9月9日(日)にNHKで放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』の『高倉健インタビュースペシャル』を、当英語塾INDECの会員○○君が録画してくれたBlu-ray Discで見させてもらいました(ありがとう!)。大感激です。その中でも感動させられたところを、記録しておきます。
いちばんうれしかったのが、東京国際フォーラムで開かれた完成披露試写会の模様が放送されたこと。ひょっとしたら小生も映るかなと期待したのですが、カメラの方向が違って映ることはありませんでした。うれしいような、寂しいような。
現場では立ち続けるという健さん神話が、神話ではなく事実であることをこの番組は示し、現場にいるときには常にスタッフを見守るためにも立っていて、そのがんばりぶりに気を使うのですから、凄い人です。それにしても、ビートたけしが健さんを「シロナガスクジラ」にたとえたのは絶妙でした。本当にそれだけで絵になる人ですから。
俳優として素顔を見せたくないと思う健さんは、普段の生活もストイックです。ギャンブルは、競馬やマージャンも含めて、一切せず、酒も飲まない。たばこも吸わないし、ただコーヒーだけを愛する健さん。立派なものです。
ナレーターが言うように、「高倉健を演じるという仕事に賭けてきた」のです、あのひとは。
面白いのは、大滝秀治の演技に対して感激したことを語る場面。北野たけしは、健さんのことを仏像の顔をしていると言っていましたが、健さんは大滝の顔が仏像の顔で「神々しい」と評するのです。ふたりとも、神々しいんですよね、間違いなく。
「気持ちは映らないっていうけど、でもやっぱり映るんですよ」という言葉には、ドキッとさせられます。
「どこかそういうのがあるんだよ。それがないやつは、きっとちょっときらっと光らないんだよね。映画俳優で一番大事なことは何って言うと、その感受性のとこだけなのかなあっていう気がしますねえ。そりゃもう、自分の感性、自分の感じられる心を大事にする、それしかないんじゃないのって。それは、やっぱり、いい映画を見たり、非常にストレートですけど、自分が感じられる映画、感じられる監督とか俳優さんを見つけて、そのひとたちのものを追っかける。それから、自国のものばっかり見ないで、外国のものを意識的に見る。それから、やっぱり、自分が感動できる小説を読む。あとは、絵を、美術品を見る。やっぱり、年齢を重ねないと、なかなかそれは」
健さんは、『ディア・ハンター』のすばらしさを指摘しながら、「何か15分のものでもいいから、ああって人が何十回も見るようなものを撮りたいって思うよね」と発言します。ですが、間違いなく、そんな映画をすでに何本も健さんは撮ってます。
きちんと見た堤真一とのやりとりは、何回見ても感動的。スターの堤が、少年のような目をして汗をいっぱいかきながら健さんを「見つめている」のを見ると、胸が熱くなり、涙がこぼれます。
お母さんが「法律」というのにも、頭が下がります。「恥ずかしいことをしなさんな、あんた」という言葉だけで、あの健さんを律することができた、どれだけすばらしいお母さんだったのかと思ってしまいます。
最後に映る、撮影が無事に終了したことを神奈川の神社(鶴岡八幡宮?)にお礼に出かけたくときの健さんのカッコいいこと。ジーンズにボマージャケットを着ているのですが、とても81歳には見えません。見習わないと。
健さん、本当に感動をありがとうございました。これからもがんばってください。微力ながら、応援させていただきます。
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