イノさんシゲさん

井上出と重松彬の往復メール

イノさんへ御答(シ)

2006-08-04 09:06:05 | Weblog
「イノさんのご質問にお答えします」

たしかにオイルサンドの生産はブームに沸いています。 人手がいくらあっても足りない状況で、カナダのみならず海外からも助っ人を集めなければなりません。 アルバータの賃金は鰻上りで、そのインフラを支えるサービス産業、たとえば手っ取り早く言えば、レストランのウェイターも深刻な求人難。 オーナーシェフ達も頭をかかえています。 慢性的に失業過多で知られるニューファンドランドの人達も、「アルバータには行きたくないのだが、背に腹は代えられない」と、家族をニューファンドランドに残したまま、集団でアルバータのオイルサンド地域にやってきて、アパートで共同生活をしています。 ニューファンドランドとは余りにも違う環境で、望郷の念に駆られながら、経済的にはともかく、感情的には複雑な気持で、日々を送っています。

スティーブン・ハーパーの選挙区は、エネルギー産業の中心地カルガリーですが、 ご存知の通りカナダのテキサスと呼ばれる土地柄。 人心もカナダ的というよりアメリカ的。 ハーパー自身は、オンタリオで高校まで過ごしたのですが、アルバータに移住。 そして保守党の党首に選ばれた時点では無議席だったのですが、既にカルガリーの選挙区で選挙運動を進めていた候補者を押し除け、自分が居坐りました。  

ハーパーにとっては、選挙区のエネルギー産業の振興こそ、政治家としての使命。 「京都」には勿論反対。 自分の関係する特定産業の利益は、人類の運命よりも、地球の未来よりも優先するわけです。

そして政権に就くと、同じく石油産業のもう一つの中心地エドモントン選出のローナ・アンブローズを環境相に抜擢しました。 この人の経歴は政府の広報をみてもはっきりしませんが、党派心の強い女性のようで、環境問題の是々非々よりは、自由党憎しの思いが強く、「京都」をことごとく非難します。 なるほどハーパーが気に入ったはずです。 しかし代替案は就任後半年経っても明らかにしません。

アメリカのアル・ゴアが20年来説く、「地球温暖化を防ごう」というクルーセードはようやく北米の人達の間にも浸透してきたようで、映画「An Inconvenient Truth」をみると考えさせられます。 ブッシュやアルバータの州首相ラルフ・クラインが「まやかし者のインチキ科学」と弾劾する方が、よほどまやかしであり、人類に対する敵対行為であるように感じます。 

アルバータ州民は、たしかに石油の利益の一部還元を受けています。 しかしこのキャッシュボーナスも、限りある天然資源によるものだけに、将来それが枯渇する日もあるでしょう。 心ある政・財・学界の指導者達が、それに備えて次の戦略を考えてくれていることだろうと期待します。 

(06/08/03)

増える定年離婚(イ)

2006-08-04 01:37:04 | Weblog
「定年後の離婚は来年4月以降急増する」

一時急増した中年夫婦の離婚がこのところ減少して居る事から世の夫族は一安心して居ると思われます。 仕事人間で只管家族の為に働き続けて来て気が付いたら定年。 さてこれからは悠々自適とはいかないまでもゴルフや趣味の世界で第二の人生を楽しむ事で定年退職後の淋しさを忘れ様と考えて居るところに妻からの離婚通告に愕然とする御亭主。 こんな悲しい思いをせずに済むと思ったら大間違い。

来年の4月から国が世の女房族に対し離婚の勧めをする事になりました。 その過渡期で離婚率がこのところ低くなって居るにすぎないのです。 そして来年の4月以降離婚が激増するであろうと私は見て居ます。

国の離婚奨励策(?)と言うのは社会保険庁が10月から実施する離婚時の年金分割支払割合(受給額)相談受付で、照会者(殆んど妻からと思われる)にのみ通知し相談者の相手(夫)には内緒と言うのですから来年4月以降又「何故だ?」と叫ぶ亭主族が増えると思われます。 新制度によって社会保険庁が離婚した妻の口座に年金を直接振り込んで呉れる事になるのです。

会社勤めの間には社用族として通った飲み屋の女性との浮気もあったろうし社内恋愛(不倫)もあった事からそれなりに楽しく、女房との愛の確認もせずに定年を迎えた御亭主族は身に覚えがあれば覚悟して置いた方が良さそうです。 「御愁傷さま!!」

井上  出    (06/08/02)

WalMartの戦略(イ)

