やっぱりステーキ」と「いきなり!ステーキ」はなにが違う? 実食して比較
沖縄で人気のステーキチェーン店「やっぱりステーキ」が6月17日、吉祥寺に東京1号店をオープンさせた。ステーキが1000円(税込)で食べられるとあって、オープンから連日2時間待ちの大盛況となっているという。
6/17/2020
店名 | やっぱりステーキ 吉祥寺店 |
オープン日 | 2020年6月17日 |
営業時間 | 11:00〜23:00 |
TEL | 0422-46-2989 |
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-9-6 R.MATSUBARA 1F |
元々、ステーキを安く提供しはじめた筆頭といえば「いきなり!ステーキ」だが、この2店舗にはどんな差があるのだろうか? 比較してみることにした。
やっぱりステーキは大行列!
吉祥寺にオープンしたやっぱりステーキ。行列ができていた
吉祥寺駅から井の頭公園に向かう一角にオープンした「やっぱりステーキ」はオレンジ色の外観が目を引く。
開店1時間前の午前10時にはすでに6人が並んでおり、開店時刻の11時には40人もの行列になっていた。
店内の様子
スタッフのユニフォームは、揃いのTシャツにキャップというラフなもので、リーズナブルなお店を印象づける。店内のデザインや掲示物も派手なものが多く、ステーキの高級感を払拭しようという意図がうかがえる。
やっぱりステーキ(税込1000円)
注文したのは看板メニューの「やっぱりステーキ(税込1000円)」で、部位としてはミスジを使ったステーキ。
150gといえど、音をたてながら鉄板で焼かれる肉の塊は存在感抜群で、すでに1000円が破格に感じられる。肉の味はというと、若干筋っぽさを感じるものの旨味もしっかりしているため、塩コショウだけでも充分美味しくいただける。店の雰囲気は安いファミレスのそれだが、肉にはしっかりこだわりがあるようだ。
色々なカスタマイズができる
ライス・スープ・サラダが食べ放題って…!
オリジナルのステーキソースはあっさり目の味付けで、肉に押されている感が否めないが、ニンニクなども追加投入できるためカスタマイズ次第で好みの味にできるだろう。さらに、がっつり食べたい人にうれしいのが、ライス・スープ・サラダが食べ放題という点。サラダはシンプルなキャベツミックスで、スープも凝ったものではないが、嬉しいサービスだ。
食べ放題はセルフサービスとなっている
実はこの「お客が喜ぶサービス」が裏を返すと人件費の削減にもつながっている。食べ放題のものとお冷がセルフサービスとなっており、これによってスタッフが配膳するのはステーキだけで済む。さらには、ステーキ店には珍しい食券制なので、ホールのスタッフは基本的に食券を受け取り席へ案内し、ステーキを配膳するだけでいいということになり、経費を抑えて1000円ステーキを可能にしている。
やっぱりステーキから、徒歩わずか2分の場所に「いきなり!ステーキ」の吉祥寺店がある。同店といえば、高級料理のステーキを廉価で提供しはじめたパイオニアともいえる存在だ。しかし、昨今は経営難について綴った社長のメッセージを店内に掲示したり、多くの店舗を閉めるなど、その勢いにかげりが見える部分もある。 店内は、オープンキッチンで調理の様子が見えるようになっており、その中には高さのある帽子をかぶったコックがいる。ホールスタッフの服装も襟付きのもので、店内もやっぱりステーキより落ち着いた色合いとデザインになっており「本来は高級なものである」という矜恃が感じられる。
注文したワイルドステーキ
注文したのは「ワイルドステーキ」。税別で1130円でやっぱりステーキには及ばないが、ステーキのサイズはやっぱりステーキより50gも多い200gだ。
おいしそう
おいしい
食べ方は、やっぱりステーキのように小皿のソースにつけてではなく、深めの鉄皿で提供され、そこにステーキソースを流し込むスタイル。熱々の鉄皿の上でジュワーという音と湯気をあげる様子は、空腹時の目と鼻を喜ばせるには十分だ。そのソースは塩気が強目で、がっつり肉を食べているという気分にさせてくれる。肉は、やっぱりステーキより柔らかい印象があり、こうして食べ比べると、肉の原価はこちらの方が高いように感じられる。
とはいえ、やっぱりステーキの1000円というショッキングなまでの価格と、ライスなどの「食べ放題」というワードの力の前では、どうしても影が薄くなってしまう。
肉マイレージカード
しかし、いきなり!ステーキは食べた肉のグラム数でポイントが貯まる「肉マイレージカード」などで、常連のリピート率は高い。 食べ比べると、総合的に見てやっぱりステーキの方に若干部があるように思える。しかし、人気の急上昇した曲線は、頂点を境に線対称で急落するというのが、移り変わりが早い昨今のブームの特徴だ。やっぱりステーキはその下降線をいかに抑えられるか、一方いきなり!ステーキは、リーズナブルなステーキのパイオニアとしてどう生き残るか。今後、どちらの店からも目が離せない