【70才のタッチ・アンド・ブースト】ーイソじいの”山””遍路””闘病””ファミリー”ー

【新連載】 『四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ』

四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 35 写真は 閑静な前神寺境内

2023-01-04 18:10:44 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 涅槃の道場(愛媛県)編
(35日目・5月25日)石鎚山麓の山岳信仰の寺や里寺を廻り、涅槃の道場(愛
           媛県)最後の寺三角寺麓の遍路宿を目指して、東予を
           延々約70kmを移動。心に残る涅槃の道場だった。
 快晴。6:40起床、朝食8:25発→8:50 62番札所 宝寿寺9:00→9:15 63番札所 吉祥寺
9:25→10:00 64番札所 前神時(納経所で僧侶さんからいろいろ伺う)10:40→13:50昼
食14:50→国道11号線を延々と四国中央市の伊予三島市街地へ移動→旧伊予三島市街
地で道迷い→18:20やっとの思いで遍路宿着
    本日はいよいよ涅槃の道場(愛媛県)最後の三角寺を目指してママチャリで長距離
移動だ。昨日の日記にも書いたが、ここまで来ると毎日の遍路が楽しくなってきた。
フィジカルも順調、メンタルも快調、社会的な諸条件も大体クリア。結願が楽しみと
思いながらの移動だ。何故だろう? 今回の四国遍路マイウェイはネット出版して、
できれば『マイウェイ』を『遍路日記』にして、四国の皆さんとの珠玉の関りもご了
解を頂いたうえで紹介し、ペーパーブックにして自分のメッセージとして残して置く
予定だ。この涅槃の道場を過ぎれば、ネット本・ペーパーブックのプロローグを書こ
う、そんな思いが湧いてきている。ということで、本日のレポート。
 
(ホテルからの朝、昨日の横峰寺・石鎚山方面を望む)

  本日の朝食は連泊してお世話になったホテルのレストランで、美味しく頂いた。8時
半前にママチャリに乗って出発。61番札所は昨日中に納経を済ませており、62番札所
宝寿寺に8時50分に着。お詣りと納経を済ませ、続けて63番札所 吉祥寺にお詣り。宝
寿寺と吉祥寺は国道11号線沿いにある里寺で、私が会社員時代に出張で国道11号線を
走行しているときに見かけ、四国88霊場に興味を持ち、転職後で20年前に自転車遍路
を始めたきっかけとなった寺で、いろんな思いで懐かしくお詣りさせていただいた。
(宝寿寺門・宝寿寺境内)
(吉祥寺門・吉祥寺境内)
 
吉祥寺からは国道11号線を離れしばらく山手の方を並走する地道をママチャリで駆
けた。10時に64番札所 前神寺に着く。前神寺は地道から少し山に入ったところにあ
る閑静なお寺。国道や自動車道の喧騒から離れ、静かにお詣りをさせていただいた。
納経所に入ると僧侶さんがお二人おられ、またお喋り。
 「四国霊場は山岳修験の本当に厳しいお寺もあり里寺もありで、弘法大師が修行し
 た地を後世の真言宗高野聖の真稔さんが88霊場として『道しるべ』で紹介し、真言
 宗のイメージがあるけれど、民間宗教というかその地ごとのコミュニティ文化の曼
 荼羅のように思うのですが。」
 の旨を尋ねると
 「そうでしょうね。この寺も石鎚神社の末寺でそういうことは他でもありまして、
 伊勢神宮などでも末寺があります。」
 とのことだった。他にも色々伺ってまた新たな勉強をさせていただいた。
(前神寺への道にある石鎚神社の大鳥居。前神寺の入り口の門・閑静な境内・本堂から参道を振り返る)

