--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

低温科学研究所見学(2) 低温室とアイスコア

2006-08-12 | ふしぎ・なるほどー
案内してくださったのは、ドームふじで掘削されたアイスコアを分析していらっしゃる先生です。
低温研の低温室は-50℃。
厚いダウンと足が3倍くらいの大きさになってしまう耐寒靴、手袋をして入ります。
初めて経験する-50℃は、まず咳が出ることで実感しました。
話をしようとして、無防備に息を吸い込んだのです。
ひどく咳き込んだわけではないですが、思いがけず咳が出て驚きました。
そうか、渡井さんが言っていたのはこのことだったのか。
防寒していない腿のあたりは、Gパンの下で皮膚がぴりぴりしていました。

この部屋には細長い箱が棚に綺麗に並べられています。
どれもアイスコアなのだそうです。

#いくつも棚があり、細長い箱でいっぱいです

ぐーっと近寄ってみると、右上の「46 47」に○がついているのが分かるでしょうか?
春に日本に来たばかりのドームふじのアイスコアです。
ドームふじだけでなく、アイスランドや他の地でのコアもあるということでした。
ドームふじで掘削されたアイスコアは「しらせ」で日本に着いた後、そのまま低温研究所の低温室に運ばれるのだそうです。
その後にそれぞれの研究施設に送られるとのことでした。

あらかじめ出しておいてくださったのは、第一期の時に掘削されたアイスコア2500mほどの深さの物(写真上)ともっと浅いところのコア(写真下)です。
深いところのコアほど透明なのだそうです。
雪が圧縮されてできる氷床コアは、深部にいくに従って気泡がどんどん小さくなり、終いにはカゴ状になった水分子の真ん中に空気分子が入った透明な結晶(クラスレート・ハイドレート)になるからだそうです。
次の写真は、今回掘削された3000mのアイスコアだそうです。
先ほどのよりもっと透明なのが分かるでしょうか?


アイスコアについては、もっと調べてみたいことがたくさんあります。
これからネット環境の悪いところに出かけるため、後日また載せていこうと思います。

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