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染色体異常「陽性結果」で中絶を申し込んだ妊婦を救った医師の機転 「出生前検査の見えないリスク」とは

2025年03月25日 23時03分54秒 | 医療のこと

 

染色体異常の検査で「陽性結果」に動揺 中絶を申し込んだ妊婦を救った医師の機転 「出生前検査の見えないリスク」とは(全文) | デイリー新潮

 

 

https://www.dailyshincho.jp/article/2025/03190611/?utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&ui_medium=http&ui_source=yahoo&ui_campaign=link_back&all=1

 

染色体異常の検査で「陽性結果」に動揺 中絶を申し込んだ妊婦を救った医師の機転 「出生前検査の見えないリスク」とは
国内 社会

2025年03月19日

 


妊婦
出生前検査で陽性となった先に、何が待ち受けているのか (※画像と記事本文は直接関係ありません)(他の写真を見る)


 前編記事【35歳での妊娠、直面した「染色体検査“陽性”」の現実 「出生前検査」が投げかける課題とは】からのつづき。
 ***

 妊娠中の女性の血液には、ほんのわずかながら胎児由来のDNA(デオキシリボ核酸)の断片が漂っていて、NIPT(新型出生前〈しゅっせいぜん〉検査)は、採血でこのDNAの断片を分析し胎児の染色体に変化がないか調べるものである。

 

 

NIPT(新型出生前検査)の仕組み
お腹の赤ちゃんの健康状態を調べる出生前検査。その中でも利用が増えているのがNIPT(新型出生前検査)。「妊婦の血液」から胎児の染色体の変化を調べる検査である (画像は『出生前検査を考えたら読む本』より)(他の写真を見る)

 

 第3子の妊娠に気付いた麻衣さん(仮名)は35歳ということもあり、少しでも不安を払拭するためにNIPTを受けた結果、陽性の判定を受け、一時は妊娠継続断念を決めていた。

 しかし、中絶手術を申し込んだ病院の周産期医学専門の藤田太輔医師(大阪医科薬科大学病院)が彼女の不安に寄り添い、冷静な判断のため羊水検査を勧めたことで状況が大きく変わった。

 NIPTの普及に伴い、精度の安定しない検査項目で陽性結果が出たことに戸惑う妊婦が増えている。

NIPT(新型出生前検査)
認証施設では「3項目だけ」を検査対象にしている。その3項目とは、13番染色体、18番染色体、21番染色体のトリソミーである。ところが“無認証施設”のほとんどが、学会指針を守らず、三つのトリソミー以外の何十項目も調べる高額の検査プランを掲げていたり、診察する医師のほとんどが産科を専門にしておらず、美容皮膚科や内科などに携わってきた医師が多い  (※画像と記事本文は直接関係ありません)(他の写真を見る)

『出生前検査を考えたら読む本』(毎日新聞取材班)から、確定的診断が可能な羊水検査を受けた麻衣さんと藤田医師のやりとりを紹介する。【全2回(前編/後編)の後編】

 ***



 

覆る結果
 麻衣さんは6月7日に大学病院で羊水検査を受けた。針をお腹に刺し、子宮内の羊水を採取する。その羊水に含まれている胎児由来の細胞から、染色体の変化を調べる仕組みだ。そして、両親からの遺伝の可能性もあるため、麻衣さんと夫の直樹さん(仮名)の血液も採取して、染色体の構造を調べることになった。

 結果が出るまで数週間かかる。麻衣さんには、ものすごく長く感じられた。

 子どもを寝かしつけた後、考え込むことがしばしばあった。

「結果について考えてもしょうがないのに、ついついよくないことばかり思い浮かべてしまう。子どもたちの世話と、目の前の仕事のことだけを考えるようにしよう」

 子どもたちには、まだ妊娠していることを伝えずにいた。万が一のことを考えて、羊水検査の結果が出るまでは、と控えていたのだ。

 それでも、子どもたちは母親の変化に敏感だった。

「ママ、お腹が大きいよ」

 膨らんできたお腹は隠しきれない。麻衣さんは笑いながら、

「食べ過ぎたわー」

 とごまかした。内心は、気が気でなかった。

 麻衣さんはNIPTの結果が出た後も、今まで通り通勤していた。自分では、以前と変わりなく業務に励んでいるつもりだった。

 ある時、上司に声をかけられた。

「ずっと暗い顔をしているね」

 麻衣さんは、はっとした。表情や言葉に、つらい心情がにじみ出ていたのだろうか。

 病院で羊水検査を受けるために仕事を休む際には、「ちょっと調べることがあって」とごまかし、詳しい説明を避けた。これ以上、周囲に心配をかけたくはなかったし、NIPTを受けたと明かすことにためらいがあった。

