
「反トランプ」でカナダ与党の支持率急回復 2カ月強で野党との24ポイント差を逆転(産経新聞) - Yahoo!ニュース
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「反トランプ」でカナダ与党の支持率急回復 2カ月強で野党との24ポイント差を逆転
3/24(月) 11:00配信
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産経新聞
【ニューヨーク=本間英士】カナダ下院の総選挙は14日に就任したばかりのカーニー首相の判断で、10月までの実施を想定していた予定を前倒しし、4月28日に行われることに決まった。与党・自由党は近年、支持率の低迷に苦しんできたが、カナダを米国の「51番目の州」にすべきだと主張するトランプ米政権への反発により、支持率が急回復。一時は20ポイント以上も引き離されていた最大野党・保守党を逆転した。
「われわれには米国の大統領をコントロールすることはできない。だが、自分たち自身の運命は変えることができる」
カーニー氏は23日、首都オタワで開かれた会見でこう語り、中間層向けの減税などを提案。自身が率いる自由党への支持を訴えた。
カナダではトルドー前首相が2015年から9年超にわたる長期政権を維持してきた。しかし、深刻なインフレや住宅不足などへの不満が高まり、自由党の支持率は大きく下落。カナダの公共放送CBCの世論調査では、トルドー氏が辞意を表明した今年1月6日時点の自由党の支持率は20・1%だったのに対し、保守党は44・2%。両党の差は倍以上に広がっていた。
しかし、トランプ氏がカナダへの関税圧力を強めていることなどを受け、カナダ国民の多くが猛反発。一部の小売店では米国製品をボイコットする動きもある。対抗馬とされる保守党のポワリエーブル党首の政策がトランプ氏と近いこともあり、自由党への支持率が急上昇。今月23日時点で37・5%となり、保守党(37・1%)を上回った。
カーニー氏は中央銀行であるカナダ銀行と英イングランド銀行の総裁を歴任。実績や端正な容姿から金融界の「ロックスター」とも呼ばれる。リーマン・ショック(2008年)や英国の欧州連合(EU)離脱(16年)などの際の国際舞台での豊富な経験が買われ、今月9日に行われた自由党党首選では、有力候補だったフリーランド前副首相らを破り新党首に選ばれた。
一方、カーニー氏には政治経験がなく、予測不可能と評されるトランプ氏と実際に渡り合えるか―という不安要素も指摘される。
減税や移民の受け入れ制限などを訴える保守党のポワリエーブル氏は23日、東部ケベック州で会見し、自由党のトルドー、カーニー両政権を「リベラルによる失われた10年」になると表現。「カナダ国民がこれ以上リベラルに耐えられるかどうかは疑わしい」と述べた。
カナダは上院と下院の二院制で、選挙は下院のみ実施される。人口の変化による選挙区の再編を受け、今度の総選挙から定数は338から443に増加。通例では下院第1党の党首が首相に選出される。