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死は終わりではなく>生でも死でもない「第3の状態」が生物には存在する【研究結果】

2025年05月01日 03時03分12秒 | 医学と生物学の研究のこと
 
 
生でも死でもない「第3の状態」が生物には存在する【研究結果】 
 
生でも死でもない「第3の状態」が生物には存在する【研究結果】
© 提供元:https://tabi-labo.com/310207/wt-third-state-between-life-and-death

 
「黄泉がえり」「死者の蘇生」などは、超常現象やSF映画の話だと思うだろう。しかし、そのような非科学的なことが、現実に起こり得るかもしれないらしい。


生と死を超えた


「第3の状態」が存在すると判明


これまで、生物の状態は生と死の2つしかないと思われてきた。ところが、最近の研究では、生でも死でもない「第3の状態」の存在が明らかになってきたという。研究者たちによると、「第3の状態」は死んだ生物の細胞が死後も機能し続けることで発生するとのこと。しかも、生きている間にはなかった新たな能力を獲得し、多細胞生物として"蘇る"場合もあるそうだ。


この「第3の状態」に関する実験は、カエルの細胞を使って行われたとのこと。死んだカエルの皮膚細胞を別の環境に適応させると、自発的に「ゼノボット(xenobots)」と呼ばれる多細胞生物になった。ゼノボットは髪の毛のような構造を使って周囲を移動できるうえ、自己の修復や複製もできるそう。これらは、本来の生物学的な役割を遥かに超えた行動だという。



同様の現象は、人間の肺細胞でも見られたという。人間の肺細胞が自己組織化すると「アンスロボット(anthrobots)」という多細胞生物になり、これはゼノボット以上の能力を持っているとのこと。移動や自身の修復に加えて、付近の細胞の治癒もできるそうだ。


「第3の状態」が


死の概念や医療を大きく変える可能性


「第3の状態」の解明が進むと、死の定義が大きく変わるかもしれないと研究者。死は生命の終わりだとされてきたが、じつは"新たな始まり"である可能性も考えられるという。


また、「第3の状態」は医療に革命を起こす可能性も秘めているとのこと。例えば、人間の生体組織から作られるアンスロボットを活用すれば、免疫反応や拒否反応を引き起こすことなく治療ができるようになるかもしれないそう。しかも、アンスロボットのような多細胞生物には寿命があり、4〜6週間後に自然分解されるため、有害な細胞が増殖するリスクを抑えられるとも。


まだまだ謎が多い、「第3の状態」。しかし、解明が進むと、生と死の概念や生物の在り方が大きく変わるかもしれない。


Reference: "Third state" of existence between life and death confirmed by scientists

 
 
 
 
 
 
 
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新型コロナ巡る2つの陰謀説を徹底検証する

2025年03月28日 23時01分48秒 | 医学と生物学の研究のこと
新型コロナ巡る2つの陰謀説を徹底検証する
 
 
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている。3月24日までに米国やイタリアなど少なくとも20の国・地域の政府が非常事態や緊急事態を宣言している。
 
4/9/2020
 
 各国当局の発表に基づきAFP通信がまとめた統計によると、日本時間24日午前4時現在での世界の新型コロナウイルス感染者数は174の国・地域で36万1510人に達し、うち1万6146人が亡くなっている。
 
 感染症が流行すると、必ず流れるのが陰謀説である。
 
 陰謀説とは、社会の構造上の問題を、背後にひそむ個人ないしは集団の陰謀のせいにすることである(ブリタニカ百科事典)。陰謀説が真実であることは稀である。
 
 SARSの時は、中国の急成長やアジアの人口増加を恐れた米国が起こしたバイオテロ*1
だとする陰謀説や新型インフルエンザのワクチンであるタミフルの売り上げを伸ばすため、米政府と製薬会社が共謀して感染症を広めたとする陰謀説が流布された。 また、エボラ出血熱を発症させるエボラウイルスは、CIA(米中央情報局)が開発した生物兵器*
2
ではないかとする陰謀説が流布された。 さて、今回の新型コロナを巡っては、これまでのところ2つの陰謀説が流布されている。
 
