お盆が近づき、いつもなら故郷へ帰る準備をしている頃。全国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、帰省を迷う人は多いようです。政府は一律の自粛を求めていませんが、帰省を慎重に考慮するよう呼び掛ける自治体もあります。東北の首長のメッセージを集めました。 宮城県・村井嘉浩知事(6日)

「慎重な対応」を呼び掛けるメッセージを県のホームページに発表。政府と同様、自粛には踏み込んでいない。「県だけで完結する問題ではない。自粛を要請するかどうか、国の考えを聞いて検討する」と、新型コロナ感染症対策分科会の議論を踏まえた上で判断する方針を示していた。 岩手県・達増拓也知事(6日)
「国が日本全体での制限をしていない」と一律の行動制限は求めない方針。「家族や地元の人に会わなければならない場合はあると思う。感染対策をしながら、県の呼び掛けも踏まえて岩手に来てほしい」と述べた。
仙台市・郡和子市長(5日)
「感染が爆発的に増えている地域との往来は慎重に慎重を重ねてほしい」と呼び掛けつつ、「県をまたぐ移動は制限されていない。皆さん、それぞれ考えてもらうのがベター」と述べ、感染予防策の徹底を求めた。 盛岡市・谷藤裕明市長(5日)
「お盆の時期の移動はできるだけ避けてもらった方が安全。どうしても移動する際は、感染症対策に万全を期してほしい」と呼び掛けた。首都圏や関西方面など感染拡大地域からの帰省を特に警戒し、市民にも「人の往来が活発になる時期ということを意識し、慎重な対応を心掛けてほしい」と訴えた。 青森県・三村申吾知事(4日)
「一律に自粛を求めることは避けたい」との立場。春の大型連休に自粛を要請した経緯に触れ、「(再び自粛を求めれば)古里の絆に触れる機会を奪ってしまう」との考えを示した上で、帰省者を交えた多人数での会食や、重症化リスクがある高齢者との面会などは感染防止策を徹底するよう求めた。 山形県・吉村美栄子知事(4日)
「首都圏など(新型コロナウイルス)感染拡大地域からの帰省は慎重にお願いしたい」と述べ、特に体調が悪い場合の帰省は控えるよう呼び掛けた。県内から拡大地域への帰省についても「できるだけ控えてほしい」と訴えた。 秋田県・佐竹敬久知事(3日)
「この夏は学生らの帰省を控えるよう、家族からお願いしてほしい」と首都圏など感染拡大地域からの帰省自粛を要請した。期間は8月末まで。「感染者が増えれば経済が止まる。この夏は何とか(帰省を)我慢してほしい」と強調した。 福島県・内堀雅雄知事(3日)
「家庭に高齢者や病気の方がいる場合は、帰省を控えてもらうことが大切だ」と述べ、帰省するなら大皿料理は避けるなど、家でも「新しい生活様式」の徹底を求めた。
下がる、下がる」といわれ続けている不動産価格。新型コロナ問題でますます住宅事情の先行きを読むのは難しいが、「いい買い物/悪い買い物」は確かに存在する。そんな明暗を分かつものはいったい何なのか? 今回は住宅ローン地獄に苦しむ50代を取材した。

4000万円で購入した3LDK新築マンション。長女と次女が使っている子供部屋も「妻がパートに出て、自分も副業するようになって一気に娘たちの部屋も散らかるようになりました」
景気悪化で年収が大幅減。ローン地獄に苦しむ毎日
収入に見合ったローンを組むのは不動産購入の鉄則。だが、いつまでも期待する年収が得られるとは限らない。製造業界で働く吉田正雄さん(仮名・56歳)は17年前、3人目の子供の誕生を機に川崎市で3LDK新築マンションを4000万円で購入した。 「35年フルローンを組んだら、返済額は月15万円ほどに。
『こんなに高いの?』とは思いましたが、当時は年収も800万円はあったし、『家族5人で住むなら、家賃も15万円はかかるはずだし、今後はさらに給料も上がるし』と楽観的な見通しのもと、購入に踏み切ったんです。ただし、当時の金利は約2.9%。固定で借りてしまったことはいくら後悔してもし足りません……」
その後、そんな吉田さんのライフプランは見事に裏切られる。 「リーマンショック後、給料が激減し、800万円あった年収が600万円ほどになりました。さらに子供たちが私立校に進学し、教育費もかさむことに。築年数を重ねるごとに、マンションの管理費や修繕積立金、駐車場代が値上がりし、毎月の諸費用を合わせた支払いは月20万円に上っています。購入当初はこれら諸経費をまったく考慮してなかったので、今となってはかなりの負担となり、家計を圧迫しています」
※写真はイメージ
家の売却やローンの借り換えも検討はしたが、打開策は見当たらない。そこで住宅ローンを補填するため、吉田さんは仕事終わりや土日にガテン系の派遣バイトを始めるようになったという。 「現在は週7日で毎日深夜の清掃スタッフやイベント設営などのバイトを入れ、本業以外におよそ年間150万円稼いでいます
。生活も徹底的に切り詰め、自分の小遣いはほぼゼロ。外食や趣味もやめて、今はもっぱら住宅ローンの返済に充てています。最近は子供もやっと大きくなってきたので、妻にも事務のパートに出てもらい、月5万円ほど稼いでもらえるようになってます」
ここまでのローン地獄に陥るとは完全に誤算だという吉田さん。彼は己の決断をこう振り返る。 「実は僕がローンを組んだのは、あのスルガ銀行なんです。すごく押しの強い営業マンだったことを覚えています。
当時の僕は39歳でローンを組めるギリギリの年齢だったし、頭金もなかったので、『貸してくれるならどこでもいい』という心境でした。また、金利の仕組みも勉強せず、銀行の営業マンに言われる通りに購入した自分の甘さも反省しています」
ローン返済は現在、折り返し地点。「金利についてはもっと勉強してもよかったとは思いますが、ここまで破綻せずになんとかやってこられたので自分の家選びは100点満点で10点くらいですかね」と自己採点する吉田さん。その肩の荷が軽くなるのはまだまだ先である。
<データ> 年収 600万円
購入金額 4000万円
ローン期間 35年
月々の返済額 15万円
築年数 17年
延べ床面積 60.28㎡ 最寄り駅から徒歩 17分