一見微笑ましいことのように思えます。
しかしよく考えてください。
あなたが東京都の○○市に住んでいるとしましょう。
カーリング女子に感動したから北見市にふるさと納税をする。
当然のことながら,返礼品をもらうという下心もあるでしょう。
納税したお金も2000円を差し引いて戻ってくるし。
北見市のふるさと納税のHPによれば,「注文殺到!カーリング女子日本代表「LS北見」が「もぐもぐタイム」でほお張ったお菓子」などと書いてあります。
このHPの中でも寄付という言葉が出てくるが,この寄付という言葉が曲者なんです。
なんだかいいことをしたように思えます。
しかしそれは寄付でもなんでもない。
あなたが寄付したと思っているお金は,あなたが住んでいる○○市の税金から控除されるのですから。
あなたの税金を控除しなければならない○○市は大きな打撃を受けます。
あなたは○○市の道路を毎日使用しています。
毎日ごみも排出しています。
トイレだって使うでしょう。
それらにかかる費用は○○市の税金で賄われています。
しかし,本来あなたが○○市に納税すべき税金が北見市に行ってしまうから,あなたが出すごみは他の人が納税したお金で処理されることになるのです。
さらにあなたは返礼品までもらっている。
返礼品も税金で賄われているのです。
ふるさと納税をしていない人からすれば『冗談じゃない』ということになります。
それがふるさと納税なのです。
ではなぜこのような制度を続けているのか。
それは,総務省が,東京に一極集中している税金を地方にばらまきたいからです。
熊本の震災では,見返りの返礼品を辞退するという人が注目されました。
ふるさと納税した税金は居住地の○○市で控除されるから自分の懐は全く痛まないのだけど。
それでも返礼品を辞退するという行為は評価したいですね。
総務大臣もそうした人を見習ってふるさと納税を根本的に見直すべきです。
今日の朝刊にも「お礼 地場限定」という見出しの記事がありました。
しかし,地方の自治体にすれば,制度がある限りやるよ。
そんなところでしょう。
東京など大都市の自治体ではふるさと納税の見直しを望んでいます。
これらの自治体では,平成30年度の歳入予算をふるさと納税により減額を見込まざるを得ませんでした。
総務省は即刻こんな制度をやめるべきです。
そうは言えども,ふるさと納税を行っている人からすれば,みんながやっているのに自分だけやめたって焼け石に水だと思うよね。
でもね,ボクは自分の信念を貫こうと思っています。
絶対にふるさと納税なんかやらない。
一点だけ,ふるさと納税のメリットがあります。
地場産業の活性化という観点です。
しかし,それもやり方次第です。
ふるさと納税は永遠に続くものではありません。
それを考えたら,返礼品を扱うことが出来るのは一年だけにすることです。
翌年からは自立して,お金を払って買ってもらえるように努力する。
それが定着して地域が活性化するのであれば一定の理解は出来ます。
結論
このように見直したらどうだろうか。
ふるさと納税の本来の趣旨を考えて,税金の控除は1/2程度にする。
返礼品は納税額の1/10程度とする。
返礼品を送ることが出来る地元企業は1年限りとする。
翌年以降は自力で顧客をつなぎとめる。
さらに,企業にはこの制度による効果を検証させてそれを公表させる。
税金を使っているのだから当たり前のことですね。
肉や魚の返礼品に飛びついているあなた。
制度を作った総務省が悪いのだけど,そろそろ考えを改めましょう。
返礼品を辞退するところから始めませんか。
究極の恐ろしい話を考えました。
たとえばのお話です。
北見市のお隣の名寄市の住民がこぞって北見市にふるさと納税をしたらどうなると思いますか?
名寄市は破たんしてしまいます。
ふるさと納税は隣の市を潰すことだってできてしまうんです。
このままだと東京の自治体も黙っていませんよ。
返礼品に糸目をつけずに地方の自治体に対抗すれば,地方の市町村を丸呑みにすることはたやすいことです。
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