 一つは、新型コロナウイルスは、中国の生物兵器である、とするものである。
 
 もう一つは、新型コロナウイルスは、米軍が武漢に持ち込んだものである、とするものである。
 
 以下、2つの陰謀説の真偽について考察する。
 
 *1=バイオテロは、細菌やウイルス、毒素などの生物剤を意図的又は脅迫的に投射・散布することによって、政治的・経済的・宗教的なパニックを引き起こすことである。(バイオテロ対応ホームページ厚生労働省研究班)
 
  *2=生物剤が、国あるいは軍のレベルで開発され用いられた場合、一般的に、これを“生物兵器”という。小さなテロは病原体さえあれば可能である。 
■ 1.2つの陰謀説には共通した背景

 この2つの陰謀説には共通した2つの背景が存在する。

 一つは、中国政府は、新型コロナウイルスの発生源はいまだ確定していないとしていることである。

 中国国営新華社通信(3月15日)によると、習近平国家主席は新型コロナウイルスについて「病原がどこから来て、どこに向かったのか明らかにしなければいけない」と訴える論文を3月16日発行の共産党理論誌「求是」に寄稿している。

 確かに、厳密にいえば新型コロナウイルスの発生源は科学的にいまだ特定されていない。これからの研究を俟たなければならない。

 もう一つは、現在、覇権国・米国と新興国・中国の間で覇権争いが生起しているということである。

 米中貿易摩擦も5Gを巡る覇権争いもこのような文脈でとらえるべきである。すなわち、米中間では武力によらない“戦争”が進行しているのである。

 従って、米中両国には、相手国の国家機能を阻害し、国力の減退を計り、国際的地位の低下を求めようとする意思があり、かつその機会をうかがっていると考えても不思議でない。

 そして、今回の新型コロナウイルスの感染拡大の責任をお互いに相手国に負わせてダメージを与えようとする策謀を巡らしていることも推測されなくはない。

  上記2つの背景から、新型コロナウイルスを巡る陰謀説が流布されやすい情勢にあると言える。
 
 
■ 2.「中国の生物兵器」の真偽

 本項では、新型コロナウイルスは、中国のウイルス研究所から漏洩した生物兵器であるという陰謀説の真偽について考察する。

 今回の生物兵器説を最初に報道したのは米保守系マイナー新聞のワシントン・タイムズ紙であると報じられている。

 1月24日付ワシントン・タイムズ紙は、元イスラエル軍の情報将校であるダニー・ショハムデル(Dany Shohamdell)氏の発言を引用しながら、次のように報じている。報道記事の原文と仮訳は次のとおりある。

 「原文:Asked if the new coronavirus may have leaked, Mr. Shohamdell said: “In principle, outward virus infiltration might take place either as leakage or as an indoor unnoticed infection of a person that normally went out of the concerned facility. This could have been the case with the Wuhan Institute of Virology, but so far there isn’t evidence or indication for such incident.”」

 「仮訳:ダニー・ショハムデル氏は、新型コロナウイルスが(研究所から)漏洩したかとの質問に対して、“原理上、外部への浸潤は、漏洩または知らないうちに感染した部内者が施設の外に出ることによって起こるかもしれない。このようなことが武漢ウイルス研究所で起こったかもしれない。しかし、これまで、そのようなインシデントの証拠あるいは兆候は存在しない”と述べている」(筆者作成)

 ところで、この陰謀説が広まったのには、いくつかの状況証拠がある。

 1つ目の状況証拠は、感染拡大の中心地である武漢市には世界有数のウイルス研究所「中国科学院武漢病毒研究所」があることである。

 同研究所は、新型コロナウイルスの発生源とされる武漢の生鮮市場から約30キロの位置にある。これが噂に真実味を持たせたのである。

 さらに、中国政府は、積極的な情報開示を行なわず、それどころか、新型コロナウイルスの発生源は中国とは限らないと、否定していることが噂に拍車をかけた。

 2つ目の状況証拠は、上記ウイルス研究所に付属する「中国科学院武漢国家生物安全実験室」は、世界で最も危険な病原体を研究するウイルス実験室として広く知られている。

 同実験室はP4ラボとも呼ばれる。P4ラボとは国際基準で危険度が最も高い病原体を扱えるバイオセーフティーレベル(BSL)の最高防護レベルを表し、高度に危険な研究やいまなおワクチンや治療方法が知られていない病原体を専門的に扱う研究施設を意味する。

