こういうこともあるんだなぁ・・・。という記事でした。
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2009年1月22日 ロイター オーストリアの作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの未発表だった楽曲の一部が22日、仏西部のナント市で演奏された。同曲の楽譜は数年間にわたり同市立図書館に保管されていた。
2分未満の曲を2つ組み合わせた曲は、バロック合奏団「ストラディバリア」の音楽監督であるダニエル・キュイエ氏が、バイオリンによる演奏で報道陣や友人に披露した。
1ページだけの楽譜は、19世紀末に個人収集家によって同市立図書館に寄贈されたが、複写されたものだとみられていた。しかし、2008年にザルツブルクにあるモーツァルテウム音楽大学のウルリヒ・ライジンガー氏によって直筆のオリジナルであることが判明。同氏は、楽譜が競売にかけられた場合、20万ユーロ(約2310万円)の値が付く可能性があるとしていた。
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ちなみにこの楽曲が発見された際の記事は以下です。
2008年9月19日 AFP 仏西部ナント(Nantes)の市立図書館で保管されていた楽譜が、オーストリアの作曲家モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の直筆による未発表曲の楽譜だと確認された。同図書館が18日、発表した。
この楽譜は19世紀の収集家がナント市に寄贈したもの。その存在は以前から知られていたが、この度、モーツァルトの生まれ故郷ザルツブルク(Salzburg)にあるモーツァルテウム財団(Mozarteum Foundation)専門家が鑑定し、本物だと確定した。
1枚の紙に楽譜が2点書かれており、1点はニ長調のミサ曲、もう1点は楽譜の草稿のようで、判読不能な部分もあるという。
モーツァルトは1756年にザルツブルクに生まれ、1781年にウィーン(Vienna)に移住。彼の作品の大半は、同地で書かれている。
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このように未公開や未発表であった曲が発見されたりするケースもあるのでしょうが、実はモーツァルトの作品には有名な「贋作」が存在します。
「ヴァイオリン協奏曲第7番 ニ長調」という作品で「K. Anh. 294a」というケッヘル番号まで付番されていたそうです。1933年にマリウス・カサドシュという作曲家で音楽出版者が校訂する形で初出版されました。このカサドシュという人物は兄のアンリも作曲家で音楽出版者で著名なヴィオラ奏者でありました。兄はかのサン=サーンスとも親交があり共に「古楽器協会」という団体を設立したりして、バロックや古典の忘れられた楽器や楽曲を発掘しては演奏、出版していた人物です。
当時のカサドシュの言によれば、このヴァイオリン・コンチェルトはモーツァルトが10歳のときに作った曲で、二段譜表に独奏部分とバス部分が書かれており、フランスのルイ15世の娘「アデライード」に献呈した旨が記載されていたそうです。
しかしながらこの曲が発表されたのが20世紀であり、しかも自筆譜から転記して出版したとのカサドシュの言い分に対して、音楽学者たちがその自筆譜の閲覧を願い出ても許可しなかったことなどから真偽に関する論争が起こりました。
結局、1977年と言いますから実に初出版から40年以上も経ってから、カサドシュ本人がこれが自作であることを公表したのでした。
実はこのカサドシュ兄弟は他にもヘンデル、大バッハの息子のヨハン・クリスティアンなどの作品と偽って贋作を多く作曲しています。中には20世紀の大指揮者であるクーセヴィッキやミヨーによって指揮されたり録音されたりした作品まであるそうです。
真意ははかりかねますがおそらくこの兄弟、当時の古楽復刻の第一人者であったのでしょうね。かと言ってそんなにレアな古典作品が次々と発見されるわけでも無いので、自作してウソついて公開しちゃえ!とやってしまったのでしょう。少し前にも自分で土器や石器をあらかじめ埋めておいて、あたかも発掘したかのように見せてた人がいましたよね。
しかし彼らの作品は未だに練習曲などで使われる機会もあるそうで、音楽や過去の巨匠たちに対する態度には真摯なものを感じられませんが、音楽創作力としてはある意味すごい才能ですよねぇ・・・。