 6月29日、麻衣さんは大学病院で、羊水検査の結果を伝えられた。検査結果の報告書には、こんな記載があった。

親由来の 8p23.2 領域の重複が認められました

「表現型異常の原因にはならないと考えられ、通常当施設においては報告対象外となる」

 専門用語が並んで難解だが、こういうことを意味する。

 4月に麻衣さんがクリニックで受けたNIPTの結果は、「8p23.2-p23.1」という領域の重複の可能性を示していた。今回、精度の高い羊水検査で調べ直した結果は、8p23.2 領域のみの重複で、特段の症状が出ないタイプの変化だった。つまり、NIPTの結果は、実際とは染色体の重複範囲がずれていたことになる。

 この重複は父親からの遺伝だった。病院で採取した直樹さんの血液からDNAを解析した結果、胎児と同じ 8p23.2 領域の重複が見つかったのだ。つまり、この重複があっても、直樹さんと同じように特段の症状が出ないだろうという安心材料になる

 解析を担った検査会社では、この重複が検査で見つかったとしても、特段の症状の原因にならないと考えられるため、通常は検査を受けた人へ伝えていない。

「やっぱりご両親からでしたね」

 藤田医師の予想通りの結果だった。

「良かったです」

 麻衣さんは、顔をほころばせた。

 この時、NIPTの結果が出てから、既に2カ月近く経っている。麻衣さんはここまでの長い時間を振り返ると、純粋に喜びきれず、複雑な気持ちだった。

「ここまで時間をかけて検査しないと、前向きになれないのか」

 11月、帝王切開で出産した。3400グラムの元気な男の子だった。

トラウマ体験のようになったNIPT
赤ちゃんとお母さん
麻衣さんは目を真っ赤にはらし、涙をこぼした。一度は我が子に対して下した決断に罪悪感を覚えている。トラウマ体験のように心に残り、思い出す度に複雑な感情が渦巻いていた (※画像と記事本文は直接関係ありません)(他の写真を見る)

 2022年5月、記者は麻衣さんの自宅を訪ねた。次男の湊君は生後5カ月になり、離乳食におかゆを与えると、きれいに平らげるという。ほっぺたはぷっくりとして健康そのものだ。

 記者が1年前の5月7日のことを尋ねると、麻衣さんは詰まりながらも、言葉を振り絞った。

「この日のことをすごく覚えていて、羊水検査をして『大丈夫』となった後もすごい思い出すんですよね。私あのとき、あんなことをしようとしていたんだな……って。すごい思い出して。何度も思い出して……」

 麻衣さんは目を真っ赤にはらし、涙をこぼした。一度は我が子に対して下した決断に罪悪感を覚えている。トラウマ体験のように心に残り、思い出す度に複雑な感情が渦巻いていた。

「もう妊娠したくない」。麻衣さんは湊君を出産した際に、卵管を結紮(けっさつ)する不妊手術を受けた。

 自分の行動はどこで間違ったのだろうか、どこで修正すべきだったのだろうか、と自問を重ねたこともある。

「NIPTの結果だけをぽんと渡されて、もうだめだと思って、すべてをシャットダウンしてしまった。詳しい先生にしっかりと診てもらうことが大事なんだと思う。私の場合は、そのおかげで希望が持てたから」

「これからNIPTを受けるかもしれない人たちに知ってもらいたいです」
 取材で一通り話を聞いた後、ふと疑問に思った。思い出すのも辛い体験を、なぜ身を削る思いで語ってくれたのだろうか。

「実は、この体験をどこかで発信したいと考えていました。今の時代、多くの女性が大学を卒業していますし、仕事をしています。就職してある程度仕事をしてから結婚しようと思うと、どうしても出産は30歳以降になります。私は周りの人と比べて、そんなに結婚が遅かったわけではないけれど、それでも初産が30歳でしたし、3人目の出産では36歳になっていました。出産年齢も上がっているので、妊娠中に安心したくてNIPTを受ける人は、ますます増えると思います。私のような事例があることを、これからNIPTを受けるかもしれない人たちに知ってもらいたいです」

