ヒルネボウ

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『冬のソナタ』を読む 「初めて」(上p87~120) 3 影の国

2023-03-04 00:25:11 | 評論

   『冬のソナタ』を読む

     「初めて」(上p87~120)

3 影の国

チュンサンは混乱している。

 

<「昔、ある人が影の国へ行った話知ってる?」

先に口を開いたのはジュンサンだった。

「いいえ」

「ところが、誰もその人に声をかけなかったんだって」

「それで?」

「それで寂しかったんだってさ。それで終わり」

ジュンサンの話が終わると、彼を見ていたユジンが笑い出した。

(上p114)>

 

「影の国」は父親の住む町。「誰」は父親。

ユジンは誤解する。

 

<また話題をなくしてしまった二人は、沈黙を守りながら歩いた。そうやって歩いていたユジンが、道端に切り倒されている木の上に飛び乗って歩きながら言った。

「あたしが見たところ、あなたには友達が必要ね。みんなと仲良くなって悪いことはないでしょ」

「そんなのいらないよ」

(上p115)>

 

チュンサンに必要なのは、父親でもなく、友達でもない。優しく誤解してくれる人だ。危なっかしいけど。

(終)


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