 3つ目の状況証拠は、中国は生物兵器を開発・保有する能力と意図を持っていると考えられていることである。

 ワシントンのシンクタンク軍備管理協会によると、「中国政府は、自国で生物(細菌)兵器を製造したり備蓄したりすることはないと述べているが、米国によると、中国の生物兵器活動は広範であり、既存のインフラにより、病原体を開発、生産および兵器化することが可能である(https://www.armscontrol.org/factsheets/cbwprolif)」とされている。

 上記の3つの状況証拠から、中国科学院武漢病毒研究所において新型コロナウイルスの研究が実施されていることと生物兵器を製造・保有している可能性は否定できない。

 さらに、ウイルス(生物兵器)が同研究所から漏洩し感染を拡大した、あるいは部内者が感染に気がつかないまま、武漢の市中を出歩いて感染を拡大させた可能性も否定できない。

 だが、ウイルスが研究所の外に漏洩したまたは感染した部内者が出歩いたという証拠(証言など)はどこにもない。

  将来そのような証言が出てくるかもしれない。従って、筆者は、この陰謀説は、現時点では、事実に基づかない憶測である可能性が高いと推測する。
 
■ 3.「米軍が持ち込んだ説」の真偽

 本項では、新型コロナウイルスは、米軍が武漢に持ち込んだという陰謀説の真偽について考察する。

 この陰謀説の発端は、中国外務省のZhao Lijian(趙立堅)報道官が、3月12日に、ツイッター上で、何の証拠も示さず、「米軍がコロナウイルスを武漢に持ち込んだかもしれない」と発言したことに始まる。

 ツイッター上の趙報道官の発言の原文と仮訳は次のとおりである。

 「原文: CDC Director Robert Redfield admitted some Americans who seemingly died from influenza were tested positive for novel coronavirus in the posthumous diagnosis, during the House Oversight Committee Wednesday. CDC was caught on the spot. When did patient zero begin in US?  How many people are infected?  What are the names of the hospitals?  It might be US army who brought the epidemic to Wuhan. Be transparent!  Make public your data!  US owe us an explanation!」

 「仮訳:米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長は、米下院の聴聞会において、米国内でインフルエンザが死因とされた死者の一部で、死後の検査で新型コロナウイルスへの感染が確認されたことを認めた。これによりCDCは困った立場に陥った。米国で患者第1号が発生したのは何時なのか。何人が感染したのか。病院の名前は何か。武漢に感染病を持ち込んだのは米陸軍かもしれない。透明性が確保されなければならない。米国はデータを公表しなければならない。米国は、我々に説明をしなければならない」(筆者作成)

 さて、趙報道官は、米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長の発言を受けて、米軍が新型コロナウイルスを武漢に持ち込んだという陰謀説を主張しているが、その根拠は示されていない。

 なぜ、趙報道官はこのような発言をしたのかを探るために、関連する報道を時系列順に列挙する。

 (1)CDCが記者会見(2月14日)で、「新型コロナの検査対象を大幅に見直す」という発表をした。

 すなわち、「インフルエンザに似た症状が確認された患者に対し、新型コロナウイルス検査を開始する」。

 その結果次第では「米国では今冬インフルエンザが大流行」と報道されていた感染症の実態は、「実は新型コロナが以前から流行していた」と覆るかもしれない。(PRESIDENT Online 2020年2月17日)

  (2)日本のテレビ朝日が2月21日に伝えたところによると、CDCが過去数か月間にインフルエンザで死亡した米国の患者1万人あまりのうち、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎患者が含まれていた可能性があると考えており、すでにニューヨークやロサンゼルスなどの大都市で大幅な検査体制の見直しが始まったという。
その後、このニュースは中国のSNSでたちまち拡散され、21日夜に新浪微博(ウェイボー)が初めて掲載してから現在までの間に、閲覧数は22万回を突破し、コメント1万4000件が寄せられた。
 