 麻衣さんは、直樹さんと共働きで、家事も育児もこなす。家族の将来や子どもの教育を考えながら、家計をやりくりしている。似たような境遇の女性はたくさんいるだろう。

 取材を通じて、麻衣さんは論理的に物事を考える力やコミュニケーション能力が高く、インターネットを使った情報収集にも非常に長(た)けていると感じた。それでもなお、30代後半という比較的高い年齢での出産に不安を覚え、ネットで見つけた検査を利用し、思いがけない「陽性」という言葉に心をかき乱された。羊水検査を受けずに中絶を希望したことは、拙速な判断のように見えるかもしれないが、大きな不安と動揺の中でこういう落とし穴に陥る可能性は、誰にでもあるのではないだろうか。

 ***

 前編【35歳での妊娠、直面した「染色体検査“陽性”」の現実 「出生前検査」が投げかける課題とは】からのつづき。


年齢制限の撤廃、拡大する検査項目、難しい陽性検査の判断──迷ったときはどのように考えたらいいの? 受検者が増加する新型出生前検査(NIPT)の実情を調べ始め、陽性結果を受けたものの元気な赤ちゃんを産んだ女性に出会った取材班が専門医、カウンセラーへの丁寧な取材と各種データを踏まえ、最新情報をわかりやすく伝える
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デイリー新潮編集部

 

 

 

 

 

 

 

 

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誰でも、いつでも「予約なしで」受診できる、東京・赤坂に「名医しかいない」病院があった

2025年03月20日 01時03分30秒 | 医療のこと
 
 
超一流が集まる理由
 
2/21/2022
Photo by iStock
 
東京メトロ溜池山王駅から直結するオフィスビルの地下1階にその病院はある。赤坂虎の門クリニック。周囲に各省庁や大手企業のオフィスが立ち並び、病院の立地は都内でも有数だ。 
 
【写真】名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」 
 
 
 院内の壁紙はオフホワイトでよく見ると木立の模様が入っている。診察室などの出入り口は濃茶色をした木目の引き戸、待合室の灯りはやさしい自然光だ。
 
  落ち着いた雰囲気だが、ぱっと見の印象は最近の新しいクリニックがどこでもそうであるように、小奇麗なところという印象しか残らない。しかし、ここは知る人ぞ知る「名医」しかいない病院なのだ。 
 
 「東京大学医学部附属病院(元)副院長」、「日本皮膚外科学会理事長」……クリニックのホームページを見ると、所属している医師たちの経歴に驚く。都内で別のクリニックを経営する開業医が言う。 
 
 「あそこで働くのは大病院で実績を残してきた医師ばかり。皆例外なく優秀なトップドクターです」
 
 実際、このクリニックに所属するのは大学病院や総合病院で教授や診療部長などを務めた医師が7割を占めている。
 
  誰でも、予約なしでいつでも入れるという意味では巷にあふれるクリニックと変わらない。それなのに、なぜこれだけの医師が集まっているのか。赤坂虎の門クリニックの元理事長で、現在も同クリニックの消化器内科に勤める竹内和男氏(72歳)がこう言う。
 
  「開業は'17年10月です。虎の門病院の副院長だった私はその数年前の準備段階から関わっています。 
 
 赤坂虎の門クリニックの開業の第一の目的は虎の門病院の外来の大混雑を軽減させることにありました。そのため当院は近接する虎の門病院と緊密な関係にあり、所属する医師の多くが虎の門病院での勤務経験があります」 
 
 虎の門病院は、著名人も多く通う都内有数の名病院だ。東京大学医学部附属病院の関連病院でもあるため、東大出身の優秀な医師が多いことでも知られる。竹内氏の話に戻ろう。 
 
 「我々のようなベテランの医師は長い付き合いの患者さんも多いのですが、定年退職すると縁が切れてしまう。患者さんからすればせっかく親しくなり、信頼している医師に診てもらえなくなることに不安を感じる方も多い。そうした患者さんの受け皿になる医療機関を作りたかった。 
 
 また我々医師のほうも定年とはいえまだ現役で働きたいという気持ちが強い。ただ、定年後に開業となれば大きな資金も必要になるため、リスクがある。こうした問題を解決するためにクリニックを開いたのです」 
 
 同クリニックには、60~70代の医師が多く所属する。しかし、安易な再雇用先では決してない。厳しい面接をし、
 
「患者さんのためにならないと思えばお断りする」(竹内氏)ケースもあるという。 
 
 所属する医師は高齢であっても、最先端の医療に精通する精鋭揃い。同年代の町医者と比すれば医学的知識も桁違いだ。無数の患者を診てきたベテランばかりなので、高齢の患者の気持ちも通じやすい。 
 