 ここからは、国道11号線に再び戻り、ひたすら旧伊予三島・川之江の市街地を走
る。本日は国道11号線の幹線道路が主だから、昼食を仕入れずに新居浜市街地のはず
れにあるらしいコーヒーハウスかドライブインでと思っていたが、なかなか到着しな
い。かなり空腹になってきた午後2時前にやっとコーヒーハウス着。交通量が多く歩
道がなく車道を走ったりして、おまけに快晴で気温も高く、ホッとした思いで店に入
った。看板は『峠の食堂』となっているけれど、外観はコーヒーハウスだ。店は女性
の方がお一人で切り盛りしておられるようで、それでも冷房も効いて、メニューもホ
ームメイド感たっぷりで、ドライバーやお遍路さんやらがよく立ち寄るようで、この
時間帯でも2組の方が食事をしてくつろいでおられた。私も、手作り感たっぷりのと
んかつ定食とアイスコーヒを頂いた。
(東予の四国中央市を超え、伊予三島をひたすら目指して)
 1時間ほどくつろいだ後、再び国道11号線をただただママチャリを漕ぐ。2時間くら
い、距離にして20km位漕いできて、旧伊予三島のにぎやかな市街地に入り、国道11号
やら県道123号線やらを行ったり来たりしながら本日の遍路宿を探すけれど辿り着か
ない。遍路地図ではサッパリイメージができなくて遍路宿に電話しても応答なし。ど
こかその辺のビジネスホテルに入ろうかとも思ったけどそのうちにとにかく国道11号
線に固執してもう一度電話するとやっと繋がった。とりあえずやっと安心して、それ
でも分かりにくかったけれど、午後6時半前に遍路宿に着いた。
 宿は、看板は『〇〇旅館』の看板が出ているが中に入ると普通の民家風で、大女将
さんがお一人で切り盛りされているようだった。家人の方もおられるようだが、宿の
方には関わらずといった感じ。四国の遍路宿ではそんな宿も沢山ある。地元の方が建
築されたホテルでも、大女将さんあるいは女将さん、ご主人と言っていいのか男性の
方がお一人で切り盛りといったところも多く、食事も素泊まりとか朝食のみとかいろ
いろ。本当にコロナ禍とかでかえってご迷惑をおかけしているのではと恐縮している
のだが、その分大変感謝している。この地に来て、お接待の心とでもいうものに触れ
て、本当にこの年になって貴重な経験知を頂いていることを本日も実感。
 宿で、明日の予定で朝早く65番札所 三角寺(三角寺)にお詣りしてそのまま雲辺寺
へは向かわず、一旦戻って自転車で別の道から雲辺寺を目指すので11時ごろまで自転
車と不急の荷物を預かってほしいとお願いしたら、快諾されてもし留守だったら玄関
の鍵を開けておくので荷物は持って行ってください、とのこと。この先の遍路に激励
と感謝を頂いて、本日の夕食を仕入れに近くのファミリーマートに出かけた。
 本日で涅槃の道場は無事涅槃することなく終わり、明日は菩提の道場(香川県)の
最初の寺、四国霊場の最も標高が高い寺、66番札所 雲辺寺から入っていく。そして
67番大興寺、68番神恵院、69番観音寺にお詣りし、観音寺市内の遍路宿泊まりの予
定。余談だが、観音寺は地元の人は『かんおんじ』といわれるようだが、地図では
『かんのんじ』となっていることが多い。ここではひらがな表記の場合は『かんおん
じ』とします。
           (本日移動距離 57km、 うち歩行 10057歩、 7.5km)



四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 36 写真は、雲辺寺の羅漢さん

2023-01-04 00:17:22 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 菩提の道場(香川県)編
(36日目・5月26日)遍路宿から 65番札所 三角寺を往復し、いよいよ菩提の道
         場(香川県)に入り、海岸沿い国道11号線を走り、長いマ
           マチャリアプローチで四国霊場の最高地の 66番札所 雲辺
           寺へと。雲辺寺はロープウェイでお詣りし、里に下りて 
                               67番札所 大興寺に詣り、観音寺市内の遍路宿に宿泊。
 晴れ後雨。4:30起床→コンビニで朝食の行動食仕入れ→6:40金田バス停→7:40土佐
北街道の遍路道経由で 65番札所 三角寺(h353m)・朝食8:05→9:00金田バス停→遍
路宿9:10発→10:10道の駅豊浜→12:05→雲辺寺ロープウェイ乗り場→12:30 86番札所
 雲辺寺12:55→13:10ロープウェイ登り乗り場で昼食13:55→14:55 67番札所 大興寺
15:20→16:00 68番札所 神恵院・69番札所 観音寺16:40→観音寺市内ママチャリで散
策→17:50遍路宿

