BSE&食と感染症 つぶやきブログ

食品安全委員会などの傍聴&企業・学者・メディア他、の観察と危機管理を考えるブログ by Mariko

特定生物由来品・ヒト胎盤注射を美容目的で推奨:マガジンハウス 小学館 講談社

2005年11月21日 10時33分50秒 | 公衆衛生とBSE,vCJD
>効能・効果:更年期障害,乳汁分泌不全
>効能又は効果:慢性肝疾患における肝機能の改善

の目的で認可されているヒト胎盤(プラセンタ)製剤などの注射が美容目的で使用されていて、多くの女性誌で推奨されているわけですが、さて、注射に患者への感染症などに関する重要説明事項があるってこと、使用者はご存知なんでしょうか?

取り扱い上の注意
本剤は特定生物由来製品に該当したことから,本剤を投与した場合は,厚生労働省令に基づき,医薬品名及びその製造番号,投与(処方)した日,投与患者名,住所等を記録し,少なくとも20年間保存すること。

重要な基本的注意
「患者への説明」:本剤の使用にあたっては,疾病の治療における本剤の必要性とともに,本剤の製造に際しては感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているものの,ヒトの胎盤を原材料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを,患者に対して説明し,その理解を得るよう努めること。
http://mid.cc.kumamoto-u.ac.jp/data.php?record=5299400

重要な基本的注意
本剤は,原料提供者1人1人について既往歴,問診及び血清学的検査等によってウィルス・細菌の感染症等をスクリーニングし,その後HBV-DNA,HCV-RNA及びHIV-1-RNAについて核酸増幅検査(NAT)を行い適合した,国内の満期正常分娩ヒト胎盤を原料として製造されている。
また,本剤の製造工程で行う121℃,20分間の高圧蒸気滅菌処理は,HIVをはじめとする各種ウィルスに対し,不活化効果を有することが確認されている。更に,製品試験においてHBV-DNA,HCV-RNA,HIV-1-RNA,HTLV-I-DNA及びパルボウィルスB19-DNAについて核酸増幅検査(NAT)を行い,適合したものであるが,投与に際しては,次の点に十分注意すること。
現在まで,国内外において本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等の感染症が伝播したとの報告はない。しかしながら,製造工程において感染症を防止するための安全対策が講じられているものの,ヒト胎盤を原料としていることに由来する感染症伝播の危険性を理論的には完全に排除することができない。
本剤の使用にあたっては疾病の治療における本剤の必要性とともに,本剤の製造にあたっては感染症を防止するための安全対策が講じられているが,ヒト胎盤を原料としていることに由来する感染症伝播の危険性を完全に排除することができないことを患者に対して説明し,理解を得るよう努めること。
http://mid.cc.kumamoto-u.ac.jp/data.php?record=2586400
※注:ヒトがヒトを食べて感染するクールー病の潜伏期間:昨年50年目で発症の例が報告されました。

メルスモン製薬は昨年こんな問題がありましたが。

薬事法違反業者に対する行政処分について(概要)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/02/h0216-2.html
3. 違反事実(適用条文) (1) 無承認無許可医薬品の製造・販売 :
ヒト胎盤を小片に切り滅菌しバイアル瓶に小分けしたもの (以下「ヒト胎盤製品」という。)を製造・販売していた。 (法第18条第1項及び第55条第2項違反)


「黒い大人のヒトのブログ」もご参照。。
http://www.908.st/mt/cmstriker/archives/002587.html
http://www.908.st/mt/cmstriker/archives/002598.html
http://www.908.st/mt/cmstriker/archives/002609.html
プラセンタ注射に関する掲示板
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/seikei/1114833596

マガジンハウス、小学館、講談社などが若い女性を対象とする雑誌にて、注射を推奨しているようです。
注射されている方の献血規制がないのは、かわらないようですね。
※献血については昨年の7月頃から厚労省血液対策課と日赤に情報を送ってやりとりしていますが、今も規制はないようです。やりとりの一部は下記
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/43de01537ba9a244b63cb0412d365181


http://www.wakabamc.com/review.html
Domani ドマーニ 10月号 小学館
モデルさんの3ケ月コーディネート日誌のある1日。「本誌ライターやモデルの駆け込み寺となっているクリニックでプラセンタ点滴を受ける」と当院が紹介されています。

GLAMOROUS グラマラス 8月号 講談社
「最強夏肌緊急レスキューブック」でおすすめクリニックとして紹介されています。
(プラセンタ点滴)