 さらに同クリニックの医師たちの優秀さを分かりやすく測る指標がある。「専門医」や「指導医」が非常に多く所属しているのだ。 
 
 「専門医制度とはそれぞれの診療領域を担当する臨床系の学会が専門医の修得すべき項目や研修施設などを定め、試験によって診療技能の修得レベルを認定する仕組みです。 
 
 
専門医になり10年以上経過し、規定の症例数などの条件をクリアすると、専門医を育てる立場になる。これが指導医です。当院に在籍するのは学問的にも優れていて、臨床経験も豊富な先生ばかりということです。自画自賛になりますが、専門医と指導医がこれだけ集まっているクリニックは日本でも少ないのではないでしょうか」(竹内氏)
 
 
 
 
担当医を指名できる
 個別に見ても、医療界では誰もが知る名医が並ぶ。  
 
 
「例えば現院長の大原(國章)先生は、メスを握る皮膚科医として全国的に有名で、国際学会にもしばしば呼ばれています。定年まで勤務した虎の門病院では皮膚がんの専門家として、大勢の患者さんの手術を担当していました。
 
 
  老年内科を専門とする大内尉義先生も、元東大病院の副院長で、その後、虎の門病院で院長を務めていました。定年を機に臨床をさらにしっかりやりたいということで、赤坂虎の門クリニックに来ていただくことになりました」  こう語る竹内氏だが、この人ももちろん、名医中の名医だ。虎ノ門中村クリニックの院長・中村康宏氏はこう言う。 
 
 
 「消化器内科の竹内先生はエコー検査などの診断能力に関しては日本で一番と言っていいでしょう。普通なら見落とされるような小さな腫瘍を発見できる方です。私も開業後、自分で判断が付かなかった場合などは竹内先生に診てもらうこともありました」
 
 
  しかし、これだけ名医が揃っていても、自分が診てもらいたい先生にたまたま当たるとは限らないのでは―。用心深い読者のなかにはそんな疑問が浮かぶ人もいるかもしれないが、心配はない。 
 
 このクリニックでは、担当医の指名制を導入しているのだ。お目当ての医師がいれば、事前に予約しておけばいい。ホームページには、所属医師のプロフィールやインタビューが掲載されているので、ゆっくり自分向きの人を探すことができる。  
 
 
さらに、画期的なのは指名した医師に手術まで担当してもらえることだろう。簡単な手術であればクリニック内でも可能で、全身麻酔を使う大手術でも近接する虎の門病院などの提携病院で設備を借り、出張手術を行っているのだ。同クリニックの現院長の大原國章氏(73歳)が言う。 
 
 「実際、年に数件は提携病院に出向いて手術をしています。今月も皮膚がんの患者さんを都立広尾病院で手術します。
 
  赤坂虎の門クリニックに私が移ってから、初診でみえた患者さんです。全身麻酔が必要だと判断したため、都立広尾病院を紹介、入院してもらって、手術の日に私が行くことになっています。広尾病院の皮膚科部長は、私が虎の門病院にいた頃の部下なので、入院から手術の日程調整までとてもスムーズに運びました。  
 
当院の先生は皆さんベテランで実績がある。自分のネットワークも持っていますから、それを生かすことができるのは大きな武器と言っていいでしょう。 
 
 いくら私がその患者さんの手術に広尾病院が適していると思ってお願いしても、個人的な関係がなければ、なかなか受け入れてもらえませんから」  
 
そもそも大原氏のような優秀な医師が、大学病院や総合病院にいたあいだは、望んでも誰もが手術を受けられるわけではなかった。前出の開業医が言う。
 
  「大きな病院で、有名な先生に手術を担当してもらうのはハードルが高い。著名人かよほど特殊な病気である、もしくは強力なコネがないとトップクラスの医師に執刀してもらうチャンスはない。普通の患者は、下っ端というと語弊がありますが、経験の浅い若手の医師が診るのが当たり前です。 
 
 仮に有名な先生宛の紹介状を持ってきたとしても、ちらっと診るだけであとは他の医師に任せるしかないほど多忙なのです」 
 
 
 自分は、手術をするほどの大病はいまのところない。普段のクスリをもらうだけなら、近所のクリニックで十分と思っている人もいるだろう。だが、そんな人でも通う価値はおおいにある。 
 
 赤坂虎の門クリニックは消化器内科、呼吸器内科、泌尿器科など13の診療科を擁す。これが大きな強みになるのだ。竹内氏が言う。 
 
 「赤坂虎の門クリニックを一言で言えば、多診制のクリニックです。一つの経営母体の下に、さまざまな診療科があり、それぞれのエキスパートがいる。総合病院の外来機能だけをまとめたものと言えばいいでしょうか。
 
