【70才のタッチ・アンド・ブースト】ーイソじいの”山””遍路””闘病””ファミリー”ー

【新連載】 『四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ』

イソじいの一押しBOOK 2021年夏・2021年秋

2022-01-24 13:53:47 | イチ押しBOOK
                              20220121

 イソじいのいち押しブック-2021年夏(6月~8月)

私の読書のペースは、2週間で約3冊。年間52週(365日÷7日/週=52.1週)だ
から年間約80冊となります。但し現役労働者をリタイア、その結果往復3時間
以上かかる通勤時間に本を読んでいたのができなくなり、その分読了ペースが
落ちました。なお、私は溜る一方で、過剰在庫になる本を処分するのが忍び難
いということで、本は買わない主義で市民図書館や大学図書館で借りて読んで
います。2019年以降の読書歴を書いていますが、それ以前に読んだ本は後日
『心に残った本』としてチョイスして後日アップする予定

 というわけで、今回は2021年夏(6月~8月)に読んだ本の紹介です。「丸
まった背中が2ヶ月で伸びる」「日本国憲法のお誕生」「焼けあとのちかい」
(半藤一利さん)「まるごと早わかり四国八八個所」「マップル四国88ヶ所
お遍路の旅」「石川文洋 四国88ヶ所私の遍路旅」「臨床の砦」(小説)
「15才のお遍路」「四国88カ所を歩く」(山渓)「四国88ヵ所めぐり
(マップル)」「四国88か所をあるく大人の遠足BOOK」「JR上野公園駅」
(柳美里・直木賞作品)「おどろき京大ウィルス学講義」「男が介護する」
「はやぶさ2 最強のミッションの真実」(2回目)「戦争記事たちの真
実」「歴史探偵忘れ残りの記」(半藤一利)「脊柱管狭窄症自力で克服」「心
の歌よ」「満州国朝鮮人の植民地解放前後史」以上の20冊、プラス論文・雑
誌。
 思惑があってやたら『遍路もの』が多い。山渓の本は自身が2000年から
初めて結願までした自転車遍路の時の愛用資料の改訂版。『遍路もの』と対局
の柳美里さんの思い告発の小説、旅立たれた戦中戦後日本の知性である半藤一
利さんの本、若手の真摯な研究者の博士論文という「満州国・・・」これは大
作。もう少し調査の筋になる筆者の論点を出せばいいのかなあ、とも思う。夏
は多様多種な読書だったが、中でも一押しは「男が介護する」。心当たりのあ
る方には一押し以上二押し三押しです。

                              20220121

イソじいのいち押しブック-2021年秋(9月~11月)

 今回は2021年秋(9月~11月)に読んだ本の紹介です。「時代の異端者た
ち」「広島を暴いた男」「長寿社会を生きる」「海外引揚の研究-忘却された
『大日本帝国』」「吹田市の昭和」(写真集)「アルルカンと道化師」(池井
戸潤)「奇跡のバックホーム」(元阪神タイガース横田選手)「湯川秀樹日記
1945」「ふくしま人のものがたり」「死のクレバス アンデス氷壁の遭難」
「人新生の資本論」「聞き書き南相馬」「幻の『カフェ』時代-夜の京都のモ
ダニズム」「こうして生まれた日本の歌-心の歌よⅡ」「治安維持法の『現
場』」「水のように」以上16冊、プラス論文・雑誌。
 市民図書館で予約待ち2か月以上の本がやたらと多く、ドドっと入ってき
た。池井戸潤さんの小説はすべて読んでいる。山崎豊子さん以来かなあ、面白
かった。「海外引揚・・・」「治安維持法・・・」「湯川秀樹・・・」「広島
を・・・」など真摯な歴史・研究論文、資料を読むたびに歴史修正主義者の卑
劣さに怒りを覚える。戦中海軍の依頼で原子爆弾の開発研究をしていた湯川先
生は、普通に大本営発表に一喜一憂(一憂はないか)していたが、戦後の葛藤
を経て積極的平和主義(戦争が絶対悪との信念を持ち行動する)を信念とし、
やがてノーベル物理学賞を受賞するが、その葛藤と信念がよく知ることができ
た。一押しは『人新生の資本論』人新生という地質学時代を置いていることに
若き研究者の卓越した視点とメッセージ性を思う。歴史は人類史をスケールと
して俯瞰しなければならないと私は確信している。そうすることによって近現
代史における歴史的事象や諸現象への解析がストンと落ちる。著者の斎藤さん
はまた、グレタ・トウェンべリさんら個性が輝き自分らしく生きることを主張
する世界の若者達と同調している。そこにも卓抜した感性を感じる今後注目の
研究者だが、著者と世界の若者のコラボが叶えば、ひょっとするとマルクスと
エンゲルスが出会ってパートナーとして協働したことに続く、人類史のエポッ
クメーキングの可能性があるのではないか、とも思っている。『何を入れ込ん
で!!』と思われると思うが、まずは記しておきたい。