 本日も長い行程になる。4時30分に起床、三角寺へ持っていく荷物を最小限
にして一旦戻ってママチャリで移動するときの荷物を纏めておく。結構時間がかかり
6時5分、女将さんに挨拶を済ませて出発。国道192号線金田バス停横のコンビニで朝
食用の行動食を仕入れる。少し戻り金田バス停から南に左折して三角寺方面に、集落
を抜けて登りだす。旧街道のような集落の道をしばらく行くと『土佐北街道』の看板
が出ていて、道の両側は古民家が点在している、古来の街道の道。車もそう多くは無
く歩きやすい。結構高度を稼ぎ伊予三島の市街地がはるかに望まれ、バス停から約1
時間で65番札所 三角寺(標高353m)へ着いた。参道の階段の少し手前に『四国の道
案内図』の看板が出ていて、遍路道との位置関係が分かりやすかったが南北方向は看
板が正しいのだろうか?どう考えても海(瀬戸内海)は北方(地図では上)にあると
思うのだが。遍路道の三角寺から椿堂方面、国道192号線、徳島県境の位置関係は正
しい。またパニクリそうなのでもうどうでもいい、勝手に看板のN矢印をS矢印に変
えて、勝手に納得。
(左:土佐北街道の看板  右:南北が怪しい(反対)道案内)

