3月中旬です。どの学校も卒業式をひかえて、体育館使用はきびしくなっています。辰巳ジャンプも同様。そこで、毎年春休み中に行っていた「チーム遠足」を早めて、今日やってみました。遠足というよりは社会科見学、または理科見学、さらには図工見学と言ってもいい見学コースを組みました。
☆ 国立科学博物館
☆ 東京都美術館「ボッティチェリ展」
☆ 上野公園大道芸「中国雑技団」
いつも車で移動する辰巳ジャンプですが、今日は電車移動にしました。そのわけは、電車の乗り換えも学習のうちということにしたかったからです。子供たちに与えたミッションは次の通り。
(ミッション1)地下鉄で有楽町駅までたどり着くこと
(ミッション2)JR線に乗り換えて、上野駅まで行くこと
(ミッション3)上野駅の公園口から出ること
(ミッション4)国立科学博物館まで行くこと
(ミッション5)東京都美術館を探し出すこと
大人からしたら何だこんな簡単なことと思えることも、4年生には緊張する大きな課題です。切符を買うときにも、電車に乗るときも、これでいいのかどうか確かめてから動くため、乗り過ごすことが2回ありました。
午前中は国立科学博物館の見学。みんな熱心に展示物を鑑賞していたため、午前中だけでは全館回りきれませんでした。なにしろ科学博物館は日本館3階、地球館5階の合計8階もフロアーがあります。9時30分に入館したとして、1フロアー20~30分間で回ったとしても、午前中には4~5フロアーしか行けません。今度はご家族でぜひ行ってみてください。
上野公園噴水広場でお弁当を食べた後、次は図工見学です。行き先は東京都美術館で開催中の「ボッティチェリ展」です。ダ・ビンチやミケランジェロと並ぶ、西洋ルネッサンス時代の代表的画家であるボッティチェリの絵を鑑賞するのは、小学校4年生には高すぎる課題です。時代背景や絵に関する知識がある程度ないと、何が良いのかもほぼ理解できないでしょう。それでも行かせたかったのです。理由は次の通り。
(1)本物の美術を子供時代に目にすることは、おそらく強い記憶に刻まれ、大人になってからの教養を高める行動に結び付くだろう。
(2)最高レベルの絵画イメージを脳に入れておくことで、無意識のうちに想像力が高められるだろう。
(3)これだけハイレベルな絵画を小学生は無料で鑑賞できる。こんな幸せなことはない。最高の教育である。
美術館内は鑑賞者の人数がものすごく、列がなかなか前に進まないくらいだったにもかかわらず、しゃべる声ひとつない。シーンと静まった空間の中に、ボッティチェリをはじめとするたくさんの宗教的絵画が浮かび上がっている独特の空気感。子供たちは1時間も中にはいませんでしたが、館内の緊張感を感じて、くたくたに疲れ切った様子でした。このこともまた大人への階段を上がるためのよい経験だったと思います。
美術館鑑賞後は、アメ横をぶらり旅して、美味しいものがあったら食べさせようかなと思っていましたが、その道中に立ちはだかったのが、上野公園内での大道芸「中国雑技団」でした。東京都美術館からアメ横方面へ歩き出すと、前方に見事な逆立ちをしている女性を発見。「逆立ちのお手本を見せてもらおう!」とみんなで足を運ぶと、どうやらもうすぐ演技が始まるらしい。それならば最前列で見ましょうかと陣取る。司会の女性が、「本公演ならS席という35,000円の席ですよ。」という特等席を確保。とてもラッキーなタイミングで、大道芸と出会いましたね。
河北省から来たと紹介される雑技団の方が演じたのは、「5枚の皿回し」をしながら軟体ポーズをとっていく演技。「変面」というお面が瞬間的に次々と変わっていく演技。フラフープをたくさん回しながらの軟体ポーズの3種類。(写真画像参照)
約20分間の短い演技でしたが、最前列に陣取っていたため、目の前で「変面」をしてもらったり、握手をしてもらったりと、とても楽しめた大道芸でした。
こうしてたっぷり楽しめた社会科見学となりました。
それにしても、上野公園内はすべての施設が小学生無料です。これはすばらしいことですね。1年後、今の4年生が6年生になる前には、国立博物館見学と西洋美術館見学にチャレンジしてみましょうね。