BOAO ボアオ 8月号 マガジンハウス
「私流、美容術」のコーナーに当クリニックとプラセンタ療法が紹介されています。

GINZA ギンザ 6月号 マガジンハウス
(株)ビギ広報チーフ 笠井友理さんの行きつけで、プラセンタ療法の高い技術で知られるクリニックとして紹介されています。

BOAO ボアオ 3月 マガジンハウス
美容通が駆け込むゴッドハンドのマッサージ処として、当院のプラセンタ注射が肩こりに効果的と掲載されています。

Hanako 2004年11月24日号 マガジンハウス
自分への「ごほうび」決定版に当クリニックと、プラセンタ療法が紹介されています。

一発逆転!美肌獲得31日間集中プログラム(プラセンタ-にんにくエキススペシャル点滴) Precious 2004.12月号 小学館
http://www.ao-clinic.com/main/magazine.htm
【紙面記事内容】
■一発逆転!美肌獲得31日間集中プログラムという特集のページにクリニックが紹介されました。
「プラセンタ+にんにくエキスのスペシャル点滴」で疲れを一掃。疲れが抜けない、だるいという症状には、体の機能を回復させるプラセンタ点滴が効果的。ここでは、プラセンタににんにくを加えたスペシャルバージョンがあり、全身をマッサージするよりも元気になり、その即効性には驚くほど!顔色が冴え、うるおいとツヤがアップします。

講談社 -美人画報ハイパー
http://butsuyoku.info/asin/4062108992
http://www.google.com/search?q=cache:aHMOS61XPZgJ:butsuyoku.info/asin/4062108992+%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%80%80%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%80%80%E6%B3%A8%E5%B0%84&hl=ja
すっごーーーーい、楽しかったぁ~~~何よりも、お薦め商品の商品名、店名、時には電話番号までも書かれてて、即、実践できるようになっていた。かねてより私が躊躇していたプラセンタ注射や、レーザーケミカル、大腸洗浄等、最新の美容情報は役に立ったよぅ~~~行きつけの医院名まで載っていて、あれこれ調べる手間が省けた。・・・

健康食品大手ファンケルもプラセンタ注射をHPで推奨。
http://www.fancl.co.jp/fh/shopinfo/topics/200505.html
ファンケル スクエアクリニック 
http://www.ginzastreet.com/gstclub1.htm
ファンケルの6階にあるスクエアクリニックで美容治療を行ってるのですが前の日から寝違いで辛い1日を過ごしていた事を先生に相談。今話題のプラセンタ注射が良いと・・・?不安でしたがトライ!!なんと、10分ほどでぽかぽかしてきて首が回るようになり肩こりも楽になりました

■特定生物由来製品の特性について情報提供する際の具体例(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/03/dl/s0319-4c.pdf

・本剤は、主成分(/成分/添加物)としてヒト血液(/ヒト胎盤)由来成分を含有していること
・原料となった血液(/組織)を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化処理などを実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、ヒト血液(/ヒト胎盤)を原料としていることによる感染症伝播の危険性を完全に排除することはできないこと

・他への製剤への代替性がないなど疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること


・製品を使用し発熱、発疹・・・等何らかの異常があらわれた場合には速やかに医師・薬剤師等へ相談すること
・何らかの異常発生は、製品の使用直後に限らず、長期間経過した後にあらわれる可能性もあるので注意すること 等

伝達することに係るリスク/ベネフィットを考慮し、医師・薬剤師等の裁量の下で、 適切な手段(主に書面)で伝達するものとする。

関連:
英国:BSE(狂牛病)被害者は本当に150人だけ?盲腸推計3800人と、二次感染防止通知6000人
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/43de01537ba9a244b63cb0412d365181
公衆衛生とBSE,vCJD
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/c/a0209d89782edb34131184136abc37e0
イギリス:美容整形に狂牛病感染のリスク?
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/02/post.html

さて、下記など、特定生物由来製品の話は別途特集しようと思いますが、情報として取り急ぎ。
■「アルブミン」は、かつて世界の消費量の3分の1を日本が使っていた。

朝日新聞2005年7月17日社説から
>血漿(けっしょう)に含まれるたんぱく質「アルブミン」は、かつて世界の消費量の3分の1を日本が使っていた。本来はやけど治療などに使われるのに、栄養剤としても使われてきたからだ。 使うほど病院などの収入が増えることから、必要以上に消費する傾向も指摘されている。
http://www.google.com/search?hl=ja&q=%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%80%8D%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%8B%E3%81%A4%E3%81%A6%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%B6%88%E8%B2%BB%E9%87%8F%E3%81%AE%EF%BC%93%E5%88%86%E3%81%AE%EF%BC%91%E3%82%92&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
http://www.asahi.com/paper/editorial20050717.html
全文保存されている方のブログ↓
http://bigmasa.jugem.jp/?eid=316

薬害オンブズパースン会議のページから:<アルブミン製剤とヤコブ病>
http://www.yakugai.gr.jp/inve/fileview.php?id=32
注:1999年10月の情報につき、血液とvCJDについての最近の話題はこちらを。。
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/43de01537ba9a244b63cb0412d365181

ヒトプラセンタ(胎盤)も日本ではむちゃくちゃ濫用されている模様ですが、医療機関でのアルブミンの「栄養剤」使用とは・・・知りませんでした。。今現在もそういう感覚の医師は存在するのでしょうか。

====血液製剤は現在も米国から輸入しています。ぜひ下記をご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/43de01537ba9a244b63cb0412d365181

