最近よく聞くNMN、若返りに効くって本当?:日経バイオテクONLINE (nikkeibp.co.jp)
機能性食品素材として注目を集めるNMNは、Nicotinamide MonoNucleotide(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の略称。NMNは、多種の脱水素酵素の補酵素として機能するニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の生合成中間代謝産物である。NMNは母乳に含まれているほか、枝豆やブロッコリーなどの野菜にも多く含まれる。体内ではビタミンB3(ニコチンアミド)から生成されるが、加齢に伴い量が減る。
NMNを摂取すると体内でNAD+に変換され、長寿遺伝子ともいわれる酵素サーチュインを活性化することが知られている。マウスの実験では、高脂肪食負荷に伴う耐糖性異常の改善や老化に伴うミトコンドリアの機能低下の改善、虚血再かん流における梗塞巣の減少などが報告され、長期摂取では老化に伴う神経幹細胞の減少抑制などが認められている。
日清ファルマや帝人グループ会社が高額サプリを次々と発売
NMNを摂取すると体内でNAD+に変換され、長寿遺伝子ともいわれる酵素サーチュインを活性化することが知られている。マウスの実験では、高脂肪食負荷に伴う耐糖性異常の改善や老化に伴うミトコンドリアの機能低下の改善、虚血再かん流における梗塞巣の減少などが報告され、長期摂取では老化に伴う神経幹細胞の減少抑制などが認められている。
日清ファルマや帝人グループ会社が高額サプリを次々と発売
日清製粉のグループ企業である日清ファルマは2021年1月、NMNを配合した「パワーサプライNMN」を、健康食品ブランド「リブロン」の新商品として発売した。NMNを125mg含むカプセルや、独自素材の水溶化CoQ10、レスベラトロール、13種類のビタミン類を配合した計7粒が1パック(1日分)で、販売価格は10パックで2万7000円(税抜き)と高価だ。2019年5月には、帝人グループのNOMON(東京・千代田)がNMNを含有したサプリメント「NADaltus(ナダルタス)」を発売した。当初の価格は1カ月分(30カプセル)が15万円(税込)と高額で話題となった。2022年7月現在は、6万2640円(税込)で販売している。
2021年4月のScience誌にて、ヒトにおけるNMN投与の代謝効果を調べる世界初の臨床試験の成果を、米Washington University School of Medicineのグループが発表した。この臨床試験では、閉経後女性への投与で、骨格筋におけるインスリン感受性が改善するなどの作用が認められた。この研究には、日清製粉のグループ企業でNMNを商業生産しているオリエンタル酵母工業がNMNを供給した。
<中略>
東大、NMN摂取で高齢男性の筋力改善効果を確認
2022年5月には、東京大学の研究グループがNMN摂取によるサルコペニア(加齢に伴う筋肉量の減少および筋力の低下)の予防効果を発表した。研究は、同大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科の五十嵐正樹助教や山内敏正教授らが実施した。健常な高齢男性を被験者として、NMNを経口摂取した場合に、筋力低下をはじめとした老化現象に与える影響について、無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。
健常な高齢男性が1日当たり250mgのNMNを12週間経口摂取すると、NAD+および関連代謝物の血中濃度が上昇し、歩行速度、握力などの運動機能が改善することが明らかとなった。さらに、NMNの経口摂取により、聴力の改善傾向が見られることも分かった。超高齢化社会ではサルコペニアの予防が大きな課題とされている。今回の研究結果から、NMNの経口摂取は加齢に伴う筋力低下の予防に有効であり、予防医学につながると研究グループは考えている。研究成果は、2022年5月1日付の英国科学誌「NPJ Aging」オンライン版に掲載されている(DOI番号:10.1038/s41514-022-00084-z)。
Wiki

ニコチンアミドモノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide、略称:NMN、β-NMN)は、リボースとニコチンアミドに由来するヌクレオチドである。NMNはヒトの体内に入ると、補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換され、サーチュインを活性化することがマウスによる研究で判明。サーチュインは「長寿遺伝子」であり、老化を遅らせ健康寿命を延ばす可能性のある物質として研究されている[1]。
概要
すべての生物種に存在する補酵素であり、牛乳など様々な栄養源に含まれている[2]。ヒトにはNMNを利用してニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADHおよびNAD+)を生成する酵素が存在する[3]。NMNはNAD+の生化学的前駆体として、ペラグラの予防に有用な可能性がある[3]。
本来は生体内でも生成されているが、加齢に伴うNMN生成能力の低下によりNAD+も減少し、細胞核の損傷やミトコンドリアの活性低下が進むと考えられている[4]。
NADHはミトコンドリア内の諸過程や、サーチュイン、PARP(英語版)の補因子であるため、NMNは神経保護薬や抗加齢薬としての動物モデルでの研究が行われている[5][6]。サプリメント企業はこうした点を主張して積極的なマーケティングを行っている[7]。近年、ヒトでの研究によって健康な男性で最大500 mgの単回経口投与が安全であること、投与した量に応じて体内で代謝されることが示されており[8][9]、長期の安全性に関する複数の研究が行われている[10][11]。
外因的に投与されたNMNが細胞に入るためにはニコチンアミドリボシド(英語版)(NR)に変換され、再びリン酸化されてNMNに戻る必要があると考えられている[12]。マウスではSlc12a8(英語版)がNMNのトランスポーターであり、小腸を介して10分以内に細胞へ移動しNAD+に変換されるという主張も存在するが議論がある[13][14][15]。NRとNMNはどちらも細胞外でのCD38による分解に対して脆弱である[16]。
概要
すべての生物種に存在する補酵素であり、牛乳など様々な栄養源に含まれている[2]。ヒトにはNMNを利用してニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADHおよびNAD+)を生成する酵素が存在する[3]。NMNはNAD+の生化学的前駆体として、ペラグラの予防に有用な可能性がある[3]。
本来は生体内でも生成されているが、加齢に伴うNMN生成能力の低下によりNAD+も減少し、細胞核の損傷やミトコンドリアの活性低下が進むと考えられている[4]。
NADHはミトコンドリア内の諸過程や、サーチュイン、PARP(英語版)の補因子であるため、NMNは神経保護薬や抗加齢薬としての動物モデルでの研究が行われている[5][6]。サプリメント企業はこうした点を主張して積極的なマーケティングを行っている[7]。近年、ヒトでの研究によって健康な男性で最大500 mgの単回経口投与が安全であること、投与した量に応じて体内で代謝されることが示されており[8][9]、長期の安全性に関する複数の研究が行われている[10][11]。
外因的に投与されたNMNが細胞に入るためにはニコチンアミドリボシド(英語版)(NR)に変換され、再びリン酸化されてNMNに戻る必要があると考えられている[12]。マウスではSlc12a8(英語版)がNMNのトランスポーターであり、小腸を介して10分以内に細胞へ移動しNAD+に変換されるという主張も存在するが議論がある[13][14][15]。NRとNMNはどちらも細胞外でのCD38による分解に対して脆弱である[16]。