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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

惜別!東武釣掛 (2) 5050系さよなら運転!

2006-12-16 20:35:59 | 大手民鉄 (東武)


 本日、いつかは必ず避けられないものの、出来れば少しでも遠い未来の話であって欲しいと願っていた別離の「その日」が訪れてしまいました……。私鉄釣掛式電車最後の名作・ナナハチの魂を受け継いだ5050系、そのさよなら運転です。一応、公式HPの記述では「年内に廃車」とあるため、明日以降も宇都宮線で見られる可能性がありますが、急勾配を登って日光に至るのは今日がまさに最後! その走りが一体どのようなものになるのかを五感全体で記憶にとどめ、ナナハチファンとしての自分の趣味史に一つの区切りをつけるべく、さよなら臨時列車に乗車して参りました。
 新栃木駅、午前10時40分。モハ5262。苦労の甲斐あって電動車に乗車する権利を得た人々が、発車の合図とともに息を殺すかのように静まりかえる中、臨時列車は重く哀しげな轟音を上げて発車しました。
 日光までの所要時間は54分。途中ノンストップと告知されているだけに、恐らく普通列車と比べても最高速度は上げないだろうと予想していましたが、案の定多少加速したあとはすぐにノッチオフ。比較的ゆっくりとした惰行が続きます。しかし、しばらくすると再び加速し、特に勾配にさしかかるとひときわ力強く足下で唸りが上がるのです! ……そう、この臨時列車は一般の列車と全く異なり、少しでも多く、そして長い時間にわたって加速時の轟音が鳴り響くように走っているのです!!



 北鹿沼を通過したあたりからいよいよ本番! 冬色に染まりつつある山々を両手に望みながら、5050系は時折轟音を一層高らかに発しつつ坂道を登って行きます。特に下小代通過後と明神通過後の各3~4分間はひたすらノッチオンの状態! ただひたすら注意を釣掛の音色に向ける時間が続きます! 
 そして舞台は、下今市からの急勾配という花道へ!! 下今市での寸時の運転停車ののち、モハ5262の熱い鼓動は次第に絶頂へ……。特に上今市通過後東武日光到着直前までの数分間、ただひたすら「これぞ釣掛の真髄」と呼ぶべき音が鳴り響いたのでした……。その力強くも重苦しく哀愁を帯びた走りは、まさに去りゆく釣掛式電車の時代への荘重かつ厳粛なる挽歌でありました……。

 最後に、名残惜しげに小刻みなノッチオンを繰り返し、臨時電車は東武日光に到着!! じっくりと釣掛の轟音を聴かせる名演出をした運転士氏や駅長氏に対する花束贈呈のセレモニーののち、乗客は記念乗車証の受け取りや弁当購入のかたわら、最後の東武日光駅入線シーンを思い思いに撮影していました。個人的には、いくつか撮り逃がしてしまったシーンもあったのですが、「是非これは!」と思っていた「快速たびじ・東武日光行」を撮影できて大満足!!
 帰路につきましては、往路電動車の客は復路制御車と指定されていましたので、これまた懐かしい音を奏でるコンプレッサーの上に座り、沿線での撮り鉄を眺めつつ新栃木へ戻ったのでした。復路では電動車から轟音が余り聞こえてこなかったことから、電動車の整理券をもらうために前日宇都宮泊・朝5時半からの行列参戦にして良かった!!と思ったのでした。
 そして終点・新栃木着。宇都宮線では終日5160Fが運行されていましたが、所用のためすぐに発車する南栗橋行に乗り、車窓から5162Fに別れを告げたのでした……。

 さようなら、そしてありがとう、東武5000系列!!
 さようなら、そしてありがとう、東武ナナハチの時代!!

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 なお、本日は整理券配付待ちのあいだ、前日新栃木泊と気合い満点のmelonpan様、私と同じく宇都宮発の初電で新栃木入りされた栃木時快速様、そして浅草5:00発の区間急行で到着されて華麗な整列ダッシュを披露されたred star様、そしてあともうお一方 (red star様のご紹介によりますと、普通藤岡行様。私も名乗るのを忘れ大変失礼しました) と突発オフ会でひたすら濃いぃ会話をしておりましたため、当初危惧していた4時間の待ち時間はあっという間に過ぎてしまいました (^^;)。どうも大変お世話になりました~m(^_^)m また機会がありましたらよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
 そして……皆様のお薦めで購入したMAXコーヒーの缶には何故か整髪料がべっちょり……。甘くて臭いコーヒー、もといコーヒーキャラメル飲料に「これは良いmade inチバラギ・クオリティ……」を感じました (爆)。 

惜別!東武釣掛 (1) 追憶の野田線

2006-12-12 22:46:45 | 大手民鉄 (東武)