イソじいの一押しBOOK 2021年冬・2021年春

2022-01-21 23:13:01 | イチ押しBOOK
【イソじいの一押しBOOK③】
                              20220120

 イソじいのいち押しブック-2021年冬(2020年12月~2021年2月)

私の読書のペースは、2週間で約3冊。年間52週(365日÷7日/週=52.1週)だ
から年間約80冊となります。但し現役労働者をリタイア、その結果往復3時間
以上かかる通勤時間に本を読んでいたのができなくなり、その分読了ペースが
落ちました。なお、私は溜る一方で、過剰在庫になる本を処分するのが忍び難
いということで、本は買わない主義で市民図書館や大学図書館で借りて読んで
います。2019年以降の読書歴を書いていますが、それ以前に読んだ本は後日
『心に残った本』としてチョイスして後日アップする予定


 というわけで、今回は2020年冬(2020年12月~2021年2月)に読んだ本の
紹介です。「お遍路ズッコケひとり旅」「熱源」(20年度直木賞作品)「政
治部不信」「国際人権入門」「大借金男百閒漱石センセイ」「高校生ワーキン
グプア」「子供ホスピスの奇跡」(木村光太・ドキュメント)」「基地・平
和・沖縄-元戦場カメラマンの視点」「笑ってバイバイ」「還暦からの底力」
「石川文洋フォトアイ・ベトナムと沖縄」

他雑誌の論文等は省略で11冊強です。木村光太さんのドキュメントはすごい。 
遺体 もすごかったが 子供ホスピスの奇跡 では残された生にポジティブに
執着する子供たちの様子が木村さんの筆致で、心にずっしりと染みてくる。自
分の生に対する『居直り』とも思える軽視を静かに重く反省。還暦からの底力 
の出口次郎さんはAPU副学長で私と同年齢。熱源 は私の読書感性と波長が合
う。小説を書いてみようかな、とマジに思う(テーマ、タイトルは内心決め
た)。


                              20220120

 イソじいのいち押しブック-2021年春(3月~5月)

 今回は2021年4月~6月に読んだ本の紹介です。「朝鮮戦争の正体」「赤旗
スクープはこうして生まれた」「連帯の時代」「戦争と弾圧」(纐纈篤さん
著)「ファインダー越しの3・11」「戦禍の記憶を追う」(琉球新報社)
「傷魂-忘れられない従軍の体験」「はやぶさ2 最強ミッションの真実」
「日本を潰した霞が関の弱い人たち」(古賀茂明さん)「ドイツ・イデオロギ
ー」「サコ学長 日本を語る」「真贋力」(有馬頼底師)「沙林」(オウム真
理教を題材の小説)。以上13冊プラス論文・雑誌等です。
 戦争と弾圧は特高エリートである同姓の纐纈弥三を軸に徹底調査。敗戦で公
職追放された彼らとそのDNAを引き継いでいるもの達が日本の現代の民主主
義を再び潰している現在に慄然とする。はやぶさ2は、日本のモノ造り技術者
の快挙に快哉。


イソじいの、いち押しブック-2019年上半期版➀

2019-08-12 15:28:07 | イチ押しBOOK
 私の読書のペースは、2週間で約3冊。年間52週(365日÷7日/週=52.1週)だから年間約80冊となります。但し現役労働者をリタイア、その結果往復3時間以上かかる通勤時間に本を読んでいたのができなくなり、その分読了ペースが落ちました。なお、私は溜る一方で、過剰在庫になる本を処分するのが忍び難いということで、本は買わない主義で市民図書館や大学図書館で借りて読んでいます。
 というわけで、今回は1月~6月にかけて読んだ本の紹介です。「創価学会の変貌」「戦争の真実」「日本の戦争」「日本の戦争Ⅱ 暴走の本質」「国体論」「21世紀の〈マルクス〉」「骨が語る兵士の最期」「銃後の民衆経験」「この世にたやすいしごとはない」「戦争の時代と夏目漱石」「カジノミクス」「麦酒とテポドン 経済から読み解く北朝鮮」「神社本庁」「凛としたアジア」「自衛官の氏名と苦悩」「激変の北東アジア 日本の新国家戦略」「下町ロケット ヤタガラス」「凛とした小国」「労働弁護士50年 高木輝雄のしごと」「加藤周一 戦争と青春「青春論ノート」を読む」「9条を活かす日本~15%が社会を変える」「トランプ報道のフェイクとファクト」「考証 東京裁判 戦争と戦後を読み解く」「言葉の国イランと私 世界一おしゃべり上手な人たち」他雑誌の論文等も含め、書名省略で約10冊強です。

