じょじょりん文庫

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毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記 北原みのり

2012-06-05 | ノンフィクション
毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記
北原みのり
朝日新聞出版


なんか、5月はすごく忙しく、あっという間に6月になってしまいました。
FP2級の受験(実技はだめそう)やら、夫の赴任先に行くやら、自分の時間がほとんどなかった感じ。
そして、最近読書もめっきりさぼってしまっています。
が、この間買ってようやく読みました。

木嶋佳苗ネタは、謎がいっぱいです。木嶋佳苗本人にも、不謹慎のそしりを受けるとしても被害者の方にも、不思議さを感じてしまっていました。

北海道の過疎の町から上京した木嶋佳苗は、祖父が司法書士を務める地元ではエリートの家に生まれたという。若いうちから売春を生業として生活をしていて、パトロンだった男性に死なれてから、今回事件になった一連のハンティングが始まったようだと本にはあった。
料理で釣ったり、身を投げ出したり、獲物を狩るために健気なところはある。だけど、私が男だったら、たぶんダメだろうなあ。

本を読んでいたら(本のレベルや、傍聴記としてのレベルが高いようには思えないけど)、「へえ!」と思うところがあった。
それは最後に殺されたとされる男性の身内が、「煉炭で自殺するなんて言う発想は東京生まれ育ちの人間にはない。北の人の発想ではないか」と法廷で発言した折りに、木嶋佳苗がものすごく理不尽な顔をしていた、というくだり。
ああ、確かにそうかも。

私は東京生まれ東京育ちで、東京以外には横浜に6年ほど住んだことがあるだけ。木嶋被告人よりたぶん一回り近く年上だと思うけど、確かに、練炭自体ほとんど知らない。子供の頃にどこかで見たかな、という程度。なので練炭で一酸化中毒死しようと言う発想は、まったくない。
そして、なぜそのことが、木嶋被告人を理不尽な顔つきにさせたのだろうか、わからない。
木嶋被告人は、自分のふるさとがいやだったのだろうか。木嶋被告人のふるさとでは煉炭が今も日常に使用されているのか?

被害者の方も不思議だ。
木嶋被告人は、会ってすぐにもう、相手の人格を知ろうとか言う前に、お金持ちかどうか、身寄りがいるかどうか、関係を持つ気があるかどうかだけを気にしているわけで、木嶋被告人はカモ探しをしていたわけだから仕方ないにしても、それを被害者の方が嫌悪したり不思議に感じていないかのような印象を受けるのが不思議だ。出会い系サイトというのは、そういうものなのか?

木嶋被告人の行動もやはりすごい。
被害者の方が練炭で亡くなって(自殺か殺人かで争われているが)、すぐに(その翌日、とあったように記憶する)その人のお金を回収してベンツを買ったと言うが、その神経はわからない。お金に浄不浄はない、ということか。普通の神経ではない。正当にもらったと言うなら贈与税の対象になるだろうに、免れたのだろうか?

木嶋被告人の容姿についても不思議だ。
木嶋被告人の行動は、昔だったら絶世の美女の悪女がしていたような悪行に思えるけど、それを容姿が人並み以下(と言われている)木嶋被告人が易々と行えたというところが不思議だ。被害者の方たちも、若くて超イケメンとは言えないにしても、3人ともそんな女性に引っかからなければならないような方々には見えない。
自分でも法廷で自慢していたとされる肉体的な魅力のなせる技なのか(寒気がする)、どちらにしても、カレーの林真須美にも匹敵するかそれを超える怖さだ。

別の本にあった記載だが、木嶋被告人が一連の事件の他にも獲物として機会(詐欺か殺人かわからないけど)を窺っていた男性達の中には、母親や姉などの注意によって被害を免れた人が何人かいるという。
私も、正直肉親が木嶋被告人と親しくしていたら、やめた方が良いのでは、と言うだろう。ブログなどの話を聞いても、一言では言い難い、人間としての嫌悪感、メッキのような虚飾・虚栄を感じるからだ。だけど、それは男性からは見えにくかったのだろう。
異性とおつきあいするときは、家族の中の異性の意見を聞いてみることも必要なのだろう。自分に見えないものが見えるのかもしれない。

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