『冬のソナタ』を読む
「初めて」(上p87~120)
3 影の国
チュンサンは混乱している。
<「昔、ある人が影の国へ行った話知ってる?」
先に口を開いたのはジュンサンだった。
「いいえ」
「ところが、誰もその人に声をかけなかったんだって」
「それで?」
「それで寂しかったんだってさ。それで終わり」
ジュンサンの話が終わると、彼を見ていたユジンが笑い出した。
(上p114)>
「影の国」は父親の住む町。「誰」は父親。
ユジンは誤解する。
<また話題をなくしてしまった二人は、沈黙を守りながら歩いた。そうやって歩いていたユジンが、道端に切り倒されている木の上に飛び乗って歩きながら言った。
「あたしが見たところ、あなたには友達が必要ね。みんなと仲良くなって悪いことはないでしょ」
「そんなのいらないよ」
(上p115)>
チュンサンに必要なのは、父親でもなく、友達でもない。優しく誤解してくれる人だ。危なっかしいけど。
(終)