イソじいの、イチ押しBOOK~2019年上半期②

2019-08-11 15:34:50 | イチ押しBOOK
 先に紹介した本は、いずれも印象に残った良書ですが、特に私にとって血肉となった本を紹介します。
「創価学会の変貌」著者:柿田睦夫(敬称略、以下同じ)-公明党は創価学会の完全な支配下にあり、“現生利益”の教義に則り安倍・自民党への積極的フォローワーになったこと、政経分離という憲法上の問題・矛盾に対し事実と資料を丁寧に使い、学会の変貌を解明。戦争は良くないと言い続けた池田大作名誉会長の人望を徹底的に利用することから最近の“池田外し”変貌した創価学会の真実についても表現は穏やかだが鋭く切り込んでいる。
 「戦争の真実」赤旗編集局。赤旗日刊紙、日曜版の30才代記者を中心に、真摯に取材を重ね、資料を集め会席し一生懸命アジア太平洋戦争の真実を伝えようとする態度に感銘。
 「日本の戦争 歴史認識と戦争責任」「日本の戦争Ⅱ 暴走の本質」いづれも山田朗。著者はアジア太平洋戦争の研究者としては第1人者だが、戦後生まれ。軍部と官僚が敗戦後徹底的に証拠隠滅のため戦争関係の書類を焼却した中で、現存する書類や兵士が書き留めた手紙などを丁寧に収集して、戦争を解明。歴史修正主義者たちが「自虐史観」と罵り、南京大虐殺や慰安婦や民間人の虐殺等に対して「証拠がない」とか「後世の歴史家が明らかにする」とかまるで歴史の捏造を前提にするヘイトスピーチの“ノリ”で歴史を『語る』愚かさとあまりにもかけ離れた真摯さに感銘。
 「国体論」白井聡。「永続敗戦論」に続き、著者独特の鋭い感性に感銘。1977年生まれの若手の行動する研究者。新しい近現代政治理論を従来にない視点からアプローチされていて、私は白井さんを注目して、期待している。
 「21世紀の〈マルクス〉‐生誕200年(特集1) -新自由主義下の大学の使命(特集2)」唯物論研究協会編。 特に特集1は、青年マルクスがヘーゲルの疎外論からフォイエルバッハの疎外論へと傾倒し、やがて(人間・労働の)疎外を科学的に解明し最終的に資本論へと繋がっていった生き方がマルクス研究を通じて読み解かれている。今日AIやロボットが人類に何をもたらすか、それとも単に生産手段としてのみ資本家に活用され、多くの人類がより一層労働から疎外されてしまうのかを真剣に考えることが迫られている時、「ドイツイデオロギー」等は必読の書となるだろうと思う。それらを示唆する特集1であった。特集2も必読。




イソじいの、イチ押しBOOK~2019年上半期③

2019-08-10 15:46:06 | イチ押しBOOK
 「骨が語る兵士の最期」楢崎修一郎。アジア太平洋戦争での戦没者遺骨収集の真摯な人類学者による記録。科学的な遺骨鑑定を通じて戦争の不合理さを客観的・科学的に告発。特にサイパン島、テニアン島での遺骨鑑定と収集では女性や子供、老人の遺骨が多く発見され、子をかばう女性の遺骨などに筆者の悲しみが何の脚色もなく書かれ、その切ない悲しみ、嗚咽を込めながら、冷静に科学的に記述され、読んでいて切々と伝わってくる。ちなみに、私の母方の叔父もサイパン島で玉砕した(と伝えられている)。それだけによけいに戦争を仕掛け、民間人も含め300万人以上の国民を死に追いやった者(戦争で儲けを諮った者やその代弁者の軍部・政治家、一部の右翼国粋主義者等々)達を決して許してはいけない憤りを覚えさせる、心に残った本であった。
 「銃後の民衆経験-地域における翼賛運動」大串潤児。読むのに大変時間がかかった。約1ヶ月。敗戦の時、軍部や官僚は戦争責任から逃れるために公文書はもちろんすべての文書を徹底的に焼却し、証拠隠滅を図った。そういった歴史検証上の困難を持ちつつ、本書は膨大な当時の雑誌や各地方に残されている公文書や機関紙誌等を丁寧に収集、銃後の民衆の姿を客観的に事実に基づいて詳細に報告している。その一つ一つが銃後の民衆の姿をリアルに浮き上がらせ、丁寧に読ませていただいた。在郷軍人会、国防婦人会、産業報国会、御真影を奉り教育勅語を叫び天皇のために死ぬことが最高の名誉であると叫び若者や子供たちを死地に追いやった教師たち、多く国民の孫・息子・父・兄・弟のみならず病弱者までも兵士に送り出すための行政を推し進めた地方行政官、等々は戦後何所に行ってしまったのか。前述の「骨…」と同じく、今また戦前と変わらない状況が近づきつつあることに対して、真摯に丁寧に警鐘を鳴らしておられる本だと私は感じている。