  医療モールと勘違いされるのですが、あちらは一つの建物に複数の独立したクリニックが入っているもので、当院とは全く違います。すべての科が患者さんの電子カルテを共有できますから、連携もスムーズで、複数の医師が総合的に診断することができる。
 
 
患者さんとしてはそれぞれの科で初診料を払う必要がありませんし、何より一つの施設の中で様々な科の医師に診てもらえるわけです」
 
 
大病院と違い混んでいない
 
 
 特に高齢の患者の場合、複数の病気を抱えているケースが多いため、非常に使い勝手が良いだろう。 
 
 赤坂虎の門クリニックに通っている70代女性が言う。 
 
 「いまは消化器内科の吉田(行哉)先生と泌尿器科の黒澤(和宏)先生、皮膚科の大原先生にかかっています。特に大原先生には感謝しています。 
 
 皮膚に湿疹があってかかっていたのですが、あるとき、鼻の付け根に黒子ができて大原先生に相談したところ、すぐに『黒子ではなく癌だよ』と言われ、手術をしていただきました。 
 
 年をとるとあちこちが痛んでくるのですが、ここなら診察券一枚でいろいろな病気の専門の先生に診ていただけるので本当に助かっています。 
 
 大病院と違って混んでいないので、信頼できる先生たちとゆっくり時間をかけてお話ししながら相談できるのもいいですね」 
 
 そう、ここまで至れり尽くせりのクリニックであるのにもかかわらず、現時点では混雑していない。実際、本誌が取材のために訪れたときも、待合室の人はまばらだった。 
 
 場所が赤坂にあるため、「診察料が高いのではないか」と敬遠する人もいるかもしれないが、それはもちろん間違いだ。 
 
 
 「赤坂のオフィスビルにあるクリニックと聞くと高額な医療費がかかる自由診療の病院をイメージするかもしれませんが、うちは通常の保険診療なので、安心してください」(竹内氏)
 
 
  つまり、近所の普通のクリニックに行っても名医しかいない赤坂虎の門クリニックに行っても、かかるおカネは一緒だ。
 
「かかりつけの病院は、家からすぐの身近なところがいい」という気持ちはわかる。だが、少し都心に足を延ばせば、奇跡のようなクリニックに通えるのだ。 
 
 首都圏に住んでいるのなら月に一度、クスリをもらいに行くだけでも十二分にメリットがあるだろう。
 
  赤坂虎の門クリニックの院長の大原氏が内状を赤裸々に語ってくれた。  
 
「病院経営という意味では決して楽ではありません。赤坂の一等地にあるクリニックですから、家賃をはじめとする固定費は決して安くない。先生方のお給料も決していいとは言えません。
 
  少なくとも先生方が大学病院や総合病院にいた頃と比べると大幅に減っているでしょう。まあ、私のように一度定年退職した人がその後も働く場合、一般企業でも給料は下がりますからそれで納得しています。
 
  それでも働いているのは、この病院には真摯に患者を診ることが出来る環境があるからでしょう」 
 
 名医しかいない病院は確かに存在した―。
 
最高のかかりつけ医を見つけたい人は一度、赤坂に足を向けてみてはいかがだろうか。  
 
引き続き、後編の『プロ中のプロだから知っている…薬剤師が「飲まないクスリ」「飲むクスリ」』では日本の医療をささえる薬剤師の視点から、明かす。
 
  『週刊現代』2022年2月19・26日号より
 
 
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早起きで人生は無敵になる。継続のコツは睡眠時間を削るのではなく…

2025年02月24日 06時03分44秒 | 医療のこと

コロナによるテレワークの導入に始まり、緊急事態宣言解除で出勤する生活に戻った人のなかには、生活リズムが乱れてしまったという人は少なくないはず。早寝早起きを目指していても、なかなか継続できないという悩みも珍しくない。  



6/17/2020 

そこで今回は、3月に出版された『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(小学館)の著者で、これまで500人以上を夜型人間から朝型人間に変えてきた井上皓史氏にインタビューした。朝型の生活を継続するコツを、本の内容と合わせて紹介する。(全4回 第1回) 

(小学館)1540円
早起きではなく「早寝」を頑張る
  肝心要の早起きのコツについて、井上氏は「早寝が大切です」と語る。 「毎朝5時に起きることを頑張るのではなく、毎晩22時に寝ることを頑張ってください。就寝時間を固定することが、もっとも重要になります。22時にベッドに入れれば、あとは7時間しっかり睡眠を取って5時に起きるだけ。5時起きもまったく辛いとは感じないはずです」  

