【70才のタッチ・アンド・ブースト】ーイソじいの”山””遍路””闘病””ファミリー”ー

【新連載】 『四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ』

四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 33 写真は国分寺石段下の横峰寺への道標

2023-01-06 18:31:12 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 涅槃の道場(愛媛県)編
 (33日目・5月23日) JR今治駅近くホテルから56番札所 泰山寺~59番札
             所。 国分寺から西条市壬生川(にゅうがわ)のター
            ミナルホテル東予に荷物を置き、明日の横峰寺への
            事前リサーチのため伊予小松へ往復の予定。
   快晴。7:00時起床8時5分に発→買い物8時30→8時50分56番札所 泰山寺9:10 
→9:30 57番札所 栄福寺10:15→10:30 遍路休憩所10:30(ここから歩き)→11:15 58番
札所 仙遊寺11:45→12:10 遍路休憩所12:15(再び自転車)→13:10 59番札所 国分寺
→16:10ターミナルホテル東予→伊予小松に明日の行程のリサーチ→18:35ターミナル
ホテル東予(泊り)
 本日は距離は24km強とママチャリにしては短いが、仙遊寺への多少の山登りと、西
条市のターミナルホテル東予では明日の横峰寺への事前リサーチのため伊予小松まで
さらに往復の予定で実質的にはそこそこの行程かと思いながらスタートした。ホテル
では朝食がなかったので、駅近くのローソンで行動食を仕入れる。56番札所 泰山寺
へは道迷いもなく8:50着。門まではそう高くない階段を上り、境内は近在の方が集ま
りやすそうな里寺。

(①今治の朝。快晴 ②泰山寺の石段と門 ③泰山寺本堂 ④栄福寺へ向かう遍路道で)

 お詣りと納経を済ませ57番札所 栄福寺へと向かう町中の生活道
路の遍路道途中に、道半ばで倒れたお遍路さんを祀る墓碑を集めた『遍路無縁墓地』
があった。墓碑銘が読み取れないけれど『〇玄禅尼』『〇〇童子』『寛永△△』
等々。合掌。無縁墓地を過ぎて橋を渡り対岸の遍路道を行くと、20年前の自転車遍路
の時を思い出した。御祖父さんかと思うけれど高齢の男性と、お孫さんかと思うけれ
ど中学生ぐらいの男子と2人で黙々と歩き遍路をしていた。それぞれのお遍路さんが
それぞれ自分の遍路道を旅しているのだろうなあと、なぜか深く印象に残っている。

(①栄福寺参道 ②栄福寺の大師堂 ③境内 ④栄福寺本堂 ⑤納経所にて)

 57番札所 栄福寺には20分ほどで到着。短い距離(3.1km)だけれど印象に残る遍路
道で、それは新しい発見や思い出だけでなく、栄福寺の門前に着いたときにそのロケ
ーションに改めて思いを持った。栄福寺は次に向かう 58番札所 仙遊寺が今治郊外の
里山の上にある寺で信仰の気配が十分にあるけれど、栄福寺はその里山の山麓にある
郊外の田園地帯への入り口に構える寺で近在の方々の安心の寺、そんな感じだろう
か。実際に南光坊から泰山寺は今治の賑わいの町中、泰山寺から栄福寺は町中から農
業・田園地帯への入り口、そして栄福寺から仙遊寺へは信仰に向かう道、勝手な印象
だけれど、そんな思いが新しい発見として刻まれる。
 栄福寺はたいへん心に残る寺だった。山麓らしい落ち着いた寺で、境内もたいへん
落ち着いた雰囲気。納経所にはコロナ禍で医療や介護で働く皆さんへの感謝と励まし
を日英語で書かれたプラスターが張り出され、住職さんや寺にかかわりを持つ皆さ
ん、近在の檀家の皆さんの優しさが伝わってきて感激した。住職さんと思うけれど納
経所の方に了解を頂いて、境内に向っているベンチで、行動食の朝食を食べた。

(①遍路道から仙遊寺を見上げる ②仙遊寺休憩所 ③仙遊寺山門 ④境内 ⑤境内の無縁仏)

