張栩(ちょう・う)名人(38)への挑戦権を争う第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)が12月6日開幕した。この日は開幕戦1局が打たれ、前名人の井山裕太五冠(29)が、リーグ初参加の新鋭・六浦(むつうら)雄太七段(19)に202手までで白番中押し勝ちした。

 名人返り咲きに向けて好スタートを切った井山五冠は「終盤、明らかにやりすぎの局面があり、運がよかった」。今月は進行中の王座、天元のダブル防衛戦が続く。「厳しい対局が続くが前向きに臨めている」と話した。

 開幕前から井山五冠との初対局を楽しみにしていたという六浦七段は「出せる力は出せたが、負けてしまった。リーグ戦はまだ7局もある。次の対局もしっかり打っていきたい」と話した。

 今期リーグ戦の出場者はシード順に〈1〉井山裕太五冠(29)〈2〉芝野虎丸七段(19)〈3〉山下敬吾九段(40)〈4〉河野臨九段(37)〈5〉羽根直樹九段(42)〈6〉村川大介八段(27)〈7〉鈴木伸二七段(28)〈7〉孫(そん)まこと七段(22)〈7〉六浦雄太七段(19)の9人。持ち時間5時間の対局で総当たり戦を行い、来年8月上旬までに挑戦者を決める。(高宮正尚、大出公二)

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六浦七段は、最強若手のひとり。伸び盛りで、一部には井山五冠に勝つのではという予想もありました。その強者を一蹴した井山五冠、大したものです。

これで、12月10日(月)の兵庫県洲本市における天元戦第4局に弾みがついたのではないでしょうか。ぜひとも、それに勝って天元位を防衛し、13日(木)の山梨県甲府市における王座戦最終局に向ってほしいと願います。

きつい日程ですが、五冠にはここで少し休んで、元気に洲本へ向って欲しいものです。