
本日、いつかは必ず避けられないものの、出来れば少しでも遠い未来の話であって欲しいと願っていた別離の「その日」が訪れてしまいました……。私鉄釣掛式電車最後の名作・ナナハチの魂を受け継いだ5050系、そのさよなら運転です。一応、公式HPの記述では「年内に廃車」とあるため、明日以降も宇都宮線で見られる可能性がありますが、急勾配を登って日光に至るのは今日がまさに最後! その走りが一体どのようなものになるのかを五感全体で記憶にとどめ、ナナハチファンとしての自分の趣味史に一つの区切りをつけるべく、さよなら臨時列車に乗車して参りました。
新栃木駅、午前10時40分。モハ5262。苦労の甲斐あって電動車に乗車する権利を得た人々が、発車の合図とともに息を殺すかのように静まりかえる中、臨時列車は重く哀しげな轟音を上げて発車しました。
日光までの所要時間は54分。途中ノンストップと告知されているだけに、恐らく普通列車と比べても最高速度は上げないだろうと予想していましたが、案の定多少加速したあとはすぐにノッチオフ。比較的ゆっくりとした惰行が続きます。しかし、しばらくすると再び加速し、特に勾配にさしかかるとひときわ力強く足下で唸りが上がるのです! ……そう、この臨時列車は一般の列車と全く異なり、少しでも多く、そして長い時間にわたって加速時の轟音が鳴り響くように走っているのです!!

北鹿沼を通過したあたりからいよいよ本番! 冬色に染まりつつある山々を両手に望みながら、5050系は時折轟音を一層高らかに発しつつ坂道を登って行きます。特に下小代通過後と明神通過後の各3~4分間はひたすらノッチオンの状態! ただひたすら注意を釣掛の音色に向ける時間が続きます!
そして舞台は、下今市からの急勾配という花道へ!! 下今市での寸時の運転停車ののち、モハ5262の熱い鼓動は次第に絶頂へ……。特に上今市通過後東武日光到着直前までの数分間、ただひたすら「これぞ釣掛の真髄」と呼ぶべき音が鳴り響いたのでした……。その力強くも重苦しく哀愁を帯びた走りは、まさに去りゆく釣掛式電車の時代への荘重かつ厳粛なる挽歌でありました……。
最後に、名残惜しげに小刻みなノッチオンを繰り返し、臨時電車は東武日光に到着!! じっくりと釣掛の轟音を聴かせる名演出をした運転士氏や駅長氏に対する花束贈呈のセレモニーののち、乗客は記念乗車証の受け取りや弁当購入のかたわら、最後の東武日光駅入線シーンを思い思いに撮影していました。個人的には、いくつか撮り逃がしてしまったシーンもあったのですが、「是非これは!」と思っていた「快速たびじ・東武日光行」を撮影できて大満足!!
帰路につきましては、往路電動車の客は復路制御車と指定されていましたので、これまた懐かしい音を奏でるコンプレッサーの上に座り、沿線での撮り鉄を眺めつつ新栃木へ戻ったのでした。復路では電動車から轟音が余り聞こえてこなかったことから、電動車の整理券をもらうために前日宇都宮泊・朝5時半からの行列参戦にして良かった!!と思ったのでした。
そして終点・新栃木着。宇都宮線では終日5160Fが運行されていましたが、所用のためすぐに発車する南栗橋行に乗り、車窓から5162Fに別れを告げたのでした……。
さようなら、そしてありがとう、東武5000系列!!
さようなら、そしてありがとう、東武ナナハチの時代!!
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なお、本日は整理券配付待ちのあいだ、前日新栃木泊と気合い満点のmelonpan様、私と同じく宇都宮発の初電で新栃木入りされた栃木時快速様、そして浅草5:00発の区間急行で到着されて華麗な整列ダッシュを披露されたred star様、そしてあともうお一方 (red star様のご紹介によりますと、普通藤岡行様。私も名乗るのを忘れ大変失礼しました) と突発オフ会でひたすら濃いぃ会話をしておりましたため、当初危惧していた4時間の待ち時間はあっという間に過ぎてしまいました (^^;)。どうも大変お世話になりました~m(^_^)m また機会がありましたらよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして……皆様のお薦めで購入したMAXコーヒーの缶には何故か整髪料がべっちょり……。甘くて臭いコーヒー、もといコーヒーキャラメル飲料に「これは良いmade inチバラギ・クオリティ……」を感じました (爆)。