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歌野晶午さん『春から夏、やがて冬』

2012-01-06 21:54:03 | 読書
本書は、ミステリー作家で、『葉桜の季節に君を想うということ』で知られる著者による長編小説

家族を失い、スーパーで保安員として働く男と、彼が補導した万引犯の少女を描きます。

愛する娘を失った悲しみと、時効が成立したことへの絶望や

最初は『捕まえた側』と『捕まえられた側』という立場に隔てられていた二人が次第に心を通わせる姿など
どの場面も印象的でしたが、とりわけ印象的だったのは、著者ならではの、後半の急展開です。


赦しと償うをめぐる繊細な心理描写と、著者ならではのストーリーが見事に融合した本書

著者やミステリーのファンに限らず多くの方にオススメしたい著作です。