じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

溶ける 井川意高

2014-02-04 | ノンフィクション
カジノで100億円すってしまった、大王製紙の元会長の懺悔録、です。
ティッシュ御曹司なんて言われてましたよね。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
クリエーター情報なし
双葉社


おいたちから始まって、大王製紙に入ってから頑張ったという話、マカオのカジノにのめり込んでしまった話などが書かれていますが、理解不能です。
父親が厳しくて、竹刀で叩かれるとかの体罰もあって反発したたとか、勉強を頑張ってけっこうすんなり東大法学部に入学できたとか、仕事も赤字部門を採算が合うようにした、とか、懺悔録という割には自慢とはいかないまでもけっこう自己愛の強い人なのかな、という感じはしました。

自分なりに頑張ってきて、けっこうイケていると思っても、何かしらの欲求不満とか、逃げたいものがあったのでしょうか。
でなければ、家族とか仕事とか守るものもあるいい年した男性が、生活を破壊するように何かにのめりこむということはないように思います。
私は女性ですから、生活の心配も無い資産家で、生きていくために働かなければならないわけでもないのなら、そんなにイヤならやめてしまえばいい、と簡単に思ってしまいますが、男性はそうもいかないでしょうかね。
もともとが勉強の出来る人なのでしょうから、プライドや名誉欲、権力欲がないわけでもないんでしょうし、学生時代の友達などが大会社の経営を担う立場になったり、国政を憂うような立場になったりすれば、もかしたら自分だって、と思ったり、心中おだやかではいられないのかも、なんて想像したりします。でも普通は、どんな葛藤があっても井川氏レベルまではいかないものだと思います。

で、肝心なカジノにのめり込んだ理由ですが、あまりこの本では本音が書かれていない感じで、自分が賭け事にのめりこむ資質があったことと、賭け事をする資産があったことが、一連の賭博に走った原因だと書かれています。なんか私には、本音がもっとあるようにも思いますが、わかりません。
その適否はともかく、やはり他人の出資によって資金を集める会社の資産に手をつけて賭博をするというのは、犯罪にもなるし、ある種病気です。
毎週のようにマカオに行って賭け事をしていたという粘着性は、ちょっと怖いですね。

普通どうでしょうか。私のような末端で働く人間ですら、隔週末名古屋に行くだけで疲れます。企業のトップだった人が、一週間の仕事が終わって、毎週出国手続とかしてまでマカオにバクチに行くというのは、体力的にも精神的にも異常だと思います。そういう資産があったということより、私には奇異な要素に感じられますね。
アドレナリンが出まくっていたのか、時間に余裕があったのか。
そういう粘着性・執着性があることが、井川氏によれば、賭け事に向いた性格と言うことなのかもしれません。

まあ、買ってまで読まなくても良い気がします。
印税は社会福祉団体に寄付されるそうですが、興味のある人は図書館かなんかで借りて読めば十分かな。

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