 そして中国の多くのネットユーザーは、「COVID-19は米国から来た可能性がある。どうりであれほど多くの米国人が『インフルエンザの症状』で亡くなったわけだ」と考えている。(人民網日本語版 2020年02月22日)
 
 上記の関連情報と趙報道官のツイッター上の発言により、中国の多くの国民は、新型コロナウイルスは米国から来た可能性を信じるようになったと筆者は考える。
 
 その他、新型コロナウイルスは、米軍が武漢に持ち込んだという陰謀説の根拠となる出来事や感情としては次のようなものが考えられる。
 
 1つ目の根拠は、2019年10月18日から27日に武漢で開催された世界軍人運動会に109カ国の軍人9308人が参加したことである。
 
 この中に数百人の米軍人が参加している。趙報道官の「米軍がウイルスを武漢に持ち込んだ」という米軍は、世界軍人運動会に参加した米軍人を指しているのであろう。
 
 さもなければ、米国が中国に対してバイオテロを仕かけたことになる。
 
 ところで、香港紙の報道によると、中国で新型コロナウイルスの最初の感染は11月17日であるとされる。
 
 この2つの事象には時間差があり、米軍人から感染したとは考えにくい。
 
  また、武漢で開催された世界軍人運動会に参加した米軍人から感染が広がったのであるならば、中国で感染が発生した時期に世界軍人運動会に参加した諸外国でも感染が発生していなければならない。 
 2つ目の根拠は、米国が中国に対してバイオテロを仕かけるかもしれないという中国が抱いている恐怖心である。

 しかし、筆者は、次のような理由から米軍が中国に対してバイオテロを仕かける可能性は全くないと考える。

 (1)米国・中国とも「生物兵器禁止条約」の締約国である。現在、米中は貿易摩擦などを巡り対立関係にあるが、米中武力衝突の蓋然性は大きくない。

 この時期、米国が国際法に違反してまで、バイオテロを起こすことは筆者の常識からは考えられない。

 (2)生物兵器は、特定の作戦地域の制圧を目的に使用されるものであり、一般にヒトからヒトへの感染のない病原体が適しているとされる。

 生物兵器としての可能性が高いといわれる炭疽症、天然痘、ペスト(腺ペスト)およびボツリヌス症などの4つの病原体は、人から人に感染しないため、2次感染の危険がない。

 これに対して、新型コロナウイルスは、「人から人への感染」が確認されており生物兵器に不適である。

 (3)生物兵器の使用は、自国民を守るためのワクチンまたは抗血清の保有が前提である。

 今回の新型コロナウイルスに多数の米国人が感染している状況から米国による生物テロは考えにくい。

 さて、習近平国家主席の「病原がどこから来て、どこに向かったのか明らかにしなければいけない」という発言と、「米軍が、新型コロナウイルスを、武漢に持ち込んだ」という趙報道官の発言は、愛国心の強い中国国民への訴求力があり、多くの中国国民はこの陰謀説を真実と思うかもしれない。

 一方、米軍が中国に対して生物テロを仕かけるわけはないという筆者の常識にてらして判断すれば、この陰謀説が虚偽であることは歴然としている。

 米国は、米国で新型コロナウイルスの感染者第1号が発生した時期を公表すれば、「新型コロナウイルスは、米軍が武漢に持ち込んだ」という陰謀説を一蹴することができる。

 にもかかわらず、米国が趙報道官の発言に反論しないのは、趙報道官の発言は反論に値しないと考え、無視しているのではないかと筆者は推測している。

 また、趙報道官の「米軍がコロナウイルスを武漢に持ち込んだかもしれない」という主張は、陰謀説というより、米国のマイク・ポンペオ国務長官の「武漢ウイルス」発言に対する感情的な反論に過ぎない。

  そして、現在、米中間で感情的な非難合戦が繰り広げられている。
 
■ 4.終わりに

 今般、中国から発生した新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、新型コロナウイルスは、中国の“生物兵器”であるとする陰謀説が流布された。

 今日、わが国では、北朝鮮の核兵器の脅威の増大により、生物兵器の脅威があまり語られなくなった。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が世界各国の国民生活や社会経済活動に与えた影響の大きさを考慮すれば、感染力と殺傷力が強く、かつワクチンのない生物兵器の脅威は、核兵器以上と言えるかもしれない。