適切な睡眠時間には個人差があるので、7時間睡眠で日中に眠気を感じて辛いと思ったら、起床時間を5時半にするなどして調整。早寝なくして早起きなし。睡眠時間を削って早起きするなんてことは、常人には無理なのだ。  
多くの人にとって、適切な睡眠時間は6時間~9時間の間に収まるだろう。6時間程度の短時間睡眠につい憧れてしまうが、無理は禁物。自分にとって必要な睡眠時間を知り、早寝を目指そう。 

朝と夜の時間の使い方を時間割を書いて洗い出す
 

朝と夜、つまり平日のプライベートの時間をどのように過ごしているかを把握し、時間割を作ることも重要だ。 

画像/Adobe Stock(以下同)
「読書やテレビ、ジョギングなど仕事のあとに夜やっていたことを、すべて朝の時間帯にスライドさせることが必要になります。読書やゲーム、ツイッターやフェイスブックをチェックするのも、朝できます。時間割はできるだけ細かく書くことがポイントです」  

時間割通りに過ごすことは容易ではないが、あくまで目安として捉えるだけでも意味がある。ダラダラとスマホを触っているような時間を見直し、メリハリのある生活を送るには、行動を紙に書き出すことが必要。 「簡単でもよいので、何時に何をしていたか日記のような形で行動記録を付けると、時間の使い方が可視化され、早起きの習慣を付けやすくなります。スケジュール帳は、1週間単位のものがオススメです。スマホでも紙の手帳でも、どちらでもOKです」  

1週間単位で時間の使い方を俯瞰すると、行動パターンが把握しやすく、改善点を見つけやすくなる。週末の飲み会、あるいは週始めの残業など、早起きのネックとなっている行動を振り返ることができるのだ。 

目標を今より“2時間”早く起きることに定める
 これまで夜型の生活をしていた人が、いきなり5時起きにジャンプするのは難しいかもしれない。だが、今までより「2時間早く起きる」という目標なら、現実的に感じるのではないだろうか。今まで7時に起きていた人は5時、8時に起きていた人は6時を目指すのである。 「早起きのメリットを十分に享受するには、1時間では感じにくいのです。2時間の早起きを実行することで、“朝のゴールデンタイム”が生まれます。起業に向けた勉強や副業などの時間にあてるのもよいでしょう。自分だけの時間を毎日2時間捻出できれば、人生そのものが大きく変わるといっても決して過言ではありません」  

夜はメールや電話などの邪魔が入らず、集中しやすいという声をよく聞くが、実はそれは朝でも同じ。一般的なビジネスマンの出社時間は、8時~10時ぐらいだろう。これまで出社時間に合わせて起床していたとしたら、今より2時間早く起きることで、自分の時間が作れる。もちろん、そのぶん2時間早く寝ることにはなるが、充実度は確実に違うはずだ。



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欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか

2025年02月20日 15時03分22秒 | 医療のこと


欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか | ヨミドクター(読売新聞) 

>多くの患者さんは、寝たきりになる前に亡くなっていました。
寝たきり老人がいないのは当然でした。



スウェーデンのカロリンスカ大学病院で、タクマン先生と一緒に(左から筆者、通訳の原さん、タクマン先生、家内)

2012年6月20日
yomiDr.記事アーカイブ
欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか


欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか
画像の拡大
スウェーデンのカロリンスカ大学病院で、タクマン先生と一緒に(左から筆者、通訳の原さん、タクマン先生、家内)




 ヨーロッパの福祉大国であるデンマークやスウェーデンには、いわゆる寝たきり老人はいないと、どの福祉関係の本にも書かれています。他の国ではどうなのかと思い、学会の招請講演で来日したイギリス、アメリカ、オーストラリアの医師をつかまえて聞くと、「自分の国でも寝たきり老人はほとんどいない」とのことでした。一方、我が国のいわゆる老人病院には、一言も話せない、胃ろう(口を介さず、胃に栄養剤を直接入れるため、腹部に空けた穴)が作られた寝たきりの老人がたくさんいます。


 不思議でした。日本の医療水準は決して低くありません。むしろ優れているといっても良いくらいです。


 「なぜ、外国には寝たきり老人はいないのか?」


 答えはスウェーデンで見つかりました。今から5年前になりますが、認知症を専門にしている家内に引き連れられて、認知症専門医のアニカ・タクマン先生にストックホルム近郊の病院や老人介護施設を見学させていただきました。予想通り、寝たきり老人は1人もいませんでした。胃ろうの患者もいませんでした。


