これまで全国の海水浴場(一部、湖沼や河川の水浴場も含む)を、(1)水の汚れを示す「化学的酸素要求量」(COD)、(2)ふん便性大腸菌群数、(3)透明度という3つの基準を基にランキングしてきた。
今回は、2018年度の利用者数を使って、770ヵ所を対象に「全国海水浴場人気ランキング」を作成した。
ダイヤモンド編集部による水質順位(表中の「良」は水がきれいな海水浴場ランキング、「悪」は水が汚い海水浴場ランキングを意味する)と、環境省による水質判定も掲載している。併せて確認していこう。
人気トップ10のうち神奈川県が5ヵ所で最多
人気トップ10のうち、東京都からアクセスしやすい神奈川県の海水浴場が、最多となる5ヵ所もランクインした。
1位は藤沢市にある片瀬西浜・鵠沼で、利用者数は101.4万人(利用者数は各自治体の調査による。きれいな海水浴場ランキングは565位)。観光名所である江の島の近くにあり、首都圏を代表する湘南海岸の有名海水浴場だ。3位の片瀬東浜(藤沢市)とは隣り合っている位置にある。
ちなみに、片瀬東浜の利用者数は55.4万人だった。汚い海水浴場ランキングの順位は、107位である。
神奈川と新潟が強い!
2位の由比ガ浜(鎌倉市)は、62.5万人。夏目漱石の長編小説「こころ」は、この由比ガ浜海水浴場で「私」が「先生」に出会う場面から物語が始まっている。
由比ガ浜では今夏、車いすの利用者も行き来できるように、約20軒の海の家とトイレをつなぐ木材の通路を設置した。波打ち際まで続くマットを敷いているほか、水陸両用の車いすも常備。バリアフリー化に力を入れている。
4位の三浦海岸(三浦市)は45.6万人。今年は6月27日に海開きをし、神奈川県内で最も早かった。昨年までは7位の逗子(逗子市)が10年連続で県内最速だった。
逗子は36.4万人。逗子市は、家族連れで安心して利用できるように2014年に条例を改正。砂浜での飲酒や入れ墨の露出、大音量の音楽を禁止するなど規制を強化し、マナー向上に取り組んでいる。
上位10位に2ヵ所入ったのは和歌山県である。利用者数は5位の白良浜(白浜町)が45.5万人、10位の磯の浦(和歌山市)が29万人だった。きれいな海水浴場ランキングで、それぞれ29位、49位に入っており、水質は全国的にもかなり良好な部類に入る。
利用者数10万人以上の海水浴場が最も多い神奈川と新潟
利用者数が10万人以上の海水浴場は44ヵ所あった。都道府県別に確認すると、該当する海水浴場が最も多かったのは神奈川県と新潟県で、いずれも7ヵ所だった。
新潟県では、柏崎市が19位の石地(利用者数は17.5万人)や33位の鯨波(11.3万人)など、3ヵ所で10万人以上、利用客を集めている。
10万人以上の海水浴場を4ヵ所持っているのは、次の3県である。
8位の静波(牧之原市、31.8万人)や11位の白浜大浜(下田市、28.4万人)を抱える静岡県。関西を代表する海水浴場で、6位の須磨(神戸市、45.3万人)がある兵庫県。最後に、きれいな海ランキング1位で、利用者数でも35位を誇る真栄里ビーチ(石垣市)などがある沖縄県だ。
例年よりも遅い梅雨明けで今年の利用者数は出遅れ気味
海水浴場の利用者数は、その年の天候に大きく左右される。強風や荒波で遊泳禁止や注意の日が多かったり、暑すぎて外出を控える人が増えたりすると当然、客足が鈍ってしまう。
今年は全国的に例年よりも遅い梅雨明けとなり、スタートダッシュに失敗した。これから書き入れ時のお盆に入る。利用者数が持ち直すように、8月中は、ほどほどの暑さで台風があまり来ないことを祈りたい。
(ダイヤモンド編集部 清水理裕)
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あの見ただけで汚くて、異臭が漂う片瀬東浜に55万人も行くのが、信じられません。せめて西浜まで足を運んでもらいたいものです。
とはいえ、湘南で過ごす気分はなかなか。夏が終わって、混雑が過ぎたら、足を運ぶことにします。
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