「咲きましたよ」
すれちがう幾人かの庭のスタッフが口ぐちにそう告げる。
「まんなかあたり?」
「バラアーチの斜め向かいあたり」
「赤?」
「そうです」
そんなような短い会話を繰り返しながら池へと歩く。
この季節のモネの庭で「咲いた」といえば、指し示す花はひとつ。
睡蓮しかない。
2020初睡蓮。
いつもの年のように赤からだ。
見ると、咲こう咲こうとまちかまえているかのようなものが、そこかしこにある。
あしたから、次から次へと咲きだすのだろう。
念のために、池をひとまわりして他にないかと探していたら、
あった。
太鼓橋直下。
白だ。
こいつぁ誰も気づかないだろ。
見つけた自分がなんだか少しエラく思えてきて、無性に自慢したくなってきた。
そうなると、自分の心のなかにとどめておけないのが、このオヤジの悪い癖だ。
わざわざ庭師のもとへ行き、「どうだい」とばかりに吹聴する。
もちろん、花は自らの意思でそこに咲いただけであり、偶然それを目にとめたオジさんがエラかろうはずもないのは承知しているが、それはそれ、あいかわらず他愛もないオヤジだと笑って許してほしい。
北川村モネの庭マルモッタン、2020年4月18日から5月6日まで臨時休園。
いずれにしても、この休みが終わらなければ、関係者以外の目にふれることは直接的にはないのだけれど、それにしても、いや、だからこそ披露する。
4月19日、2020年最初の睡蓮開花。
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