 首都圏大手私鉄営業用車両最後の釣掛式電車にして、個人的には神奈川県からわざわざ末期の7800系に乗りに行った中学生時代の思い出と切っても切り離せない東武5000系列。そのさよなら運転が今週末に迫っており、いやがうえにも惜別の念が強まらずにはいられません (-_-)。当日都合がついて訪問可能な場合のプランについては策を練りつつあるのですが (日光で装着される懐かしのHMとやらが楽しみ……予想は「快速たびじ」!)、それとは別に、東武釣掛式電車の永きにわたる活躍を讃えるべく、数回シリーズで懐かしの画像をアップして行きたいと思います。
 まずは割と最近の画像から……数年前の野田線です! まだまだ10編成近くの5070系が活躍していた頃、5070系の音を楽しむべく柏か春日部のホームで待っていますと、それほど待たずして5070系が入れ替わり立ち替わり現れ、お手軽に釣掛ショート・トリップを堪能出来たものです。しかも、車両・台車ごとの音のバラツキを聴き分けるという奥の深い楽しみ方も可能でしたね (*^_^*)。個人的には、横綱=モハ5380、大関=モハ5277・5278・5279といったところですが、特にモハ5380の大宮寄り台車の上に乗っていると、この世のものとは思えないほどの低音から高音へのハーモニーに激しい振動が加味された壮大なシンフォニーを味わえたものです……! 



 そんな5070系が割と頻繁に行き交っていた頃の野田線では、ホームはもちろんのこと、昭和の残り香を漂わせたいろいろな駅前の商店街あたりをちょっと散歩していますと (古い街並み見物も趣味ですので ^^;)、遠くから釣掛の音が聞こえて来て……それがだんだん大きくなって黄昏の街並みの空気とほどよく混ざり合い……温かく懐かしい余韻を残してまた釣掛の音が小さくなって行く……というひとときを味わうことが出来ました。黄昏の光の中で、沿線の人々の暮らしを乗せながら、釣掛式電車がいつも地道に首都圏の北辺を走っている……そんな安心感、そして何よりもナナハチの魂が今でも生きていることを繰り返し確認したくて、それこそ仕事が行き詰まったときなど、何十回も野田線の5070系に乗りに行ったものです (^_^)。それも早いもので今や2年以上前の話。たったの2年前ではありますが、もうだいぶ遠い昔のように思えるのは何故でしょうか。
 その後館林が陥落し、間もなく新栃木も陥落……。時の過ぎ去り行くさまは、あらゆる存在を猛烈なスピードで過去へ過去へと押し流して行くかのようです。

東武5050系・さよなら運転決定……!

2006-12-06 22:15:11 | 大手民鉄 (東武)


 半蔵門・田園都市線を日常的に利用する中でつくづく痛感させられるのは「50050系が随分と増えたなぁ……」という事実です。それもそのはず、既に8編成か9編成まで増え、かつ東武に戻らず押上か清澄白河で折り返す運用に入ることが多いわけで……。
 したがって、あの乗り心地・座り心地の良さを誇る30000系が姿を現す機会がめっきり減ってしまいましたが、それ以上に重大な問題は釣掛5050系の命脈がもはや幾ばくもないという事実……。既に30000系の増備によって5070系が総崩れになるなど、東武5000系列はいつなくなってもおかしくなく、先日のファンフェスタも実質的にさよならイベントの一環ととらえることも出来ますが、ついに「その日」がやって来るようです…… (号泣)。



 先刻、私鉄旧型車両の動向を知る上で最良の案内サイト「電鉄倶楽部」を拝見していたところ、5050系のさよなら運転が今月16日に新栃木以北で行われるとのこと! 日光への勾配を、快速ほどではないにせよほどほどのスピードで (?) 運転し、しかも予約不要……! 野田線5070系と同じ方式でのさよなら運転ということになります。
 去る2月に館林地区の5050系引退を佐野線で見送った以上 (↑は最終日前日の多田駅にて)、今回もやはり行ってみたいものですが、混雑したら気分も削がれるような (-_-;)。個人的に、惜別の念をどう行動に移そうか……悩みは尽きません。

※12/8補足……公式HPでもPDFファイルにて告知がなされました。熟読してみますと、「年内に廃車」ということで、12/16が最終日ではないようですが、少なくとも日光入線は最後だという趣旨は明確です。また、新栃木では整理券を配布し、400枚に限る旨、そして電動車への集中を避けるため往路電動車乗車組は復路は制御車乗車との旨が明記されていました。また、16日は宇都宮線でも運用するとのこと。う~ん、(16日に行こうか、それとも別の日にするかを含めて) どうしようかとますます思案……。

東武ファンフェスタ@南栗橋、開催!

