- 鉄道ファン・旅のエッセイストのノジャさんより -
(ノジャさんは、大多喜駅の枕木オーナーで~す)
(写真提供:ノジャさん)
「RAIRWAYS」を観ました noja
人間は誰でも趣味のひとつぐらいあるものです。
それも親からや先生に進められたわけではなく欲から出たものでもありません。
昆虫が好きな子はカマキリやバッタを見ただけで目を輝かせ、動物好きはヨチヨチ歩きの時から犬がきても警戒しないで笑っています。
子供の頃から逆立ちして自転車などに乗って得意がっていると親にサーカスにでも売り飛ばされるといけないのでそんなことはしませんでしたが、私は小さい時から鉄道ファンでした。
昔新小岩に住んでいた頃、近くに大きな操車場があってポイントがガッチャンと切り替わって貨物列車が大きな音ともに進入し、信号が赤から青に変わり汽笛と共に電気機関車が遠くに出発して行くのを青鉄橋というところから観ているのが好きでした。
表題の(副題―「49歳で電車の運転手になった男の物語」)を観てきました。
RAILWAYS(レイルウェイズ)
49歳で電車の運転士になった男
父さん、子供の頃電車が好きでな。。。
今が夢に向き合う、最初で最後のチャンスだって思った。。。
僕にとってここが最高の夢の場所なんだ。。。
舞台は山陰の島根県、それも美しい宍道湖に沿って走る一畑電鉄が舞台です。
親の看護のために大企業のエリート社員を辞めて地方鉄道の運転手になる話です。
現在の日本人が誰でも持っている悩み・・・会社のリストラ(する幹部もされる従業員も)遠く故郷にすむ高齢の親、子供たちの就活、自分のやりたいことは何か・・などうまく織り込みながら、しかしなんといっても昭和3年製のデハニ50が豊かな自然の中を走る風景がすばらしい。
ある意味デハニがこの映画の主人公でしょうか。
この電車が2両編成のときはワンマン運転が出来ないので車掌さんが乗車しますがそこをうまく使っています。
一畑口駅はスイッチバックになっているので箱根登山鉄道のようにホームで運転手と車掌さんが入れ替わります。最後のほうのシーンでそれを利用して夫婦の愛を確かめるというほのぼのとした場面をうまく作っています。
20年ぐらい前でしょうか。夏休みにキラキラ光る日本海を大型フェリーに乗って隠岐に行きました。
帰りに出雲大社にお参りして一畑の1両編成のデハニに乗って松江温泉駅まで行きました。途中の宍道湖の明るい湖面や山陰の山並みに大きな入道雲が掛かっていたのを思い出し、あの頃は若かったなあと涙が出そうになりました。
さてさて我らが「いすみ鉄道」でも運転手を公募したという記事が話題を呼びました。自分の事業を整理してなおかつ大金を払い込んで一大決心をした男たち。
「電車の運転手になってみたかった」という夢を追う気持ちは鉄道ファンじゃないと分からないと思います。
この人たちの運転手の試験はあったのでしょうか。
この映画のように、
これからいろいろなことがあると思いますが、
がんばってください。
最後に子供は運転席に入れないように・・・・老婆心ながら(映画を観れば分かります)
(by ノジャ)