2006-08-04 01:27:37 | Weblog
「ウォ-ルマ-トの世界戦略」

ア-カンソ-の田舎町でスタ-トした小さな店が50年足らずで世界に今や5,000店舗を持つ世界最大のス-パ-マ-ケットチェ-ンに成長したと言う事ですが、「人を上手に動かす事」が成長の秘密と言う事になるとこれはもう真似る事の出来ないKNOW-HOWなのでしょう。

CEOの外国出張でもビジネスホテルを使い自ら範を垂れると言うところからイオングル-プの岡田社長は勉び飛行機はエコノミ-クラスと言う事なのかもしれません。 運転手付きの黒塗りの高級車で出社する日本の大手企業の役員連中もそんな時代ではない事を悟るべきでしょう。

韓国のみならず独逸からも撤退を強いられたウォ-ルマ-トは、韓国の新世界の具社長の発言にある様に自社のスタンダ-ドをそのまゝ押し付けた事が敗退の原因と思われます。 私も過去に色々な米国製品を扱って来ましたが、日本の消費者の要求を訴えても「米国で売れて居る物が日本で売れない訳が無い」と言うのが米国メ-カ-の共通した姿勢でした。

米国政府も一緒で、自分達の考えを一方的に押し付けて来る事から世界中の反感を買って居るのです。 西友を傘下に収めたウォ-ルマ-トが毎年赤字決算で仲々黒字化出来ないのも本社から役員を派遣し日本語も喋れないまゝにその経営を米国のスタンダ-ドでやろうとして居るからで、日本人に経営を任せない限り成功は無理だと私は考えます。

日本では絶対に売れないと言われ続けた韓国製の自動車を最近は時々町で見る様になりました。 電気製品もMADE IN KOREAに抵抗を感じない層が育ちつつありますから韓国のス-パ-チェ-ンが日本に進出する可能性は充分にあると思われます。

井上  出    (06/08/02)

落ちたモラル(イ)

2006-08-04 01:18:49 | Weblog
「日本人の道徳観念地に落ちたり」

他人に対する思い遣りは都会では先づ見られません。 仲間と横並びで道路の真中を我が物顔で歩き人と身体がぶつかっても詫びる事等ありません。 歩道を自転車で猛スピ-ドで走って来る若者で町は一杯です。 電車の中で老人や身障者そして妊婦に席を譲る光景等全く見られなくなったばかりではなく電車が混んで来ても自分の席の隣に荷物を置いて素知らぬ顔。 注意でもしようものなら睨みつけられると言う状況は異状です。

先日朝日新聞の記者が電車で老人に席を譲ろうと立ち上ったところ、若者が横から割り込んで来て座って終いこの記者は何も言えなかったと体験談を書いて居ましたが、こんな事を許し何も言えない大人達が多く若者達を甘やかし増長させるのです。 恐ろしくて注意出来ないと言うのも情けない話です。 こんな男は新聞記者としての資格はありません。

最近高速道路のドライブインに家庭ゴミや粗大ゴミであるテレビや冷蔵庫そしてゴルフバッグ他を夜間にこっそり置いて行く連中が増えて居てその処分に公団は頭を悩まして居ると報じられて居ましたが、コンビニエンスストアでも家庭ゴミを入口の脇に置いてあるストア用のゴミ箱に家から持って来て捨てる人が多いと店主達が嘆いて居ます。 自分の家さえキレイになれば他は汚しても良いと言う姿勢は信号で停車中の車の中から煙草の吸い殻をまとめて道路に捨てる連中を見ても判ります。

図書館の最近の大きな悩みは書き込みや切取りが増えて居る事で、その書き込みも鉛筆なら何とか消す事が出来るのですが赤インクの書き込みが近頃は多くお手上げだと言います。 又切取りも多くなって居りこれ等の被害は貸出した本の4%強に達して居ると言うのですから大問題です。

高速道路にはETC(自動支払)のレ-ンがありますがこのレ-ンを高速突破する連中が年間90万人、その被害額は2億円を超えると言うのですからこれはモラルと言う事ではなく犯罪です。

中学や高校で給食費を払わない子供達が増えて居ると言うのですが、貧しくて払えないのではなく立派な家に住んで新車を買ったり大型テレビを買うお金はあっても給食費は支払わない親が増えて居ると一昨日のNHKで報じて居ました。 昔は給食費を払えないと言うのは子供達にとって大変肩身の狭い事だったのですが、有名ブランドのバッグやスニ-カ-を持って居る子供達にはそんな事は何でもない事だと言うのですから驚くばかりです。 集金に行っても支払拒否する親が殆んどと聞いてはこんな親に育てられる子供が碌な者にならない事は目に見えて居ます。

こんな日本をどうしたら建て直す事が出来るのでしょうか?