 10:15に出発、道中里山のうえに建立されている仙遊寺を見上げながら、58番札所 
仙遊寺を目指す。道路工事中でう回路を辿りながら15分位で仙遊寺入り口の遍路休憩
所(標高210m)に到着。そこに自転車を置いて標高差50m程度の山の遍路道を歩い
て登る。約20分がかりのマイペースで11:15 58番札所 仙遊寺着。山岳修験の厳しい山
というほどではないけれど、境内の見晴らしのきく場所からは今治の市街地が
一望に
見える。仙人が遊ぶ山寺という由来があるかどうかは分からないけれど、その雰囲気
らしい境内の作りだった。20年前に来たときはデコレーションというかにぎやかな飾
り物が沢山あったのだが、さすがに今は飾り物までは見当たらない。仙遊寺の宿坊は
住職さんのお話や朝の勤行などで、大変時代にマッチした良いお話が頂けるというこ
とで有名で、私もここでの宿泊を何とかと思っていたが、スケジュールの都合上、適
わなかった。麓から見上げる建物は有名な宿坊で、境内に来てみると歓迎ムードの素
敵な建物だった。お詣りと納経を済ませ下山、12:10に休憩所に戻った。

(①有名な仙遊寺宿坊 ②今治は日本一のタオルの産地 ③国分寺境内 ④国分寺石段 ⑤石段下の道標)

 休憩所から再びママチャリで59番札所 国分寺を目指す。しばらくは生活道路の遍路
道を走りそのうち県道に合流し約50分、13:10に国分寺着。仙遊寺の里山を下り、平
地に降りての里寺でここから次の横峰寺へは30km近くある。で、ここまでが今治の
里寺の集まったところだろう。お詣りと納経を済ませて階段を降りると、『六十番 
横峰寺 六里二八丁』と書かれた古い指さしの道標があった。気合を込めてママチャ
リの乗って西条市のまずは壬生川を目指した。
 壬生川のターミナルホテル東予までは約13km。大体国道196号線を走るので、適当
なところで昼食をと思っていたが、東西南北がぐちゃぐちゃの遍路地図にまた惑わさ
れた。国道196号につながるはずの県道38号線だが繋がらない。海が見えるのだが左
になければならないはずの海が右手に見える。そんな馬鹿な、これでは今治市街地へ
戻ってしまう、と焦り無理やり左折して不本意ながらUターン。住宅街の小高い場所
を何回かアップダウンを繰り返し、しばらく走ってやっとの思いで海を左に見てやが
て国道に繋がった。これは、地図が悪いというのではなく、個人の脳の認知機能と思
う。私の場合、北を上にした地図を見て周りの地形をイメージして、いざ本番では現
地の地形や晴れていれば方角とイメージをフィットさせて行動する。若いときから理
屈ではなくそういう感覚で行動してきて、山岳会や山のサークルなどでは読図やルー
トファウンディングを任され、個人山行でも道迷いはしたことがない、というより15
分以上の道探しはせずに、かならず道迷い地点に一旦戻る。方向感覚でパニックに落
ちるのは決まって南半球に行った時。とにかく遍路地図の方が分かりやすいという人
もたくさんおられると思うので、これは個人のことと思う。
 ということで、道の駅であとわずか残っていたおにぎりを仕入れ、掻っ込ん
で食べ
て16:10に3時間がかりで国分寺から12km離れた壬生川に着いた。
(壬生川のホテルから、石鎚山を望む。明日はこの麓 660m までの山登り)

 本日の予定はまだ続く。ここから約6km先の伊予小松まで行き、明日の横峰寺登山
のリサーチをすること。本当は横峰寺へのアプローチも良く行程も便利な小松での宿
泊所を探したのだが、20年前には確か香園寺にも立派な宿坊があったように思ったの
だけれど何処も適わず結局壬生川になった。17時頃に小松に着き、自転車の駐輪場
所、バス停から時刻表の確認と横峰寺アプローチ下の大頭バス停までの行程の確認を
して、壬生川へ戻った。ホテルはビジネスの宿泊客がほとんどの様で、結構活気があ
った。朝食のみで夕食は無いのだが遍路には変わらず心のこもった接客をして頂い
た。壬生川の町を散策し、夕食を仕入れホテルに戻って明日に向けて気合を入れ直
す。
               (本日実移動 約38km    うち歩行 14,401歩、10.6km)