菅義偉官房長官は22日の記者会見で、東京都の小池百合子知事が23日からの4連休に不要不急の外出を控えるよう都民に呼びかける方針を示したことに対して、感染防止策をとった上での外出は容認すべきだとの見解を示した。
4連休の外出を巡って、政府と都から異なるメッセージが発せられ、都民に困惑が広がるのは必至だ。
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菅氏は会見で、4連休の都民の外出について「政府としては体調の悪い方には外出を控えていただきたい。外出する際にも『3密(密閉、密集、密接)』を避けるなど、感染防止策を徹底していただきたい」と述べた。「感染防止策をとれば外出しても構わないということか」と問われると「専門家の委員の皆さんからご理解をいただいている」と答えた。
新型コロナの感染が再拡大する中、菅氏の「東京問題」発言を契機に、政府と都の相互不信はとどまる気配がない。菅氏は21日の記者会見で、都内で軽症者が療養するためのホテルの室数が6月末の2865室から7月中旬に371室に減ったことについて「(ホテルの)確保に必要な費用は国が全額を交付金で支援しており、東京都に対して、早急にさらなる宿泊施設の確保を求めている」と不満を示した。
一方、小池氏も旅行需要喚起策「Go Toトラベル」から東京都内への旅行や都在住者の旅行が除外されたことを受けたキャンセル用の補償に関連し、20日に「早く設計図を示していただきたい」と政府に注文を付けた。西村康稔経済再生担当相と小池氏が21日に会談するなど一定の連携は保っているが、足並みの乱れは隠せない状況だ。【秋山信一】