独り旅団

これは映画や本、独り旅を愛する寂しい生き物の記録です。オリンパスE-510とニコンD700で拙い写真を撮り始めてます。

3.11

2012年03月11日 | E18-55mm F3.5-5.6 OSS

阪神大震災当時、私は高校受験を控えて早朝に起きて勉強をしているという今からは考えもつかないまじめな少年でした。
私の住んでいた町では震度5を観測し、今までにない揺れにびっくりしたことを覚えています。
そして、学校から帰ってきた私の眼にはテレビに映った燃え盛る神戸の街並みが飛び込んできました。
神戸は少し遠いこともあり、現実感がなく、多くの人が亡くなったことにたいして悲しみを覚えた・・・気がします。
テレビで流される映像はインパクトのあるものばかりでしたが、心の防御反応か、映像は覚えているのですが、その当時の心持はあまり覚えていません。

ほんの少しだけ落ち着いた数週間後の新聞記事。
これが私の阪神大震災の記憶の大きな部分を占めています。
内容は、全壊した実家で瓦礫に埋もれて助けを求める父を見つけた娘夫婦。必死に助けようとしますが、火の手がせまり、どうしようもありません。
父は娘にいいました。「頼むから殺してくれ」
もちろん、そんなことはできませんが、助けることもできません。
泣く泣く、娘はペットボトルを父の傍に置き、その場を離れました。
やがて、火はその辺り一面を覆い尽くました。


もし、自分の身に同じことが起きたらどうするのだろうか。
その時は答えがでませんでした。
今もずっと答えがでません。
けど、この記事と自分自身に対する問いは今もってはっきりと心の片隅に残っています。


東日本大震災から1年。
多くの方が亡くなりました。
そしてその後の原発事故も重なって多くの人が今もって不自由な生活を余儀なくされています。
あの日起こったこと、そして私の心に芽生えた感情を大切に覚えていたいと思います。
決して忘れないように。


NEX-5N E18-55mm F3.5-5.6

最新の画像もっと見る

コメントを投稿