4 コメント

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ボトックスにアルブミンが (匿子)
2005-12-31 23:38:38
皺を消す目的で使われるボトックスにはアルブミンが入ってるんですよね。

米国製がもっとも上等と言うか、中国製は危険だと言われ、まともな美容クリニックでは米国製を使っていますが、米国製には米国人のアルブミンが入っていて、感染症の危険性があります。

プラセンタと同様、こういったことを患者に説明し同意を得ているクリニックはごく少数でしょう。

雑誌でもボトックスは盛んに取り上げられ、簡単で効果のあるプチ整形として気軽に行っている人が多数でしょうが、プラセンタ同様、ボトックスについても取り上げていかなければならないのではと思います。

Unknown (Unknown)
2006-01-02 22:33:10
★動物成分ゼロのES細胞 米が成功、医療応用へ前進



 【ワシントン2日共同】有害な病原体が潜んでいる恐れがあるマウスなどの

動物成分を全く使わずに人間の胚性幹細胞(ES細胞)を新たに培養することに、

ジェームズ・トムソン米ウィスコンシン大教授らのチームが初めて成功し、

1日付の米科学誌ネイチャーバイオテクノロジー(電子版)に発表した。



 従来、培養にはマウスの細胞や牛の血清が必要だったが、人の体内に入った

場合の安全性が不明で、除去が重要な課題だった。今回の成功でES細胞の

再生医療への応用に向け一歩前進したといえる。



 トムソン教授らは1998年、人の体外受精卵からのES細胞の分離に世

界で初めて成功。以来、培養液の改良にも取り組み、動物の成分を徐々に

減らしてきた。



共同新聞 http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20060102/20060102a3690.html



・nature biotechnology http://www.nature.com/nbt/

●Derivation of human embryonic stem cells in defined conditions

論文のAbstract http://www.nature.com/nbt/journal/vaop/ncurrent/abs/nbt1177.html





第一回ITを活用した生活習慣病指導のためのテレメンタリング研修会 (メディカルテクニカ)
2006-01-12 13:53:15


昨年度、試行的に開催し、大変な好評をいただきました。

今年度は、厚生労働省の後援もいただき、より生活習慣病指導に焦点を当てた研

修会といたしました。

テレメンタリングに関心のある皆様、また、システム構築にあたってのコミュニ

ケーションに関心のある方々のご参加をお待ちしております。

主催  日本遠隔医療学会

後援  厚生労働省

日時  平成18年3月11日(土)9:00-17:00

会場  東京国際フォーラム ガラス棟

対象  医療・保健関係者および生活習慣病指導のためのテレメンタリングに関

心をもち、何らかの経験を有するか、これから実践しようとする者。企業関係者

皆様の参加も歓迎致します。

参加費 5,000円

定員  70名(申し込み先着順)

http://square.umin.ac.jp/jtta/telement/telement.htm



時間講義内容講師

9:00-9:45 生活習慣病の基礎 メタボリックシンドロームとは 

木村 穣 関 西医科大学 助教授

9:50-10:35 生活習慣病対策への行政のとりくみ 

矢島 鉄也 厚生労働省健康局 生活習慣病対策室長

10:40-11:25 IT活用の生活習慣病指導に利用される機器

  鎌田弘之 岩手医科大学 講師

11:30-12:15 テレナースによるメンタリング

 亀井智子 聖路加看護大学 助教授

12:15-13:30 昼食

13:30-14:15 テレメンタリング(1) カウンセリング技法

 村瀬澄夫 信州大学 教授

14:20-15:05 テレメンタリング(2) メール、データ等を利用した

ストア・アンド・フォワードコミュニケーション技法

 佐藤恵美 産業精神保健研究所

15:10-16:15 テレメンタリング(3) TV電話等の映像による

リアルタイムコミュニケーション技法 

酒巻哲夫 群馬大学教授

16:20-16:50 知識理解度判定テスト解説および自己採点

16:50-17:00 修了式



遠隔医療学会からのご案内です。

本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

http://square.umin.ac.jp/jtta/

死刑囚の死体で化粧品製造。中国、既に輸出 (Unknown)
2006-04-18 11:14:44
【国際】「驚くことじゃない」 死刑囚の死体で化粧品製造。中国、既に輸出か…英紙伝える

http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1126709106/



中国、死刑囚から移植用臓器を採取

http://www.epochtimes.jp/jp/2005/12/html/d79806.html

また、中国のある化粧品会社は死刑囚の遺体から採取した皮膚を化粧品の原料

として使用し、ヨーロッパに販売しているという。この会社のエージェントの

話によると、死刑が執行された死刑囚の遺体から皮膚を取り、コラーゲン蛋白

を抽出し、リップとスキンケア用品に使用されているという。



 中国の死刑に関する統計は公表されていないが、アムネスティー・インター

ナショナルの調べによると、2004年の中国における死刑執行件数は、少なくと

も3600件。毎年1万件近くの死刑が執行されているとする説もある。