水産業の現状について、全国の関連企業や研究機関の専門家九人が講演する地域水産加工技術セミナー(水産庁など主催)がこのほど、美方郡香美町香住区で開かれた。先進国の水産業の特長や、近赤外線を使って生鮮魚と解凍魚を見分ける品質測定の最先端技術などについて報告された。
魚の輸出入をしているハヤカワ通商(東京)の早川徹社長は、一人当たりのGDP(国内総生産)で世界の上位にあるアイスランドの盛んな水産業の現状を紹介。洋上を含めた各段階で魚の重量を計測・管理して損失を減らしたり、保存技術の向上で、豊漁時などに必要だった巨大な加工施設が不要になるなど効率化が進む一方、輸出を進めて基幹産業として再生させたことを説明した。
また、中国市場へ日本から輸出する場合の注意点に触れ、「中国は平均所得は低いが、人口の1%にあたる千三百万人の裕福な層を対象に対策を考えるといい」と提案した。
一方、水産総合研究センター中央水産研究所の岡崎恵美子・品質管理研究室長は、水産食品の品質測定の最新技術を紹介。近赤外線を利用するとマダイなどでは解凍した魚と生鮮魚とを判別できることや、製造時に加熱加工したときの温度や魚の脂質量を測定する技術の研究を披露した。
このほか、漁獲直後の魚のストレスによる品質劣化(同研究所・福田裕利用加工部長)や、「本物」や「簡便性」を求める消費者の志向(波積真理熊本学園大助教授)についての発表があった。
神戸新聞2005年6月24日
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魚の輸出入をしているハヤカワ通商(東京)の早川徹社長は、一人当たりのGDP(国内総生産)で世界の上位にあるアイスランドの盛んな水産業の現状を紹介。洋上を含めた各段階で魚の重量を計測・管理して損失を減らしたり、保存技術の向上で、豊漁時などに必要だった巨大な加工施設が不要になるなど効率化が進む一方、輸出を進めて基幹産業として再生させたことを説明した。
また、中国市場へ日本から輸出する場合の注意点に触れ、「中国は平均所得は低いが、人口の1%にあたる千三百万人の裕福な層を対象に対策を考えるといい」と提案した。
一方、水産総合研究センター中央水産研究所の岡崎恵美子・品質管理研究室長は、水産食品の品質測定の最新技術を紹介。近赤外線を利用するとマダイなどでは解凍した魚と生鮮魚とを判別できることや、製造時に加熱加工したときの温度や魚の脂質量を測定する技術の研究を披露した。
このほか、漁獲直後の魚のストレスによる品質劣化(同研究所・福田裕利用加工部長)や、「本物」や「簡便性」を求める消費者の志向(波積真理熊本学園大助教授)についての発表があった。
神戸新聞2005年6月24日
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