スマトラ沖地震の津波で被害を受けたスリランカの漁師たちに、漁船や漁網を贈ろう――。富山県の漁業関係者らが、こんな活動をしている。現地を見て、「ひとごととは思えない」と感じ、始まった。
とやま市漁協組合長の浦上秀雄さん(60)や造船会社経営の甲谷英敏さん(64)が中心となり、県内や隣県の漁業関係者らを回って協力を呼びかけた。
きっかけは3月下旬の視察だ。津波被害を知り、「同じく海に生きる者として何かできないか」と考え、アジアの子どもたちを支援している富山市のNGO関係者らと、スリランカ南部のハンバントタなど沿岸の被災地を訪ねた。
漁船は津波の衝撃で壊れ、網などの漁具も流失した。一行に被害状況を説明したスリランカのアマラシリ行政・内務相によると、同国内の約1万8000隻の漁船のうち被害を免れたのは3000隻だけだという。「命は助かっても、生活の手段を失い、漁師たちはぼうぜんとしていた」と浦上さん。
現地では、船体が7メートルほどで動力がついていない漁船が主力。日本でかつて使われ、いまは産業廃棄物化しているものも多い「和船」に似ている。「十分使えるのに眠っている日本の漁船を再利用できたら」と、帰国後、漁師たちに訴えたところ、漁船6隻と漁網5張りが集まった。
そのうち船2、3隻と長さ100メートル、幅70メートルの漁網、浮き約500個などをコンテナに詰め、夏にも船で送る準備を進めている。運賃約200万円も寄付などで賄う予定だ。
使い勝手など現地の漁師の反応を確かめた上、追加支援を検討する。
朝日新聞2005年06月27日
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とやま市漁協組合長の浦上秀雄さん(60)や造船会社経営の甲谷英敏さん(64)が中心となり、県内や隣県の漁業関係者らを回って協力を呼びかけた。
きっかけは3月下旬の視察だ。津波被害を知り、「同じく海に生きる者として何かできないか」と考え、アジアの子どもたちを支援している富山市のNGO関係者らと、スリランカ南部のハンバントタなど沿岸の被災地を訪ねた。
漁船は津波の衝撃で壊れ、網などの漁具も流失した。一行に被害状況を説明したスリランカのアマラシリ行政・内務相によると、同国内の約1万8000隻の漁船のうち被害を免れたのは3000隻だけだという。「命は助かっても、生活の手段を失い、漁師たちはぼうぜんとしていた」と浦上さん。
現地では、船体が7メートルほどで動力がついていない漁船が主力。日本でかつて使われ、いまは産業廃棄物化しているものも多い「和船」に似ている。「十分使えるのに眠っている日本の漁船を再利用できたら」と、帰国後、漁師たちに訴えたところ、漁船6隻と漁網5張りが集まった。
そのうち船2、3隻と長さ100メートル、幅70メートルの漁網、浮き約500個などをコンテナに詰め、夏にも船で送る準備を進めている。運賃約200万円も寄付などで賄う予定だ。
使い勝手など現地の漁師の反応を確かめた上、追加支援を検討する。
朝日新聞2005年06月27日
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