 その理由は、高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民みんなが認識しているからでした。逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。


 ですから日本のように、高齢で口から食べられなくなったからといって胃ろうは作りませんし、点滴もしません。肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。内服投与のみです。したがって両手を拘束する必要もありません。つまり、多くの患者さんは、寝たきりになる前に亡くなっていました。寝たきり老人がいないのは当然でした。


欧米が良いのか、日本か
 さて、欧米が良いのか、日本が良いのかは、わかりません。しかし、全くものも言えず、関節も固まって寝返りすら打てない、そして、胃ろうを外さないように両手を拘束されている高齢の認知症患者を目の前にすると、人間の尊厳について考えざるを得ません。


 家内と私は「将来、原因がなんであれ、終末期になり、口から食べられなくなったとき、胃ろうを含む人工栄養などの延命処置は一切希望しない」を書面にして、かつ、子供達にも、その旨しっかり伝えています。(宮本顕二)








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お金がなくても楽しそうな人の秘密…和田秀樹「60歳でメンタルがヨボヨボになる人、幸せになる人の違い」

2025年02月11日 13時05分06秒 | 医療のこと



お金がなくても楽しそうな人の秘密…和田秀樹「60歳でメンタルがヨボヨボになる人、幸せになる人の違い」 




心身ともに健やかな老後を迎えるには何が必要か。精神科医の和田秀樹さんは「60代以降、うつ病のリスクが上がる。あらゆる面で個人差が広がる年代に入ることが大きな要因だ。楽しい老後を迎えられる人には共通点がある」という――。


※本稿は、和田秀樹『脳と心が一瞬で整うシンプル習慣 60歳から頭はどんどんよくなる!』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。


嫌なこと、苦手な人とは堂々と距離を置いて脳を老化させない
「嫌なことを我慢しない」ということは、賢くなるうえで非常に重要です。


意欲や感情、創造性を司る脳の部位、「前頭葉」は、快の体験を喜びます。反対に言えば、我慢や過度なストレスを感じるような環境は脳にとっては好ましくなく、老化を促すことにつながるのです。


忍耐を美徳とする日本では、昔から、自己主張を控えて人と調和することを尊んできました。しかし、「みんなに合わせなければ悪いから」と、同調圧力に屈して自分を抑えつけてしまうのは、メンタルの面からも、賢くなるという面からも、害にしかなり得ません。


苦手だと感じる人、会ったあと気持ちがもやもやとする人とは、思い切って距離を置きましょう。人との交流は大切ですが、会ってストレスを感じる人と無理に付き合う必要などまったくありません。心に嫌な負担がかかるということは、脳にも嫌な負担がかかるということです。



ぜひ、嫌われる勇気を持ってください。自己主張して疎まれるコミュニティであれば、ためらわずに抜けてよいのです。代わりに、あなたが自分らしくいられるような相手との関係性を深めましょう。


シニア世代の方こそ、自由に人生を謳歌すべきであり、自分が辛いことからは離れるのが鉄則です。長年頑張って生きてきて、やっと手に入れた自由な環境です。ここまできて自分に苦難を強いることに、一体何の意味があるのでしょうか。


自分が自分らしく生きることが何より大切なことなのであり、それが脳と心のアンチエイジングを叶えます。


他人の発言や態度に一喜一憂するのは、他人に操られているのと同じ
人からの傷つく言葉や態度を気にすることも、楽しく、賢く生きるためには御法度です。


たとえば誰かから、悪意のある言葉をかけられたり、心ない態度をとられたりしたとします。そんな時には、大人な態度でさっと受け流す、ということを意識してみてください。相手と同じ土俵に立ってやり返さなくてよいのです。こんなときこそ冷静に、感情をコントロールするのが頭のよいシニアです。


負の感情をぶつけてくるような人は、はっきり言って幼稚ですし、話にならない相手です。そんな人とは、まともに取り合わないのが一番です。


そして、もしその人の言動によって心が乱されたのなら、「私は私、大丈夫!」とつぶやいてください。それから、散歩をしたり、好きな映画を観たり、美味しいものを食べたりと、自分がご機嫌になれることをして心を満たすのです。


誰かの心ない言動によって感情が揺さぶられることだって、人間ですからもちろんあるでしょう。それは正当な感情ですから、否定しなくてよいのです。大切なのは、その気持ちを引きずらないこと、そして上手に気持ちを転換させることです。無神経な相手に対する不快感を持続させるのは、あなたの大切な感情の無駄遣いです。


とるに足らない人に心を乱されたままでいるなんて、実はとても無駄なこと。相手の一挙一動に振り回され、嫌な感情を膨らませるなんて、まるでその人の操り人形にでもなってしまったかのようです。


そんな状況は、賢いあなたが受け入れるべきものではありませんよね?