 以下、生物兵器の脅威について簡単に述べる。

 1975年に発効した生物兵器禁止条約は、生物兵器の開発、生産、貯蔵などを禁止するとともに、既に保有されている生物兵器を廃棄することを目的とするものである。

 しかし、同条約には検証機構についての規定がないため、多くの締約国が、同条約に違反して、製造が容易で安価である「貧者の核兵器」と呼ばれる生物兵器を保有していると疑われている。

 また、テロリストなどの非国家主体が、生物兵器または生物剤を取得・使用することが新たな脅威として懸念されている。

 特に、日本の安全保障にとって大きな脅威である北朝鮮は大量の生物兵器を保有しているとされる。

 防衛省の資料によると、一定の生産基盤を保有し、弾道ミサイルに生物兵器を搭載し得る可能性も否定できないとある(『我が国を取り巻く安全保障環境』2018年9月)。

 また、若干古くなるが、2009年10月付のAFP通信は、「韓国国防省は、議会に提出した報告書の中で、北朝鮮が生物兵器に使われる13種類のウイルス・細菌(筆者注:、炭疸菌、ボツリヌス菌、コレラ菌、出血熱、ペスト菌、天然痘、チフス菌、黄熱病ウイルスなど)を保有している可能性があることを明らかにした。

 また、同報告書は北朝鮮を、世界最大の生物兵器保有国の一つだとしている、と報道している。

 わが国は、テロ国家・北朝鮮の大量の生物兵器に備えなければならない。

 従って、今般の新型コロナウイルス感染症対策の教訓を踏まえ、北朝鮮の生物兵器による攻撃事態にも適切に対応できるよう、必要な態勢の整備を促進する必要がある。

  また、東京五輪を控え、テロリストなどの非国家主体からのバイオテロの脅威への対応も急務である。
 
 
 
 
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「がん」が転移する理由はご存じですか? 最も恐ろしいがん・前兆となる症状も医師が解説

2025年03月24日 22時03分45秒 | 医学と生物学の研究のこと

 

「がん」が転移する理由はご存じですか? 最も恐ろしいがん・前兆となる症状も医師が解説(メディカルドック) - Yahoo!ニュース

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/14ad7a29e590f6db135acb8c91f877a5e860e07e

 

「がん」が転移する理由はご存じですか? 最も恐ろしいがん・前兆となる症状も医師が解説
3/15(土) 7:30配信

 


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メディカルドック
「がん」が転移する理由はご存じですか? 最も恐ろしいがん・前兆となる症状も医師が解説

京都大学の研究員らは、腫瘍内の酸化ホットスポットが、がん細胞の転移に与える影響についての新たな知見を示しました。

【イラスト解説】がん発症のリスクを高める“食べ物”

研究結果は、2025年2月21日に学術誌の「nature cell biology」に掲載されています。この内容について本多医師に伺いました。

研究グループが発表したがんの転移に関する研究内容とは?
編集部:
京都大学の研究員らが発表した研究内容を教えてください。

本多先生:
今回紹介するのは京都大学などの研究グループがおこなった研究内容で、その成果は学術誌「Nature Cell Biology」に掲載されています。

この研究では、細胞外の過酸化水素(H₂O₂)を可視化するための腫瘍標的プローブ「T-AP1」を開発し、腫瘍内の酸化ストレス環境を特定しました。T-AP1を用いることで、白血球の一種である好中球によって形成された過酸化水素に富む領域が、腫瘍内の活発な増殖部位であることが確認されました。

この環境下では、転移を促進する伝達経路であるp38-MYC軸の活性化を介して腫瘍細胞が部分的な上皮間葉転換(EMT)を引き起こし、酸化ストレスの強い領域から離脱していくことが分かりました。しかし、細胞を酸化ストレスから守る「NRF2」という転写因子が過剰に活性化した腫瘍ではp38 MAPKの応答が抑制され、酸化ストレスに対する防御機構が強化されるため、この現象は観察されませんでした。この研究は、過酸化水素のホットスポットが、がん細胞の転移を開始する重要な環境であることを示し、新たな治療標的となる可能性を示唆しています。