 三角寺は霊場中標高が最高位の 66番札所 雲辺寺の前衛の寺らしく閑静な山寺。こ
この特徴は山門(仁王門)に梵鐘が吊られており、参拝者は大体が鐘をついて山門を
通る。私も撞かしていただき境内に入った。
(三角寺の鐘楼の門   閑静な境内   三角寺本堂)
 20年前の自転車遍路の時に、確か大師堂には空海さんと最澄さんも祀られていたよ
うに思っていたが、境内の由来や案内には書かれていなかった。何故だろうとは思っ
たがまあ、どうでもいいか。
 お詣りを済ませ、納経所で了承を頂き静かな境内の休憩所で朝食の行動食を食べ
る。8時過ぎに出発して、来た道を遍路宿に戻る。鐘楼の門から参道の石段を下りる
と椿堂方面への遍路道と土佐北街道の旧街道に分かれる。来た道を辿り、旧街道から
の登り口である金田バス停は国道192号線に合流して東西方面に伸びており、東の方
へ行くと遍路道の椿堂で合流し、境目トンネルで県境を越え徳島県池田町へと続く。
椿堂から先は自転車遍路の時にたどった道で、その先を曼陀トンネルに向かい尾根の
道を延々と雲辺寺へと辿った。国道192号は境目トンネルを抜けてしばらく行くと曼
陀トンネル方面に左折する県道8号との合流点があり、そこを曼陀トンネル方面に左
折せずに、直進して行くと遍路のスタート地の吉野川や遍路ころがしの起点の藤井寺
方面に続き、徳島市に至るようだ。長い遍路道だったけど、自分のイメージの中にす
っぽりと収まってくるところまで来た。あらかじめ地図のイメージを描いていたが、
こうやって現地を歩くと何とも言えない思いがこみ上げてくる。
(左:土佐北街道の上から伊予三島市街地遠望  右:土佐北街道の金田の町並み)
 実際の遍路はまだまだ。海辺に戻り長丁場の道が待っている。伊予三島の市街地を
望みながら、土佐北街道を快調に歩き50分弱で金田バス停に戻った。遍路宿でママチ
ャリに荷物を積んで、出発準備。大女将さんに挨拶をと思ったがご不在。メモに『あ
りがとうございました』と書き、納札札を添えて上がり框に置き出発。
 66番札所 雲辺寺は徳島、香川県境にあるけれど、遍路道では寺は菩提の道場(香
川県)に含まれる。かなりぎりぎりまで三角寺から雲辺寺までの歩きに拘ったけれ
ど、そうするともう1泊で行程が1日~1日半余分にかかってしまうのと国道192号の峠
やトンネルから里寺の大興寺への下り坂が、ママチャリのブレーキで耐えうるか、そ
うするとママチャリの駐輪場所をどうするかの心配。ということでやむなく一旦海辺
に戻りママチャリでの雲辺寺ロープウェイ登り乗り場への移動とした。
 ということで、9時10分に伊予三島の遍路宿を出発。そこからが結構長丁場だっ
た。国道11号線を走り、1時間ほどで道の駅豊浜に着、少し休憩。この辺は遍路道で
はなさそうで、交通量も多い。しばらく走り高架のところで右折し地道に入ってい
く。道路標識に従って大野原町方面に向かう。途中の道はやはり遍路道という感じで
はなく集落の中をくねくねと結構な上り坂をピーク手前では押しながら移動し、峠の
ようなところでやっと雲辺寺ロープウェイの看板を見つけたが、この道はバス道でも
ない。あとは看板を頼りに山麓のロープウェイ乗り場へと頑張った。結構悪戦苦闘の
末12時過ぎにやっと雲辺寺ロープウェイ山麓駅に着いた。
(雲辺寺ロープウェイから観音寺市街遠望  頂上乗り場での看板  雲辺寺大師堂)
 15分ほど待ってロープウェイに乗り込み、山上駅で降りて境内にある香川・徳島県
境を行ったり来たりして12時30分、第66番札所 雲辺寺、標高910m四国霊場中最高地
にある山門をくぐる。境内には比較的新しいけれど立派な羅漢さんが並んでおり、こ
れからだんだんとこの静寂な山寺の雰囲気に馴染んでくるのだろうなあと思う。今日
は平日の木曜日でもあり、寺付近には遊園地や冬にはスキー場があるのだが静寂だっ
た。30分ほどでお詣りを済ませ山麓駅に戻り、13時10分にレストハウスで昼食にカ
レーライスを頂く。
(左:境内にある香川・徳島県境  右:雲辺寺大師堂)
 食後、67番札所 大興寺を目指す。ロープウェイ山麓駅からは相変わらずの山麓の開
けたところの県道を北へと走る。地図通りに県道や地道を走り、やがて看板も多く見
られるようになって、小さな川を渡り右折して里山の方に向かい、橋を渡り直して、
山麓駅から1時間ほどで第67番札所 大興寺に着いた。
(左:大興寺境内への参道  右:大興寺は現在リニューアル中)
 大興寺は現在全面的に改修中であいにく本堂や大師堂を配置した境内を俯瞰するこ
とができなかったけれど、境内では里山の麓の寺の雰囲気がある。この先68番、69番
は町中の寺で、67番 雲辺寺とのバランス上もきっと観音寺の人たちにとって大事な
存在感のある寺なのだろう。30分ほど散策して養生シート越しに本堂、大師堂にお詣
りした。15時20分時に68番札所 神恵院(じんねいん)、69番札所 観音寺(かんおん
じ)を目指して出発。
 大興寺からすぐに交通量の多い道を辿りながら、すぐに観音寺の市街地に入る。市
街地の地図に悩みながら16時過ぎに神恵院と隣接し境内を共有する観音寺に着いた。
ここは町中の寺で急いでお詣りと納経を済ませた。自転車遍路の時は朝一番のお詣り
でゆっくりできず、今回もゆっくりと見学も適わず心残り。閉門間際の人のいない境
内も静かでいいのだが。
(神恵院と観音寺は門も境内も共有  神恵院大師堂  神恵院本堂)
(観音寺本堂?  観音寺大師堂?  境内には立派な楠)
 神恵院、観音寺を出て少し散策したがこの近くには琴弾八幡宮があり、道の駅こと
ひきがあり、展望台からは、有名な『和同開珎』の砂で固めた大きなオブジェが見学
できる。ところがあいにく降り出してきた雨が本降りとなり、遍路宿も市街地で良く
分からず、これもまた自転車遍路の時と同様、断念ということになった。
 宿への道探しで到着が18時を過ぎご迷惑をかけた。本日は素泊まりのみで、ビジネ
スホテルとはいえご家族ぐるみでのアットホームな心遣いに感謝。
   (本日移動距離  54.5KM   歩行 30,173歩 内歩行距離 13.69Km)