村上悟さんの『不確実な時代に勝ち残る、ものづくりの強化書』つながりで買った数冊のうちひとつが、『トヨタ式A3資料作成術』。
(わたしの)「ためにする読書」(つまり、下心をもって本を読む)シリーズ絶賛継続中である。
それはいいとして、2016年に宝島社から発刊されたこの本、絶版だろうか、Amazonには中古品しかない。そのうち、わたしが購入したのは最安値の2千円ちょっとのもので、出品者がつけていたそのコンディションは「良い」だった。Amazonで中古本を買う場合、「非常に良い」か「ほぼ新品」以外は、よほど欲しくてたまらないものをのぞいては買わないようにしているわたしが、「良い」で手を打つことにしたのは、そのひとつをのぞいた他14品の値段が、5千円代が3つ、7千円台が4つ、その他は1万円以上で最高値が29,999円とバカ高かったからである。
となると人間の心理とはおかしなもので、2千円ちょっとが「安い」と感じてしまう。すぐに購入しようとした。
だが、ちょっと待てよ。
「注文を確定する」をクリックしようとする右手を止めて、レビュー欄をのぞいてみた。最上位にあったのは以下のようなコメントだ。
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この書籍は「永久保存版」です。
例え、10年経とうと、20年経とうと、全然古くなりません。
幸運にもこの書籍を手にすることができた人には、何年か経過して20万・30万の値がついたとしても、そうやすやすとは手放さない方が得策かと思います。
他のショッピングサイトでは高値(ヤフーでは2万円弱)で取引されていたり、そもそも「在庫なし」だったりするようです。
極めて入手困難の良書です。
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「へーそうなんだ。買いだな」
だからといって、よもや転売しようなどとは思わないが、騙されたと思って買ってみた本が届いたのはきのう。今朝、さっそく読んでみた。
いや、「読む」という表現はどうなんだろう。文章はほとんどない。その多くが図説である。他人はいざ知らず、わたしはこの手の本があまり得手ではない。ましてや、「トヨタ」がどうだこうだと冠がついた本はあまり読む気がしない。
あらあら、それもこれもをわかって買っておいてそれはないだろう。苦笑しつつページをめくった。
ところがどっこい、それがわるくないのだ。
いや、わるくないどころか、よいのである。
読み物としてではない。資料として一級品。という意味でよいのである。
この本、当たり。いくらなんでも、3万円という大枚をはたいてまで手に入れようとは思わないが、2千円ちょっとなら買い得だ。
ということで、(わたしの)「ためにする」読書(つまり、下心をもって本を読む)シリーズ絶賛継続中。
「当たるも八卦」のようなものではあるけれど、ときどき「ためになる」のなら、「ためにする」のもわるくない。