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JRの禁煙戦略

2007年04月05日 10時24分41秒 | 離煙ニュース: 国内編
JRの禁煙戦略についてなかなかよく分析した記事が朝日に掲載されました。記録しておきましょう。

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新型新幹線に喫煙ルーム 「空」対抗策、JR各線割れる (Asahi.com)

2007年04月04日

 東北、上越新幹線から喫煙席が消え、車内でたばこが吸えるのは東海道・山陽新幹線だけとなった。同新幹線に7月デビューする最新型車両には喫煙ルームが完備される。同じ東京駅を発着する新幹線なのに、たばこへの対応が分かれるのはなぜなのか。
  
     ◇

 3月のダイヤ改定で喫煙席がなくなった新幹線は、JR東日本管内を走る東北、上越、秋田、山形の各線。自由、指定各席に1両ずつあった喫煙車は喫煙マークをはがされ、ひじかけ内の灰皿を引き出せないようロックがかけられた。内装の黄ばみやにおいを消すために、念入りなふき掃除とオゾン脱臭を受け、禁煙車として再出発した。

 たばこを締め出した理由について、JR東日本は「密閉された車内空間で受動喫煙を防ぐには、完全禁煙しか方法がないため」と説明する。

 鉄道各社は03年施行の健康増進法で受動喫煙の防止を義務づけられた。JR東日本は分煙を進める一方で、完全禁煙には慎重だった。05年に長野新幹線を完全禁煙化した際の理由は「乗車2時間以内なら愛煙家も我慢できる」。長距離の列車には、喫煙席の空気が禁煙席に流れ込まないようにする気流制御装置や、双方の空気を遮断するエアカーテンを取りつけ、喫煙席を維持してきた。

 しかし、禁煙席が増えるにつれ、限られた喫煙席内にこもる煙は濃くなる一方。「ドアが開閉するたびに煙が流れ出る」「車内を行き来できない」などの苦情が絶えず、車内分煙はあきらめることにしたという。

 完全禁煙化にあわせ、同社は総額約5億円をかけて、主な新幹線駅に排気ダクトを備えた喫煙ルームを設けた。「愛煙家には、車内は禁煙、たばこは喫煙ルームという『分煙』を理解してもらいたい」と話す。

 一方、唯一の「吸える新幹線」となった東海道・山陽新幹線。16両編成のうち、自由、指定、グリーン各席に計4両の喫煙車が用意してある。のぞみの場合、喫煙席の方が予約率が高いといい、JR東海、西日本は「依然として喫煙席のニーズは高く、今のところ見直す考えはない」と語る。

 7月に登場する新型車両「N700」は初めて全席禁煙としたが、デッキの業務用スペースを削って、排煙や脱臭装置を備えた喫煙ルーム6カ所を設けた。愛煙家には喫煙ルーム近くの座席を手配する予定だ。

 JR東日本とは対照的な愛煙家への手厚い配慮の背景にあるのが、航空機との競争だ。

 国土交通省の調査によると、新幹線と航空機はおおむね750キロを境にシェアが逆転する。東京発着便でみると、JR東日本管内は、約670キロを走る秋田、在来線乗り換えが必要な青森とも新幹線が優勢だ。

 これに対し、東海道・山陽区間は岡山でほぼ互角の争いとなり、広島で逆転される。福岡のシェアは1割にも満たないのが実情だ。航空側は格安の「特割運賃」やマイル制度を武器に、じわじわとシェアを上げている。

 JR幹部は「禁煙は世の流れといっても、成人の喫煙率はまだ3割もある。全面禁煙が定着した航空機と対抗するのに、吸えることは一つのサービスになる」。

 客層の違いも要因の一つだ。東北、上越、長野新幹線は観光客や家族連れが目立ち、東海道・山陽新幹線は7割がビジネス客という。出張帰りに一服しながら缶ビールでくつろぐ背広姿も多い。JR東海は「分煙化を徹底して、愛煙家と嫌煙家の双方のニーズにこたえたい」と話している。

 JR東日本は3月18日のダイヤ改定に合わせ、東北、上越、秋田、山形各新幹線と特急を全面禁煙にし、代わりに主要駅のホーム上に密閉式の喫煙ルームを設けた。私鉄の小田急と東武鉄道も、特急ロマンスカーやスペーシアを全面禁煙化。九州新幹線は04年の開業以来、長野新幹線は05年からすでに全面禁煙に踏み切っている。

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経営戦略として見た場合のJR東海の喫煙車ないしは喫煙ルームの設定、分からないではありません。ただし、そういうJR東海の戦略が長期的に見てペイするものなのかどうか・・・。

喫煙ルームでさんざんタバコを吸って、服にタバコの悪臭と粉塵を身につけて一般車両へ来られても、タバコ嫌いな人にとっては耐えられることではありません。そして、それがJR東海への苦情となり、利用客を減らすことになることもあるでしょう。

さらに、ビジネスパーソンの方々にも最近はずいぶんタバコと縁を切る離煙派が増えてきました。喫煙ルームの設定を苦々しく思われる方も多いのではないでしょうか。

JR各社は、戦略の見誤りがないか、いま一度チェックして、公共交通機関の完全禁煙化に積極的役割を果たしてもらいたいものです。

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