耳を洗う

世俗の汚れたことを聞いた耳を洗い清める。~『史記索隠』

“小人の過(あやま)ちや必ず文(かざ)る”~『論語・子帳第十九』

2007-07-04 11:15:06 | Weblog
 暴言を吐いた久間防衛大臣が辞任した。当然のことである。本来なら、首相が「引導」を渡すべきだが、柳沢大臣の舌禍事件や故松岡大臣の裏金問題同様、宰相としての矜持を保てない安部首相にはそれができなかった。それにしても、久間章生という人物は人間の資質に欠けている。報道によれば、辞任の最大の根拠は「参議院選挙への悪影響」で、「原爆投下容認」発言への真摯な反省ではなかった。

 “子夏曰はく、小人の過(あやま)ちや必ず文(かざ)る”~『論語・子帳第十九』
 (君子は過ちがあれば必ず速やかに改めるけれども、小人は過ちがあるとこれを改めることを憚って、必ずこれを文(かざ)って自ら欺き人をあざむくものである)

 首相をはじめこの内閣には「小人」しかいないと言わざるを得ない。「原爆投下容認」発言がどれほど重いものか『東京新聞』の次の記事を見たら分かろう。

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007070490080417.html

 後任に女性防衛大臣が指名された。これも多分に「参議院選挙」対策めいていて鬱陶しいこと甚だしい。
(この女性についての参考記事:http://www.asyura2.com/07/senkyo37/msg/819.html

 鬱陶しいこの季節に鬱陶しい話ばかりのなかで、こんな唄を想いだし、ひとり静かに唄ってみた。


『わらべ唄』   
      ~これはこの世のことならず 賽の河原のものがたり

一つや二つや三つや四つ
十にも足らはぬ幼(おさな)子が
親の手元(たもと)を離れては
賽の河原に集りて
昼のみ時の間には
大石積んでは塔を築(つ)き
夜のみ時の間には
小石を積んでは塚を築き

一重積んでは父のため
二重積んでは母のため
三重積んでは西を向き
しきみほどなる手を合わせ


 もう一段、“民”のために小石を積んでみようか。