タバコが社会に与える金銭的負担が実に膨大なものであることを示した調査が発表されました。記録しておきましょう。
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肺疾患「COPD」の負担は年2000億円 民間推計
産経新聞 2014.6.21 09:52
喫煙や老化などが原因で肺に炎症が起き、せきや呼吸困難といった症状が徐々に進行する「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)」による社会全体の経済的負担は少なくとも年間2千億円に上るとの推計を民間シンクタンク「日本医療政策機構」(東京都千代田区)が発表した。
インターネットを通じた患者らの調査に基づき、医療費負担と就労者の生産性損失などについて推計した。調査は25年7月実施。COPD患者233人と健常者1039人の計1272人を分析対象にした。
医療費は、患者の自己負担額と負担割合を基に1人当たり月約6万円、年間約72万円と推計。労働損失時間は、患者が約4・1時間長いとの結果のため、平均時給などを掛け、1人当たり年間約47万円の生産性損失と算出し、合計で1人当たりの損失は年119万円に上った。これに患者調査の22万人とネット調査での就業率(48%)を考え合わせると、医療費1584億円、就労者の生産性損失496億円で、計2080億円の負担となった。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)による社会の負担額が年2,000億円
財経新聞 2014年07月10日 12:34
慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気をご存じだろうか。有害なガスや、微粒子を吸入することによって肺に炎症が生じ、せきや息切れなどの症状が慢性的に続く状態のことを言う。
有害なガス、微粒子と言えば様々だが、一般的にあてはまるのは、そう、喫煙習慣によるたばこの害だ。重度になると、酸素供給のために鼻にチューブを通し、どこに行くにも常に酸素ボンベを持ち歩かなくてはならなくなる。進行性の病気であるため、徐々に肺の機能が失われ、最悪の場合には呼吸不全に陥るという。たばこ喫煙者の約2割が、COPDにかかるともいわれ、ヘビースモーカーの方はご注意されたい。
COPDの患者で有名なのは、やはりヘビースモーカーだったとされるイギリス王のジョージ5世だが、近年、その患者数は増加傾向にあるらしい。世界保健機関(WHO)によると、2005年の慢性閉塞性肺疾患による死亡者は世界中で300万人にのぼり、また、患者数だけで見た場合には09年でおよそ2億人もいると推計された。WHOは、30年にはCOPDが世界の死亡原因の第3位になると予測している。
厚生省の調べによると、日本国内での患者数は08年で22万人を越えたそうだ。12年の死亡者数は16,402人で、死亡原因の第9位に当たるという。日本医療政策機構は、COPDが、労働者の生産性を低下させることを予測し、13年にインターネット調査を実施した。その調査から算出されたのは、COPDが社会に対して与える経済的負担額である。同機構は、COPD患者の労働に当てられる時間の損失を割り出し、生産性損失額を推計。その額は496億円にのぼることが分かった。また、病気の治療などにかかる医療費の支出を1,584億円とし、合計で2,080億円が社会全体の負担となると発表した。実際に治療を受けるまでに至っていない潜在的な患者数を上乗せした場合、さらなる費用の増大が見込まれている。
人口における高齢者の割合が増加するにつれて、COPDの患者数はますます上昇すると懸念されている。しかし現状でさえ、専門職による医療介入が不足している状態であり、日本医療政策機構は、適切な治療や体制を整備することを急務と捉え、COPD専門の医療従事者の育成を訴えている。もしもあなたが喫煙者なら、あなた自身の健康の為、そして社会の為に禁煙をしてはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)
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日本医療政策機構の調査結果は、次のサイトで読めます。
http://www.hgpi.org/report_events.html?article=291
貧乏英語塾長は、実母を長年の喫煙習慣が原因とみられるCOPDで亡くしています。晩年の数年間はボンベにすがりながら、何とか生きていました。その母の哀れな姿を見たことで、亡くなった年の大晦日に、25年以上も1日平均60本吸っていたタバコと縁を切りました。10年前のことです。
タバコを吸う人が全員COPDになるわけでもないし、がんに罹るわけでもありません。ですが、そうなったらいかに惨めかを目の前で見せられたら、喫煙をする気にならなくなるものです。
ゆえに、こういう恐ろしい情報が行き渡っている現在でもまだタバコと縁を切れない人には首を傾げてしまいます。病気になってから、タバコをやめておけばよかったと後悔しても遅いのですから。
ともあれ、これだけの社会損失を日本政府は見逃すべきではありません。欧米並みの禁煙政策を早急に採るべきです。さもないと、この2000億円が1兆円規模に膨らみかねません。ただでさえ医療費が国家財政を苦しめている現代、禁煙政策は急務です。
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