自分の人生の主役は自分です。ですから配慮のない人の言動からは軽やかに身をかわし、自分を幸せにすることに注力してください。


日本人は昔から「誰とでも仲よく」「みんなに優しく」という精神を重んじますが、人と人には相性というものがある以上、どうしたって自分と合わない人はいます。


ですから、合わない人は合わないのだと割り切る勇気が必要です。嫌われることを恐れないでください。


そして我慢がならなくなったら、その人と距離を置いたり、そのコミュニティから離れたりしてよいのです。この国ではぐっと我慢することが美徳とされますが、嫌な環境に身を置いて心身に支障をきたすのは、まったくもって健全ではありません。


基本的には、他人を変えることはできません。ですから自分で工夫して、自分の過ごしやすい状況をつくっていくのです。


誰かと比べるのは無意味。知性ある人の合言葉は「自分は自分」
私は、人と自分を比較するという行為は、賢く生きるということとは対極にあるものだと思っています。


60代以降、うつ病のリスクは上がります。その大きな要因は、あらゆる面で個人の差が広がる年代に入ってくるからでしょう。


自分は定年退職したが、あの人はまだ社会で活躍している。
自分は家族を失くしたが、あの人の家族は元気だ。


自分は体の調子がずっと悪いが、あの人はいつ会っても元気だ。


そんなふうに、さまざまな要素で違いが生じやすいがゆえに、「あの人に比べて自分は恵まれていない」と、差を痛感したときに落ち込んでしまうのです。


こういった感情には致し方ない部分もあると思います。けれど、老年期に差し掛かった今こそ、ぜひ「私は私」を合言葉にしてみてください。幸せは、外野や人の状況によって左右されるものではありません。あなた自身の尺度で決めるものです。


物事を優劣や勝ち負けの中でとらえようとすると、人生はとても生きづらく、後ろ向きなものになってしまいます。上には上がいますし、価値観もさまざまです。何かを比べ出したらキリがなく、劣等感にも頻繁に苛まれることになるでしょう。


そして、「下を見て安心しようとする」こともまた、自分の進化を妨げてしまうことにつながります。どん底に落ちたとき、自分より状況が悪い人を見て満足したくなるのは、わからないことではありませんが、生産的とは言えません。


学生のケースを例にすると、最終的に望んだ成果を手にするような生徒は、たとえ成績が下降してきたときも、諦めないで上を目指し続けます。けれど、「自分より成績の悪い人がいるからまだ大丈夫」と安心しているような生徒は、さらに成績が下がっていってしまうのです。


恥ずかしながら、私もかつては勝ち負け思考の強い人間でした。子どもの頃から「常に人より賢くありたい」と考えるタイプだったのです。


たとえば学生時代、自分が成績上位になってからは気分よく過ごしたのですが、勉強が嫌になって成績が悪かった頃は、いつも不機嫌で、クラスメイトのちょっとしたいたずらにも腹を立てたりしていたものです。


けれど、さまざまな経験を重ねたり、たくさんの高齢の方々を診療したりするなかで、人生観が変わっていきました。


社会的に成功を収めていても、いつも不満そうにしているシニアがいる一方で、金銭的にそこまで余裕がなかったとしても、楽しそうに日々を送っているシニアもいます。そういった様子を目にするうちに、「人生を勝ち負けでとらえることに、あまり意味はないんだな」と思うようになったのです。


そういった考え方の変化があったからなのか、最近では周囲から「和田さんは、なんだか昔より表情が明るくなりましたね」などと言われるようになりました。


私たちは人に勝つためではなく、幸せになるために生きています。だからこそ、誰かと幸せのレベルを比べっこするのは、「無意味」以外の何物でもありません。


人に負けない方法や人の優位に立つ方法を探し求めるのではなく、自分がどうやったらハッピーでいられるか、その方法を模索するほうが、はるかに賢明ですし、上機嫌な人生を叶えてくれると思います。


---------- 和田 秀樹(わだ・ひでき) 精神科医 1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)など著書多数。 ----------








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