いのりむし日記

いのりむしの備忘録です。

Nakajima Hisae

『ロシアの夜』と『遥かなる革命』

2011-09-02 | 本と雑誌

 ナロードニキの「女性活動家」ヴェーラ・フィグネルの回想記(忘れえぬ事業)を日本語で読めるのが、この2冊。
 『ロシアの夜』は図書館所蔵率が高いので、こちらの方が多く読まれているのではないかと思う。ナロードニキの運動史を追うには、わかりやすいものの残念ながら抄訳である。   
 一方『遥かなる革命』は回想記の1・2巻部分を網羅した500頁。タイトルが異なったので、別物かと思って手に取ったのだが、『遥かなる革命』は『ロシアの夜』が割愛せざるを得なかった部分まで読むことができ、これは収穫だった。
 「女性活動家」という側面ばかりを強調したくはないのだが、ナロードニキにとっても、フィグネルが女性であったことが、いかに大きかったかがよくわかる。そして「愚直な理想主義」といわれたナロードニキの、高揚と敗北を語る冷静で抑制された文章に引き込まれる。

 『ロシアの夜』 金子幸彦・和田春樹訳 世界ノンフィクション全集21 筑摩書房 1961
 『遥かなる革命 ロシア・ナロードニキのい回想』 田坂 昂 批評社 1980


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