囲碁の第44期碁聖戦五番勝負第5局が23日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、挑戦者の羽根直樹九段(43)が許家元(きょかげん)碁聖(21)に白番中押し勝ちし、3勝2敗でタイトルを奪取した。羽根の七大タイトル獲得は2011年の碁聖以来8年ぶり。
羽根は中部総本部所属。張栩名人(39)らと「平成四天王」のひとりに数えられ、00年代に名人と並ぶタイトルの棋聖、本因坊を獲得するなど活躍したが、井山裕太・現四冠(30)に碁聖を奪われた12年以降、七大タイトルから遠ざかっていた。終局後、「シリーズを通して出来不出来があったが、最後に力を出し切れてよかった」と話した。
許は昨年、七大タイトルを独占していた井山から碁聖位を奪ったが、連覇はならなかった。(大出公二)
囲碁の第44期碁聖戦五番勝負(新聞囲碁連盟主催)の第5局が23日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、挑戦者の羽根直樹九段(43)が許家元碁聖(21)に150手で白番中押し勝ちして3勝2敗とし、碁聖位を奪取した。羽根は2012年に碁聖位を失って以来の7大タイトル獲得。
羽根が獲得した7大タイトルは、本因坊2期、棋聖2期、天元3期、碁聖2期の計9期。昨年11月に本因坊文裕(30)から奪取した張栩名人(39)に続き、「平成四天王」が7大タイトルを手にし、四天王復活を印象づけた。羽根は「久しぶりにこういう機会に恵まれ、中部総本部にタイトルを持って帰れるのはよかった」と語った。
許は昨年8月、碁聖戦で勝利し初の7大タイトルを獲得したが、防衛を果たせず無冠となった。【丸山進】
囲碁の第44期碁聖戦五番勝負(新聞囲碁連盟主催)の第5局が23日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、挑戦者の羽根直樹九段(43)が150手までで、初防衛を目指した許家元(きょ・かげん)碁聖(21)に白番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で8期ぶりに碁聖を獲得した。タイトル獲得は通算26期になった。
2連勝しながら2連敗で最終局にもつれこんだシリーズを「出来不出来があったが、最後に力を出せた」と振り返った羽根新碁聖は「久しぶりにこういう機会にめぐりあえ、よかった」と語った。
20代の棋士がタイトル戦線をにぎわすなか、40代での七大タイトル獲得は平成28年に井山裕太名人(30)=現四冠=を、40歳だった高尾紳路九段が破って以来のこと。「年齢差は考えなかった。さすがにいま強い許碁聖だな、と感じながら打っていた」と年下のタイトル保持者の印象を口にした。
羽根新碁聖は平成3年にプロ入り。同世代の張栩(ちょう・う)名人(39)、高尾紳路九段(42)、山下敬吾九段(40)とタイトルを争い「平成四天王」と呼ばれた。父は泰正九段(75)で今春、5人きょうだいの三女・彩夏初段(17)がプロ入りしている。
日本棋院によると、3世代での現役棋士は史上初という。妻のしげ子初段(46)は「娘のプロ入りが決まったことで、直樹がより頑張るようになった」と話す。羽根新碁聖は「子供や弟子は、私がタイトル戦で戦っている姿を見たことがないので、今回は頑張りたいなと思った」と父、師匠として威厳を示せたことに満足げだった。
囲碁界では許前碁聖ら若手を中心に、AI(人工知能)搭載ソフトを活用して研究するのが流行している。羽根新碁聖は「まったく使わない…というわけではないが、自分に合わないと感じた着手は参考にしない」と距離を置く。その上で、「“AIが示す手が正解”とばかり、序盤から答えを探すようにAIに頼るのはどうかと思う。囲碁は好きなところに打っていいよ−と子供たちには伝えていきたい」と話した。
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若手の台頭が激しい囲碁界です。その中で甦ってきた羽根直樹碁聖には、さすがとしかいいようがありません。平成四天王が、令和でも活躍しそうな気配です。
こういう先輩を相手に若手がどう立ち向かっていくか。囲碁ファンとしては、この混沌ぶりを大いに楽しんでいるところです。
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