
この枝は
見ぬ人のため残る花

吉野川岸のやまぶき咲きにけり
嶺のさくらは散りはてぬらむ
(藤原家隆 春歌下)
桜は、すっかり散って、山吹は咲いたか?と近所のお寺に見に行った。
先週訪れた時は、花見客と夜店でごった返していたが、今は、
桜の俳句は、もっとも難しい物。
花散ればとふ人まれになりはてていとひし風の
音のみぞする
(刑部卿範兼 春歌下)
かと。
しかし、山吹はほとんど開花しておらず、北門付近の桜の一枝だけ開花していた。
万葉集以来の数十万首、芭蕉以来数百万句、多分今月だけで、数千句は作られている俳句と、異なる17-(3(さくら)or2(はな))文字の俳句を、作れるのか?
中七
未だ見ぬ人に
と初案は、それで没とした。