井上  出 (06/08/02)

睡眠と昼寝(イ)

2006-08-04 01:06:53 | Weblog
「睡眠について」

最近の子供はTVゲ-ムに熱中したり親と一緒に深夜TVを見たり友達と遅くまで携帯でやり取りをしたりと昔の様に早寝する子供達は少数派になって居るとの事ですが、早寝早起きの習慣を子供達に植え付ける事が子供達の健康の為にも大変大事である事を世の親は再認識し即実行する事が求められて居ます。

以前にも書きましたが子供の成長と関係が深いホルモンであるメラトニンは、光によって分泌が抑えられる事から早寝早起きは子供達にはとても大事な事なのです。 そして朝食をしっかり食べる事も習慣付けて欲しいと思います。

更に睡眠不足はインシュリンの出を悪くし血糖値を高くしたり、逆に唾液中のコルチゾ-ルの分泌量を増やしストレスをもたらしたりするばかりではなく脳の成長に大きな影響を与えます。

ウコンを日常的に摂取する事が認知症の予防になると過日御伝えしましたが、昼寝をする人に認知症の発生が見られないと言う研究報告もある事から出来れば昼寝(但し30分以内)もお奨めしたいと思います。 併し寝過ぎと言うのも健康に悪いと言う事なので睡眠時間は6時間から8時間程度を目安として暮らす様にしなさいと言うのが私の主治医のアドバイスでした。

井上  出    (06/08/02)

中東紛争(イ)

2006-08-04 00:59:18 | Weblog
「中東紛争は何時解決するのか?」

ヒズボラはゲリラ戦を展開して居ます。 御友人のレバノンとシリアで大使をして居られた方の言われる様にヒズボラは民間人の間に潜り込み、住宅地から移動式発射台でイスラエルに対しミサイル攻撃をして居るのです。 従ってイスラエルが爆撃する対象地域はミサイルが発射された場所となり、結果として民間人が犠牲になって居るのです。

朝日新聞はイスラエルが故意に国連施設や民家を攻撃して居ると批判して居ますが、誰が考えてもそんなところを攻撃目標にする訳がありません。 イスラエルにとって何の得にもなりません。 ミサイルが発射された場所に報復攻撃をしたと言うのが真実なのです。 そしてそれがヒズボラによって仕組まれた罠で、イスラエルを世界中の批判に晒す為の戦略なのです。

六日戦争ではイスラエルはエジプトを完敗に追い込みましたが、その後のイスラエルとエジプトとの関係は大変友好的で両国間の紛争は今では殆んどありません。 エジプトがイスラエルの戦力を恐れての事かもしれませんが両国間の平和は続いて居ます。 この事からも判る様にイスラエルは好戦国家ではなく国民は常に平和を望んで居るのです。 テロリスト集団ヒズボラを国境周辺から排除し終る迄イスラエルは戦い続ける事でしょう。

日本のマスコミは常にイスラエルの攻撃で破壊された跡だとか被害者の映像を流しますが、イスラエル内で続発して居るテロリストによる自爆テロやロケット弾やミサイルによる被害は殆んど報道しません。

四面楚歌状態にあるイスラエル人達はテロやロケットそしてミサイル攻撃によって命の危険に常に曝され枕を高くして眠る事が出来ないのです。 ヒズボラとの戦争の陰でパレスチナとの争いは最近全く報道されて居ませんが紛争が止んで居る訳ではありません。 中東平和を一番願って居るのはイスラエル人だと言う事を知って頂きたいと思います。

井上  出    (06/08/02)

京都議定書(イ)

2006-08-04 00:48:54 | Weblog
「カナダは京都議定書協定から脱落?」

オイル価格が急騰して居り原油70ドル時代に入って居る為、生産コスト20ドルと言われるカナダのオイルサンドからの石油抽出コストは充分採算が取れる様になりカナダに大きな利益をもたらして居ると言われて居ます。

併しオイルサンドから石油を生産する過程でCO2(二酸化炭素)が大量に発生する為カナダはCO2削減が難しくなって居ます。 そんな事もあって米国同様自国産業保護の為カナダの新首相ハ-パ-氏は京都議定書からの脱退を検討中と聞きますが如何ですか?

又オイルサンドはアルバ-タ州に集中して居りその埋蔵量はサウジアラビアを上回ると言われて居ますが、そんなに大量にオイルサンドは存在して居るのでしょうか?

更にオイルサンド景気に沸くアルバ-タ州では税金、教育、医療他の面でカナダの他の州と比較して住民は特に優遇されて居るのでしょうか?

以上、お尋ねします。

井上  出    (06/08/02)