日経にADBの年次総会についてのコラムが載っていた。
韓国企業、親日国ウズベクで攻勢 が見出しだ。
「途上国地域の開発を担うアジア開発銀行(ADB)の年次総会が4日までウズベキスタンの首都タシケントで開かれた。ウズベキスタンはアジアで成長する国の1つだが、街中で目に付くのはサムスンやLGなど韓国メーカーの看板ばかり。日本語の学習熱が高いなど親日国のウズベキスタンでも、日本企業の存在感はいま一つと言える。」
その通りだ。
「ADBの年次総会ではアジア経済が金融危機からいち早く脱し、世界経済をけん引する存在になっているとの認識で一致した。中でも黒田東彦総裁はウズベキスタン経済の強さを指摘。「2010年は8.5%成長と、アジア新興国で最も伸びる国の1つになる」と述べ、農業、工業、サービスなどバランスのよい経済発展を遂げていると分析した。」
でも、居住していてその実感は無いのだが...。
「携帯電話の端末市場はサムスンなど韓国メーカーが席巻している。街中を走る小型車は韓国の大宇グループがウズベキスタン政府と作った自動車工場(現在はGMウズベキスタン)によるものだ。日本企業の製品や看板はあまり見かけず、存在感は乏しい。
ウズベキスタン政府は各国に直接投資を呼びかけるが、現地通貨スムとドルとの交換が不安定で政治リスクもあることから、日本企業は二の足を踏む。一方で韓国企業の進出姿勢は積極的だ。ウズベキスタン政府は同国中部のナボイを経済特区と位置付け、ここ2年、海外企業の誘致を精力的に進めているが、手を挙げるのは韓国企業が大半。事実上、この地区の開発は大韓航空が強いイニシアチブをとっているとの指摘も聞かれる。」
ウズベキスタン市場全体が韓国に大きく水をあけられている現状について、日本貿易振興機構でロシア・中央アジアを専門にする下社学氏は「リスクを大きく取って攻める姿勢が韓国企業には強い」と指摘する。少子高齢化による国内市場の縮小に悩む韓国は早くから中央アジアを成長市場と見据え、官民挙げて積極的に進出攻勢を進めてきた。両国の大統領も頻繁に行き来し、経済外交を進めた。」
私の勤務する大学にもKADO(韓国情報文化振興院)の援助により2007年に設立されたUzbek-Korea centerがあり、コンピューターの研修や各種セミナーが行われている。一方、日本はボランティア(私)を派遣するだけ。
「ウズベキスタンビジネスにかかわる多くの日本人が、トップ外交による経済連携の強化を積極化すべきだという。また、日本企業自体がリスクを回避する傾向が強まっているとの指摘も多く、リスクがある国で市場を取りに行こうという姿勢が弱まっていると嘆く声も聞かれる。アジアを経済成長の原動力とするなら、官民ともに失敗を恐れず未開拓の市場を切り開く度量が問われると言えそうだ。」
同じリスクを取るならば残念ながら未だ中国やベトナムのほうが魅力的だ。よって、製造業の進出は無理にしても、優秀な人材はいるのでソフト開発やR&Dの拠点としては可能性はあると思うのだが。