自民党は22日の厚生労働部会で、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案を了承した。焦点の既存の小規模飲食店について「個人経営か資本金5000万円以下」で「客席面積100平方メートル以下」の場合、「喫煙」「分煙」などの標識を掲示すれば喫煙を認めるとした。規制内容は当初案よりも大幅に後退した。

 厚労省が昨年3月に公表した当初案は、喫煙専用室がなくても喫煙を認める飲食店を「30平方メートル以下」と規定していた。これに対し今回の見直し案は、多くの人が利用する飲食店や事務所などは原則屋内禁煙とする一方、小規模飲食店の客室面積を「100平方メートル以下」などとした上で標識の掲示を条件に対象を拡大した。

 小中高や病院などは原則敷地内禁煙とするが、屋外に喫煙場所を設置することは認めた。政府は改正案を今国会に提出し、東京五輪前の平成32年4月1日から全面実施に移す方針だ。

 22日の自民党部会では「たばこには耕作者や販売店、飲食店などがあり、大きな産業分野だ。収入源がたばこしかない人も弱者だ」「一歩でも前進させるべきだ」などの賛成意見が多数を占めた。「がん患者や妊婦が受動喫煙の被害を受けることをどう考えているのか」「これはスモークハラスメントだ」との反対意見も出た。

 賛成者には規制推進派も含まれ、党受動喫煙防止議員連盟の山東昭子会長は「命を守る観点から容認できないが、様子を見る。いやいや容認する」と表明。超党派の「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議連」の尾辻秀久会長は「ベストではないのは承知の上でベターなものを進めていこう」と呼びかけた。

 規制推進派の塩崎恭久前厚労相は自ら用意した資料の配布が認められず、三原じゅん子参院議員は「政治家は国民の命を守ることに真正面から向き合うべきだ」と訴えたが、推進派の足並みの乱れもあって慎重派を翻意できなかった

 公明党も22日、厚労部会を開いたが、異論が相次ぎ、了承は先送りされた。

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国際水準からかけ離れた禁煙政策に、開いた口がふさがりません。

小池東京都知事が国際水準である飲食店の全面禁煙をできるとはおもえず、煙でおもてなしの東京五輪がほぼ決定です。

IOCとWHOとの公約も忘れたこの政策、世界から笑われること必定でしょう。安倍首相のリーダーシップのなさと自民党のタバコ権益漬けを、一国民として恥ずかしくてなりません。