じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

僕の死に方 金子哲雄

2012-12-24 | ノンフィクション
巷で話題の本だったので、読んでみた。

僕の死に方 エンディングダイアリー500日
金子哲雄
小学館


私は生前のこの方の話やコメントはほとんど聞いたことがなかった。
出勤で家を出る時間に、この方の出演されるワイドショーは、まだ始まっていなかったからかなと思う。
それと、私はあまり何というのか「これが安い」とか「これがお得」というような、金子さんのお得意とされた言い回しが余り好きではない性格(私は何が得か必要かと言うことを金銭的価値のみで決めたくない性格なのだ)だったのも、金子さんに親しみがなかった一因かもしれない。

本を読むと、お亡くなりになるまで、働きづめだったのに驚く。
あまりに若い段階で末期ガンを宣告されてしまい、その怖さから逃げるためにさらに仕事をしたのかもしれない。生前に色々精神的な修業をなさっていたことも本に記載がある。
死後のことなど全てを決めて、粛々と死を受け容れたのも、後に残される奥様を気遣ってのことなのか、金子さんの性格なのかは本からはわからない。
死に方が立派だとか前向きだとか、本のオビには書かれていたけど、私がスゴイなと思ったのは、周りに不治の病であることを一切隠して仕事をしていたというところだ。周りに明かせば、周りも気を遣うし悲しむ。周りにいらぬ重荷を背負わせることにもなろうかと思われたのだろう。あくまで一人で、せいぜい奥様のみを関わらせた闘病を決意されたのはスゴイ。

ただ、ひとつ、ちょっとなあ、と思った点。
奥様とおつきあいするときに「ランニングコスト」が低そうな人だ、月20万円くらいか、と思ったというくだり。
私は、金のかからない女が好きだ、というのは、金を稼ぐ男が好きだ、ということと同じ事を言っている気がしていやだ。もちろん結婚生活は経済的要素も最重要の要素ではあろうけれど、私は、人の好悪はできれば、金のあるなし、かかるかからず、によって左右されたくないと思う。
もっとも、たまたま好きだった人がお金のかからなかった女性だと言うことを、ストレートに書けなかっただけかもしれないけど。
しかも、金子さんは、この本で初めて知ったけれど、私と母校が同じ。私の仲間はあまり「ランニングコスト」云々を気にする人はいなかったけどなあ。すごくお金のかかる者同士で結婚した友達もいるけど、幸せそうだし、自分に見合った金銭感覚の人と結婚すれば良いだけのことかな。
もっとも、私自身が「ランニングコスト」のかかる方の部類の人間であることは、公平を期すために述べておきたいが。テヘヘ

ともあれ、惜しい人を亡くしたことに間違いは無いし、ご冥福を心からお祈りしたい。
奥様にも早く元気を取り戻して欲しいと願うばかり。


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