2006-11-19 16:16:21 | 大手民鉄 (東武)


 今日は冷たい雨が降る生憎の天気でしたが、かねてから告知されていた東武ファンフェスタが南栗橋にて開催されました! 普段イベントや人混みから出来るだけ遠ざかっていたい性分の私は、既に今年に入ってから小田急9000形さよなら、小田急海老名公開での歴史的車両三並び、そして都営西馬込での四社局勢揃い……といった、どうしても見逃したくない車両の出演にいてもたってもいられず、合計3回も覚悟を決めて参加しているのですが(琴電はのんびりまったりと楽しいイベントで全く疲れませんでした ^_^)、東武のこのイベントも、東武5050系と東急8500系が並ぶという、ただそれだけのために参加せずにはいられなくなったのでした (爆)。
 何故なら……東急8500系は、東横線沿線に住んでいた幼稚園児の頃に登場し、童心ながらその姿に魅了されてこのかた現在まで一貫してお世話になっている、まさに私の個人的な鉄道趣味の原点であり、いっぽうの東武5050系は釣掛式電車にこだわっていた中学生時代に何度も熱く訪ね歩いた想い出の7800系(大手私鉄半鋼製釣掛式電車製作史上最後の華!)を更新した車両だからです!(しかも東武5000系列といえば、ここ数年鉄趣味を復活させて以来、それこそあの激しく熱い走りを心の底から味わうために、野田線にそれこそ何十回も乗りに行ったものです ^O^)
 そんな東急8500系「伊豆のなつ」と、ついに最後の8両となった5050系が、こうして同じ鉄路で顔を並べるとは……。しかも冷たい涙雨に濡れて……。私にとって、それは自分自身の趣味史上における最大の奇跡のひとつであり、同時に一つの時代の終わりを確認せずにはいられないひとこまとなったのでした。



 いっぽうこちらは、これまた何とも東武の粋な計らいで実現した「かつての伊勢崎線の主力顔並び」です! 1800系と8000系が並ぶかも知れない……とは何となく予想していましたが、何と原型顔の8104F! 撮影会が始まるまで並んだ際、まだ8104Fが来ない段階で案内担当の係員の方から伺ったところによると、本社の企画レベルでは「野田線からは8000系が来る」ことだけを決めていたそうで、具体的にどの編成が南栗橋への臨時列車に充当されるかは七光台検車区の裁量によるとのこと。そしてこの係員の方曰く「七光台もそこらへんのツボは分かっていると思いますから、多分ファンが喜びそうな車両をよこすと思いますけどね……」ということで、8101Fか8104Fを期待していたのですが、果たせるかな8104F!!
 というわけで、このふたつのシーンを記録にとどめることが出来ただけでも、雨の中を南栗橋まで訪ねた甲斐があったというものです。が……先日の西馬込での猛烈な長蛇の列と阿鼻叫喚が頭の中にこびりついて離れないことから、貴重な車両が顔を揃えるイベントは念には念を入れて早めに到着しておくべし……と思いまして、中央林間を朝5時半過ぎに発車する急行に乗り (^^;)、開門、そして撮影会開始まで寒い中を延々と並び続けましたので、それなりに疲れました (-_-;)。それでも、当初は撮影会優先で全然期待していなかった限定パスネットも入手出来 (^o^)、イベント自体もよく練られた楽しめるものでしたので、個人的には満足しています (^^)。
 というわけで、このようなイベントを企画して下さった東武に感謝!
 そして、このイベントに参加された皆様、お疲れさまでした~。

初秋の東武散歩 (3) 館林界隈の近況

2006-09-25 20:32:25 | 大手民鉄 (東武)


 春日部で特急きりふりを撮影した後は、「そういえば」と思い立ちまして、まずトブコへ。さらに特急りょうもうに乗って一気に館林までワープしました。いや~やはりりょうもうは速い! しかも特急料金も午後割で300円ですし……(^^)。ただ、同じ速達サービスはかつてA準急がこなしていたわけで……。
 館林まで来たのは、リンク頂いている「narikko's Blog」さんのところで「小泉線は9月28日からワンマン化されるため、『普通』の表示も見納め」という記事があったのを思い出したからでした。館林駅の小泉線ホームには、修繕・ワンマン対応工事が終わったばかりでピカピカの8564Fが停車しており、確実に「普通」表示を記録するべく、低速シャッターで撮影しました。
 とは言え、つい最近まで小泉線ホームの常連は5050系や1800系だったわけで、こうして8000系が入線しているのは何となく違和感があります (^^;)。しかも、4連が入線可能だったはずの小泉線ホームは2連用に短縮され、佐野線ホームと同様の案内所 (=切符確認所) がほぼ完成しているなど……館林駅も短い間にすっかり変わってしまいました。そんな中、期間限定の「普通」表示で佇む8564Fの姿は、変化の真っ直中の小泉線をまさに象徴しているのかも知れません。



 いっぽう、佐野線ホームからは前パンの850形が発車して行きました。実は……850形の前パン姿を撮影したのはこれが初めてだったりします (汗)。これはこれで凛々しいですね (*^_^*)。もう夕方近かったので、館林から先へは行っていないのですが、次回訪問時は佐野線や伊勢崎線末端の850形をきっちりと記録したいものだ……と思っています。



 そして西側の留置線には、北館林への回送を待つ1800系と5050系が……。もう二度と営業運転することなく、赤錆びた線路の上に色褪せた車体を横たえ、お互い何を語らっているのでしょうか……(T_T)。
 館林に留置中の車両の編成写真をバランス良く撮影するのは非常に難しいため、何とか館林か北館林で撮影会でも開催して頂けないものか……と思わずにはいられません。