しかし、本研究にはいくつかの懸念点もあります。まず、T-AP1が腫瘍の異質性全体を完全に捉えられているかは不明であるため、ほかの非遺伝的要因との関係についてさらなる検討が必要です。また、動物モデルでの実験が中心であったため、ヒトの腫瘍において同様のメカニズムがどの程度再現されるかは今後の検証が求められます。さらに、NRF2の活性が高い腫瘍に対する治療戦略が確立されていない点も課題として挙げられます。本研究の知見は、酸化ストレスを標的としたがん治療の新たな展開につながる可能性がありますが、その応用にはさらなる研究が必要です。

 

 

がんの前兆となる症状・最も恐ろしいがんは?
編集部:
がんの前兆となる症状や最も恐ろしいがんについて教えてください。

本多先生:
どこにがんが発生するかによって、前兆となる症状は変化します。例えば、食道がんは飲食時の胸の違和感・食べ物の飲み込みにくさなど、肺がんは長く続く咳、大腸がんは血便などが挙げられます。また、血液のがんなどであれば、発熱や倦怠感などが前兆であることもあります。いずれにしろ、以前とは違う症状が長く続くようであれば、注意深く考える必要があります。

前兆がみられることが少なく、発見時には既に進行していることが多い、恐ろしいがんの代表としては「膵臓がん」でしょうか。膵臓がんは、がんの中でも最も生存率が低く、早期発見が難しいことから「サイレントキラー」とも呼ばれています。膵臓がんの前兆としては背部痛、体重減少、黄疸、食欲不振などが挙げられますが、初期は無症状がであることが多い傾向にあります。膵臓がんの早期発見には腹部超音波検査が有用なので、人間ドックなどでの検査を検討してみてはいかがでしょうか。

研究内容への受け止めは?
編集部:
京都大学の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。

本多先生:
今回の研究で、腫瘍内の酸化ホットスポットが、がん細胞の転移に関与している可能性が示されました。転移に関与するポイントが分かるということは、そこを叩くような薬剤が開発されるきっかけとなり、がん治療における大きな進歩と言えます。転移する前に発見されれば、原発巣の手術によって根治が期待できる可能性が高くなります。

ヒトにおいても同様のメカニズムが再現されるかどうか、どのような腫瘍に対して効果が期待できるかなど、まだまだ今後も研究を進めていく必要はありますが、酸化ストレスを標的としたがん治療の新たな可能性が示された研究であると言えるでしょう。これからの新しい研究結果に期待します。

 

編集部まとめ
私たちの生活においても、酸化ストレスは健康に影響を及ぼします。抗酸化作用のある食品の摂取、適度な運動、ストレス管理を意識することで、体内の酸化ダメージを減らし、健康を守ることができます。日々の生活習慣を見直し、酸化ストレスを抑えて健やかな毎日を送りましょう。

[この記事は、メディカルドック医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

 

監修医師:
本多 洋介 先生(Myクリニック本多内科医院)

本多 洋介 先生(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医

 

 

 

 

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男性用経口避妊薬、マウス実験で99%の効果 米研究

2025年03月06日 03時03分29秒 | 医学と生物学の研究のこと
YCT529」を4週間経口投与したマウスは精子数が劇的に減少し、交配試験で99%の妊娠予防効果を示した。マウスの体重、食欲、全体的な活動に明らかな悪影響は認められなかった。投与中止から4~6週間後にマウスの生殖能力は戻った。
 
 
2022/03/24(木) 16:42:52.36
 
 
AFP=時事】マウス実験で99%の効果があり、目立った副作用のない非ホルモン性の男性用経口避妊薬(ピル)を開発したと、米ミネソタ大学(University of Minnesota)の研究チームが23日、発表した。年内にヒト臨床試験に入る見通しだ。

【動画】コンドームから性的同意まで…ベトナムで広がる性教育

 この研究成果は、米国化学会(American Chemical Society)春季年会で発表される。避妊における男性側の選択肢と責任の拡大に向けた重要な一歩となる。

 女性用ピルが初めて認可されたのは1960年代。今回発表を行う大学院生のアブドラ・アル・ノーマン(Abdullah Al Noman)氏によると、複数の研究で、男性に避妊の責任分担への関心があることは分かっていた。