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2009年1月22日 ロイター オーストリアの作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの未発表だった楽曲の一部が22日、仏西部のナント市で演奏された。同曲の楽譜は数年間にわたり同市立図書館に保管されていた。
2分未満の曲を2つ組み合わせた曲は、バロック合奏団「ストラディバリア」の音楽監督であるダニエル・キュイエ氏が、バイオリンによる演奏で報道陣や友人に披露した。
1ページだけの楽譜は、19世紀末に個人収集家によって同市立図書館に寄贈されたが、複写されたものだとみられていた。しかし、2008年にザルツブルクにあるモーツァルテウム音楽大学のウルリヒ・ライジンガー氏によって直筆のオリジナルであることが判明。同氏は、楽譜が競売にかけられた場合、20万ユーロ(約2310万円)の値が付く可能性があるとしていた。
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ちなみにこの楽曲が発見された際の記事は以下です。
2008年9月19日 AFP 仏西部ナント(Nantes)の市立図書館で保管されていた楽譜が、オーストリアの作曲家モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の直筆による未発表曲の楽譜だと確認された。同図書館が18日、発表した。
この楽譜は19世紀の収集家がナント市に寄贈したもの。その存在は以前から知られていたが、この度、モーツァルトの生まれ故郷ザルツブルク(Salzburg)にあるモーツァルテウム財団(Mozarteum Foundation)専門家が鑑定し、本物だと確定した。
1枚の紙に楽譜が2点書かれており、1点はニ長調のミサ曲、もう1点は楽譜の草稿のようで、判読不能な部分もあるという。
モーツァルトは1756年にザルツブルクに生まれ、1781年にウィーン(Vienna)に移住。彼の作品の大半は、同地で書かれている。
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このように未公開や未発表であった曲が発見されたりするケースもあるのでしょうが、実はモーツァルトの作品には有名な「贋作」が存在します。
「ヴァイオリン協奏曲第7番 ニ長調」という作品で「K. Anh. 294a」というケッヘル番号まで付番されていたそうです。1933年にマリウス・カサドシュという作曲家で音楽出版者が校訂する形で初出版されました。このカサドシュという人物は兄のアンリも作曲家で音楽出版者で著名なヴィオラ奏者でありました。兄はかのサン=サーンスとも親交があり共に「古楽器協会」という団体を設立したりして、バロックや古典の忘れられた楽器や楽曲を発掘しては演奏、出版していた人物です。
当時のカサドシュの言によれば、このヴァイオリン・コンチェルトはモーツァルトが10歳のときに作った曲で、二段譜表に独奏部分とバス部分が書かれており、フランスのルイ15世の娘「アデライード」に献呈した旨が記載されていたそうです。
しかしながらこの曲が発表されたのが20世紀であり、しかも自筆譜から転記して出版したとのカサドシュの言い分に対して、音楽学者たちがその自筆譜の閲覧を願い出ても許可しなかったことなどから真偽に関する論争が起こりました。
結局、1977年と言いますから実に初出版から40年以上も経ってから、カサドシュ本人がこれが自作であることを公表したのでした。
実はこのカサドシュ兄弟は他にもヘンデル、大バッハの息子のヨハン・クリスティアンなどの作品と偽って贋作を多く作曲しています。中には20世紀の大指揮者であるクーセヴィッキやミヨーによって指揮されたり録音されたりした作品まであるそうです。
真意ははかりかねますがおそらくこの兄弟、当時の古楽復刻の第一人者であったのでしょうね。かと言ってそんなにレアな古典作品が次々と発見されるわけでも無いので、自作してウソついて公開しちゃえ!とやってしまったのでしょう。少し前にも自分で土器や石器をあらかじめ埋めておいて、あたかも発掘したかのように見せてた人がいましたよね。
しかし彼らの作品は未だに練習曲などで使われる機会もあるそうで、音楽や過去の巨匠たちに対する態度には真摯なものを感じられませんが、音楽創作力としてはある意味すごい才能ですよねぇ・・・。