニズム!これが真のフェミニズム!」と言い出し、フェミニズムだけは、さまざまなカテゴリーを救済しないと人権運動として認めない!俺たち男のかわりに、フェミが男の人権を救済しないと、フェミニズムを認めない!!!という子供のような言いがかりまでつけてきている。
女性達が自分がされた女性差別をネットに書くと、それを「男性差別・男性蔑視行為だ!」「女尊男卑反対!」「行き過ぎた男女平等主義!」と言ってくる。(ですから、日本の女性政治家・管理職の割合が全体の半分以上になってからそういう心配をしてください。)
「今の日本の女たちは差別されてないのだから、女は優遇されているのだから、フェミどもは慰安婦問題だけ取り組んでいろ」と、何人かのリベラルや死刑廃止派から言われたときは驚きました。
日本のリベラル・反体制派の中には、慰安婦問題は普遍的な女性の人権問題ではなく、戦争責任問題、民族問題としか見てない。彼らにとっては、『日本の女の人権・尊厳は、どーでもいい』ということです。あくまで、「女性」は、男性にとって永遠の搾取対象なんですよ。
日本のリベラル・反体制派は、在日中国韓国人、アイヌ、琉球問題にはこだわりますが…上のような態度のリベラルを見ていると、しょせん、「在日中国韓国人、アイヌ」なども、彼ら性悪リベラルが政治利用してるだけなんだろうなあ…、と最近は思うようになりました。…なぜなら、とても人権問題を理解できている人達に思えないからです。
右派にも左派にも女性の敵は多いです。
無論、フェミニズムに理解がある左派については除外します。
記事の権利はリンク先に帰属します。
------------------------------------------------------
作家・北原みのり氏の連載「おんなの話はありがたい」。今回は、連日のように報道されている「慰安婦」関連のニュースについて。北原氏は、日韓でともにこの嵐を乗り越えたいといいます。
* * *
韓国では今、連日のように「慰安婦」関連のニュースが報道されている。きっかけは今月7日の元「慰安婦」、李容洙さん(91)の記者会見だった。
李容洙さんは1944年、15歳で台湾の慰安所に入れられた。92年にご自身の被害を訴えてからは、人権活動家として戦時性暴力の残酷さを訴え続けてきた。その李容洙さんが、支援団体の前代表で、今春国会議員になった尹美香氏を非難する記者会見を開いたのだ。寄付金が被害当事者のために使われていないなどとし、ご自身が長年参加されてきた水曜デモにも否定的だった。
それからが大変だった。尹美香氏をめぐる報道合戦がはじまった。支援団体はすぐに記者会見を開き、会計に問題がないことを明らかにしたが、一度火のついたメディアは止まらない。尹美香氏の娘の留学費用の内訳など、家族や周囲をまるごと巻き込んで壊していくような強い誹謗中傷の嵐が吹き荒れている。
胸を痛めながら数週間、このニュースを追いかけている。李容洙さん自身が苛烈化するメディアを批判する声明を出したが(13日)、コロナ禍でなければ、日本のメディアも「たまねぎ」法相と同様に、執拗なバッシングを繰り広げていただろう。30年にわたり「慰安婦」問題を率いたリーダーの「疑惑」を「娯楽」にするワイドショーの面々が目に浮かぶ。
尹美香氏は自身のフェイスブックに「怖くはありません。女性人権家といういばらの道に入った者の宿命として、堂々と対抗します」と記したが、フェミニズムが盛り上がる現代韓国であっても、男性特権を侵害するフェミニストへの根深い嫌悪があることを、今回の報道で突きつけられた。
もちろん男尊女卑の韓国で、「慰安婦」問題は最初から受け入れられたわけではない。1990年代には、「民族の恥!」と女性を非難する声は少なくなかった。そういう社会で女性側からみた世界を語り続け、世論を変えてきた。戦地のロマンとして語られてきた「慰安婦」は、こっちからみたら性暴力だったのだと歴史を変え、長年裁かれてこなかった戦時性暴力は、過去にさかのぼって問うべき人権侵害だと、世界の「常識」を変えた。2018年にIS被害者のナディアさんとムクウェゲ医師(※)がノーベル平和賞を受賞したが、「慰安婦」女性たちはIS被害者と連帯し、ムクウェゲ氏も「慰安婦」女性たちと交流していた。紛争下の性暴力問題でノーベル平和賞が出たのは、「慰安婦」女性たちの戦いがあったからに他ならない。
尹美香氏らと共に「人権活動家」として戦い続けた李容洙さんがなぜ、記者会見を開いたのかは分からないが、性暴力被害者と支援者の関係は、時に緊張が走るものだとも思う。加害者への怒り、社会への絶望が、最も身近な人間関係を壊す力になることは珍しくない。実際、「慰安婦」女性たちがお金の使い道に対し支援団体を訴えた過去もある。壮絶な性暴力被害を受け、その後の沈黙と孤立が長いほど、不信と不安の根は深い。
私は近年、女性支援者やソーシャルワーカーを取材する機会が多いが、穏やかな見た目の中高年女性たちの目の奥の鋭い光と、大きな声に動じない凄みにはっとさせられることがある。普通のおばちゃんたちが見ている絶望と、その絶望にのまれまいとする凄みなのだと思う。尹美香氏の優しい目の奥の真剣さも凄い。それは彼女が誰よりも被害女性たちに自ら出会い、声を聞き、共に泣いてきた人だからだ。2019年4月に始めた性暴力に抗議する「フラワーデモ」は、韓国の「慰安婦」運動に影響を受けた。尹美香氏の「声を聞く、声をつなぐ」運動がなければ思いつくこともなかっただろう。
私の知る尹美香氏は大胆で、冷静で、そして韓流ドラマの主人公なみに意思の強い人だ。重い病を患ったときに治療費が足りず借金していた。本当に最低限の給料しかもらわずに働き続けてきた。印税が入っても全て寄付し、非常に厳しい倫理感で生きてきた。
女性運動は大胆だ。その大胆さ故に、たたかれる時の圧力は凄まじい。それでも、日韓の国境を越えて、この誹謗中傷の嵐を共に乗り越えたい。韓国のフェミニストのこと、「慰安婦」女性たちのこと、日本の凄腕運動家のことも、この連載では時々書いていこうと思う。まさに連載タイトル「おんなの話はありがたい」……だ。
そうそう、李容洙さんが記者会見でもう一人、強く批判していたことも記しておきたい。「アベシンゾウの顔もみたくない」と李容洙さんは言ったのだ。改めて考えたい。最も責任を問われ、カメラを向けられるべき人は誰なのか。
※コンゴ民主共和国(旧ザイール)の産婦人科医。紛争下で性暴力被害にあった女性たちの治療に尽力した。