 しかし、これまでは効果的な選択肢がコンドームか精管切除しかなく、後者は高額なうえ成功するとは限らなかった。

 女性用ピルは、女性ホルモンの分泌をコントロールすることで月経周期を調節する。男性用ピルの開発でも長年、男性ホルモンのテストステロンに的を絞って研究が進められてきたが、体重増加やうつ病、心臓病リスクを高めるLDL(悪玉)コレステロール値の上昇といった副作用が問題となっていた。

 非ホルモン性ピルの開発にあたり、ノーマン氏は「レチノイン酸受容体アルファ(RARα)」というたんぱく質に着目。所属研究室のグンダ・ゲオルク(Gunda Georg)教授と共に、コンピューター・モデルを用いてRARαの作用をピンポイントで阻害する化合物「YCT529」を開発した。

 RARαは体内でビタミンA代謝産物のレチノイン酸に作用し、細胞の成長、精子の形成、胚の発生に重要な役割を果たす。RARαを作り出す遺伝子のないマウスは不妊になることが実験で分かっている。

「YCT529」を4週間経口投与したマウスは精子数が劇的に減少し、交配試験で99%の妊娠予防効果を示した。マウスの体重、食欲、全体的な活動に明らかな悪影響は認められなかった。投与中止から4~6週間後にマウスの生殖能力は戻った。

 研究チームは米国立衛生研究所(NIH)と男性用避妊薬イニシアチブ(MCI)から資金提供を受けている。ゲオルク教授によれば、スタートアップ企業のユアチョイス・セラピューティクス(YourChoice Therapeutics)と協力して今年後半にヒト臨床試験を開始する予定で、5年以内の市場投入を目指している。【翻訳編集】 AFPBB News
 
 
 
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なぜ肉眼で見た感動的な光景は写真になるとショボくなるの?

2025年03月05日 10時03分50秒 | 医学と生物学の研究のこと
 
 
2023/03/02(木) 21:25:05
 
 
なぜ肉眼で見た感動的な光景は写真になるとショボくなるの?

 夜空に浮かぶ大きな満月をスマホで撮影すると、思ったよりちっぽけにしか写らず、ガッカリした経験はないでしょうか?

 当然、肉眼で見る方が感動的なのは確かです。しかしそういう問題とは別に明らかに写真の方が月や山などは肉眼より小さく見えます。

 これは私たちの目や脳がカメラやコンピューターとは異なる方法で風景を処理していることに原因です。

 そこで今回、英カーディフ・メトロポリタン大学(CMU)の研究チームは、人間が脳内で行う遠近法をテレビゲームの一般的なカメラワークの一つであるFPS(一人称視点のシューティングゲーム)に導入した場合、プレイヤーの距離感覚にどんな影響が出るかを実験しました。
 
 
 
研究の詳細は、2023年2月24日付で心理学研究のプレプリントリポジトリ『PsyArXiv Preprints』に掲載されました。
 
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目次
  • 実際の見え方をゲームに反映することで没入度がアップ?
実際の見え方をゲームに反映することで没入度がアップ?
コンピューターグラフィックスでは、平面上に3次元空間を表現する際、主に「線遠近法(透視図法)」という手法に頼ります。
線遠近法は、あらゆる遠近法の中で最も科学的に体系化された空間表現法の一つです。
例えば、下の画像のように、遠方の水平線(HL)に向けて真っすぐ延びる一本道の両側の輪郭線(AとA’)を、水平線上の一点(消失点VP)に向けて収束させるように描く手法が線遠近法です。
これはイタリアのルネサンス期に技法が確立されました。
透視図法(線遠近法)透視図法(線遠近法) / Credit: MAU 造形ファイル
「しかし、人間の視覚は実際にはそのように機能していない」と研究主任のロバート・ペペレル(Robert Pepperell)氏は指摘します。
ペペレル氏によると、私たちの両目は湾曲した網膜に光を投射しており、その視野はカメラやコンピューターの画面よりはるかに広いという。
また焦点の中心にある物体(たとえば写真に撮ろうとする満月など)は、脳が周辺視野にある物体よりも強く注意を向けているため、写真で見るよりも大きく感じられるのです。
左:画家の目から見た自然な遠近感、右:カメラで見たデジタル上の遠近感左:画家の目から見た自然な遠近感、右:カメラで見たデジタル上の遠近感 / Credit: Robert Pepperell et al., PsyArXiv Preprints(2023)
 
そこでペペレル氏ら研究チームは、人間の目や脳が風景を知覚する方法「自然遠近法(natural perspective」)」を模倣した数学モデルを用いて、デジタル上の画像を肉眼に近い印象に補正するソフトウェアを開発。
 
FPSゲーム『Hammer 2』に出てくるターゲットボール(銃で狙う的)を通常の線遠近法と、ソフトウェアで補正した自然遠近法で表示してみました。
 
 
下の画像では、視野の広さにより影響の違いを調べるため、視野(FOV:Field of View、画面に映る視界の水平角度)を100度、120度、140度の3種類でレンダリングしています。
青枠:人間の肉眼の感覚に近い自然な遠近法、黄枠:従来の線遠近法
 
青枠:人間の肉眼の感覚に近い自然な遠近法、黄枠:従来の線遠近法 / Credit: Robert Pepperell et al., PsyArXiv Preprints(2023)
 
この画像を見ただけでも、見え方の違いはよく分かるでしょう。
 
視野を広く取るほど、従来の線遠近法では見たい対象は小さくなってしまいますが、肉眼に近い自然遠近法ではあまり大きさの違いなどを感じません。
 
こうした視野を広く設定した際のターゲットの見づらさについては、FPSゲームのプレイヤーほど実感が持てると思います。
 
また満月などを撮影しようとした際も、肉眼と写真内ではまったくサイズが異なって見えるという印象の問題も、このソフトウェアは再現できているのがわかります。
 
 
では、このように画面内の映像を肉眼に近い遠近法で表現したときと従来の線遠近法で表現したときに、人間の距離感にはどのような影響が出るのでしょうか?
 
 
研究チームは195人の参加者に協力してもらい、異なる場面と様々な幅の視野を持つ計72枚の画像で、ターゲットボールがどれくらいの距離にあるかを評価してもらいました。
 
ちなみに、画像中のボールの距離は以下の6つのどれかに該当し、参加者はそこから正解を選び出します。
 
ターゲットボールの距離は6つの中のどれかに該当ターゲットボールの距離は6つの中のどれかに該当 / Credit: Robert Pepperell et al., PsyArXiv Preprints(2023)
 
その結果、参加者はどちらの表現でも画面内のボールの距離を「実際より遠い」と過大評価する傾向はありましたが、自然遠近法の方が線遠近法より距離を正しく推測できることが示されました。
 
また、その効果は視野(FOV)が広くなるほど大きくなっていました。
加えて、自然遠近法の画像のみを用いた訓練をしてみると、参加者は全体としてより正確な距離推定ができるようになったのです。
 
 
ペペレル氏はこの結果について「自然な遠近法の有効性は、実際の知覚条件下での物体の見え方に近いことに起因している」と指摘します。
 
氏は続けて、「このようにデジタル空間での遠近感を調整することで、ビデオゲームやCGI映画をより本物に近い没入感のあるものにできるでしょう」と述べました。
 
自然な遠近感の導入でゲームがよりリアルになる自然な遠近感の導入でゲームがよりリアルになる / Credit: canva
 
チームは現在、スタートアップ企業・Fovotecと協力して、デジタル画像を自然な遠近感に変換できるソフトウェアの商品化を進めているとのこと。
 
この取り組みが上手く行けば、ゲームで見える景色やカメラで撮影した写真などが、肉眼で見るのと同じ様に表現できるようになるでしょう。
 
FPSで遠くの敵の見づらさにイライラしていた人には快適なプレイが提供されるようになるかもしれません。
 
そして、感動した景色が写真ではしょぼくなってしまってがっかりしていた人たちは、目で感じた通りの感動的な光景を写真に残せる時代が来るかもしれません。


(以下略、続きはソースでご確認ください)

ナゾロジー 2023.03.01 
 
 
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